この記事は仮面ライダーシリーズの最終盤に於ける重大なネタバレが多分に含まれます。閲覧に注意して下さい。
概要
仮面ライダーではラスボスが怪人なのは初代からのお約束である。
が、平成以降では仮面ライダーそのものがラスボスを務める例が少なからず存在しており(決して多い訳ではない)、物語の重大な転換点となっている。また、令和に入ってからは、実質5作連続でラスボスライダー制を導入している(但し、後述の通り『リバイス』に関してはかなり特殊な上に基本的にはライダーをラスボスとして扱っていないので全作品がラスボスライダー製とは言い難い)。
また、どのライダーもチートライダーに名前を挙げられる程の凄まじいスペック、能力を所持しており、更にその強さに見合うキャラクター性も相まって(本来であればヘイトを集めるポジションでありながら)高い人気を獲得したライダーも多い。
一覧
平成ライダー
平成一期
『仮面ライダー龍騎』
変身者は不明。ゲームマスター・神崎士郎の心とリンクしており、彼が動揺すればオーディンの動きにも隙が生じる。
Vバックルにカードデッキを装填して変身する不死鳥モチーフのライダー。
史上初のラスボスライダーにして、平成では唯一純粋なライダーのままラスボスとなったライダー。
黄金の装飾、フェニックスモチーフの契約モンスター・ゴルトフェニックス、冠する神の名と、明らかに他の13ライダーとは格が違うことがわかる。
武器はソードベントで召喚する双剣・ゴルトセイバー、更にガードベントでは大型の盾・ゴルトシールドを召喚可能。また、相手の装備品を奪い取るスチールベントも所持している。
錫杖型の召喚機・ゴルトバイザーにファイナルベントのアドベントカードをベントして放つ必殺技・エターナルカオスは未だその全貌が明らかになっておらず、謎に包まれている。
ゴルトバイザーの隠されたカードスロットにはサバイブ(無限)のアドベントカードが常時ベントされており、これによりオーディンは常にサバイブ体となっている。
平成二期
仮面ライダークロニクル!
ガシャット!
バグルアップ!
天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ時は極まれり!
変身者は幻夢コーポレーションの初代及び四代目社長・檀正宗。バグスターウイルスが発生した事件・ゼロデイの責任を負わされて服役していたが、釈放される。
バグルドライバーⅡに仮面ライダークロニクルガシャットを装填して変身する黒と緑のライダー。
奇しくもオーディンに続き、神の名を冠している。その名の通り時を司り、時を止めるポーズ、止めた時を再始動させるリスタート、更に檀正宗の願いと共鳴し時を巻き戻すリセットと言った強力な能力を使用可能…なのだが、ラスボスとしては実は弱体化した姿だったりする。他、エナジーアイテムを独占し自由に使用することが可能。
武器はバグルドライバーⅡから分断したガシャコンバグヴァイザー。チェーンソーモードによる近接攻撃やビームガンモードによる遠距離攻撃を可能とする。更にそれぞれのモードの必殺技「クリティカルサクリファイス」「クリティカルジャッジメント」も使用可能。
ドライバーのボタンを2度押して発動する「クリティカルクルセイド」は時計の針のエフェクトともに放つ回し蹴り。他、時計の針を足に集約させオーソドックスなライダーキックを放ったこともある。
令和ライダー
絶滅ドライバー!
アークスコーピオン!
プログライズ!アーク!
Destruction Ruin Despair Extinction! アークスコーピオン!
The conclusion after evil climbs the top of the highest mountain of rock.
変身者は滅亡迅雷.netの司令塔ヒューマギア・滅。仮面ライダーアークゼロが撃破され、アークの脅威が去ったと思われた矢先現れた仮面ライダーアークワン。アークワンに迅が破壊された悲しみをアズに付け込まれ、変身してしまった。
絶滅ドライバーにアークスコーピオンプログライズキーを装填して変身する滅亡の方舟。
さながら滅にアークが浸食しているような見た目。アークライダーの例に漏れず流体金属を操り武器を生成することが可能。劇中ではアタッシュウェポンとサウザンドジャッカーを使用した。各部位は相対する敵の破壊に特化しており、流体金属で伸縮刺突ユニット・デストアナライズを構築し、敵を穿つことも可能。
必殺技は2種類あり、「ヘイトレッドインパクト」はデストアナライズを右腕にまとわせて放つ憎悪のライダーパンチ。もう1つの「エクスティンクションインパクト」はデストアナライズを四方八方に展開し敵をあらゆる方向から刺し貫いた後、右足に集約して(スティングディストピアと同じく)中段蹴りを放つ滅亡のライダーキック。
一応、本作のラスボスは公式では後述のアークゼロなのだが、「最終回で倒した強敵」だからこそ実質的なラスボス扱いをされていると思われる。
グリモワール!
