CV:辻村真人(TV本編第23話)、山下啓介(劇場版) スーツアクター:岡田勝
「ライダー、試して欲しいのか? 国会議事堂を一発で破壊する、1キロトンの威力を!!」
概要
第23話「空飛ぶ怪人ムササビードル」に登場。
北海道出身のムササビの改造人間で、着ぐるみ感溢れる愛らしい姿が特徴。
大隅博士が開発したロケットを僅か100ccで打ち上げる「新型液体燃料」を奪い、700ccの液体燃料で札幌を爆破しようと企てた。その威力はTNT換算で1キロトンで、一文字は「たったこれだけで国会議事堂の2つや3つも吹っ飛ばしてしまう」と言っていた。ちなみに重量5tの広島原爆はTNT換算で16キロトンである。途轍もなく効率が良いのだ。
100mのジャンプ力と200mの飛行力を兼ね備え、驚異的な飛行速度から引き起こされる「スリップストリーム」が得意技。このスリップストリームは、ムササビードルが通過した際に周囲の人間が真空状態に陥り、内臓が破裂するという恐るべき威力を持つ…がライダー2号はともかく、普通のホモサピエンスである立花藤兵衛にはどういうわけか通用していない。
怪人図鑑によればヒゲを抜かれると極度に弱体化するらしい。
また、ショッカーの改造人間では珍しく、フェアプレイを好む紳士的な性格で、ライダーとの取引に応じた際には人質に危害を加えずに解放した(正々堂々とした性格を持つ怪人は他にも黄金ジャガー等がいる)。
活躍
北海道の大隅研究所に侵入し液体火薬を奪い、その場に居合わせた滝和也と一文字隼人を軽くあしらって逃走。一文字はライダーに変身し追跡し、ショッカー戦闘員のバイク部隊と激しいチェイスを繰り広げこれを全滅させる。そんな中ムササビードルはライダーの目の前に現れ、作戦内容をベラベラと喋り始め「大人しく帰るのだ!」と火薬を使ってライダーを脅す。ライダーは要求に応じるがサイクロンの後輪で砂をかけられ、液体火薬をライダーに奪還されてしまった。
ムササビードルは液体火薬を水同様に無害にしてしまう「放射線物質235」を運ぶ日本放射線センターの男をスリップストリームで殺害、戦闘員に化けさせ研究所に侵入し火薬を奪い取る。更に囮部隊を使用してライダーを別方向へおびき寄せた。しかし、ケースの中には発信器が予め仕込んでおり、同時にムササビードルを目撃した立花藤兵衛が追跡したおかげで場所(洞爺湖)を特定される。
だが、ムササビードルは観光に来ていたマリ、ユリ、石倉五郎を人質に取って火薬の引き渡しを要求した。結果、火薬は手に入るが上記の紳士的な性格が災いしたのか、解放された五郎が石を投げて戦闘員に攻撃し、ライダーに反撃のチャンスを与える事になった。スリップストリームでライダーを苦しめるものの、きりもみ回転からのライダーキックを受けて墜落、新型液体火薬が入ったケースに激突し大爆発した。
備考
- 『仮面ライダー対ショッカー』では再生怪人軍団の一員として、仮面ライダー対じごく大使では富士山基地を護衛するカミキリキッドの部下として登場。こちらはロッドを武器にしている。
- なお、前者では「ムササビドール」と名乗っており、ニコニコ動画の第23話のタイトルでは「空飛ぶ怪人ムササビートル」となっており、名前があまり統一されていない(公式名称は「ムササビードル)。
- 前回に引き続き、この回でもライダーが卑怯な戦法(騙し討ち)を取るシーンが見受けられる。
- 実はこの北海道ロケで制作陣の上層部が「佐々木剛さんのサイン会やるから、山本リンダが歌うからホテル代タダにして!」というトンデモない事を考えていて、当然出演者達には知らされておらず佐々木剛や現場Pは大激怒。これは上層部と現場での『ホウレンソウ』の不具合が事件の真相。ちなみに、この騒動で頑張った殺陣担当の大野剣友会の帰京分の交通費は予算になく、なんと北海道に置き去りにされた。置き去りにされた大野剣友会は、撮影に使ったスーツを利用して各地でライダーショーを開き、路銀を稼ぎながら東京へ帰ってきたという。
- 『新仮面ライダーSPIRITS』では東京湾ショッカー基地の再生怪人として登場した。
- ゲストの大隅博士を演じた伊豆肇は、後に『人造人間キカイダー』で光明寺博士を演じた。