概要
戦隊同士が戦う展開は1番初期の『秘密戦隊ゴレンジャー』から既に始まっており、その歴史はかなり古く、多くの場合は敵組織の怪人で構成された悪の戦隊や、彼らが作り出した偽物の戦隊である事が殆どで、昭和から平成、令和にかけて一貫して続いている。
そもそもスーパー戦隊シリーズでは、チームが一致団結して戦うのが基本コンセプトである為、平成ライダーや令和ライダーの様に立場や思惑からヒーロー同士での戦闘に発展する事は先ず無い。
だが、90年代の平成初期に入ってからは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』の様に、追加戦士と初期メンバーとの間に生じた過去の因縁や、第三勢力としての台頭から敵同士での戦いに発展し、登場してすぐに仲間に加わらないケースが度々見られる様になる。
そして平成の終わる2010年代後半、遂には『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の様に本格的な戦隊同士の抗争まで描かれたのみならず、令和に入っての『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』では痴情の縺れから、戦隊メンバー同士が争う前代未聞の展開が繰り広げられた。
更にはドンブラザーズ以降の令和に入ってのシリーズでも、初期メンバーと初期メンバーの誰かが互いの事情から戦闘になる場面が描かれる様になると言う、仮面ライダーさながらの展開が散見される様になって行く。
追加メンバーとの戦い
恐竜戦隊ジュウレンジャー
シリーズ初の追加戦士として名高いブライ/ドラゴンレンジャーだが、最初は弟であるゲキへの憎しみからバンドーラ一味と結託。何度もジュウレンジャーと戦いを繰り広げるも、第22話で最終的に和解。
だが、肉体が既に失われた死者だったのを大獣神から期限付きで蘇らされた身だった為、最終回まで生存する事無く第42話で殉職した。
未来戦隊タイムレンジャー
第三勢力の立ち位置としてタイムファイヤーが登場。タイムレッドこと浅見竜也への私怨から度々衝突したが、タイムレンジャー全員と敵対している訳では無く根も決して悪人ではない。
忍風戦隊ハリケンジャー
ハリケンジャーのライバルである忍びの派閥・迅雷(いかづち)流忍者側の戦士として『電光石火ゴウライジャー』が登場。当初は宇宙忍群ジャカンジャと手を組んでおり、ハリケンジャー達と対立していたが巻之十八で和解した。
爆竜戦隊アバレンジャー
第三勢力として登場したアバレキラーが敵組織を乗っ取り、アバレンジャー側の戦力を奪う等、敵味方問わず大きくその陣営を搔き乱した。その過程の中でヒーロー側が被った被害は大きく、人間の醜さをまざまざと見せつけられた事も有った。
動物戦隊ジュウオウジャー
ブラッドゲームを盛り上げるべく、ジニスが生み出したジュウオウザワールドとの戦いが中盤になって描かれた。
40周年のアニバーサリーで登場したゴーカイジャーと戦った事もある。
機界戦隊ゼンカイジャー
本作の追加戦士であるツーカイザーは呪いでSDキャラに変貌してしまった自分の兄弟を元に戻す為に戦っているが、元が異世界を股に掛けて周囲の被害を顧みずに海賊行為を繰り返すアウトローであり、ゼンカイジャーとも度々衝突した。
王様戦隊キングオージャー
人間とバグナラクのハーフにしてスパイダークモノスことジェラミー・ブラシエリが、物語開始より15年前に起きた神の怒りに関与していると睨んだヒメノ・ランに両親の国王夫妻暗殺の濡れ衣を着せられて一騎打ちする事態に陥った。後に事件当初、彼は洞窟で眠っていただけで犯人ではないと分かり、和解する。
爆上戦隊ブンブンジャー
