「「あとは私たちが力を合わせて ストマック家を盛り立てるだけ」」
概要
『仮面ライダーガヴ』に登場する、本作の敵組織枠にあたる一家。
グラニュート界の大手製菓会社であるストマック社を率いる上流階級の一族。
蝙蝠を模したキャンディーの様なシンボルマーク(若しくは家紋)を持ち、不気味な洋館を本拠地としている。
人間の幸福から製造した嗜好品・闇菓子を売り捌いており、闇菓子製造のバイトとして雇っているグラニュート達が捕えた人間を原材料としている。また、闇菓子はグラニュート界でも違法な代物である事実からも、闇菓子専門の違法組織ではない模様。眷属であるエージェントが普段は一般のグラニュートに対しては、闇菓子ではない普通の製菓を販売している姿から、表向きの事業の一環として通常の製菓製造業も営んでいるようである。
元々が違法な稼業なのもあり、情報漏洩を防ぐ意図からグラニュート界であろうと、機密エリア内では人間への擬態がルールとされているが、防護服や仕事着のような重苦しいものを着ている状態に近いためなのか、ニエルブはルールを無視し密かに本来の姿で活動している。バイトのグラニュートとの差異として、人間態でも本来の姿と同じ瞳の色をしているのが特徴。
尚、メンバーはそれぞれ専用の短い杖を所持しており、変形させると人間態・怪人態問わず扱える短剣や大鎌などの専用武器となる。
先代当主・ブーシュの死去に伴い、現在は実子である兄弟5人で経営・生産の中枢を担い、現当主が掲げる『ストマック家によるグラニュート界掌握』に注力している。
尚、後述される大叔父・デンテのように、グラニュート界から一切の距離を置く人物も居る様子から、血族全員が闇菓子による利潤追求に執着している訳ではない模様。
家族として
長男と長女は上記の大願成就に邁進している一方で、日々互いに皮肉や腹の探り合いを行うのを皮切りに次男は家業に従事しつつも自身の知的欲求を優先、次女と三男に至っては〈赤ガヴ〉の邪魔者が登場するまでは何処か遊び半分に(後述の実状を鑑みるに、家族の繋がりを求めてか)家業に従事する等々、皆が現当主が掲げる大願成就に粉骨砕身している訳ではない実態を垣間見せている。
その上「父親が連れて来た人間の女と〈赤ガヴ〉に対する悪感情による連帯感」を除くと、上記の通り事業に対する意欲に個人差があるのも重なり、時には年長の兄姉が年少の弟妹に容赦なくパワハラ染みた詰問や、一切の弁明も許さずに解雇を行うor政略の道具として見限る、年少側も自己の保身や愉悦のために報連相を怠る等々、既に家族関係そのものが破綻している節さえも散見される。現にショウマが幼少の頃は本流の兄妹全員でシータとジープの誕生日を祝っていたが、それはランゴ達からすれば「家族だから付き合ってやっただけ」とする上辺だけの付き合いに過ぎず、プレゼントを渡し終えるや否や3人とも仕事を理由に即座に退席し、ブーシュもショウマへの執心から双子を顧みない等々、この時点で家族の絆など存在していなかった様だ(この辺りは監禁されながらも、良好な親子関係を築いていたみちるとショウマ母子と見事に対照的である)。
だが、シータとジープは確かな情愛を互いに抱いている他、第15話でシータの訃報を聞かされた際、グロッタだけは妹の死に僅かながら驚愕・動揺していた様子から、全く家族を意識していないというわけでもないだろう(とはいえ、ランゴは少し驚いた様子を見せたものの事実上の死体蹴りに終始、ニエルブに至っては双子達を助けられる状態でありながら、私事を優先し見捨てる選択をした。また、グロッタもショウマが「楽しめる相手」と判断するや『亡き妹の敵討ち』を止めて撤退する姿を見せる等々、全体として希薄なのは間違いないだろう)。
真の姿
当然ながら彼ら自身もグラニュート族であるため、本来の素顔は口部分がステンドグラスのような皮膜に覆われたゴシック調の生物を模した亜人のような姿。また、デンテが全身の怪人態を持つ様子からも彼らも服下は怪人の姿となっている可能性もあるが、グロッタ及びシータ&ジープは頭部のみがグラニュート本来の素顔で、手足など生身の部分は人間の姿のままである。
他のグラニュート同様に生体器官〈ガヴ〉も存在するが、基本的に〈ガヴ〉を露出させるのは全身の怪人態のみで、その代わりにアンティーク調のベルト〈ミミックデバイザー〉を経由して人間態への擬態や眷属の生成を行なっている。一般グラニュートとは異なり腹部を露出させずに服の上からミミックデバイザーのみを出現させる事も可能な他、バックル部分のみを取り外した状態でもそちらにキーを挿し込むだけで人間への擬態も可能。
装着する場合は過去作品の変身ベルトと同様に、バックル部分が出現した後両横からベルト帯が伸びるタイプの描写がされている。
また、ショウマのゴチゾウ同様、彼らもまた眷属たるエージェントを生み出す能力を持ち、個別に連絡役や刺客として使役している。反面、バイトなどの生体実験を受けたグラニュートとは異なり、人間をヒトプレスにする能力は持ち合わせていないのか、ショウマの回想では兄弟全員が怪人態になっているにも関わらず、配下と思われる別のグラニュートがヒトプレス化を行っている(そもそも、ヒトプレスはグラニュートが生来持っている能力や技術ではないようで、約20年もバイトを続ける古参グラニュートが「『質重視』になって、バイトがやり辛くなった」と愚痴っていた事実から、家長がランゴへと代替わりした前後に誕生・発展した技術と考えられる)。
