アトロポス「今から君の字(あざな)は、暗黒の破壊者“仮面ライダードレッド”だよ」
概要
『仮面ライダーガッチャード』に登場する仮面ライダー。第12話より登場。
冥黒の三姉妹の手で作られたドレッドライバーとレプリケミーカードを使用して変身する。
基本的に錬金術師であれば誰でもドレッドへの変身は可能であるが、変身には多大な負担がかかるため上位の錬金術師でなければ体がもたない。冥黒の三姉妹はこの欠点を補うために、ベルトを三人で使い回していた。
なお、最低でも2枚のカードがなければ変身できないガッチャードに対して、ヴァルバラド同様にカード1枚でも変身できるが、一応人間とケミーの多重錬成には変わりないので『ガッチャード』世界の「仮面ライダー」として判定される。
仮面ライダー特有の能力である「錬金素材の混合ベクトルによる完全融和再構築」により、2体以上のケミーの力を借りる場合はわざわざ後から追加要素を付け足さねばならないヴァルバラドやミクスタスとは違って追加でカードを使えばその姿のままでも能力を使用できる。
わざわざフォームチェンジしなくてもこのような能力を適宜組み替えられるのはドレッドライバーの「レプリケミーカードから必要能力のみを強制的に分離・吸収する」能力による物と思われる。
なお、変身時に特定のケミーの力を肉体に追加錬成することで零式をベースにドレッド本体を強化させることも可能。ガッチャードやマジェードなどのガッチャンコケミーとは異なり、レベルナンバーの相性をほぼ無視したフォームチェンジにもなっているのも特徴である。
しかしながら、変身に使用するレプリケミーがガッチャード、マジェード、ライダーヴァルバラドそれぞれの片割れであることや、レベルナンバーが9→3→6と3の倍数で統一され悪魔の数字たる666を連想させる並びになっていることを鑑みると、悪意の結晶と称されるに足るこのシステムの悪辣さ、そしてそこに何らかの意図でもあるのではと含みが垣間見れる。
変身者
変身者 | 作品 | 備考 |
---|---|---|
鶴原錆丸 | 『仮面ライダーガッチャード』第12、13話 | 零式のみ。 |
ラケシス | 『仮面ライダーガッチャード』第14話 | 零式のみ。 |
クロトー | 『仮面ライダーガッチャード』第14、15、30、32、49、50話 | 零式、弐式、参式に変身した。 |
ミナト | 『仮面ライダーガッチャード』第17、19、21、24、25話 | 零式、壱式に変身した。 |
アトロポス | 『仮面ライダーガッチャード』第26話 | 壱式のみ。変身後は身長が伸びる。 |
グリオン | 『仮面ライダーガッチャード』第27話 | 弐式、参式に変身した。 |
錬金連合幹部 | 『仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ』 | 終式のみ。 |
劇中での動向
第12話終盤、冥黒の三姉妹の実験の末に誕生する。
強制的に変身させられた者は「実験体」と呼ばれ、アトロポスによって身体の自由を奪われ、意識はあるが言葉を発することすらできない操り人形として活動することを強いられる。
第13話において、仮面ライダースーパーガッチャード・クロスユーフォーエックスの能力によって錆丸を分離されたものの、なんと変身者が分離された後もわずかに動いており、その後の必殺技「ユーフォーエックスシャイニングフィーバー」を受けることで撃破されたが、残されたドレッドライバーは冥黒の三姉妹に回収された。
また、第15話において、スーパーガッチャードクロスエックスレックスが、ユーフォーエックスのケミーカードで発動したエクスガッチャリバーの必殺技「エクストラッシュ」で、その時の変身者であったクロトーを分離させた際にも、同様の現象が起こった。この時も直後に必殺技を受けて撃破され、ドレッドライバーは冥黒の三姉妹が回収している。
ラケシスは髪を自分で揺らした後にレバー展開、クロトーは他と比べるとカードをより勢い良くスキャンさせた後に左手を抑えつけて拳を握りながらレバー展開させるポーズを取る。
ミナトやグリオンが変身する際はポーズを取らないシンプルな手順。
アトロポスは左目を隠した後、レバー展開を行う。
ガッチャードの名付け親はりんねの父親と宝太郎自身である(「仮面ライダー」の字を与えたのがりんねの父親で、「ガッチャード」は宝太郎自身が名付けた)のに対して、ドレッドの名付け親は三姉妹の長女である。
グリオンが一旦倒されてからの所有権は一貫してクロトーにあり、第32話以降は全フォームが登場していなかったが、第43話からは、ドレッドの完全自立型である量産型ライダー「ドレットルーパー」が登場し、オリジナルのドレッドは登場しなくなった。
第49話で久々に弐式が登場、最終話では参式が登場している。
放送最終月となる2024年8月のジャンクションでは敵ライダーながらもライダー集合にしれっと混ざって登場している(味方になったことは一度もなかった)。
第17話からのOPではマルガムに代わってガッチャード以外のライダー2人と戦っている(初期映像ではファイヤーガッチャードデイブレイクとも交戦している)。
フォーム一覧
ドレッドの基本フォーム。
スチームライナーの力を複製したレプリケミーカード「レプリスチームライナー」を読み込ませることで変身した姿。
ただし、モチーフの要素が強い他のフォームとは違って機関車の要素は見受けられない。
ドレッドの強化フォーム。
ユニコンの力を複製したレプリケミーカード「レプリユニコン」をレプリスチームライナーと一緒に読み込ませることで変身した姿。
ドレッドの強化フォーム。
ダイオーニの力を複製したレプリケミーカード「レプリダイオーニ」をレプリスチームライナーと一緒に読み込ませることで変身した姿。
ドレッドの最強フォーム。
レプリユニコンとレプリダイオーニをレプリスチームライナーと一緒に読み込ませることで変身した姿。
グリオンの人格を複製したAIによって自律稼働する量産型ドレッド。ドレッドの各形態へ変化する事が可能。
