「力を手にした、だからその力を使う!この退屈な世界を破壊と殺戮という刺激に満ちた世界に変えるために!」
「私を『マスターロゴス』などと呼ばないで下さい。私は、この世界を破滅へと導く…神だ!」
演:相馬圭祐
変身する仮面ライダー
概要
現代のマスターロゴスの本名。現在のソードオブロゴスで内紛を起こすきっかけを作った張本人。
代々受け継がれてきた『マスターロゴス』の名前と使命を放棄した彼は、仮面ライダーソロモンに変身。『破滅の神』を僭称し、その恐るべき本性を露わにすると共に、世界を滅ぼすべく動き出した。
本記事には、本名が明らかになった36章以降の動向について記述する。
イザクの来歴
断片的な情報が多いものの、公式サイトである程度の過去が記述されている。
若い頃のイザクがソードオブロゴスの長に任命されたこと、同時に初代マスターロゴスが一族に継承されていた全知全能の書の一部によって不老にも等しい長命を得た事が判明している。
その後、長命となった彼は四賢神と共に剣技を研究しつつ、ソードオブロゴスを運営していた事も語られている。
動向
- 第36章「開かれる、全知全能の力。」
剣士たちへの宣戦布告を兼ねてオムニフォースの力を使用し仮面ライダーソロモンに変身、現れたセイバー・ブレイズ・バスター・スラッシュ・最光を一蹴。己の目的について語り出した。
マスターロゴスの一族は代々世界を守る使命を背負っていたが、当代はその先人たちを「全知全能の力を持ちながら何もしなかった愚かで怠惰な一族」と侮蔑し、代わり映えのしない人間社会にも退屈を覚えていた。
その結果、ついに二つの世界を守る使命に飽きてしまい、刺激を求めるあまり、世界を争いの巷に変革しようと考え、全知全能の書の力に手を出したのだった。
要するにこんな破滅的な目的を掲げて動き出したのは、ただの退屈しのぎに過ぎなかったわけである。
重厚な物語が紡がれる仮面ライダーの世界において、珍しく背景には主張も信念もトラウマも何もなく、そこにあるのは単に「退屈から逃れたい」「使命に飽きたから別のことがやりたい」というあまりにも身勝手な動機だけである。
いわば、使い古されたが故に斬新な純粋悪と言える。
その常軌を逸した言動には尾上も「何言ってんだお前……!?」と言葉を失っていた。
剣士たちを一蹴した直後、自らを「破滅を導く神」と名乗り、世界を滅ぼすことを宣告。
全知全能の書の力で世界の主要都市上空に巨大な映像の姿で現れ、地球全体に呼び掛ける。
「諸君、ご機嫌よう……。我が名はイザク。世界の支配者となった男だ。私は、この世界を破滅に導く神……ですが、私は無慈悲ではありません。あなた達が生き残る方法を教えます……それは『戦争』です。
戦い合え人間ども! 勝利した者は生かしてやろう! さぁ……始めるのだ!!」
更に慈悲として、破滅から生き残る方法として戦争を始め、勝ち残ったら生かしておくことを告げた。
その後、世界を破滅に導こうとするあり方を疑問視した神代兄妹と対峙した際に、「自分は最早『マスターロゴス』等という存在ではない」と明言した為にソードオブロゴスの粛清対象とみなされる。
粛清しようと襲いかかった神代兄妹を一方的に痛めつけ、援護のために現れたセイバーとブレイズも圧倒的な力を振るい、4人のライダーを苦戦させた。トドメに必殺技「ソロモンブレイク」を繰り出したが、間一髪のところで突如現れた最光のバリアによって防がれ、逃げられてしまった。
- 第37章「未来を変えるのは、誰だ。」
全知全能の書の影を使って街の一角を消滅させたが、カリバーの乱入で闇の世界に引き摺り込まれかけるも、賢人を失うことをよしとしないセイバーの介入で危機を脱し、セイバーらを葬り去ろうとするが、そこへ最光が駆けつけ、光と闇の聖剣の二刀流で異空間に追放されるも脱出する。
- 第38章「聖剣を束ねる、銀河の剣。」
しかし、それでも世界中には全知全能の書の影が配置されたままであり、そのまま世界の崩壊を推し進める。
