酸賀研造
すがけんぞう
『仮面ライダーガヴ』第3話から登場する、自称「グラニュート研究家」。
眼鏡を掛けた若々しい容姿の男性で、研究者らしからぬ洒落た紳士服(研究室内で着用しているのも、白衣に見えて背部にベルト・ピークドラベルを備えた真っ白なロングコートである)が特徴。
記者としてグラニュートの正体を突き止めようとする辛木田絆斗と面識を持ち、自らの持つグラニュートの情報を伝える。更に師匠をグラニュートに殺され復讐に生きる決意をした絆斗を生体改造、仮面ライダーヴァレンへと仕立て上げた。
若々しく飄々とした言動が特徴で、グラニュートを追う人間には知っていることを丁寧に説明するなどオープンな性格である。
一方で周囲の都合・心情よりは自分の好奇心を優先するタイプで、面識の浅い人間を未知の生体実験に飄々と巻き込むなど、マッドサイエンティスト気質の持ち主。
寂れた平屋をラボにしており、室内には目玉のようなオブジェや動物のホルマリン漬けなど様々なものが壁に飾られており、やや不気味な雰囲気を醸し出している。なお研究室については乱雑であることに加えて「どこに座っても汚い」と発言していることから、服装とは違ってあまり清潔感にはこだわりがなく、研究に没頭しがちな面がある模様。
詳細な目的や動機は現在のところ「興味のあることを研究する」好奇心以外は不明だが、人間界に隠れ住むグラニュートの存在、人間の幸福を原材料とした闇菓子製造という目的といった核心に近い部分まで把握していることに加え、グラニュートの体液を生成する生体器官を所持しており、デンテ・ストマックを起源とする「人間とグラニュート両方の特性を宿す理論」まで把握しているなど、常人はおろか一般のグラニュートですら到達できない域まで彼らに迫っている。なおフィールドワーク以外はラボで研究・寝泊まりしている場面がほとんどで、どのように生計や研究費を捻出しているかさえ不明。
絆斗にはグラニュート研究家になる以前はUMAなどを研究していたと語っているが、僅かなゴチゾウのサンプルのみで力を引き出す術を模倣するエンジニア技術、そのための医学知識(研究室には、検死台や医療器具・機器が常備されている)ており、簡単な外科手術や細胞分裂といった生物実験ができるなど、自称する経緯からは図れない多方面に渡る知識・技術まで習得している謎多き怪人物である。
さらに、「置き配」としてガヴやヴァレンの戦闘シーンを録画したメモリスティック(外観がなぜかおどろおどろしい)を供給されたり、ガヴのスペックを断続的に把握したりと、絆斗以外にもグラニュートに精通した協力・内通者が存在することが示唆されていたが、後に内通者がニエルブであることが明かされた。
ニエルブがグラニュートであることも当然認知しているが、彼に対しては「危険な生き物」というより「研究者仲間」という認識で気安い関係を築いて頻繁に情報交換を行っており、ヴァレンシステムのみならずゴチゾウの新造まで成し遂げる、ニエルブに劣らない次々と成果を出している。
これらの事実から絆斗をヴァレンに仕立て上げるため、酸賀とニエルブが共謀して塩谷の死を画策した可能性が浮上している。
その塩谷からは「そいつ怪しくねえか?」などと忠告を受けていた絆斗だが、その塩谷の退場と復讐への決意、そして絆斗とショウマの関係に亀裂が入ってしまったことによって、ストッパーもいなくなったまま深入りすることになる。
なお、絆斗に対しては第4話では「辛木田くん」と苗字で呼んでいたが、第6話以降は「絆斗くん」と名前で呼んでいる。
グラニュート・ボンと仮面ライダーガヴの戦いを陰から見守っていたゴチゾウの内、チョコドンゴチゾウとチョコダンゴチゾウを背後から忍び寄り捕獲。ガヴを呼び止めていた絆斗に割り込む形で上記の質問攻めをするが、言い争いをするうちにガヴを取り逃がしてしまった。
第4話では自身の研究室を訪れた絆斗を快く招き入れ、何も知らない彼に持ち得るグラニュートの情報を一から明かしていくが、彼の母親が圧縮されずに攫われた事を知り、興味を示す。苦い過去を振り返り、険しい顔で固まる絆斗に捕獲したゴチゾウ達を示し、ガヴのように戦えるかもしれないとグラニュート退治の研究について明かした。