本作の初期メンバーの一人である振騎玄蕃/ブンオレンジが第3クールに入り、自身にとって怨敵である敵幹部のディスレースの登場と共に、その復讐の為にメンバーから離脱。折しもディスレースが最初の敵幹部であるマッドレックスを記憶を消した上で復活させ、利用する様になったのを受けてバクアゲ30では、彼の記憶を取り戻さんとするサンシーターの計らいによってブンレッドとマッドレックスの戦いが展開された。
追い詰められながらも煮え切らない様子のレッドを物陰から見て、参戦しようとしたオレンジだが、そこへ割って入ったブンバイオレットに阻まれ止む無く交戦。やがてマッドレックスが撤退した後、自身も戦いに意味が無くなったとして退散した。
初期メンバー同士の衝突
シリーズの性質上、昭和から平成まで一貫して有り得なかった初期メンバー同士での争いだが、令和に入って遂にそれが描かれる事態が起きた。
暴太郎戦隊ドンブラザーズ
お互いにヒーローとしての正体の知らなくてもお互い顔見知りで、尚且つ奇妙な友情を築いていた犬塚翼/イヌブラザーと雉野つよし/キジブラザーだったが、複雑な恋愛事情の為につよしから翼が一方的な憎悪を向けられて醜い争いに発展してしまい、ドン44話ではとうとうお互いに変身しての衝突にまで踏み切るに至った。
新旧戦隊同士の衝突
新旧戦隊のクロスオーバーシリーズとして名高いスーパー戦隊VSシリーズだが、実は新旧戦隊同士が敵同士と言う形で対面を果たすケースは少ない。だが、双方の事情から成り行きで対立し、戦隊ロボまで引っ張り出しての武力衝突になった例も幾度か有る。
激走戦隊カーレンジャーVSオーレンジャー
マシン帝国バラノイアの残党であるバラモビルを付け狙うオーレンジャーの面子を、罪も無い温泉治療客を付け狙う悪者と勘違いしたカーレンジャーが彼らと衝突。RVロボとオーレンジャーロボによる巨大戦にまで発展した。
新旧戦隊同士が敵対及び武力衝突にまで踏み切った初の事例。
戦隊同士の対決其の物に主軸を置いた作品
宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド
これまでの戦隊同士の戦いとしては異例のキュウレンジャーが内部分裂し、二手に分かれたメンバー達が対立するという展開。
同メンバーのハミィが新開発されたネオキュータマを強奪し、全宇宙に指名手配され、その処遇に擁護派と逮捕派で意見が分かれて武力衝突が起きた。
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー
怪人サイドとの三つ巴ではあるが、本格的な戦隊同士の戦いを扱った作品。異世界犯罪者集団ギャングラーが奪ったルパンコレクションを奪い返すと共に、彼らに奪われた大切な人を取り戻す為に戦うルパンレンジャーと、ギャングラーから世界の平和を守るために戦うパトレンジャーとの衝突を描く。
スーパー戦隊最強バトル!!
本作では黒幕であるリタの思惑で惑星ネメシスに集められた歴代の戦隊達がバラバラにチームを組んでトーナメント戦を行った。
テン・ゴーカイジャー
『海賊戦隊ゴーカイジャー』のTV放送終了から10年後に描かれた続編で、スーパー戦隊同士の戦いが公営ギャンブルとして人気を集める世界観で展開して行く。
関連タグ
ウルトラマン同士の戦い、プリキュア同士の戦い:同じくニチアサ及び円谷プロダクションにおけるヒーローサイドのバトル繫がり。内部事情は異なるが、戦隊もの以上に取り扱いには細心の注意が払われる。
ライダーバトル:同じくニチアサにおけるヒーローの姿をした者たち同士のバトル繫がり。但しこちらは初代のコンセプトからして悪の組織の洗脳から逃れた善良な怪人が組織の野望を阻止するために戦うというものだったため主人公の力の源が悪の組織由来のものであることも多く、主義主張の違いや疑心暗鬼で対立する展開に持ち込みやすく上記のものに比べて制約は少ない。平成期になってからはライダー同士の戦いがシナリオの根幹を担うナンバリングもあるほど。