イザクを止めるべく、再び10本の聖剣と使い手たる仮面ライダーが集結し、乱入して来たバハトが敗れて無銘剣虚無が飛羽真の手に渡り、刃王剣十聖刃が誕生。刃王剣十聖刃の力をも我が物にしようとするが、全知全能の書の一端を手にした彼と言えど、創生を司る仮面ライダークロスセイバーの圧倒的な力には敵わず、撤退した。
数々の剣士との決闘で、彼等の思いを学び取って来た飛羽真をしてイザクの振るう剣はあまりにも軽く、思いが伝わって来ないと評された。尚、この剣士の中にはバハトも含まれている(彼は世界を滅ぼす事を選択したが、そこに至るまでに大切なものを喪い、1000年間も死なない体で過ごしたが故の解答であり、ただ退屈だからの理由で世界を滅ぼそうとするマスターロゴスとは、重みが違うのである)。
- 第39章「剣士よ、信じる道を行け。」
「伝説の聖剣」が出現した事で、それらとルナを手にし、完全な力を我が物にしようと目論む。
その矢先にサウザンベースへ乗り込んできた神代兄妹の襲撃を受けるが、ソロモンに変身して剣すら使わず2人を圧倒、撤退に追い込んだ。
その後、訪れたストリウスに刃王剣十聖刃について尋ねられているところに、神代兄妹から渡されたブックゲートでやって来た飛羽真と倫太郎が現れ、彼らからこんな事を起こした理由について聞かれる。
イザクの一族は代々全知全能の書の一部を受け継いでおり、それにより歴代のマスターロゴスは常人よりも長命であった。
だが、イザクはそれ故に現在の人間に飽きてしまい、新たな世界を作り出して人間そのものを変える事を考えていたのである。戦争によって生き残った人類だけを新たな世界に導くことで。
そして、飛羽真はルナに選ばれた事で消える運命だったが、そこに介入して結果的に飛羽真の消滅を妨害していた、命の恩人である事実も明かしている。
ソロモンに変身し、カリュブディスメギドとともにクロスセイバーとブレイズを相手取り、曲がりなりにもソードオブロゴスの旧リーダーだけに正面から渡り合う。
だが飛羽真に「お前は壊すことはできても、未来を創ることはできない!」と喝破され、クリムゾンセイバーの力の前に一方的に押し込まれた末、「刃王爆炎紅蓮斬」を受けて敗北。
倫太郎に「あなたはただのホモ・サピエンスです」と断言され、飛羽真にもう一度世界を守ってくれるよう頼まれるが、ストリウスに連れられる形でサウザンベースから姿を消した。
- 第40章「輝く友情、三剣士。」
「たかが剣士ごときが、神に逆らったらどうなるか思い知るがいい!!」
クロスセイバーに完敗を喫した事で、今までの精神的余裕がなくなり、なりふり構わずルナを手に入れて全知全能の書を完成させんと動き始める。
変身した状態でサウザンベースに現れ、オムニフォースのライドブックに干渉する力で凌牙/デュランダルの身体を操り、玲花との同士討ちに持ち込ませ、ノーザンベースの剣士達をそちらに引き付ける間にワンダーワールドに干渉、ルナを確保しようと試みたが、直前に賢人から月闇を託されて、ワンダーワールドに移動していた最光に阻止される。
そこでオムニフォースの力で金の武器 銀の武器ワンダーライドブックを乗っ取り、ユーリ/光剛剣最光と闇黒剣月闇を手にして自身の武器とした。
「だァけどォ……これで光の剣と闇の剣は私の物だァ!!」
「まずはその伝説の聖剣からいただくと……し!ま!しょ!う!かァァ!!」
そう息巻くと、ユーリとルナを救うべく奮起したクロスセイバー、ブレイズ、エスパーダの三剣士と激突。
今回は始まりの聖剣を2本使用している事と本気になった事もあって、3対1と言う圧倒的に不利な状況でありながらも作中でクロスセイバーに初ダメージを与えるが、ロクな信念もないイザクに強い思いを支えとする剣士の力と絆を打ち破れるワケも無く、クロスセイバーを加えた三剣士の抜群のコンビネーションの前にあっさりと変身解除に追い込まれた。