WHEN THE HOLY SWORD AND THE BOOK INTERSECT REWRITE THE WORLD
OPEN THE GRIMOIRE THE END OF THE STORY!
KAMENRIDER STORIUS!
協力者であったソードオブロゴスの長・マスターロゴスことイザク/仮面ライダーソロモンの力を吸収。更に独自に集めていた力もかき集めて一体化させることで、変身アイテムを生成した。
ドゥームズドライバーバックルにグリモワールワンダーライドブックを装填することにより変身するマスクが本で覆われたライダー。その下には実は目が存在するが、劇中で拝むことはできない。
仮面ライダーソロモン・オムニフォースと同じく全知全能の書の力を司り、その驚異的なパワーはなんてことないただのエネルギーの塊を放つだけで街を壊滅させるほど。
武器は怪人時代から使用している愛剣・ビルガメード。
必殺技は5種類あり、内「アルティメット・ディスペア」「オープン・ザ・ストーリー・オブ・ディスペア」は未使用。起動スイッチを2回押し放つ「オープン・ザ・ストーリー・オブ・ジエンド」はなんと死者を全盛期以上の力を持って蘇生・洗脳させる。他、滅びの塔の生成やワンダーワールドを荒廃させるなど特殊な能力を司っている模様。ブックを閉じ、ベルトのスイッチを押して放つ「ザ・ストーリー・オブ・ディスペア」はビルガメードから電撃を放つ技。ファイナルステージで使用した。ブックを閉じた後、ベルトのスイッチを3回押して放つ全知全能必殺技「ジ・エンド・オブ・ザ・ワールド」は、世界の終焉の名前の通り現実世界にワンダーワールドを浸食させ文字通り世界を終焉へと導く。
ジュウガ!
レックス! メガロドン! イーグル! マンモス! プテラ! ライオン! ジャッカル! コング! カマキリ! ブラキオ!
スクランブル!
十種の遺伝子、強き志!爆ぜろ、吠えろ、超越せよ!
仮面ライダージュウガ!
Go Over…!
このシステムも勿論彼自身の開発によるものであり、専用のジュウガドライバーにジュウガバイスタンプをセットして変身する令和の凄まじき戦士。上記のアークスコーピオンと同じく左右非対称の複眼を持ち、『リバイス』としての2人が挑む最後の敵として立ちはだかる。
10種の生物のパワーを極限まで増幅して一体化させている他、何より開発者としてライダーシステムの全てを熟知しているため、一度はギフをも完封したエビリティライブすらも苦もなく一蹴してしまう実力を持つ。その性質上ギフの力は一切含まれていないが、作中では無敗のアルティメットリバイスに対しても動揺するまでは殆ど互角の戦いを繰り広げていた。
専用武器は持たず、10種の生物の力を駆使した格闘戦を主とする。またバイスタンプを別個に読み込むことで、レジェンドライダーの力を宿した必殺技を放てる拡張性も併せ持つ。
必殺技は上記のアブゾーブ技「○○△△アタック」に加えて4種類ある。ロール2回でスピード系の「インパルスゲノムエッジ」、ロール3回でテクニカル系の「クラッシュゲノムエッジ」、ロール4回でパワー系の「パワードゲノムエッジ」、ロール2回にスイッチ押しを挟んだリミックス技「アルティメットキメラアタック」、ロール5回で全能力を結集した「アメイジングフィニッシュ」があり、この内「パワードゲノムフィニッシュ」「アルティメットキメラアタック」のみ現状未使用。
人気もかなり高いようで、本編後も味方として複数回戦っている他、最終的にジュウガを主役としたスピンオフが制作される程の厚遇っぷり。
但し、公式上はギフと並ぶもう1人のラスボスだが、その実裏ボスとも言えるポジション※。また仮にラスボスライダーとして扱ったとしても令和作品の中では唯一「仮面ライダー図鑑」の「フォーム図鑑」及び「怪人図鑑」の「ラスボス」のカテゴリに該当しない(最新の『ガッチャード』以外の令和作品にはライダーにラスボスカテゴリに該当するライダーが存在している)上に最終回で戦っていないのが完全なラスボスとは言い難いポイントである(オマケに最終回前に倒された歴代ラスボスと比較してもジュウガの倒された時期はかなり早い)。その為、近年ではジュウガをラスボス扱いする声はかなり減った。
※劇中での元凶はギフであり、ギフ討伐後に残った影響もジュウガよりギフの方が圧倒的に強い為。
REGAD Ω ACCESS
GENERATE
CREATION AND MASTER OF ALL REGAD Ω
