「あなたの知恵と技術で、ショウマに力を与えてくれないか? 私達と同じように眷属を生む力を……逞しく生きる力を!」
「来い! 私が鍛えてやろう」
概要
特撮番組『仮面ライダーガヴ』の登場人物。
ショウマの実父であり、ストマック社の前社長。劇中では既に故人。
長子であるランゴ・ストマックの怪人態を老齢化させた様な外見をしており、フサフサに蓄えた白髭が特徴。一人称は「私」。
父(ショウマ等の祖父)が創りあげた闇菓子の製造を進めていたが、そのスパイスとするべくグラニュート界へ連れて来たみちるを見初めてしまい、彼女との間にショウマを儲けた上で屋敷の一室に保護していた。
生前のブーシュの唯一の理解者であった大叔父のデンテ・ストマックの証言では「みちるやショウマを愛していた」 ようだが、井上母子を快く思わない他の家族の手で闇菓子のスパイスにされる事態を防ぐため、2人を必要以上に幸福にならないようあえて冷たい態度を取っていた模様。
生前はショウマが生き延びられるように鍛えようとしたり、デンテに「彼のガヴが眷属を作れるよう強化改造して欲しい」と依頼する等々の根回しを行っていた。
本人なりに父性に満ちた行動を取っていたものの、行為が行為なだけに結局みちるとショウマどころか、本流の子供達5人の意思をも無視したブーシュ1人のエゴである現実には変わりはなく、みちるからは「いつか人間の世界に戻る」と拒絶されていた上、ショウマからは「自分と母を不幸に追いやった元凶」、ランゴ等からも「イカれた親父」として蛇蝎の如く嫌われるままこの世を去った。
そしてブーシュの死後は生前の懸念通り、みちるはランゴ等によって闇菓子の材料にされ、ショウマは過酷な運命を背負い続ける未来となってしまった。
しかし、彼が在命中はみちるとショウマに対して次期社長であるランゴを含む本流の子供達や、他のグラニュートが直接的な危害を加えられなかった事実を踏まえると、家長と前社長の双方のポジションにおいても、ブーシュには無視できない影響力を持っていた実態がうかがえる。
余談
- 名前の由来はフランス語で「口」を意味するboucheだと思われる。
- 演じた竹内氏は仮面ライダーシリーズ初出演。このキャラを持ってニチアサキッズタイムコンプリートを達成した。
- マスクはランゴと共用の物らしく、差別化のため髭と左角のリングが追加され、口元はニエルブに似た格子状へと変わっている。
- 作中の人物から酷評される彼だが、実際に闇菓子製造に関わっているグラニュートを人間の目線で見た場合「奴隷人種を攫った上で子供を作った」ならまだかわいい方で、酷い場合には「豚や牛などの家畜、もしくは胡椒や唐辛子などの調味料と子供を作った」に等しく、それを抜きにしても「本来の妻子に対する無配慮さからも酷評もやむなし」と評価する視聴者も少なくない。ただ、現状闇菓子に関わっていない一般のグラニュートの人間に対する認識が不明瞭な為、グラニュート全体から見ても異端扱いなのかは分かっていない。
- みちるとショウマに対する態度についても、あくまで幸福な感情は「良質な」闇菓子のスパイスにならないだけであり、(結果的には手を出されなかったが)確実な対策にはなっていない上に、2人からは真意を理解されずただ嫌悪感を募らせるだけで終わった。そもそも、みちる当人は「元の世界に帰りたい」と切望していたにもかかわらず、ブーシュはそれを一切慮らずに監禁し続けた以上は、自分本位で救いようがない外道であるが。
関連タグ
毒親:本流の息子達にはこうなる。
地獄への道は善意で舗装されている/DV/スパルタ教育:傍流の妾や息子にはこうなる(一応、こうしなければならない事情があったようだが……)。
園咲琉兵衛:平成11作の元凶の1人。本質的には家族愛に満ちる人格者なのだが、愛息の死とその際に味わった〈恐怖〉を契機に目的のためならば、愛すべき家族にも無慈悲に振る舞うようになってしまった家長。
笛木奏:平成14作の元凶。上記の瑠兵衛と同様に家族愛に満ちる人物だが、こちらも愛娘の死を契機に人間を止めた上に、あらゆる犠牲を払ってでも娘を甦らせようと暴走した。