概要
『仮面ライダー剣』の主人公・剣崎一真 / 仮面ライダーブレイドらが所属する「人類基盤史研究所」の略称。
「ヒトが地球を制した背景には、進化論で説明できない理由が存在する」との仮定に立ち、その理由を究明するために作られた機関。インターネット上に公式サイトもある。
しかしその裏では、人間を襲う不死の生命体アンデッドをすべて封印するために活動している。
第1話で使われた非常用サイレンが特徴的な組織であり、後述の『仮面ライダーディケイド』で「ブレイドの世界」が舞台になったときも同じSEが使用された他、CSMブレイバックルおよびギャレンバックルにSEが収録されている。
メンバー
- 天王路博史(理事長→元理事長、実質的には支配を継続):創立者
- 烏丸啓(所長):恐らく剣崎らとともに解雇
- 橘朔也(研究員→仮面ライダーギャレン):終盤で解雇
- 剣崎一真(仮面ライダーブレイド):終盤で解雇
- 広瀬栞(所長やライダーたちの補佐):恐らく剣崎らとともに解雇
- 桐生豪:ギャレンの変身実験後、退職
- 広瀬義人(研究員):死亡
- 新名 / ウルフアンデッド:元メンバーを名乗り、アンデッドハンターを独自に設立。
- アンデッドハンターの隊員:元BOARDのメンバーがいた可能性もある
活動経緯
物語開始前
活動の起点はチベットで手掛かりとなるボードストーンが発見された事に由来。
不老不死の実現を狙う天王路博史によって創立され、烏丸啓が所長を務める。
また、妻の病をきっかけに「死」を克服することを夢に持つ広瀬義人も、中核メンバーであったようである。
研究の過程で、妻が死んで功を焦った広瀬が天王路にそそのかされ、大半のアンデッドの封印を解いてしまい、広瀬はアンデッドに殺されてしまう。
このアンデッド解放事件の顛末については、当時のBOARD職員しか知らず、以後に入職した剣崎一真や広瀬栞は具体的なことを知らされていなかった。そのため序盤では、「なぜアンデッドは解放されたのか」という疑問を抱いていた。
そして天王路は、解放されたアンデッドを再び封印するため、烏丸が提唱していた「ライダーシステム」の開発を実行に移すことを決定(当時、すでに橘朔也は研究員として所属していた)するとともに、自らはアンデッド解放の責を負うために理事長職を辞した。
しかし、辞職後も天王路はBOARDを支配しており、瀕死の重傷を負った広瀬から人格と記憶を移植されたトライアルB(直後、広瀬は死亡)に対し、秘密裏に人造アンデッドの研究を行わせる。
広瀬の死後、父の理想を叶えるため、栞が入職。
烏丸の片腕として働き始める。
そしてライダーシステム1号「ギャレン」が完成、適合者候補として桐生豪が選ばれたが、変身実験に失敗し、右腕が不随となる大怪我を追って退職。
研究員だった橘が後任となって変身に成功し、ギャレンとしてアンデッド封印任務に就く。
その後、栞曰く「ギャレンだけでは足りないと烏丸が考え」、ライダーシステム2号「ブレイド」を開発。
適合者として、民間人だった剣崎を採用し、ダブルライダー体制でアンデッド封印に当たっていくことになる。
なお、アンデッド解放から終盤に至るまで、アンデッド関連の情報については天王路による圧力(情報統制)がかけられており、人的・物的被害はすべて事故として処理されている。
物語開始後
第1話にて多くの職員が働いていた本部はローカストアンデッドの襲撃を受けて壊滅してしまう。
生き残った本部職員は、烏丸、橘、剣崎、栞のわずか4名。
本部施設は更地にされた(栞曰く「上の力が働いた」)ため、剣崎と栞は白井虎太郎の家を、橘はBOARDの旧施設や自宅を拠点に活動するようになる。
なお、栞が虎太郎宅に持ち込んだアンデッドサーチャーなどの電子機器の類は、解体作業をしていた本部跡地からかっぱらってきたものである。