ならばとクロスセイバーを操ろうとするも通用せず、今度はブレイズとエスパーダを操りクロスセイバーとの同士討ちを狙い、その隙に再度ルナを捕まえようとする。
しかし、それも飛羽真に妨害され、度重なる愚行と器の小ささに憤りを覚えた倫太郎と賢人が意地の力で再起。賢人には「愚かで惨め、恨む価値もない」、倫太郎には「自ら神であることをやめた、悲しい一人ぼっち」、飛羽真には「お前に俺達の絆を斬ることは出来ない」と突き付けられて激高するが、最光に呪縛を破られ、サウザンベースで暴れていたデュランダルも「俺を怒らせるなァァッ!!」と呪縛を突破した事で、今度こそ手駒がなくなってしまう。
ヤケになったイザク相手に、飛羽真はクロスセイバーは三剣士の絆と力を束ねたフィーチャリングセイバーへとフォームチェンジ。
三位一体となった三剣士の力の前に一方的に押し込まれ、「銀河友情蹴烈破」を喰らい敗北、オムニフォースワンダーライドブックを破壊(一応本なので「破壊」は言葉としては変だが劇中ではそう言われている)されてしまう。
「私の……全知全能の書がァ……………!! 神の………神の力がァァァァァ―――ッ!!!」
惨めに燃えカスになったライドブックに近付くも、力の源が無くなった事でソロモンの装備が全て(それこそ焚書されたかの如く)炎上して消滅、完全敗北を喫した。
神になり損ねた男の最期
オムニフォースの燃えカスを拾い集めて彷徨い、ボロボロの身体を引き摺りながら何とか逃亡に成功。
残骸も復元されワンダーライドブックへと戻り、喜びと悔しさが入り混じった感情を露わにしつつ、尚も自身の野望を成就せんとする……が。
「私は死なん……この力同様、不滅だ! 私の神話はここから始まる…」
「それは無理ですねぇ?」
そう言いつつ現れたのはストリウス。
ストリウス「あなたの物語はここで終わりです」
「何を言ってる……神の御前だぞ! ひれ伏せぇーっ!」
だが、先の戦闘の業火で満身創痍となっていたイザクに、対抗の術など碌に残されておらず、ストリウスの干渉を受け、まるで自分がストリウスにひれ伏す様な姿勢になり、そのままオムニフォースライドブックを残して消滅した。
ストリウス「神になり損ねた男の最期は、実に滑稽で惨めで美しかったですよ。これからの物語は私が紡ぎます。美しい結末のために……!」
ストリウスがそう告げた通り、退屈から逃れるために暴挙に走り、自らを神だと驕った男は、あまりにも呆気ない孤独な最期を迎えたのであった。
その最期は剣士達を駒として使って来た彼にとって、皮肉にもストリウスの目的の為に駒として扱われたと言う事実だった。
人物像
闇の聖剣の力により、半ば運命的に悪の道に走り続けた歴代のカリバーや、愛する人を喪い裏切りに遭った末に、1000年間を死ねない苦しみを味わったバハトなどの本作のボスキャラに比べ、特に悲しい過去があったわけでもなく、自分の楽しみの為だけに世界を争いの絶え無い世界に作り変えようとした姿は、生まれながらの絶対悪 と言えるものであり、比較的哀しき悪役が多い本作の中では異色の存在とも言える。
その一方で後述する過去から来る強迫観念に縛られずに自分の意思でやりたい様にやろうとするイザクの姿は、皮肉にも飛羽真の「物語の結末は俺が決める!」と言う言葉をこの上無く悪い意味で体現していると言える。
ネタ的な視点
本格的に登場して以降のキャラクターは、基本的に擁護できない絶対悪として描かれているのだが、
- 世界中の人間を巻き込んだデスゲームを目論むも、世界中の人間に争えと言うだけ。
- 余裕ぶった態度の割に、予想外の事態にはすぐ狼狽え、気を取り直してもまたすぐに予想外のことが起きて狼狽える。
と言った、小物臭くて間抜けっぽい描写になってしまっている。
また、映像的な演出も、デスゲームの開始を伝える際に世界中に本から自分の上半身を出した立体映像を出す、世界中に同時に映像を送っているのに時差が無いと言ったシュールな描写となっており(これはオムニフォースの力であり、その前の場面でも昼と夜を逆転させたりはしているのだが一見ではわかりにくい)、それに対するライダー側の反応も尾上の「何言ってんだ?こいつ」をはじめとする至極真っ当な反応ばかりであり、半ばコントや漫才に片足を突っ込んでいる様に見える。
