「人間の数を最も削ったものが何だか分かるかね?」
「残念だね!バッタくん!君の跳躍力は66メートル30!ワシには届かんよ!!」
演:手塚とおる
データ
身長/不明
体重/不明
特色・力/翼の展開と飛行、優秀な頭脳
概要
原典における蝙蝠男に相当し、英語表記はKOUMORI-AUGMENT-01。
クレストはメカニカルなコウモリ。
原典や漫画版の蝙蝠男同様に尖った耳を持ち、本作独自の要素として、額部分に蝙蝠の鼻が付いているという強烈なデザイン。他のオーグメントとは異なり、マスクは装着していない。
SHOCKERの生化学主幹研究者を務めている為、白衣を着ており、その下には巨大な羽を持つ。飛行能力は勿論、本物のコウモリのように天井へ逆さにぶら下がることもできる。
人物像
屋根のある野外劇場のような場所を研究拠点としており、自身の研究室の洋服掛けには、白いハットを引っ掛けている。
他者を信用していない気質で、下級構成員の代わりに人型のロボット兵器に警護を任せている(ルリ子曰く「相変わらず他人を信用していない」)。
「疫病により弱者を淘汰することが、人類の幸福である」と信じているマッドサイエンティストであり、感染者の意思を操った末に死に至らしめる「バットヴィルース」を扱う。
緑川ルリ子とは組織在籍時からの知り合いで、「コウモリおじさん」と呼ばれているが、あくまでも共にSHOCKERに所属している身というだけで親しい関係ではない。
緑川博士から自身のヴィルース研究を否定されたことから同じ科学者同士としてライバル意識を抱いていたようで、本郷を支配できたと思い込んだ際には真っ先にルリ子の抹殺を命じている。
ただし緑川博士の専攻だったプラーナについては専門・計算外だったらしく(または「他人を信じない」「緑川博士をライバル視している」ことからSHOCKER内部で共有されていたプラーナ技術のデータを無視していたか)、それが後述する敗因に繋がっている。
活躍
真の安らぎはこの世になく
本名が「多田野」であることが判明。コウモリから採取したヴィールスを改良して誕生した「FFヴィールス」が癌細胞を破壊する「奇跡のウイルス」として注目を集めたが、内部告発により研究の不正が発覚。自身もその関係者として追及を受け、世間からは「すっとぼけ会見」と揶揄されバッシングの的となり、その過程で科学者としての立場も家族も失うこととなった。その最中、SHOCKERが接触を図り、加入。本作の時点で幹部クラスにまでのし上がっている。
緑川に対しては彼が自身の研究を「真実への情熱が論文から滲み出ている。」「あなたは本物の研究者だ。」と擁護したことで彼を【生涯の好敵手】として認識していた。
シン・仮面ライダー
単独で自身の拠点へ乗り込んできたルリ子をヴィルースで昏倒させ、駆けつけた本郷猛をルリ子と似た服装をさせた大量の感染者(モニターしていた政府の男らの指揮所での無線報告によると「旅団規模」)で出迎える。
自身の理論を演説した後ヴィルースで感染者全員を一気に殺害し、ルリ子もすぐに殺せると言い放ち人質にする事で本郷に変身を解除させ、彼もヴィルースに感染させようとする。
しかし、実はプラーナによる改造人間の本郷とルリ子には通じておらず、本郷に自身の思想を否定され、ルリ子に左の翼を撃たれて負傷。状況を不利と見て撤退(本人曰く「戦略的転進」)する。
追いかけてきた本郷=仮面ライダーに対しても彼のジャンプ力では飛行できる自身には届かないと高を括っていたものの、シン・サイクロン号に備えられた飛行能力によって追いつかれ、ライダーキックを受けて敗北。自分の思想が周囲から理解されなかったことに思うところがあったのか、「緑川……なぜ誰もワシを理解しないのだ……」と呟きながら溶解して消滅した。
「緑川博士の娘であるルリ子には裏をかかれる」「自慢のヴィルースも緑川博士の開発したプラーナ技術には無効」「撤退を強いられた挙句、緑川博士が造り出した仮面ライダーとサイクロン号の連携で引導を渡される」と、ライバル視していた緑川博士へあらゆる面で敗れたとも言える末路を辿ることとなった。
余談
- 演者の手塚とおる氏は、『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』でロベルト志島/デス・ドーパント/ダミー・ドーパントを演じており、仮面ライダーシリーズは2回目の出演となる。なお、『ラブ&ポップ』ではウエハラ役、『キューティーハニー』では執事役、『シン・ゴジラ』では文部科学大臣・関口悟郎役で出演しており、庵野秀明監督作品への出演は4回目となる。
- 蝙蝠の頭部を最大限に表現した顔をしているが、この特殊メイクは完成させるまでに3時間もの時間が掛かっている。
- 「ヴィルース」という単語を用いているのは、原典『仮面ライダー』において、蝙蝠男が使用していたウイルスを「ビールス」と発音していたことへのオマージュであると思われる。
- 本作のタイアップ商品である『シン・仮面ライダーチップス』の付属カードによると上述の巨大な翼は彼の弱点でもあるらしく、「これを つけねから ぜんぶちぎられると しぬ。」と書かれている。
- 実際に、上述の通りルリ子から左の翼を撃ち抜かれ負傷した後、飛行できてはいたもののその軌道は不安定だったことからもそれがうかがえる。
関連タグ
ガニコウモル/サボテンバット:原典『仮面ライダー』に登場する
仮面ライダーブラーリ:同年のライダー作品に登場するコウモリモチーフのライダー。こちらもまた極悪人である。