変身者はDGP創始者のスエル。
国家規模のエネルギーを無尽蔵に扱えるジリオンドライバーを創設者権限で認証、シリウスカードをスキャンして変身する、DGP運営の最後にして最強の切り札。世界を破滅へと導く最後のゲームを開催し、ギーツ達の前に最後の敵として対峙する。
同じドライバーを使用する仮面ライダーリガドよりも高出力・制限解放したΩモードでの運用となり、ギーツに登場するライダーの中でも最大級の出力を叩き出す。実際スペックはリガドは無論のことギーツⅨよりも上で、更にブジンソードですら武器とブーストバックルを併用して破っていたⅨの創世の力バリアを素手で打ち抜いてくる。またΩモードに伴い開眼した1つ目は、あらゆる事象の過去・未来を見通し、死角は実質無い。
専用武器は無いものの、拡張スロットのグレートアセンブルにレイズバックルをセットすることで、各種バックルの拡張武装を使用可能。発現時に「INFINITY」と鳴るバックルの力はその名の通り極限まで増幅され、具体的には無数の武装を出現、遠隔操作できる(モノによってはバックルそのものが飛んで突撃していく)。なおスエル自身の権限により構えるだけで自動でバックルがセットされるため、この手の能力にしては隙が少ないのが特徴。
必殺技にはグレートアセンブルを一度押して発動する時間干渉型高速移動の「ACCELERATE」、シリウスカード1回スキャンによる一斉掃射「EXPUNGE」、カード2回スキャンによる全力のライダーパンチ「DESTROY」がある。そして1番脅威的なのが、グレートアセンブル二度押しで発動、特定の対象の時間を巻き戻すリセット能力「REVERSE」の存在。
この技は応用する事で、仮面ライダーの変身能力・資格を消去可能。時間干渉に対抗する術のないライダーらはどんなに強かろうと完封可能で、文字通りの反則・チート技として君臨している。
なお設定上は下位のヴィジョンドライバー系ライダーと同じく、膝下に備わった「ソブリンレイ」でライダーを洗脳・配下に置く能力も有する。
エルドラゴン!
ゴールデンブレス…!
イース・トン・エオーナ!エル・ドラード……!
変身者は黄金郷(エル・ドラド)を求めし狂気の錬金術師グリオン。
自らを錬成した存在でもある冥黒王らの賢者の石99%の力で錬成したエルドラドライバーと、1%の欠片を宿したニジゴンの複製品たるダークエーテルケミー・エルドラゴンを使用して変身する黄金の悪魔。
並行未来で仮面ライダードラドに変身した際は真のラスボスに乗っ取られた前座の立ち位置だったが、本編のグリオンは瀕死の冥黒王1名を媒介にいわば受肉、残り2名が持っていた賢者の石も各個撃破後に奪取したことで、誰かに操られる事無くその力を行使している。
賢者の石が生み出す無限のエネルギーを全身に巡らせることで理論上の不死を実現させており、空間支配や未来予測といった冥黒王たちの能力をも有するなど、最後の敵にふさわしい高スペックを誇る。おまけにその冥黒王らも自らの傀儡として別個召喚可能。
最大の武器はあらゆるものを黄金で固めてしまう黄金化光線。これでガッチャードと共に戦うケミーを悉く無力化した挙句、ドライバーをも破壊した上に変身の解けた宝太郎に黄金化という形でとどめを刺すという完封ぶりを見せた。
必殺技もかなりの数を持つ。ドライバー左のゴルダキュービックラティオを1~3回回して発動する神働術「テウルギア」、占星術「アストロロギア」、錬金術「アルケミア」(このうちアストロロギアは未使用)。エルドラドライバーのレバーを閉開して放つライダーキックの「エル・アブソリュート」。そしてレバーを閉じ、キュービックラティオを3回転させて再展開した「ウル・エルドラードクライシス」では、大量のドレットルーパー軍式を放ち、世界を彼が望む黄金郷へと染め上げる。
設定上はレプリケミーカードを読み込んで放つ必殺技「ディミオルギア」「カオスカタストロフィ」を持つが、劇中では使用されなかった。
番外
変身者は秋月信彦。
怪人の真実を知り、自身に賛同してくれた怪人が人間に無惨に殺されたことで激しい怒りと憎悪を抱いた時に完全体へと至った姿。接近戦を得意とする他、覚醒したキングストーンによる強い念動力を操り、翳すだけで衝撃波として敵を吹き飛ばしたり対象を掴み取って動きを封じることも可能。悪化し続ける怪人差別から人間を完全に見限り、怪人がありのままに生きる世界を望み、護流五無を乗っ取り、創世王を継承するべく南光太郎こと仮面ライダーブラックサンの最後の敵として立ちはだかり死闘を繰り広げる。