(その後登場したオリヒメワルドがあっさりと人々の間に争いをもたらしていたりする)
以上のように、作中の役割としての人物像と視聴者としての人物像には非常に大きなギャップがあり、とんでも無く悪いことをしている、とんでも無い悪人の割に、印象に残らないというギャップに加え、シュールなギャグとも言えるキャラクター性に加え、今時逆に珍しい「純粋悪」と言うキャラ属性や演者の相馬氏の怪演も重なり一周回って視聴者に強いインパクトを与えており、ネタキャラとして非常に愛されいる。
とは言え、これは特撮にままある問題である『顔出し悪役への風評被害』対策として見れば、成功している面もある。
彼は本当に「純粋悪」だったのか
前述の通り、彼は他の敵キャラクター達とは違ってなんのバックボーンも無く、己の退屈の解消という極めて身勝手な理由で世界を滅ぼそうとした為、ファンからは「わかりやすい悪役」、「同情の余地が無い」、「完全な邪悪」、「薄っぺらい」等の評価を受けている。
しかし、その一方で公式から彼には「長命であるが故の孤独や渇望」が存在していたという事が語られている。
そして、彼は世界を滅ぼそうとする理由を「理由などない」「退屈だから」としているが、下記の台詞を見ると少し違った捉え方が出来る。
・「退屈だったんです。私の一族はこの世界を守る代わりに代々、全知全能の書の一部が伝えられてきました。そのせいであなた達より少し長生きなんです」
・「約束、戒律、使命、長い間、それらに縛られて生きる事ほど退屈な事はない。それは死も同然だ!そして繰り返される人間の愚かな行為…。私は気づいたんです。この世界を変えれば人も変わるのでは、と…」
確かによく考えてみれば彼は世襲制であるマスターロゴスの一族に生まれた時点で望むと望まざるとに限らず、「世界を守る組織の長」となって世界を守らなければならないという重大な責任を半ば強制的に負わなくてはならない事がほぼ確定していた上、マスターロゴスともなれば、組織のトップである関係上、対等な関係を持った人間など殆ど存在せず(強いていえば四賢神がいるが)、飛羽真のように友に恵まれる事も無かった、と言うより職務上友を作る機会すら与えられなかったのではないだろうか。
仮にできたとしても自身より先に逝ってしまうという運命にある。 しかもその上で常人より遥かに長い時を生きなければならない為、彼の苦しみは想像を絶するものであったはずである。
さらに受け継がれてきた使命や組織の人間であるが故の戒律に強制的に縛られており、それに耐えられなくなった事が読み取れることができる。
彼の言う「退屈」とは単に「暇を持て余している」という意味ではなく、「マスターロゴスであるが故の様々な制約に縛られた現状」を指していることが分かる。
もう一つの理由に「人間の愚かな行為」を挙げている。長い間生きてきた彼は幾度も繰り返される争いや過ちを見て「人間の愚かさ」についてもよく知っており、彼なりにそれらは変わるべきだとも思っていたのだろう。
この発言を聞いた倫太郎は「何一つ理解できない」と漏らしているが、多くの仲間や友に恵まれ、世界を守るという使命を背負うことも、そのために戦うこともすんなりと受け入れられることができたソード・オブ・ロゴスの剣士達、特にノーザンベースの剣士達にはイザクの考えを理解する事は出来るわけがなかっただろう。なんにせよ彼が作中のような考えに辿り着いて凶行に至った理由は彼が根っからの生まれついての悪人であったからなどではなく、長い時を生きる中で生まれた耐え難い孤独と蓄積されたフラストレーションが限界を迎えた結果と言えよう。
