「では、お見せしよう──『変身』」
演:柄本佑
変身する仮面ライダー
概要
『シン・仮面ライダー』に登場する青年。
SHOCKERによるオーグメンテーションを受け、改造人間・第2バッタオーグこと仮面ライダー第2号となる。
余談
関連タグ
この先、ネタバレ注意!
過去(真の安らぎはこの世になく)
ジャーナリストの父、一文字松哉と母がおり、父は多忙で中々家に帰ることはできないが家族仲は良好。隼人も軽口を叩いて家を空ける父に文句を言うものの、父の様なジャーナリストに憧れを抱いてることが母から明かされた。
しかし、両親にもSHOCKERの魔の手が迫っており、誘拐の末理性を失った緑川イチローの手により松哉は殺害。母も殺害され、両親の遺体は山中に遺棄された。
深い絶望を抱えたまま、古賀元刑事からSHOCKERに関する情報全てを託され、「正義の力で両親の無念を晴らす」決意を固めた。
2年後、真実追求のためにSHOCKERの施設へ向かおうとするが…。
「仮面ライダー」への覚醒/受け継がれる「魂」
映画本編の中盤以降、本郷猛の前に立ちはだかる新たな刺客として登場。
コミュ障で口数が少ない本郷とは対照的に陽気かつおしゃべりで、思ったことや感じたことを素直に表す正直者。「自分の気持ちがスッキリするか、しないか」を重視しており、何かにつけて「スッキリ」という言葉を口にする。
しかし決して自分勝手な性格ではなく、本郷が本領を発揮できるように仕向けた上で彼の戦略を「イイネ!」と素直に褒めたり全力を出せずにいる本郷を叱咤するなど、正々堂々のフェアプレーを好む。
更に絶望の記憶を多幸感で上書きして操るSHOCKER式の洗脳下においてもこうした自身のスタイルを決して崩さない強靭な精神力の持ち主でもあり、ルリ子からも「大した精神力」と称されている。
本業は原典『仮面ライダー』同様にジャーナリストで「ペンの力で悪を暴きたい」という志を持った気骨ある人物。「群れること」を嫌う一匹狼的な性格もあって、政府との協力関係についても当初は難色を示していた。
本郷と同じ生粋のバイク好きで、曰く「孤独を楽しめるから好き」。
何らかの経緯を経てSHOCKERに捕えられ、第1バッタオーグのデータを基にした改良型第2バッタオーグに改造され、緑川イチローの用心棒として利用さていた。
イチローのアジトを訪れた本郷とルリ子の前に姿を現すと風を受けずに変身できる性能を披露した後、プラーナが足りない現状で事を構えるのを良しとせず、勝負を預けて逃走した本郷とルリ子をサイクロンで追跡。あくまで「正々堂々と戦う」ことに拘り、本郷が逃走中に受けた風からプラーナを十分に圧縮したタイミングを見計らって決闘を申し込んだ。
SHOCKERの洗脳に抗う自分を相手に全力を出せずにいる本郷に「手を抜くな」と発破をかけつつ激しい空中戦を展開し、互角以上に渡り合った後、ついに本郷の左脚を蹴り折って戦闘不能に追い込む。
「つまらん!心ガッカリだ」
そのままトドメを刺そうとするが、立ちはだかったルリ子のパリハライズによって洗脳を解除される。
封印されていた悲しい記憶が蘇り慟哭する一文字に、ルリ子は絶望を乗り越えて「仮面ライダー」になって欲しいと願いを込め、本郷のものと同じ赤いマフラーを送った。
その直後、ルリ子はK.Kオーグの奇襲によって倒れてしまう。トドメを刺そうとするK.Kを間一髪で蹴り飛ばして妨害し、改めて仮面ライダーを名乗ると勝負を挑む。
マスクを叩き割られて怒り心頭のK.Kの攻撃を軽くいなし、必殺の飛び蹴りで瞬殺した。
