「だけどピンチとチャンスは表と裏! こんな時こそ必ずいいことある!」
「明日の命より今日の命だったな。取り敢えず、明日の事を今日は考えない事にした。今日は今日をちゃんと生きる。明日の事は、それからだ」
変身する仮面ライダー
概要
第17話から登場。仮面ライダービーストに変身する魔法使い。
旅の青年で、適当な所にテントを張ってキャンプ生活を送っている。本業は大学生で、考古学を専攻しているが現在は休学中。出身は福井県。
年齢は不明だが、「TVLIFE」にて晴人(22歳)より年上と語られ、本編でも大学を一留している旨が明言されているため23歳と思われる。
ピンチの状況にも動じず「ピンチはチャンス」と捉え、襲われた状況でも食事を優先するなどかなりマイペースでポジティブな性格。後述の契約のせいで本人曰く「明日をも知れぬ命」なのだが、その性格ゆえに凛子からは「悲壮感ゼロ」と言われている。そのポジティブさたるや、占い師に化けて絶望させようとして来るマンティコアの調子を逆に狂わせたほど。
またすぐ「皆まで言うな」と人の話を遮って自分の思い込み(だいたいは的外れだが、本編の最終回のように本当にわかっている時もある)をべらべら喋るなど、他人の言う事はあまり聞いていない。しかし、晴人を「クールな顔の下では内心焦りまくっている」と評しており、妙に鋭いところがある(あくまでウィザードが魔力を食うタイプの魔法使いで縄張りを荒らされたから怒っていると勘違いしていたのであり、核心を付いているわけではない)。
女好きであり、凛子の呼び出しをデートの誘いだと思って浮かれたり、ミサを敵だとわかっていても見惚れていたりしている。また、ミサ=メデューサに瓜二つな稲森真由をメデューサと勘違いして詰め寄り、「女子高生にしつこく近づく不審者」として逮捕されたことがある。
以上のようにお調子者でいい加減だが、情に厚く研究熱心な一面もある。考古学を専攻していたのも、子供の頃河原で化石を発見したことに端を発し、「俺の手で世界中の遺跡を発掘してやる」という熱意を持ったことに由来する。
また、凛子の台詞から裕福な家庭の出であることも判明しており、厳格な祖母・敏江に厳しく育てられた。口うるさく印象を受けるがいつも危険な事をする孫を想ってのことであり、攻介の方も苦手意識はあるものの嫌ってはおらず、第25話にてその思いに気付く。少なくとも両親は健在らしい。口癖が作中の時系列で確認できる最も古い時代は回想シーンにおける高校時代であり、祖母への反発が「皆まで言うな」を生んだと考えられる。
また、祖母に魔法使いであることを隠そうとした結果魔法少女を名乗ったこともあった。その後、魔力を食らわなければ死んでしまうことまでバレてしまい、当の祖母は絶望してファントムとなる事で孫の飢えを満たそうと攻介に負けず劣らずな無茶な行動に出ようとした。ファントムや魔法使いの存在をあっさりと受け入れ、十分に長生きしたから命など惜しくないと語る祖母のメンタルは相当なもので、どうも仁藤家は鋼メンタルの持ち主が多いようである(そんな祖母が恐れているものはやはり「攻介が死ぬ事」に違いないのだが、攻介がワータイガーに痛めつけられても絶望の兆候であるヒビ割れは現れていなかった)。
最終的には受け入れられる形で和解し、祖母はライオンの折り紙を贈って福井へ帰って行った(なお、おばあちゃんっ子という設定は仁藤を演じた永瀬氏に由来することが『愛蔵版 仮面ライダーウィザード超全集』の巻末インタビューで語られた。)。
強引で突っ走りやすい所が目に付くが、一方で彼が他人の無茶を止める事があり、晴人がドラゴンをレギオンに倒され、魔力を失った際にはレギオンを倒せなかった事に責任を感じ、謝罪した上で、魔力のない状態で戦うのは止めるよう諭している。
本編での活躍