そもそもイザクが死んだ後に明らかになったソードオブロゴスの設立などの真実などから、使命を守るという名目で先代たちの愚かな内輪揉めの解決を押し付けられ続け長い時を生き続けなければならないという非常に理不尽極まりない背景もあり、視聴者からも「彼の悪事は同情は出来ないが彼の抱く閉塞さや窮屈さは理解できる」という意見が少なからず見られた。
勿論だからといって彼によって取り返しのつかない甚大な被害が引き起こされ多くの人々が命を落としたのも事実であり、それらは決して許されない事である。だが、それはバハトやストリウスといった他のボス達にも当てはまる事であり、彼等も同情できる理由はあったもののその為に多くの人を傷つけた事は決して許される事ではない。
もし彼が誰かに、特に作中で飛羽真に共に世界を守るよう説得を受けたタイミングで彼等に自身の胸の内を打ち明けていれば、作中での「仲間」とは違う「本当の仲間」や「友」を得て、世界や大切な誰かの為に戦うことも出来たのかもしれない。結局全て彼が自らの欲望の為に利用しようとした「全知全能の書」に記され最初から確定していた変えようの無い運命であったという事実はなんとも皮肉である。
また、彼は本編において単に「マスターロゴス」としか呼ばれず、登場人物の誰にも、ただの一人にも本当の名である「イザク」と呼ばれる事は無かった。全世界に向けてあれだけ大々的に名乗ったにもかかわらず、自身を本当の名前で呼んでくれる者すら誰一人として居ないというのは彼の何処までも孤独な様子を暗に示しているように思える。
総じて彼もダークサイドに堕ちた理由があり「哀しき悪役」とも呼べる人物であったのではないだろうか。
迷言集
- 「まあいいでしょう。」
- 計画にズレが生じた際の台詞。この構文は複数回言っている。
- 「フハハハハッ!!どうぞご勝手に!」
- 全知全能の書の復活と究極の聖剣の誕生を、飛羽真に邪魔された際にブチギレつつ言い放った台詞。表情自体は大笑いしているので余計にシュール。
- 「愚かな人類への……私からのささやかなプレゼントです。」
- 仮面ライダーソロモンへの初変身時の台詞。この後、オムニフォースワンダーライドブックをメチャクチャねっとりとした動きで開いていた。
- 「マスターロゴスなどと呼ばないでください。私はこの世界を破滅へと導く……神!」
- 神代兄妹に「貴方はまだ『マスターロゴス』なのか?」と問われた際の台詞。しかし先述した通り、登場人物達からはこれ以降も終始『マスターロゴス』と呼ばれ続けていた。
- 「諸君、ご機嫌よう。我が名はイザク。世界の支配者となった男だ。私は、この世界を破滅に導く神。ですが、私は無慈悲ではありません。貴方達が生き残る方法を教えます……それは『戦争』です。戦い合え人間ども!勝利した者は生かしてやろう!さぁ……始めるのだ!!」
- 空中に大写しで上半身を映し出しながら、得意げに言い放った演説。しかし、当の民衆達は訳が分からず困惑するばかりであった。いきなり争えと言われてもねぇ……
- 「いいでしょう。崩壊する世界に合う音楽は、命乞いをし、泣き叫ぶ声がふさわしい……」
- 駆けつけたユーリに「お前を倒し、世界を元に戻す!」と言われた際の返答。
- 「……とでも言えば満足ですか?」
- 「何故こんな凶行に及んだのか」と聞かれた際に「かつて愛する者を失った。人の過ちの所為で……」と尤もらしく言った後の台詞。構文の中でも特に人気が高い。
- 「神である私の前で口をきいていいと言いましたか?」
- ストリウスに「セイバーが手にした聖剣の力は、凄まじいですねえ……」と言われた際の返答。前回完全敗北した上に、「ただのホモ・サピエンス」だの「もう一度世界を守ってくれないか?」など言われたため、余裕を失っている。そして、ここから言動が壊れ始める。
- 「さあ逃げなさい!さもないと私が……フヒヒヒィ!」
- 『ソロモンゾーン』でワンダーワールド内に出現させた巨大な腕で、ルナを捕まえようと追いかけ回している際の台詞。字面も絵面も完全に不審者である。
- 「お前達とは後でゆっくり遊んでやる。」