第43話ではお披露目として零式、劇場版『ザ・フューチャー・デイブレイク』の魔王グリオンが暗躍している20年後の未来では、指揮個体として壱式、弐式、参式が錬成されている。劇場版では、さらに軍式と呼ばれる量産型タイプが大量錬成されて軍を為している。
ファイナルステージに登場したドレッドの究極フォーム。
使用アイテム
冥黒の三姉妹が錬金術で製造した謎のベルト。ドライバー自体は第10話で登場していた。
ケミーの成分と人間の悪意を凝縮したマルガムの欠片と、レベル10のケミーが持つエネルギーを混ぜ合わせることで完成した。
ライドケミーカードの模造品。変身や武装の際に使用。ドライバーにスキャンすることで能力を解放する。
本物のライドケミーカードと同様にケミーの力を引き出すことが可能。
レプリケミーは力を消費されるだけの使い捨ての存在として扱われており、劇中で度々唱えられていた「ケミーは道具」というスタンスを最悪の形で体現している。
- ブラッディーAB
レプリケミーカード「レプリアッパレブシドー」から錬成した刀剣。ガッチャートルネードと同等以上の性能を発揮し、アッパレスケボーと互角の戦いを繰り広げた。
ドレッドの変身者が変わることが多いため、使用は少ない。
- ブラッディーBB
レプリケミーカード「レプリバレットバーン」から錬成した二丁拳銃。
ガッチャードのバレットチョウチョワイルドとは異なり銃撃の力のみを引き出している分、ワイルドモードになる必要がないので、劇中ではドレッド本人が使用している。ゲンゲンチョウチョの力がないため弾丸に幻覚作用などの特殊効果は特になく、純粋な破壊攻撃に重きを置いている。
変身者が変わることが多いため、使用は少ない。
- ブラッディーUC
レプリケミーカード「レプリユニコン」から錬成したレイピア。壱式、参式の形態で使用する。
- ブラッディーDO
レプリケミーカード「レプリダイオーニ」から錬成した金棒。弐式、参式の形態で使用する。
演じた人物
俳優 | 作品 | 備考 |
---|---|---|
富園力也 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
坂巻有紗 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
宮原華音 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
熊木陸斗 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
沖田絃乃 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
鎌苅健太 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
松本寛也 | 『仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ』 | |
スーツアクター | 作品 | 備考 |
縄田雄哉 | 『仮面ライダーガッチャード』 | |
榮男樹 | 『仮面ライダーガッチャード』 | 第49話のみ。 |
余談
- 名前の由来は、英語で恐怖を意味する「ドレッド(dread)」から。また、英語には恐怖に関する類語が細かく存在しており、その中でもドレッドは強烈な恐怖を意味する単語である。
- モチーフは恐らく「大いなる業」。黒(ニグレド/零式)→白(アルベド/壱式)→赤(ルベド/弐式)と色の変化が賢者の石と同じになっている。
- 非金属を金属へ変換することを指す言葉としても知られており、グリオンと合わせてつまりそういうことだろう。
- 第12話放送前までは変身者が判明しておらず、視聴者の間では誰が変身するのか話題になっていた。
- 第11話や第12話のスチール写真から有力候補として九堂りんね、錆丸の2人が挙がっていたが結果は後者となった。
- スーツアクターは登場回と同日に配信された仮面ライダーレジェンドのスーツアクターを務める縄田雄哉氏。変身者が女性になる場合はスーツアクターも女性か女形に変える中、ドレッドの場合は現状全て縄田氏が演じており、その表現の幅の広さを公式サイトでも称賛されている(出典出典)。
- 仮面ライダーはよく「悲しき涙を仮面で隠す戦士」と表現されることが多いがドレッドの場合は「悲しき涙を仮面で隠された戦士」と表現するのが的確だろう。
- 第27話にてグリオンが6人目の変身者となったことで、令和ライダーとしての変身者の人数が更新された(それまでは5人が変身した仮面ライダーファルシオンが最多だった)。
- ラケシスの変身ポーズは坂巻もアイデアを持ってきていたが縄田が考案した髪の毛を揺らすものが使われており、クロトーのものは当初宮原の考えたポーズが指ポキと『仮面ライダーギーツ』の仮面ライダータイクーン・ブジンソードに似ていたことから、拳を握るポーズに変更している。ミナトは本心で変身していないことから、ポーズをとるのではなく「変身」とシンプルに言うだけのものとなった。
- 変身者は皆全て黒鋼スパナと交戦しており、更にヴァルバラドの方がガッチャードより戦う回数も多く、ついでにクロトー以外の変身者は初変身時の戦闘相手がスパナである。
- 物語のインフレに対して、ケミーを更に増やして変身するため、序盤~中盤の強敵(及び越えるべき壁)や中ボス、終盤でも主人公との共闘から量産型としても登場し、本編に於けるダークライダーとしての需要を一手に担っている。
- スーツは一着のみで、零式をベースに壱式、弐式、参式は顔のパーツや腕を付け替えることで対応している。そのため、『ザ・フューチャー・デイブレイク』にドレットルーパーとして登場した際もカット割りや合成で対処している。
- 後に、スーツは仮面ライダードレッド終式にリペイントされた。
関連タグ
ドレッドライバー レプリケミーカード レプリケミー ドレットルーパー
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