なお、天王路は終盤に姿を現すまで、従来の情報統制の他、壊滅したBOARD本部を更地にしたことと、剣崎たちスタッフに給料を支払い続けることはしたものの、それ以外については全くバックアップせず、彼らは独自にアンデッドと戦うことを強いられていた。
中盤、BOARDの残党を名乗る「アンデッドハンター」が登場。
リーダーの新名はウルフアンデッドだったのでメンバーではないはずだが、他のハンターたちは普通の人間だったので、本当にBOARDの職員だったのかもしれない。(新名も、実際に新名という人間がいて、彼を殺したウルフアンデッドが成り代わったか、BOARD壊滅前から職員として潜伏していた可能性もある)
終盤、ほとんどのアンデッドが封印されたため、天王路は剣崎たちを不要と考え、第一の手段として給料の支払いをストップ。
さらに「BOARDの備品であるライダーシステムを勝手に使った」という理由で剣崎たちを解雇処分。
烏丸や栞も同様の処分を受けたと考えられる。
また、チベットにいる烏丸に対しては、その命を狙って刺客を放っており、そのために烏丸は日本への帰国ができなかった。
加えて、虎太郎が仮面ライダー関連の情報を本にしようと出版社に持ち込んだ際、天王路の圧力によって拒まれた。
一方で天王路は、バトルファイトの管理者である統制者とのアクセス手段であるモノリスを確保、研究しており、そこでは多数の職員が働いていた。
この時点では、天王路とその部下こそが真のBOARDと言えるのだろう。
そして天王路はギラファアンデッドに殺されてしまう。
組織の真の頂点である天王路を失い、BOARDは今度こそ完全に壊滅し、残された資料やデータなどは橘、栞等に回収された。天王路に従っていた研究員や戦闘員の行方や、残ったメンバー達が残された資源をどうしたかは不明。
MISSING ACE
IFルートを辿った劇場版では、剣崎がジョーカーを封印した後、53枚すべてのラウズカードを烏丸と橘が人手につかないよう補完しようとした矢先、アルビノジョーカーに襲撃され、ほとんどのアンデッドが封印から解放されてしまった。
烏丸は死亡したため、橘が後を継ぎ、ケルベロスを軸とした新世代ライダーのライダーシステムを開発。
3人のライダーを選出し、アンデッドの封印に当たらせていた。
最終的に、アルビノジョーカーを倒すことができ、橘以外のライダーは全員いなくなってしまった。
メンバー
仮面ライダーディケイド
リ・イマジネーションされた「ブレイドの世界」では、四条ハジメが社長として経営する、一般人も知る巨大企業となっており、オフィスも高層ビルにある。
業務は、52枚のラウズカード全てを蒐集するためにギャレン・ブレイド・レンゲルを用いてアンデッドを封印すること。
原典以上に職業ライダーとしての色を押し出していることが特徴。
まず、変身の際には経理→総務→社長の順に稟議を承認させる必要があり、承認が降りるまで生身での戦いを強いられる。稟議書の内容も期間/内容/変身者・人数/マスクドライダーシステム/サポート・人数/封印カード/対象アンデッド/封印方法/使用機材/使用者と情報が事細かに記載されている。
この厳格なまでの資金管理の為、戦いの最中にアンデッドが新たに出現し、仲間が襲われていた所を無許可で変身して助けたという止むを得ない事情があっても、変身の資格を剥奪される事がある。
つまり、サポーターは出動した時点で命の保障はない。とんだブラック企業である。
なお原典の特徴的なサイレンは健在である。
一方で世界の外から来た存在であるディケイド/士は例外らしく、コックの身でありながら勝手に変身し、あまつさえ封印対象を爆殺するという所業をやってのけても降格するどころか、11階級特進でKに昇格していた。
