演:角替和枝
概要
『仮面ライダー龍騎』に登場。
本作のおやっさんポジションに当たる人物(真司にとっては大久保大介もその一人)。45歳。
人物
神崎兄妹の叔母に当たる人物で、喫茶兼住居の「花鶏」のオーナーを務める(紅茶専門でコーヒーはない)。両親の死亡した神崎兄妹を引き取ったが、神崎優衣の兄である神崎士郎は現在はもう一方の親戚である高見家に引き取られている。この恩義がある為なのか、彼女がミラーモンスターに襲われることは一度としてなかった(流石に劇場版ではどうなっているかはわからないが)。
度量が広いものの、「わたしの勘に、間違いはないわ」という言葉が口癖の変人で、実際に人一倍勘が働く。特に士郎が残した「優衣が20歳の誕生日を迎えると消えてしまう」という言葉を本当ではないかと信じていて、その上で神崎士郎が既に故人である事も知っており、優衣には黙っていた。その為、彼女に真実を知られてしまうのを恐れており、オフィスを差し押さえられて花鶏に転がり込んできたOREジャーナルが神崎士郎について調べている事を知るや否や慌てて追い出している。
また、旅行が趣味であり、店に一定額の資金が貯まると海外旅行に出発する。
ヒマラヤから帰国した際に真司に出会い、彼が家賃を滞納した末にアパートを追い出されて職場に転がり込んでいたと知り、彼を空いた時間に店の手伝いをするという条件で住まわせた。反対に蓮に対しては無愛想だからかあまり好印象を抱いていなかったが、実際は蓮の方が客商売に向いていると判断してからは彼も真司のルームメイトとして居候することを許可した。(TVSP版でも蓮が花鶏で働いている辺り、似たようなやり取りがあったのであろうか?)
現在はアマゾンへの旅行を目指し、同好会にも参加している。しかし、物語が進むにつれ、仮面ライダーの戦いが激化し、手伝う時間がなかなか取れない真司たちに業を煮やし、バイトを募った事もあったが、よりにもよってバイトに来たのがあの東條悟であったりと災難に遭う事もしばしば(これ以前には手塚がバイトに訪れている)。
ついに運命の日が訪れて、優衣が消滅してしまった事を勘で察しながらも、彼女のためにバースデーケーキを準備し、ただひたすらに彼女の帰りを待つのであった。そのケーキが意味するのは消えてしまった彼女への葬いか、成人を迎えようとしていた彼女への祝福か…何れにしても彼女の表情は言葉にし難い悲壮感に満ちていた…。
余談
沙奈子を演じた角替和枝女史は本作に出演した縁から次回作の劇場版に友情出演を果たしている。
彼女の経営する花鶏は新宿区にあるという設定だが、外観のロケ地となった「大正モダン はいから屋」も東京都新宿区中落合4丁目8−17にある。
『龍騎』放送から21年後には、角替女史の息子である柄本佑氏が『シン・仮面ライダー』にて一文字隼人/仮面ライダー第2号を演じることとなった。
関連タグ
そして世界は再編され…。
(イメージ図)
何かに導かれるように花鶏にやってきたどこかそそっかしい男のコーヒーを注文する声に彼女はこう返す。
「コーヒーはない。紅茶だけ。」
男は店の雰囲気を褒めたり、「おばさん」ではなく「お姉さん」と呼んでそっけない彼女の機嫌を取りながら紅茶を注文した。そんな男の反応を楽しんでいるのか彼女は紅茶を出す気配すらない。
それは愛想の良い男や目つきの悪い男が花鶏に居候してくる騒がしい非日常ではなく、彼らがただの客として来店し、緩やかに時が流れていく退屈だけれど平和な日常。そんな時が永遠に続くように祈りの歌が店内を流れている。
そこに大人になった姪の姿はなく、店には小さな兄妹が幸せそうに笑っている写真が飾られていた…。