概要
仮面ライダーシリーズにおける非公式の一部仮面ライダーの分け方。
初代「仮面ライダー」における仮面ライダー1号や仮面ライダー2号などのネーミングに由来して、主人公ライダーを「1号ライダー」、主要なサブライダーを「2号ライダー」「3号ライダー」…と呼ぶことが多い。
その流れで、複数の仮面ライダーが登場する作品において「システム上の1号よりも前の段階に位置する仮面ライダー」あるいは「TV本編以前の時系列(主役ライダーよりも前)で主に活動していた仮面ライダー」を「1号より前のライダー」として「0号」とした呼び名が「0号ライダー」である。2号ライダーや3号ライダーとは性質が異なる概念であるため、ファンの間でもこの呼び方が浸透しているとは言い難い。
以下はこの二種類に分類して該当者を挙げる。
システム上の1号よりも前の段階に位置する仮面ライダー
各作品の作中設定においてシステム上の「1号」と言える仮面ライダーがいる場合(主役ライダーとは限らない)、そのシステムの元やプロトタイプとなる仮面ライダーは実質的な「0号」となる。以下はそれらのうち、本編中の時系列で登場する仮面ライダーを掲載する。なお、ワンオフのシステムはナンバリングして「1号」と称するような存在ではないため、そのプロトタイプが登場しても0号ライダーにはならない(仮面ライダーバース・プロトタイプなど)。 これは「主役ライダー=1号」という前提に基づいた2号ライダーや3号ライダーとは全く異なる概念であるため、それらとも重複しうる。
該当者
『仮面ライダー剣』
他のアンデッドの姿に変身することができる特殊なアンデッド・ジョーカーがマンティスアンデッドの姿に変身した存在。
BOARDはジョーカーのこの能力を限定的に再現したシステムとしてライダーシステムを開発したため、システム1号の仮面ライダーギャレンおよびシステム2号の仮面ライダーブレイドのベースになっているカリス(ジョーカー)は実質的にライダーシステム0号と言える(反対に、BOARD製ライダーシステムの発展型である仮面ライダーレンゲルは実質的な3号)。なお、時系列上はジョーカーがカリスとして活動するようになったのとライダーシステムが開発されたのはどちらが早いのかは不明。
主役ライダーのブレイドを「1号」とした場合のポジションとしては、基本的に2号ライダーがギャレン、3号ライダーがカリスとされる(ギャレンとカリスが逆の場合もある)。
『仮面ライダーカブト』
ライダー | 仮面ライダーダークカブト |
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変身者 | 擬態天道総司 |
ZECTが製作したマスクドライダーシステムの第1号が主役ライダーの仮面ライダーカブトであり、その試作型であるダークカブトが実質的にマスクドライダーシステム第0号と言える。
『仮面ライダーウィザード』
主人公の操真晴人に変身アイテムを与えて魔法使い・仮面ライダーウィザードに仕立て上げた謎の魔法使い。その後、新たに3人の人物を魔法使い・仮面ライダーメイジに仕立て上げた。
笛木は自身以外に4人の魔法使いを必要としており彼がカウントする魔法使いはその4人であるため、そのうちの一人目である晴人/ウィザードを「1号」とすれば笛木/白い魔法使い自身は「0号」となる。実際、デザイン段階での仮称は「0号ライダー」であった。
なお、本作のポジション的2号ライダーである仮面ライダービーストは古代の変身システムを用いる「古の魔法使い」であり白い魔法使いからも「アーキタイプ」と呼ばれているが、白い魔法使いおよび彼が仕立て上げた魔法使いとは別種のシステムであるため彼が必要とする魔法使いにはカウントされない。
『仮面ライダービルド』
本作におけるライダーシステムはエボルトに対抗する防衛システムとして開発されたが、同システムにおける第一の変身ベルトであるビルドドライバーはエボルトが使用するエボルドライバーを参考にして設計された。そのため仮面ライダーにとってエボルト/エボルは、倒すべき敵であると同時に、「0号」的存在である。
また、仮面ライダービルドをはじめとする仮面ライダーが共通して使用するアイテムであるフルボトルも、事実上エボルトが製作したと言える。
『シン・仮面ライダー』
SHOCKERに改造された人外合成型オーグメントでありながら組織を裏切った2体のバッタオーグである本郷猛と一文字隼人がそれぞれ仮面ライダー、仮面ライダー第2号と名乗ったため、2人の前に立ち塞がる緑川イチローも対抗して仮面ライダーを自称した。
「仮面ライダー」と名乗ったのが本郷・一文字より遅いにもかかわらず第3号ではなく第0号なのは、改造されてオーグになったのが彼らより遥かに早いためだと思われる。
TVシリーズ前の時系列(主役ライダーよりも前)で主に活動していた仮面ライダー
ポジション的な呼称である2号ライダーや3号ライダーは「主役ライダー=1号」という基準に基づくが、この基準から遡ると、主役ライダーが活動するTV本編よりも前の時系列で活動していたライダー達は「0号」となる。その活躍はTV本編よりも劇場版などの番外編的な作品が多く、故に主役ライダーと同時に登場することはほとんどないのが特徴である。