さらに社員は、トランプの4つのスートに分かれた部門のいずれかに所属し、なおかつ2~13+エースまでの13階級に割りふられている(エントランスにはピラミッド型の所属社員の一覧表が確認できる)。
仮面ライダーへの変身権限を有するのは各部門最高位たる「A(エース)」で社への貢献度によってランクは上下変動する(ただし、カズマはランクの2になるまでブレイバックルの没収はなかった)、さながらネロス帝国のような弱肉強食真っただ中の組織となっている。
食堂の席やランチメニューなどの福利厚生の内容も、受けられる内容が著しく異なる。
食堂ではA、KQJ、それ以下の低ランクの3種のエリアに分かれており、配膳スタッフ以外の低ランク社員が高ランク社員専用エリアへうっかり立ち入ろうものならブザーが鳴り響く。
さらに、Aランチはフルコース、KQJランチは洋食、それ以下は質素な和食となっている。
ネームプレートもラウズカードを模したデザインになっており、社員は否が応でも自分のランクを思い知らされる仕様になっている。立場以上の働きをすれば、ボーナスが出る事もあり、Kの地位にあった士はボーナスの対象であり、社員食堂で黒字を出せばボーナスを追加すると約束された。そこで、士は階級分けランチを廃止し、安価で美味な「社員みんながランチ」(605kcal)に統一、客寄せパンダとしてメイド役に夏海、ホスト役にユウスケを迎えるなどの改革を打ち出している。
これはおそらく、原典のバトルファイトのオマージュだと思われる。
それ故に立場が変われば態度が豹変することもザラであり、当初はサポーターだったムツキがAにランクアップしたときは、それまで上司だったサクヤに対し、完全に上から目線の偉そうな態度になった。
そうした厳格かつ、社員間の競争を是とする体質でありながら、業務内容はあくまで人類をアンデッドから守るといった公共の福祉に努める、社会的には正しい会社である。会社も国からの給付金で運営されており、作中時点では世界不況の影響でボーナスを含めた給料が大幅に削減されている。
というのは表向きのことであり、その裏では人造アンデッドの開発を研究していた。
よく考えてみれば当然のことで、アンデッドはジョーカーを除いて52体しかいないため、いずれすべてのアンデッドが封印されれば、BOARDはお役御免になってしまう。
それを防ぎ、自社の存在意義を失わないために、ハジメは人造アンデッドを生み出し、それに人間を襲わせ、自社のライダーに封印させるというマッチポンプを画策していた。
表向きは理事長を務める鎌田 / パラドキサアンデッドの協力もあり、サクヤとムツキの命を犠牲にして、人造アンデッド研究は成功、ジョーカーアンデッドを生み出す(なぜ鎌田が強力していたのかは不明。「ライダーとアンデッドが手を組み世界の統率者となる」というセリフから典型的な世界征服が目的である事を窺わせてはいるが)。
そしてハジメ自らジョーカーと融合し、自分たちの目的を知った士とカズマと戦うが、ライダーのタッグの前に敗北。
悪の企業としてのBOARDは潰えた。
ハジメの死亡後はカズマがBOARDの社長を務めており、経営も幾分かマシになったものと思われる。
メンバー(社員)
- 四条ハジメ(社長/仮面ライダーカリス)
- 鎌田(理事長)
- 菱形サクヤ(仮面ライダーギャレン・♦︎ランクA→ランク3→退社扱い)
- 剣立カズマ(仮面ライダーブレイド・♠︎ランクA→ランク7→ランク2→ランク0→社長)
- 黒葉ムツキ(仮面ライダーレンゲル・♣️ランクK→ランクA→退社扱い)
- アイ(社員食堂コック・♠︎ランク8)
- マイ(同上)
- ミー(給仕・同上)
- 門矢士(社員食堂のチーフ・♠︎ランク2→ランクK)
仮面ライダーアウトサイダーズ
橘が烏丸から所長職を引き継ぐ形で就任しており、ラウズカードの性質を利用してゼインカードの製作を進めていた。