ある日研究の最中に発見した遺跡の奥で、偶然ビーストドライバーを発見。そこをグールに襲われて絶体絶命の危機に陥った時、ビーストドライバーに封じられていたビーストキマイラに「力を与える代わりにファントムの魔力を喰らえ」と契約を迫られ、仮面ライダービーストとなった。
そのため、定期的にファントムの魔力を喰らわなければ死んでしまう身体となっている。
そういった経緯から、晴人と出会うまで「魔法使いはファントムの魔力を喰うのが普通」と考えていた。
ファントムを倒す理由は前述のように「生きるため」であり、「ゲートを守る」晴人とは違い自らの死活問題である。そこを付け込まれ、メデューサに「ウィザードは自分の魔力を横取りされないように嘘をついている」「ファントムの側につけばゲートから生まれるファントムを分けてやる」と吹き込まれ、晴人と敵対することになる。ファントムを誘き寄せるためにゲートを釣り餌にしようと考えるなど悪役臭い行動すら取っている始末である。
だがゲートの及川と触れ合いゲートにも大切なもの(及川の場合は「妻を失い、今や絵の中の妻と話す事が希望」)があること、晴人や凛子の話で、「ファントムが生まれる=ゲートが死亡する」こと、そんな悲劇を繰り返さないために晴人が戦っていることを知って、メデューサに騙されたことに気付き、「明日の命より今日の命だ」と言われて考え方を改める。
それ以後は晴人をライバル視し「どっちが先に倒すか」とは言っているものの、ファントムを倒すことについては共闘体制を取っている。
平成ライダー作品での2号ライダーは、登場当初は主人公サイドと考えが合わなかったり、正体を隠していたりして反目することが多いが、彼は珍しく登場当初から主人公サイドと良好な関係になっている。
前述のような関係でありながら、ビーストキマイラを考古学者として徹底的に調べたいと思っており、「でかいチャンス」だと語っている。晴人が仁藤のアンダーワールドに入りビーストキマイラを倒そうとした時も拒否した(曰く「男の指輪をはめてもらう趣味はないから」)。一方で、後述の第29話では魔力供給の必要が出てきたため、 止む無くプリーズウィザードリングを借り受けたが、魔力供給は不可能であった。
第28話から第29話では新聞広告で考古学者の中本治がミラージュマグナムとビーストハイパーリングを海外で発掘し、研究のために帰国した事を知り、ビーストドライバーとの関連性を探るために会いに行くが、そこでミラージュマグナムを「俺の物」と言ってしまったが為に事をややこしくしてしまう(中本は手柄を所長に横取りされたトラウマがあった為)。当の中本もビーストドライバーとの関連性に注目しており、ドライバーを研究するためにグレムリンに唆されて睡眠薬の入ったワインを仁藤に飲ませてドライバーを奪ってしまい、魔力切れで死にかける(そんな状態にあっても中本を恨むどころか、考古学者としての探究心に共感し、許す度量の広さを見せた)。
仁藤の夢を聞いて考えを改めた中本にドライバーを返却され、ミラージュマグナムとビーストハイパーリングを譲り受けた。
第32、33話では上京の切っ掛けになった友人土屋ことツッチーと再会、ファントムの策略で大金を手にし、懲りて福井に帰ったかと思ったら、運が向き始めて増長した彼から何度も酷い仕打ちを受けるが、それでも彼を助けようとする情の厚さを見せた。
第37話では九官鳥に化けたラームを誘き寄せる為にどこからともなく九官鳥の餌を用意するが、寄ってきたカラスにフルボッコにされて『ばーちゃーん』と情けなく絶叫していた。さすがに実際のカラスを使うのは無理だったからか、この時だけ映像が漫画になっている。
終盤の大活躍
そして第49話では白い魔法使いが晴人ら4人の魔法使いを拘束し東京の住民を巻き込んだ大規模なサバトを決行。その影響で現状動くことのできる魔法使いが彼のみとなってしまう。