戦闘形態
本来の素顔とは別に存在する、ストマック家のメンバーが外敵を討ち滅ぼすための独自形態。こちらが往来の怪人態に該当する(東映の公式サイトなどでは「バトルモード」とも呼ばれている)。
衣服を全て脱ぎ捨てているのか、或いは衣服を専用の戦装束に変化させているのか不明だが、確実に葬り去るための戦闘に特化しているため、頭部も含めた全身が鎧や装飾に覆われたような洗練された姿となっている。
杖を変化させた武装を以て対象を殲滅するが、バイトのグラニュートとは全く比較にもならない異次元の戦闘力を誇る。
劇中での様子から恐らくストマック家は人間態(=擬態)・本来の素顔・怪人態(=戦闘形態)と3種の姿を使い分けていると思われる。
ランゴたちはあくまでも闇菓子を利用したグラニュート界の支配が目的であるため、余程の理由がない限りは戦闘形態で暴れはしない。
この形態になる際は瞳が変色し、それぞれのパーソナルカラーに染まった光や炎のようなエネルギーを纏ってから、戦闘形態へと移行する。
瞳の色が一瞬変わるのは人間とのハーフであるショウマも例外ではない。
メンバー
本流
- ランゴ・ストマック(演:塚本高史):ストマック社の現社長にして、一家の長男。『グラニュート界掌握』の大願成就のためならば、実の家族にすら容赦しない冷徹なリーダー。後にシータやジープが正式に解雇となり、社長と仕入れ担当を兼務する。
- グロッタ・ストマック(演:千歳まち):長女。ストマック社の菓子製造を担当する。腕っ節の強い武闘派で、図らずもショウマが自分達の末弟である事実を絆斗達にバラしてしまう。
- ニエルブ・ストマック(演:滝澤諒):次男。ストマック社の技術開発担当。デンテの後継としてヒトプレスなどの技術発展を担う。頻繁に人間界に出入りし、酸賀研造とも接触する等独自の暗躍を行っている。
- シータ・ストマック(演:川﨑帆々花):次女。ストマック社の仕入れ統括を担っていた。ジープとは双子で、男装しているのが特徴。後に報連相の欠如をランゴから問い詰められた末に、ジープと共にストマック社を解雇され、第14話にてガヴにより撃破された。
関係者並び傍流
- デンテ・ストマック(CV:多田野曜平):後述のゾンブの弟で、現経営陣の大叔父。ストマック社でも指折りの技術者であったが、ブーシュやショウマの援助を行っている内に、人間界に魅せられてしまい立場を捨てて移住、自由人として隠居生活を送っている。尚、第23話によると〈闇菓子〉の原型となるお菓子を個人で作り上げた。
- ショウマ・ストマック(演:知念英和):四男(異母弟)。人間とのハーフ故に兄達からは見下され「〈赤ガヴ〉」と呼ばれている。
鬼籍
- ブーシュ・ストマック(CV:竹内良太):現経営陣の父。闇菓子の素材にする目的で人間界から拉致したみちるを見初め、彼女との間に息子のショウマを設けた経緯から、本流の息子達からも異端視されていた。思惑があったものの2人をグラニュート界で保護・軟禁し、冷たい仕打ちをし続けた独善的な人物。
生死不明
- ブーシュの本妻:ランゴ達が生まれた以上は存在しているが、現状では言及されていない。ただし、双子の誕生日に姿を現していないのを察するに……。
- ゾンブ・ストマック(CV:島田敏):現経営陣の祖父で、ブーシュの父、デンテの兄。未知なる素材の発見者であると同時に、それを用いてデンテに作らせたお菓子を現在の〈闇菓子〉として完成させた元凶。彼の消息については言及されていないが、ブーシュが当主に就任していることから既に鬼籍と思われる。
- ゾンブの妻:上記2人と同様に言及されていない。
余談
- 家名の由来は英語で「胃袋」 を意味する「Stomach」と思われる。また腹痛や「不味い」ともかかっている説もある。
- グラニュートの文字を解読した所、英語表記で「STOMACH」と「STOMACH FAMILY」と読み取れる記述があった。
- 現経営陣の名前の由来は別々の言語で「舌」を意味し、彼等より先代の名前も「口」を意味する単語で統一されている。
- 「ランゴ」はエスペラント語の「Lango」。
- 「グロッタ」はギリシャ語の「Γλῶττα」。
- 「ニエルブ」はハンガリー語の「Nyelv」。
- 「シータ」は日本語の「舌」。
- 「ジープ」はヒンディー語の「जीभ」。
- 怪人態のデザインは、デンテを除いて篠原保氏が担当。人間界に潜伏している裏バイトのグラニュートとは姿も雰囲気も異なるが、公式によると「意味がある」と答えている通り、グラニュート界では衣服を着用したこちらの方がポピュラー(バイトやデンテのように全裸で活動する方がむしろ例外)である。
- そのため怪人態を披露する回数は少なく、本来の姿では手袋の装着やポケットに手を隠したり、鏡やガラスに映る演出などあまり手の部分に意識を向けさせない演出がされている。
- 怪人の姿は仮面ライダーWebより「北欧神話をモチーフにしている」と明言された。元ネタにされた神話級の怪物に対し、一般グラニュートは普通の動物がモチーフというのも格の差を表しているのかもしれない。
- ストマック家の本拠地のロケ場所は千葉美術館である。
関連タグ
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