「士!お前は俺に大切な事を教えてくれた。俺達は励まし合い、助け合い、一緒に進化していく仲間だ!」
演:鈴木拡樹
概要
『仮面ライダーディケイド』のリ・イマジネーションライダーの一人。
あちらと違って「カズマ」と名前で呼ばれることが多い。
登場当初は、「BOARD」のスペードのAランク社員。
叩き上げのキャリアによって現在の地位まで上り詰めたため、プライドが非常に高い人間として描かれていた。さらに社長から与えられたボーナスを眺めて満足そうな顔をするなど、正義側の仮面ライダーとしては俗っぽい面を見せる(士曰く「仮面ライダーサラリーマン」。まあ正しいっちゃ正しい)。
しかしアンデッドを倒すことよりも人命を救うのを優先するなど、他者を思いやる確かな正義感も持ち合わせている。
なお、劇中の描写を見る限り、降格、再起後のお人好しかつ前向きな性分が本来の彼の気質なのかもしれない。
活躍
ブレイドとして第一線で戦ってきたが、戦闘中にアンデッドの封印よりも後輩である黒葉ムツキを助けることを優先してしまったために、戦闘中の命令違反とみなされスペードの7に降格されてしまう。士がチーフを務める社員食堂に配置転換され料理人として働くが、持ち前のプライドゆえ、自分に高圧的かつ尊大な態度をとる士には反抗的だった。
仕事を嫌々こなしており、その意欲の無さが祟ってか給仕中に転倒しサクヤとムツキの衣服を汚すミスを犯しついに最低ランクの2にまで降格、変身資格も剥奪されてしまった。
Aランクに返り咲きたい一心でブレイバックルの返却を拒み、アンデッドを封印しようとするも、突如現れた仮面ライダーカリスによってブレイバックルを奪われBOARDをクビになってしまう。
そして荷物をまとめていた際、「そんなにランクに拘るなら俺が書いてやる」と士によって社員証に0と書きこまれてしまう。「どこまで俺を馬鹿にしてるんだ!?」と食って掛かる勢いのカズマだったが、居合わせた小野寺ユウスケが場を取り成す。
「あんたは全てを失った!だから、0からやり直せってことだよ!!そうだよな?、士?」
「士がここまで仕事にこだわるのも、何か深い考えがあるんだよ…」
カズマは、ユウスケから(彼なりに解釈した)真意を教えられたことで矛を収め、士が内心自分のことを気遣ってくれていると考え再起を決意。士に対して心を開くようになった(ただし当の士は戸惑いながら明らかにぎこちなく調子を合わせており、実際のところ挑発以上の考えはなかったと思われる…)。
以降はバイトとして真面目に社員食堂で働くようになり、調理担当の社員が転倒しかけたところを助け「一緒に働く仲間だろう?助け合っていこう」と協力の言葉をかけるなど、性格も明るく素直なものに変わっていった。そしてムツキから侮辱と「今からライダーシステムの奪還に行くが格下の力は必要ない」とわざわざ報告に訪れる嫌味な態度を取られた際、人払いした士に感激。この際士を「チーズ…!(チーフ)」と呼んでいた。
そして業務終了後、会社のアナウンスを通じてサクヤとムツキが突如依願退職した事を知りカズマは事態を訝しむ。「良かったじゃないか、これでお前がエースに返り咲けるチャンスが増えたんだぞ」と何の気なしに言う士に対し「ほんとにそれでいいのか!?一緒に働いて来た仲間なんだろ?」とユウスケが疑問を投げかけたことでブレイドとして戦っていた頃の協力体制を思い出し奮起(なおこの際、士の発言を仲間としてサクヤ・ムツキと戦っていた頃を思い出させるために、あえて突き放すような言い方をしていたとまたもや拡大解釈している)。
社長室に駆け込むも四条は理事長(鎌田(パラドキサアンデッド))が所有するBOARD研究施設に向かっており、ユウスケと共に施設へ潜入。
サクヤとムツキを発見し救出しようとするも四条と鎌田に阻まれ、カズマは四条の口から「会社の利益を上げるためにはアンデッドの存在が不可欠」という理由から会社がマッチポンプに手を出していた事実を知ってしまう(詳しくは四条ハジメの項目参照)。
四条がジョーカーに変貌を遂げ、絶体絶命となったところを士がディケイド龍騎としてミラーワールドから出現。取り返していたブレイバックルをジョーカーとパラドキサへの説教後に返却され、再びブレイドに変身する。ディケイドの使用した ファイナルフォームライドの力でブレイドブレードに変形し、共にジョーカーとパラドキサを撃破した。
士との別れの際、世界を渡る自分の身の上を示唆した士に「何者なんだ?」と問いかける。そして、「自分はやがて全ての世界を破壊するらしい」と己の運命を語る士を「違うな。あんたがこの世界を救ったんだ」と讃え晴れやかな顔で見送るのだった。
カズマ「また…会えるか?」
士「いつか、旅を続けてればな」
カズマから士への信頼は劇中の通りだが、成り行きで信用された士も「(自分が去った後の社員食堂では)カズマが俺の魂を受け継いでくれる」と彼への信頼があるかのような発言をしており、リ・イマジネーションライダーの中ではユウスケに次いで強い繋がりを築けていると言える。
その後
「ライダー大戦の世界」で再登場。
「ブレイドの世界」が「キバの世界」と融合し、消滅してしまうことを避けるために「キバの世界」へ戦いを挑んでいたところに士達と再会する。この時社長室のデスクに座っていた描写から、四条ハジメに代わってBOARDの社長を務めていることが判明した(長らく公式からの明言はなかったが、仮面ライダー図鑑にて確定。このためなのか、今回は士のことを「チーフ」ではなく下の名前で呼んでいる)。
「本当の敵はキバではなく大ショッカーだ」という士に対し不満を隠さず、当初は大ショッカーとの戦いに参加しようとはしなかった。しかしかつて士に言われた言葉を思い出し、真っ先に士の加勢に向かう。
その後、アポロガイストによって「ブレイドの世界」が消滅すると同時に消滅してしまったが「完結編」にて復活を果たし、電王と共にスーパーショッカー怪人軍団に斬り込んでファルコンロードを一刀のもとに斬り捨てた。直後、他のライダー達と共にドラスに苦戦する士達に加勢する。
余談
- 演じる鈴木拡樹氏は、ブレイドの変身ポーズを上手くきめるために「剣」本編での椿隆之氏の演技を何度も見直したという。また、「ディケイド」本編に椿本人が出演した際には歓喜したらしい。
- 上記の通り劇中で士を「チーフ」ではなく「チーズ」と呼ぶシーンがあるが、これは「剣」を代表するネタの一つ「オンドゥル語」のセルフパロディと思われる可能性が高い。
- 原典の剣崎のポジション上、『後年でディケイドと共闘しているブレイドは全部カズマが変身した物ではないか?』と言われている(リイマジキバであるワタルも同じ事が言われている)。
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- 剣崎一真…原典における仮面ライダーブレイドの変身者。こちらはディケイドの敵である。