変身者はSHOCKERの上級構成員の一人、緑川イチローことチョウオーグ。
人類全てを魂だけの地獄、ハビタット世界に送り込む事で救済しようとする敵であり、作中において魂そのものと言えるエネルギー、プラーナの制御ができる者以外から強制的にプラーナを引き剥がせる能力の持ち主。
その性質故に仮面ライダーでしか彼に対抗できないが、パワーソースであるプラーナの絶対量でダブルライダーを凌駕しており、消耗をカバーする玉座を破壊しなければ勝ち目の無い存在。
準ラスボスライダー
ラスボスじゃないが、ラスボスの前後に戦った仮面ライダーや変身者がラスボス怪人になったライダーを紹介する。
昭和ライダー
変身者は秋月信彦
光太郎と共に暗黒結社ゴルゴムの次期創世王候補に選ばれ、19歳の誕生日に2人揃って体内にキングストーンを埋め込まれ改造人間にされてしまう。父・総一郎はゴルゴムのメンバーであり、2人はゴルゴムの世紀王として組織に差し出されてしまったのだ。
しかし2人の記憶まで消去するとは知らなかった総一郎の妨害により、光太郎は記憶消去の寸前で脱走に成功し太陽の石を持つ正義の仮面ライダーBLACKとなる。対してその機会がなかった信彦は完全に改造を施され(更にブラックサン脱走の余波を受けて強化改修され)月の石を持つ悪の世紀王・シャドームーンとなり、もう1人の世紀王であるブラックサン=仮面ライダーBLACKとの戦いに勝利し創世王となる事を定められてしまう。
平成ライダー
平成一期
『仮面ライダー剣』
変身者は相川始。
その正体はマンティスアンデッドに擬態したジョーカーアンデッドであり、自ら倒される事を望みラスボスとなった。
『仮面ライダーキバ』
キング/バットファンガイアはバットファンガイア・リボーンとして現代に蘇ってラスボスとなった。逆に音也と太牙は最終的に紅渡/仮面ライダーキバと一緒にバットファンガイア/バットファンガイア・リボーンと戦った。
変身者は小野寺ユウスケ。
門矢士/仮面ライダーディケイドが最後に相対したライダーだが戦闘を行うことはなく、公式からもラスボスはスーパーアポロガイストとなっている。
平成二期
変身者は笛木奏。
ファントムたちを率いる(?)ワイズマンとは同一人物であり、ラスボスとなる…かのように思われたが…。
『仮面ライダー鎧武』
変身者は駆紋戒斗。
強さと真理を追い求め、ロード・バロンに変貌。ラスボスとなった。
変身者は名前不明の少女で、その正体はコウガネ。
劇場版で暗躍し仮面ライダーマルスとして立ちはだかり敗れるもひっそりと生き延びており、TV版の最後の敵として登場した(ただし公式認定のラスボスはロード・バロン)。
変身者はエボルト。
ブラッド星からやってきた地球外生命体であり、物語終盤には怪人態に変身しラスボスとなった。
令和ライダー
変身者は滅亡迅雷.netを乗っ取った人工知能アーク。『ゼロワン』のボスライダー。
人類とヒューマギアが手を取り造られた仮面ライダーゼロツーに敗北・撃破された。
尚、公式上のラスボスタグはこのアークゼロにあるが、上記のギフとは違って仮面ライダーなので「『ゼロワン』のラスボスは仮面ライダー」である事実自体は揺るがない。
変身者は飛電或人。本来の設定上はアークゼロの強化形態であり、『ゼロワン』のボスライダー。
変身者はマスターロゴス/イザク。『セイバー』のボスライダー。
儀式により生成されたオムニフォースワンダーライドブックで全知全能の力を手に入れ暴れまわっていたがクロスセイバーに敗北、ストリウスにとどめを刺された。
変身者はバイス。一応最終話で主人公と戦ったので『リバイス』のボスライダーと目される事がある。
厳密には(というか完全に)敵ではないこと、何よりラスボス後に戦った存在にして最終回限定フォームも兼ねる、長きに渡るライダー史でも極めて特異な立ち位置にある。
宿主の一輝が抱えていたある問題を解決するために、周囲に頭を下げ協力まで依頼して敢えて彼の前に対峙。結局目論見自体はバレてしまうのだが、一輝はバイスの思いを汲んでじゃれ合うように戦った。最後は変身のリソースが尽きたことで変身解除、一輝と一体化する形で消滅していった。
変身者はジット。『ギーツ』のボスライダー。
自力で創世の呪縛を破った英寿を抹殺する為にジリオンドライバーでリガドに変身しギーツⅨとなった英寿と交戦するも敗北。スエルに吸収され消滅した。