ネタバレ注意
「変……身」
「俺は俺なりのやり方で人類を救う。仮面ライダー……第…0号だ」
演:森山未來
概要
『シン・仮面ライダー』に登場する仮面ライダーの1人にして、本作におけるラスボス。
緑川イチローのチョウオーグとしての姿であり、加えて対峙するダブルライダーと同じようにマフラーを巻くことで、人類が争わない理想郷の創造を実現させるべく戦う事を選んだ姿「仮面ライダー第0号」を名乗った。
圧倒的な力でダブルライダーを追い詰める。
外見
暗めの配色の第1号や第2号、大量発生型相変異バッタオーグと異なり、青い防護スーツに銀のマスク、白いマフラーと明るめな配色のコスチュームを着用している。また、マスクの複眼部分は紫色に発光する。
玉座が蝶の羽を思わせる造形の為、ダブルライダーと対峙した際、立ち位置のアングルの都合から背中から巨大な羽が展開されている様に見える。
変身完了時にも、両手を胸で交差させ蝶の羽を思わせるポーズをとる。
蝶を模したマスクは第1号やハチオーグのように装着者の髪が露出するタイプで、後頭部から黒い長髪をなびかせている。
能力
変身する前の状態でも人間から魂や生命力そのものと言えるプラーナを引き剥がし、楽園という名の地獄に追放できる。
この能力を受けた者は外傷も無く、何故死亡したのかも分からぬまま安らかな笑みを浮かべた死体となる。
一見強力に見えるが、人外合成型オーグメントの様なオーグメンテーションによる改造を受け、自らのプラーナを制御できる存在には通用しない。
戦闘時には手からプラーナを衝撃波の様に放出し、戦いを勝ち抜いてきたダブルライダーに初めて致命的なダメージを与え、吐血させる程強力。
他のオーグメントと比較しても、内包するプラーナの絶対量で大きな差がある、まさにSHOCKER最強の存在。
専用の武器や特殊な兵装は装備しておらず、ダブルライダーと同じく徒手空拳で戦う。
だがその性能はダブルライダーとは桁違いで、舞踊の様な独特の動きによる格闘術を繰り出し、2対1という状況をものともしない圧倒的な強さを見せつける。
作中で第1号は骨折程度なら短時間で再生していた為、第0号も基本的な能力は同じと思われる。
一見すると隙が存在しないように見えるが、実は内包する膨大なプラーナでも賄いきれないほどにプラーナの消費量が多いという弱点が存在する。その為、長時間の戦闘にはハビタット計画のシステム中枢にして、彼にプラーナを供給する専用の玉座の存在が不可欠となる。
劇中ではダブルライダーによって玉座を破壊され、更にその状態で2人がスペック差を無視して長時間食らいついてきたため、特にダメージを受けてないにも拘わらず活動限界寸前まで追い詰められた。
同時にそれまでの超越者染みた言動によって覆い隠されていた、イチローの人間らしい感情がむき出しになっていく。
変身ベルト
第0号の変身に使用されるベルト。
正式名称は、「変身ベルト アルティメットハーフタイフーン(試作改造型)」。
プラーナ制御技術の完成形とも言えるプラーナ強制排出補助機構付初期型、風という外部要因無しで変身を可能にする開閉式安全装置付初期改良型に続く第3のベルト。
作中ではイチローが開閉式安全装置付初期改良型の開発者である事が示唆され、第1号と第2号の持つ2つのベルトを経て完成した最新式の可能性がある。
変身の掛け声と共に顔が裂けて蝶の口吻が露出し、マスクの着用とタイフーンの回転で第0号の変身が完了する。
余談
- 史上初となる蝶をモチーフとする仮面ライダー。
- 変身時の顔や配色からイナズマンと共通しており、人類と超能力者の共存を目指して世界を守ったイナズマンに対して、第0号は「自身の思想こそ絶対であり、現体制の否定者」と反転している。ただしインタビューでは「イナズマンではない」と否定している。
- 実際にスーツを着用して撮影した森山氏によると、「皮が張り付いて可動域が狭く、蒸れるし冷えるで大変だった」との事。因みに、「マスクの視野は能面よりはマシ」だったという。
- TV版『仮面ライダー』の産みの親の1人である平山亨プロデューサーが宇宙船文庫の『仮面ライダー 変身ヒーローの誕生』で執筆した短編シナリオ「二人ライダー・秘話」において、「緑川博士は本郷より以前に仮面ライダー第0号ともいうべきバッタ男の改造人間に着手するも、被験体は耐えきれず死亡した」というエピソードが記されている。イチローの第0号を彷彿とさせる要素が多く、直接の元ネタだと思われる。
- このほかにスカイライダーはデザイン画の時点で「仮面ライダー0号」と書かれていた。
- 当初はチョウとトカゲの要素を持つ3種合成型オーグメントというのも検討されていた。
関連タグ
シン・仮面ライダー SHOCKER ダークライダー 0号ライダー ラスボス 哀しき悪役
仮面ライダーV3:第0号のベルトは彼の変身ベルト「ダブルタイフーン」に似た見た目でマフラーも白色。また、イチローは最終的に両親と妹を失う事となる。
ホッパーVersion3、仮面ライダー3号:上記のV3と関係のある仮面ライダー。1号2号の敵として立ちはだかった点、最終的にライダー達と和解した点で共通。
仮面ライダーエデン:愛する者を喪った過去から楽園創造を目論むが、愛する者の遺志を知って和解したダークライダー。
仮面ライダーエターナル:人外へと改造され、理想とする世界が人間にとっての地獄、かつ自身を新たな希望という意味で「仮面ライダー」を名乗ったダークライダー。
仮面ライダーSHADOWMOON:モチーフ元が同じ、大切な人を失った、主人公とは異なる方法で自らの正義を成そうとした点も共通する。