新世代ライダー
しんせだいらいだー
仮面ライダーシリーズにおける、特定の括りの仮面ライダー達を指しての呼称の一つ。2023年現在、この呼称を用いた作品としては『仮面ライダー剣』と『仮面ライダー鎧武』の2作品が該当する。
基本的には、物語開始当初から登場しているライダー達に対し、後から作中に登場したライダー達を対象として用いられることが多く、いずれも「新世代」を謳うだけあって既存のライダー達とは異なるシステムを有し、かつ高い性能を発揮する存在として描写される。
他方で、こうした呼称はサブタイトルやキャッチコピー向けに用いられ、作中で対象となるライダー達が実際にそう呼ばれることはなかったりもする。
類義語として「次世代ライダー」というものもあるが、こちらは「主人公ライダー以降に誕生・開発されたライダー」として定義されることが多く、ほぼすべての作品で該当するライダーが存在する。
新世代ライダーと異なり、必ずしも公式や作中で使われる用語ではなく、ファンが独自に用いる用語と言える。
同作では、劇場版『MISSING ACE』にて新たに登場するオリジナルのライダー達に対して、この呼称が用いられている。
「TVシリーズの後日談」という体裁で物語が展開される同作において、TVシリーズから引き続き登場するライダー達はいずれも「旧世代」として位置付けられており、その旧世代のライダー達のシステムを元に橘朔也が新たに開発したシステムを用いて戦うのが、グレイブ・ラルク・ランスの3人からなる新世代ライダーである。
後発のシステムを用いているがゆえに高い性能を発揮できる一方、それに起因しての奢りや、旧世代の変身者である剣崎一真や上城睦月が当初変身できない状況にあったことなどから、新世代側が旧世代側を見下すような態度に出たりと、「再び解放されたアンデッドの脅威に立ち向かう」という目的を同じくしつつも、世代間の関係はお世辞にも良好とは言い難いものがあった。
また、新世代ライダー3人の関係も、戦闘においては息の合ったところを見せながらも、各人の気質もあって必ずしも信頼関係を構築できていたとは言えず、やがてとある一件をきっかけに3人のうち2人が死亡、残る1人も故あってライダーとしての力を放棄したため、新世代ライダーのチームも事実上瓦解を迎えるに至った。
『剣』の新世代ライダーは、後年制作された『仮面ライダーディケイド』にも、「ディエンドの世界」のライダーとして登場しているが、同作では「ディエンドの世界」におけるライダーが彼等3人のみであることに加え、「ブレイドの世界」が別個に存在しそちらとの関連性についても特に触れられていないことから、ここでも新世代ライダーの呼称は用いられていない。
同作でも出で立ちや戦い方など、基本的なスタイルは大きく変わらないものの、大きく異なる点として「専用バイクを保有している」という点が挙げられる。旧世代ライダーが個々の特性に合わせた改造車を用いていたのに対し、同作での新世代ライダーは特に改造が施されていない「HONDA CBR600RR」を使用している。
特徴(剣)
新世代ライダーが使用するライダーシステムは、旧世代のそれのうち最後期型のレンゲルのものをベースとしており、その都合上オープンアップ方式による変身や、右腰に装着されるカードホルダー(ラウズ・バンク)などにも、レンゲルの名残が窺えるものとなっている。
一方で、開発にアンデッドの手が加わっていたレンゲルのシステムに対し、新世代ライダーのシステムは人間である橘がほぼ独力で開発を手掛けたこともあり、アーマー部分に使用されている「オリハルコンプラチナ」やスーツ部の「アーティシャルケプラー」のように、強化服の素材などはレンゲルのものがそのまま引き継がれている訳ではない。
また、各ライダーごとに特定のスートのアンデッドの力を活用していた旧世代ライダーに対して、新世代ライダーはアンデッドの力を解析・擬似的に再現した人造アンデッド「ケルベロス」の力を引き出すことで、変身や戦闘を可能としている。ケルベロスはどのスートにも属さない、カテゴリーAのアンデッドであることから、新世代ライダーの強化服にも共通するシンボルマークとして、ヘルメットや胸部アーマーなど随所に「A」の意匠が盛り込まれているのも特徴の一つと言える。
もう一つ、新世代ライダーの強化服の共通項として、ヘルメット中央に備わった単眼タイプの「ダイヤモンドスコープ」が挙げられる。旧世代ライダーのような複眼ではなくこのような形となった理由については、開発者の橘が「ダイヤのスーツのライダー」だったためではないかと、関連書籍において指摘されている。
同作の新世代ライダーは、TVシリーズの物語中盤より登場する、新型のシステムやアイテムを使用した一部のライダー達を指しての括りとされている。
物語当初より登場していたアーマードライダー達を旧世代、テストデータを集めるための存在とすれば、新世代のアーマードライダーはそのデータを元に開発された正規版とも言うべき立場である。それゆえに、新世代に含まれるいずれのライダーとも、旧世代を遥かに凌ぐスペックを有しており、中でもデュークのシステムには開発者特権ともいうべき特別なチューニングが施されていることから、新世代ライダーの中でも随一の実力を発揮する。
最初に登場した4人の新世代ライダーは、いずれもユグドラシル・コーポレーションに属する人間が変身しており、旧世代のシステムしか持ち合わせていなかった主人公側にとっての強大な敵として立ちはだかる格好となった。もっとも、その後主人公側もこれに対抗し得る戦力を手に入れており、新世代ライダーの登場によるユグドラシル側の優位性もごく短期間のみに留まった。
また、物語後半以降やTVシリーズ終了後の派生展開において、ユグドラシルに属さない人間も新世代ライダーに変身するケースが複数存在し、これらの新世代ライダーの中には主人公側と共闘する者もいた。
(※ ゲネシスドライバー使用時のみ)
特徴(鎧武)
新世代ライダーの共通項として、変身ベルトが新型の「ゲネシスドライバー」であることがまず第一に挙げられる。同時に変身に必要なロックシードも、通常のものとは異なる「エナジーロックシード」を用いる必要があり、このエナジーロックシードから抽出したエネルギーが、旧世代ライダーを凌ぐスペックの源となる。
各々が個性的な武器(アームズウェポン)を装備していた旧世代ライダーに対し、新世代ライダーには「ソニックアロー」と呼ばれる弓型のアームズウェポンが、共通の装備として用意されているのも特徴の一つである。このソニックアローを用いる都合上、変身時に装着されるアーマーもその多くは左右非対称なデザインとされている。
上記した共通項に当てはまらない、例外的なケースも勿論存在する。
それは劇場版『サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』に登場する黒影・真で、彼のみ変身時に装着される「マツボックリエナジーアームズ」が、旧来のマツボックリアームズとほぼ変わりない見た目である他、武器もソニックアローではなく、やはりマツボックリアームズの武器の強化版である「影松・真」を使用しているといった具合に複数の相違点が見られる。