一部は試作・プロトタイプに該当するがすべてではなく、試作であっても各作品の作中設定においてはシステム上の「0号」ではなく「1号」となる場合もある。
該当者
『仮面ライダーW』
ライダー | 仮面ライダースカル |
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変身者 | 鳴海荘吉 |
登場する派生作品 | 『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』など |
主人公の左翔太郎&フィリップが仮面ライダーWとなるよりも前に風都で活動していた、最初の仮面ライダー。
作中における「仮面ライダー」という呼称はWを指したものが最初であり、人知れず戦いW誕生よりも前に死亡した荘吉/スカルは「仮面ライダー」とは称されなかったため、0号と言える。
なお、最初の仮面ライダーであるためかスカルには仮面ライダー旧1号をオマージュしたと思われる要素が見られる。
『仮面ライダードライブ』
ライダー | 仮面ライダープロトドライブ |
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変身者 | プロトゼロ(チェイス) |
登場する派生作品 | 『シークレット・ミッション type ZERO 第0話 カウントダウン to グローバルフリーズ』 |
TV本編の半年前(2014年4月8日)に発生したグローバルフリーズの際にロイミュードと戦いその身を犠牲にこれを鎮圧した、仮面ライダードライブの試作型。その際、作中で初めて仮面ライダーと呼ばれた。
ロイミュードが本格的な活動を始めるのがTV本編の出来事であるため、それ以前にロイミュードと戦っていたプロトドライブは「0号」と言える。変身者が同一であるため、3号ライダーである仮面ライダーチェイサーの前身にあたる。
なお、『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』では歴史上初めて現れたドライブとして2005年に仮面ライダーゼロドライブが登場したが、これは10年前にタイムスリップした泊進ノ介が変身した想定外の形態であるため、0号には該当しない。
『仮面ライダーエグゼイド』
ライダー | 仮面ライダースナイプ シューティングゲーマー レベル1 (プロト) |
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変身者 | 花家大我 |
登場する派生作品 | 『仮面ライダーエグゼイド 【裏技】 仮面ライダースナイプ エピソードZERO』 |
本編の5年前において人類初の仮面ライダーとしてたった一人でバグスターと戦っていた。プロトガシャットで変身する。
花家大我は失策により医師免許とライダーの資格を剥奪されるも、バグスターが本格的な活動を開始した5年後(TV本編)に変身アイテムを手に入れ再びスナイプとなった。TV本編のスナイプはポジション的には3号ライダーであるが、変身アイテムが異なるため5年前のスナイプとは実質的に別枠である。
なお仮面ライダーゲンムはプロトガシャットを変身に用いる点で共通しているが、大我よりも前に変身していたわけではないようである。
『仮面ライダーゼロワン』
ライダー | 仮面ライダー1型 |
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変身者 | 飛電其雄 |
登場する派生作品 | 『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』 |
仮面ライダーの開発者であるヒューマギアの飛電其雄が自ら変身する、『ゼロワン』に登場する仮面ライダーのプロトタイプ。其雄はTV本編の12年前に発生したデイブレイクで大破して活動を停止しており、仮面ライダーとして活動していたのもデイブレイク以前である。
設定上は「0号」というよりも「ゼロワンの世界の1号」であるため、仮面ライダー1号をオマージュした要素が強い。
『仮面ライダーリバイス』
ライダー | 仮面ライダーベイル |
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変身者 | 白波純平(後の五十嵐元太) |
登場する派生作品 | 『リバイスレガシー 仮面ライダーベイル』 |
TV本編の約20年前に開発された、最初の仮面ライダー。自身から生まれた悪魔・ベイルを相棒として軍事機関で活動していたが、後に決別。白波純平は記憶を失って五十嵐元太となり、仮面ライダーベイルとしての活動も終了した。
ベイルはその後デモンズドライバーに封印されたため、同アイテムで変身する仮面ライダーデモンズのプロトタイプが仮面ライダーベイルであると言える。なお、TV本編でもベイルが元太を乗っ取る形で1度だけ変身している。
設定上は「0号」というよりも「仮面ライダー第1号」である。
余談
公式とはまた違うが原作者の石ノ森章太郎が原点回帰を掲げた新しいライダーをデザインする際、デザイン画に「0号」や「0号ライダー」と書いている。(スカイライダー、BLACK、シンなど。)