ちなみにチョコドンとチョコダンはそれぞれガラス瓶に入れられ事実上の監禁状態で保管されている。
第5話では、グラニュート退治用アイテム製作に励んでいた。
そして続く第6話でグラニュートに恩人を殺害された仇を取るべく自分の元を訪れた絆斗に、彼を被験者としてグラニュートの生体器官を移植し、グラニュートを葬る為の力、すなわち仮面ライダーヴァレンの力を与えた(ついでにヴァレンの初陣を見届けた後、研究用サンプル兼ヴァレン変身用の残機として、ショウマが所持していたチョコドンゴチゾウを4匹連れ去っていった)。
第7話では自宅で絆斗の心電図を見て異常がないことを確認しながら「辛木田絆斗改造計画は順調」と本人の目の前で報告。前回誘拐してきたチョコドンゴチゾウは小型のスライド両開きの冷蔵庫に厳重に保管していた。
他のグラニュート研究家には「逢ったことはないがいるかもしれない」とあまり興味がなさそうだった。絆斗から仮面ライダーガヴとの話を聞くと「仲良くなったの?じゃあ連れてきてよ!(中略)いつ来られそう?」とさながら反抗期の息子に初めて友達ができたという報告に喜ぶ親(実際の間柄は被験者とマッドサイエンティスト)のような反応だったが当の絆斗からは「来ねぇよ!」と返されあっけなく置き去られた。
第8話ではグロッタとの戦闘で生き延びた絆斗に言い忘れていたこととしてグラニュートが人間に擬態出来る技術があることや、擬態が完全ではないことを伝えていた。ちなみにその彼から無理やり腹を見られたが、〈ガヴ〉がなかった=人間であることが証明された。が…(詳しくは後述)。
第10話の終盤にて、上述のメモリスティック映像を確認、その際にガヴの正体を知っていた他、何やら意味深な発言を残しており…
「それにしても、さすが“オリジナル”。どんどん進化してる。やっぱり、素体がグラニュートだからかな?」
第12話では、第11話の戦闘で負傷した絆斗を治療したようで、「誰かさんのせいで病院行き辛ぇから」と毒づく絆斗に対して「当然のアフターケアだ。これからも頼ってくれたまえ」と返答。そして、絆斗を見送りながら、怪我の治りの早さについて「改造の影響かな」と推察する。
暗躍を開始するマッドサイエンティスト
シータとジープがガヴに敗北した夜、「絆斗にそろそろ新しい刺激を与えたい」と独りごちている中で、グラニュート側の内通者=ニエルブの訪問を受け、ポッピングミ、キッキングミ、パンチングミといったゴチゾウらと、絆斗に移植したものと同じグラニュートの体液生成器官、そしてガヴがパワーアップしたという情報を受け取り、交換としてプリンをはじめとした複数のお菓子と、それがガヴの力の源である情報を提供した。
ニエルブの製作したヴラスタムギアや、「(生体改造を施された)生きたグラニュート」としてニエルブに同行してきたラキアに興味を示しており、人間に化けられるミミックキーの出来映えに終始感心した様子を見せる。
ショウマがチョコドンゴチゾウの案内によって、ヴラムとの戦闘で負傷した絆斗をラボへ運び込んできたことで初対面。彼がかつて接触し損ねた「仮面ライダーの、ガヴ」であることを確認する形で念願のファースト・コンタクトを果たし、絆斗とショウマを治療するついでに彼の服に付いていた毛髪もサンプルとしてちゃっかり掠め取った。
その後も絆斗の容態を見舞いに来たショウマと交流を続け、ヴラムことラキアが大量失踪事件に関与していたことを聞き、2人の接触を悟る。絆斗が意識を取り戻した後は、負傷した絆斗を運んできたのがショウマだとそれとなく明かし、変なことをしていないかと詰められた際にはさらっと躱してみせる。
しかし机に置かれた機器の先にはショウマの毛髪と彼の治療に使われたであろう血液が染み込んだガーゼ、そしてPCには細胞サンプルの映像が映し出されていた。
その後ショウマの素性を知って激昂した絆斗の追及を受けるも、同じくのらりくらりと躱しつつ、先の細胞分裂が着々と進む様子を観察、密かに進める研究の進行を見守る。
自身のラボ地下室に潜伏していたダークショウマが食い散らかした食事のゴミを回収、ゴミ捨て場に袋を運び出すところで、ニエルブとのコンタクト仲介を求めるラキアの訪問を受ける。ゴミをさりげなく隠しつつ応対し、その素性を怪しむラキアに対して「ニエルブとこちらからコンタクトは取れない」「自身は(ストマック社含めて)誰の味方でもない、ただ興味のあるものを研究してるだけ」と明かした。