しかし時はすでに遅く、本郷の手当ても虚しくルリ子は命を落としてしまった。
その死に罪の意識を感じた彼はルリ子への償いとSHOCKERに借りを返すべく、本郷と共にSHOCKERと戦う事を決意する。
ショッカーライダー軍団に苦戦する本郷の元に駆けつけると「連むのは嫌いだが、好きになってみることにした」という胸の内を告げ、改めて仮面ライダー第2号を名乗る。
「大丈夫か?本郷」
「すまない、一文字くん」
「謝罪じゃない。そこは感謝だ!」
「ありがとう、一文字くん」
「"くん"じゃない!ここは呼び捨てだ」
「わかった。”一文字”」
ダブルライダーとして本郷と共にファイティングポーズを決めると、抜群のコンビネーションでショッカーライダーをまとめて撃破した。
その後、イチローの変身する仮面ライダー第0号/チョウオーグと壮絶な死闘を繰り広げ、両腕をへし折られて満身創痍になりながらもイチローのプラーナが枯渇するまで本郷と共に食い下がり、彼がイチローを抑え込んだ隙を突いて0号のマスクを頭突きで破壊。その衝撃で自身のマスクも真っ二つに割れてしまったが、イチローの野望を阻止することには成功した。
だがベルトを破壊され、命そのものであるプラーナを使い切った本郷はイチローと共に一文字の目の前で消滅。一文字だけが生き残る結果となった。
「…何だよ……また一人かよ…」
その後は一人途方に暮れ、マフラーを外して仮面ライダーを降りようとしていたが、政府の男から本郷の「自分が消えた後も仮面ライダーを名乗り続けて欲しい」という遺言を聞き、思い止まる。
「新しいスーツとサイクロン号が欲しい」
未だ健在であるSHOCKERを壊滅させるため、一文字は政府の男──タチバナ、タキと共に本郷の後を継ぎ、ただ一人の仮面ライダーとして戦い続ける事を決意した。
本郷が遺したマスクの中には、彼のプラーナ=魂が宿っている。一文字は、マスクを通して本郷の優しさを感じていた。
新たなサイクロン号を走らせる一文字。本郷もまた、一文字の受ける風を感じていた。
「俺達はもう独りじゃない。いつも二人だ。二人でSHOCKERと戦おう」
『シン・仮面ライダー仮面之世界』
DVD&Blu-ray特別盤の特典映像収録のサプライズ予告編にて登場。
本作では本編と違いロン毛になっており、髭も生えている。
余談(ネタバレ)
- 登場したのがほぼ終盤かつ、過去の掘り下げもほとんどされなかったにもかかわらず、その明るさと快活さで全体的に暗く重々しい本作におけるほぼ唯一の清涼剤となっている。そのためか、『シン・仮面ライダー』の登場人物の中でも特に高い人気を誇っている。
- 原典のTV特撮『仮面ライダー』には実際にマスクによる頭突き技が存在し、最終話でゲルショッカーのアジトの扉を破る際に、ダブルライダーが「ヘッドクラッシャー」という技を使用している。
関連タグ(ネタバレ)
一文字隼人(TheFirst):別世界の一文字隼人。彼も当初はSHOCKERの刺客として登場したが、決闘の末和解した。こちらは逆に死を示唆する描写で幕を閉じている。
詩島剛:『仮面ライダードライブ』に登場する2号ライダーの変身者。明るく陽気な性格だが、義理堅い一面も持ち合わせている点や相棒と呼べる存在を黒幕との決戦で失ってしまう点が共通している(陽気さの中に影を持つカメラマン、「剛」という名前など、どちらかと言えば詩島剛が原典の一文字隼人をオマージュしたキャラというのが正しい)。
仮面ライダーブレン:第2号と同じく頭突きで黒幕を倒したライダー。こちらは最初から頭突きが必殺技となっている。