概要
『シン・仮面ライダー』におけるSHOCKERの改造人間の総称。
大半の上級構成員は、モチーフの生物を象った目が光るマスクを装着しているのが特徴。怪人としての能力を解放する為の変身時には、顔に模様が浮かび上がったり一部が裂ける等の変化が生じ、体は完全に異形の姿となる。
仮面ライダーを含むオーグメントの被るマスクは単に素顔を隠し、攻撃から頭部を守る防具としての役割だけでなく、殺人への忌避感を無くす麻薬にも近い効果を齎す洗脳装置としての機能がある。作中での本郷猛は自らの良心に従い、マスクの効力に抗う姿が描かれている。
オーグメンテーション
本作における改造手術。本編での描写を見る限りでは、主に昆虫から抽出した生命エネルギーであるプラーナを人体に移植し、そこへ異なる生物を合成する技術と思われる。
本編冒頭でのクモオーグの発言から、仮面ライダー第1号はこの技術の完成形の様で、プラーナの制御にプラーナ強制排出補助機構付初期型を用いている。
原典であるTV版『仮面ライダー』では植物をモチーフにした改造人間も数多く登場するが、シン・仮面ライダーカードには「人間と体の構造が全く違う植物とのオーグメンテーション手術は困難であり、過去の被験者は死亡している」と記載されており、植物型のオーグメントがいないのは恐らくこの設定に依る物である。
科学陣の間では「昆虫が良い」という声が強まっているとある。
肉体強化や洗脳の技術も、このプラーナを扱う技術によるものだが、その一方で異形化に伴い精神へ大きな負荷が掛かるという問題がある。
また激しい戦闘でプラーナを消費し過ぎると、プラーナによって強化された肉体を維持出来なくなり、限界を迎えて肉体が崩壊・消滅するリスクもある。
分類
昆虫合成型
バッタオーグ、ハチオーグ、チョウオーグが該当。主に緑川博士率いるグループが研究、開発していたタイプで、その名の通り昆虫と人間を合成させるオーグメンテーションによって誕生する。生物種の約半分を占める昆虫と地球の支配種たる人間という、この世で最も進化した2つの生物の掛け合わせであり、緑川曰く『最も理想的な生物』。
プラーナ研究の第一人者たる緑川が手掛けていることもあってか、単なる生命維持、肉体強化に留まらない高度なプラーナシステムが特徴で、プラーナを外部から吸収増幅してスペックを一時的に上昇させる、逆に放出することで翅を形成したり攻撃に転用するといった多彩なプラーナの活用が可能。
また、プラーナを体外に排出することで人間の姿に戻る事も出来、この状態でも超人的な身体能力はある程度残っているが、再びフルスペックを発揮するにはプラーナを何らかの方法で外部から再吸収してオーグメントとしての姿に『変身(チェンジ)』する必要がある。
プラーナシステムの欠陥に気づいた緑川は第1バッタオーグたる本郷に埋め込まれているプラーナインバーターの開発を最後に研究をやめたが、その研究グループと技術は彼の死後、息子であるイチローに引き継がれ、強化型の第2バッタオーグや量産型の大量発生型相変異バッタオーグが開発された。
人外融合型
イワン博士率いる研究グループ(おそらく本編で言及されている死神グループ)が研究、開発していると見られるタイプで、昆虫以外の生物と人間を融合させるオーグメンテーションで誕生する。
漫画版での描写から技術がオーグメンテーションとして確立されたのはこちらが先であるようで、その意味では古いタイプのオーグメントといえる。
プラーナで合成先の生物の能力を再現する昆虫合成型と違って身体そのものがその生物の特徴を持つものに変化しており、能力もプラーナではなくその特徴を活かしたものになっているなど、「人間とそれ以外の生物の融合」という要素を前面に押し出した存在。その為異形化の度合いは昆虫合成型以上、まさに「人外」或いは「怪人」然とした見た目である。
また、人の姿に戻ることもできないようで、コウモリオーグは羽こそ隠しているものの常にオーグメントの姿のまま研究をしている。(カットされたシーンでは緑川の口から「人の姿には戻れない」と明言されている)
物語終了時点でもイワン博士や死神グループは存続している為、以後現れるオーグメントはこのタイプをベースにしたものである可能性が高い。
3種合成型
K.K.オーグが該当。
死神グループが開発した最新型オーグメントで、人間と2種の生物の計3種の生物を合成することで誕生する。
死神グループが開発していること、プラーナを用いた能力を見せず身体が完全に異形化していることから恐らく人外融合型の技術が基本になっていると思われるが、昆虫が合成されていたり、大量発生型相変異バッタオーグと同型のベルト(プラーナ蓄積循環外部補助機構簡易タイフーン)を装備していたりと、昆虫合成型の特徴も見られる。
その他
サソリオーグが該当。
サソリの鋏を模した右腕や頭部の蠍の尾など、人外融合型の特徴が見られるもののマスクから見える限りは顔面は人の姿を保っており、集団相手とはいえオーグメント抜きの通常兵器で抹殺されてしまうなど、他のオーグメントに比べ異形や強化の度合いが低い(但しルリ子の発言からバッタオーグであっても数による殲滅は可能であることが示唆されている)と思われ、『仮面ライダー図鑑』でも唯「サソリと人間の合成型オーグメント」とのみ表記されている。
漫画スピンオフ『真の安らぎはこの世になく』では後のサソリオーグにあたるサソリが腕にのみオーグメント手術を受けており、これが何らか関係していると思われるが現時点で詳細は不明。
オーグメント一覧
※設定は存在しているが、本編ではカットされ未登場。
余談
オーグ並びにオーグメンテーションの語源は、英語のaugment(増強)からと思われる。
動物の和名+英単語と言う少々変わった命名法則だが、ショッカー怪人の名前を英語にするアレンジは以前のリメイクで既にやっており、被りを避けるためとも考えられる。
関連タグ
ショッカー怪人:原典『仮面ライダー』における、ショッカーの改造人間。『シン・仮面ライダー』に登場するオーグメントは、主にTV版の序盤に登場した怪人達をモデルとしている(庵野監督の「旧1号編は本郷の声が変わる8話まで」という、過去の発言に概ね沿っている)。
変態仮面:ヒーローではなく怪人だが、彼らの人となりを一言で表現できる。