- ルナを追いかける最中に、剣士達をあしらっての台詞。
- 「もう少しだったのになぁっ!」
- ルナを掴もうとした瞬間、最光に邪魔された際の台詞。この直後、『ソロモンブレイク』を発動するのだが、その際の動きが明らかに苛立っている様子だった。
- 「だ!け!ど!これで光と闇の剣は私のものだァ!!」
- 最光を『ソロモンブレイク』で操り、光と闇の聖剣を奪い取っての台詞。
- 「いちいちうるさい!!まずはその伝説の聖剣から頂くと……し!ま!しょ!う!かーっ!」
- ブレイズに「この聖剣にかけて、あなたを倒す!」と言われた際の台詞。
- 「貴様らァ!よくも神を足蹴にしたな!」
- 剣士3人のトリプルライダーキックを食らって変身解除された際の激昂。ライダーキック=足蹴という秀逸な掛け&癖毛に杉の枯れ葉が絡まるという絵面で余計にネタに。
- 「ハッ……やはりあなたには効きませんか。」
- クロスセイバーに『ソロモンブレイク』によるジャックを掛けようとするが、効いていなかった際の台詞。彼自身もダメ元な自覚はあった模様。
- 「クククッ……さあ、大切な仲間を斬り刻むがいい!」
- ブレイズとエスパーダを『ソロモンブレイク』で操り、クロスセイバーを襲わせての台詞。
- 「クッ……フハハァ!コレは傑作だ。ハハハッ……!じゃあ、私は世界を繋ぐ少女を捕まえるとしましょう。ハァッ!」
- 味方同士で斬り合う3人を見て高笑いしつつ言った台詞。その後、再び変身してルナを捕まえようとするが、今度はタッセルに邪魔された。
- 「ああーっ!イライラするゥ!お前ら!グーズグズしてないで早くそいつを斬り刻め!!」
- ルナが一向に捕まらない上に、未だ支配に抵抗しているブレイズとエスパーダを見て苛立ちが頂点に達しつつ発した罵倒。
- 「いちいち当たり前の事を聞くなァ!!」
- エスパーダに「人の心を弄ぶのがそんなに楽しいか!」と言われた際の激昂。ここまで来ると一周回って逆に清々しい悪役である。
- 「何……!?」
- エスパーダに「父は、最後まで誇り高き剣士だった……!そんな事も分からない……お前こそ愚かで惨めだ!恨む価値もない!」と言われた際の返答。
- 「何だと!?」
- ブレイズに「貴方は悲しい人ですね……」と憐れまれた際の返答。ここからイザクのプライドを完全破壊することになる下記二つの台詞に続いていく。
- 「ううっ……!」
- ブレイズに「僕は組織にいる時、ずっと貴方を信じてきた!それこそ、神のように敬ってました!でも今の貴方を、信じる者はもう誰もいない!!」と言われた際の狼狽え。
- 「黙ぁまぁれーっ!黙れ黙れ黙れ黙れーっ!」
- ブレイズに「貴方は!自分から神であることを辞めたんだ……そして、今は独りぼっちです!」と論破された際の激昂。図星を突かれた反応から、薄々自覚はあったのだろうか。
- 「誰にものを言っている!虫ケラがァ!!」
- クロスセイバーに「お前がどれだけ大きな力を手に入れようと、俺達の絆を切る事は出来ない!」と言われた際の激昂。そういう自分自身が虫ケラに成り果てたことに気づかない。
- 「私に勝てる者などいないと、なぜ分からない!」
- 飛羽真がフィーチャリングセイバーに変身した際の罵倒。直前含めてこれまで計3回も敗北しているにもかかわらず、こんなことを宣っているので説得力ゼロである。
- 「ゴミ共が……消え失せろ!!」
- フィーチャリングセイバーが『星烈斬』を発動した際の台詞。これに対し、『ソロモンストラッシュ』で迎撃しようとするが、逆に爆煙で自身を追い込んでしまうことに。
- 「私の……全知全能の書が……神の……神の力がァァァァァーーーーーーーーッ!!」
- クロスセイバーの『銀河友情蹴烈波』によって敗北し、ワンダーライドブックを消し炭にされてしまった際の台詞。この後、全身が爆発炎上し惨めな悲鳴を上げつつ藻掻き苦しんだ。