その後ラボを訪れた絆斗からダークショウマの存在とその撃破を聞くも、「あれ?もう倒しちゃったの?」と、不可解な反応を見せる。
その後ラボを去ろうとする彼に対して「ハッピーバレンタイン」と称し、研究成果として自ら生成できるようになったというチョコルドゴチゾウを初披露、1箱4つ入りで絆斗に手渡した。
- 名字である「酸賀」の「酸」は、基本の味覚の一つである「酸味(さんみ)」からちなんだもの。
- 演者の浅沼氏は、放送開始直前特番「スタートアップ!!仮面ライダーガヴ」で番組の進行を担当。前作の仮面ライダーガッチャードでもドラゴナロス、ドラゴンマルガムの声を担当していた。
- あくまでナレーションとして登場していたため「本編でもナレーションをするのではないか」「アイテムの音声担当ではないか」などと予想されていたが、まさかの俳優としてのレギュラー出演だった。
- 直近のニチアサ作品ではメイン脚本が同じ『機界戦隊ゼンカイジャー』にてジュラン/ゼンカイジュランの声で出演していたことが印象に強く、ネット上ではそれらを絡めた中の人ネタのイラストも見受けられる。
- あくまでナレーションとして登場していたため「本編でもナレーションをするのではないか」「アイテムの音声担当ではないか」などと予想されていたが、まさかの俳優としてのレギュラー出演だった。
- ジュランとは「普段は言動が軽い飄々としたイケオジ」という点では通ずるが、一方で酸賀には「黒幕とも取られかねない読めない思考や行動、怪しげな雰囲気」が感じられる為、視聴者からは声のみの出演と顔出しという条件を引いても「演じているのが同一人物とは思えない」「浅沼氏の演技力がすごい」と彼の伊達でない演技力に高い評価が上がっている。
- 絆斗との初対面時に「おっさん」と呼ばれた際、「若造」と返していたことから見た目とは裏腹にそれなりに歳を取っていると思われるが、演じる浅沼氏の見た目の若々しさに対し「おっさんには見えない」「初見でおっさんと見抜いた絆斗が凄い」といった反応が多く見られた(ちなみに浅沼氏は出演時48歳で本作レギュラー陣の中では年長者である)。
- 背後からゴチゾウを捕獲するという登場の仕方から視聴者には大きなインパクトを与え、「ゴチゾウを誘拐してる」などとネタにされた。
- 第6話放送の翌日は「SGライダーゴチゾウ01シリーズ」の発売日でありチョコドンゴチゾウも収録されたが、6話の影響かチョコドンゴチゾウが早々に売り切れる為、「酸賀が抜き取っている、買い占めている」とネタにされている。また、ヴァレンバスターの待機音の「SETチョコ」の空耳から「窃盗チョコ」とも。
- やたらグラニュートに詳しいことから、グラニュートである可能性及び、眼鏡を直す仕草や「刺激」というキーワードが共通しているニエルブと同一人物か内通者説が挙がっていた。
- しかし第8話にてガヴがない=人間である事が証明。ひとまずシロである…と思われたが、よく見ると該当する位置にうっすら赤い傷跡があるようにも、腹の一部が不自然に白くなっているようにも見える。このことから一部の視聴者からは「何か別の方法で隠す技術を持っている可能性がある」、そして極め付けには「腹にヘソがない」などと言われ、様々な考察がされている。
- なおデンテ・ストマックについては、第13話の言動から酸賀の存在を把握していない旨がうかがえる。
- そして上述通りニエルブと知り合いであった事が判明。これにより同一人物説は完全に消滅した一方、『仮面ライダーガヴ』にはマッドサイエンティスト枠が3人もいるという悪夢のような状況である事が確定してしまった。
- ただ一部では「人間とグラニュートが共存しうる証左」などと(やや皮肉交じりに)言われていたりもする。
- 最近の仮面ライダーでは声優が大ボスまたはラスボスを務める事が激増しているので、一部ファンからはラスボス予想をされている。
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