- 「フゥ、ハァ、ヴッ、アァ……ハァ……!ア゛ァァーーーッハハハハハハハァッ……私は死なん……この力同様、不滅だ!私の神話はここから始まるのだ……」
- →「それは無理ですねぇ……あなたの物語はここで終わりです。」
- →「何を言ってる……?神の御前だぞ!平伏せぇえええええ!!!」
- →(消滅)
- →「神になり損ねた男の最期は、実に滑稽で、惨めで、美しかったですよ。これからの物語は私が紡ぎます。美しい結末のために……!」
- 執念でワンダーライドブックを復活させてから、ストリウスに消滅させられるまでの一連の流れ。「平れ伏せ」と言いつつ、自身が平伏すような姿勢で消滅してしまった。
余談
- 名前の由来は不明だが「遺作」か、もしくは旧約聖書のイサクなどが妥当か(どちらかと言うと英語のアイザックが近いが)。
- もっとも後者の場合、元ネタは父親・アブラハムが自身を生贄に捧げようとするのに抗わず準じた(アブラハムの信仰を試していた神が止めたことで無事に生還した)生き様と対照的になるのは皮肉な事ではあるが。
- また、常に不敵に笑うイザクであるが、旧約聖書のイサクの名の意味は「彼は笑う」である。
- ちなみに彼の登場以前にイザクという名前の特撮キャラが既にいたりする。
- イザク自身は第40章で退場したが、演者の相馬氏のオールアップ発表は初代マスターロゴスを兼役したため次回の第41章となった。
- 最終章では新たなワンダーワールドが誕生し、その場にはビクトールの他に、バハトや黒い本棚とかつての敵対者もいたのだが、彼らと違い改心する余地の無い根っからの悪党だったためにかイザクが登場する事はなく、代理の様に居合わせたのは大昔の人物であり、飛羽真とは接点のない先祖の「初代マスターロゴス」だった。
- 曲りなりにも黒い本棚の面々はメギドに変貌する以前はビクトールと初代マスターロゴスの親友だったので、人選的に初代マスターロゴスがいたのは自然な流れではあるが。というかイザクに関しては神代兄妹と組織の上司と部下の関係にあった以外の対人関係が特にない(強いて言うなら自ら排除した四賢神)ので、いない方がいいと思われたのかも知れない。
- イザク自身は「一族の掟に縛られたくない」「神になる」と語っていたが、彼が変身する仮面ライダーソロモンのベースとなったパーツは、頭部が「使用者が剣の予知に縛られたカリバー」の物で、胴体は「王」に絶対服従な兵隊のカッシーン。それに加えマントは操られた状態の形態のブラーボの物の流用と、彼の結末を踏まえると、イザクに対する痛烈な皮肉がこれでもかと詰め込まれており、もはや「むしろ狙っていたのでは?」とも思ってしまう位にしっくりくるパーツ構成とも言える。
- 空っぽすぎて一周回って濃いキャラと言え、ネタとして見ても人気が高いと言える、ある意味不思議な敵キャラである。
- イザクを演じた相馬氏は、後に「この役のオファーなかったら、役者辞めようかなって思ってたくらい危なかった」とオファー前の自身の心境を語っている。
- しかし、その3年後、ラジオ内で芸能界引退を発表した。芸能界引退という結果自体は変わらなかったものの、イザクのおかげで彼が役者を続けようと決心したきっかけとなったのは想像に難くない。
- 2023年での戦隊『王様戦隊キングオージャー』に出てくるラクレス・ハスティーが「自国や己の大願のためなら他国の侵攻や民の犠牲を厭わない」暴君ぶりからイザクを思い出した視聴者も出ており、Twitterでトレンド入りを果たした(と言っても「マスターロゴス」と呼ばれていたが……)
関連タグ
仮面ライダーセイバー マスターロゴス 仮面ライダーソロモン 全知全能の書
サイコパス…しかし、彼を取り巻く環境によるものも大きい為どちらかと言うとソシオパスの方が妥当か。
世界を変える気骨あるならまず自分自身を変えろ:EDの1フレーズ。イザクは確かに世界を変える気骨も有るし自分自身を変えもしたが、方向性を大いに間違えた為に皮肉にも破滅の末路を迎えてしまった。