仁藤は白い魔法使いを止めるため相対するも「アーキタイプ」と一蹴されて劣勢に陥る。しかし奪ったハーメルケインでビーストドライバーを破壊し、現実世界にキマイラを解放。
サバトで生じた魔力を喰らわせる事で東京の住民絶滅の危機を阻止し、心身共に折られ捕まってしまった主人公に代わって本作一番の大勝負に打ち勝った。
その胆力を気に入ったキマイラにより呪縛からも解放され、仮面ライダービーストへの変身能力は失われたが、その後もグレムリン進化体の悪事を阻止するため生身で戦った。
本編終了後は、「まだ調べたいことがある」とどこかに去って行ったキマイラを探すため冒険を続けている。※土日限定ではあるが飯島譲も同行
特別編である第52話と最終話にも登場するが、ここに登場するのはキマイラを失う前の時間軸から来た仁藤であり、変身能力は失っていない。こちらは最終話にて、アマダム配下の怪人達から攻撃を受けた事で元の時間軸に送り返された。
マヨウ使い
仁藤「マヨネーズは世界で一番偉大な食いもんだ!」
食いしん坊かつなんにでもマヨネーズをかける生粋のマヨラーで、しかもそれを他人に薦めたり、「マヨネーズは世界でいちばん偉大な食い物だ」と豪語する筋金入り。
そのため名前がはっきりしなかった登場当初は「マヨネーズ」呼ばわりされており、「ちゃんと名前で呼べ!」と怒っていた。ちなみに常に持ち歩いているマヨネーズの容器には、仮面ライダーWの鳴海亜樹子のスリッパのように何種類かの台詞が書かれている。
テント暮らしであるためか、料理をするときは焚き火を利用する。そこが他人の家の落ち葉が多い庭でも構わずに。第18話では無断で神社にテントを張った為に追い出されてしまった(『ジオウ』客演時にも神社でキャンプしていた)。ただし、第22話では車に轢かれそうになったビルのオーナーを助けた事で屋上を使う事を許可されるなど、常に無断でテントを張っているわけではない。
良い子の皆は他人の敷地内および可燃物の多い場所での焚き火は、延焼の危険があるのであまり真似しないように。
ハイパーバトルDVDによれば、てれびくんの付録で入手した事もあるという…どんな世界線だ。
「マヨウ使い」というのは飯島譲が弟子入した後、彼も仁藤に倣いある程度マヨラーになったことをみて名付けた「魔法使い」と引っ掛けた称号。
本編でマヨネーズをかけた食べ物
- フランクフルト(グールの襲撃に遭い、台無しにされた。※ちなみにフランクフルトにマヨネーズはとくにおかしくはないと思われる。)
- ドーナツ(店長は当初、マヨネーズを掛けられたことに憤慨したが、美味しさに目覚めておスペ=スペシャルメニューに加えている)
- バーベキュー
- 焼きそば
- ラーメン(ラーメン専用のマヨネーズを使っているらしい)
- 鍋料理(この時はマヨネーズのみならずボンレスハムや牛乳を入れるなどやりたい放題だった)
焼きそばのように、実際にやってみれば美味しい食べ合わせであるものも一応存在する。
マヨネーズのラベルに書かれていたワード
- いただきます
- 俺、専用
- 俺専用改
- 僕専用
- 肴
- かけちゃえ!
- イチ押し♡
- ミニマヨネーズ
- 全世界マヨ化計画
- お腹ペコペコ
- これが一番
- 浮かれてます!
- おなかすいた
- 串焼き一番
- まいったな…
- ラーメン専用
- 朝食の時間だ
- どこでもマヨネーズ
- マヨってる?
- 栄養補給
- 愛情たっぷり
- マヨネ〜ズ
- 天然もの
- ピチピチ
- 果実
- 食べて
- てれびくん
- ANCIENTMAGIC
- お久しぶり
- 蒸着
後年、ビーストのレジェンドライダーロックシードでも変身音で「ミスターマヨネーズ!」とネタにされている。
マヨネーズに関する余談
演者の永瀬匡氏はどちらかと言えばマヨネーズが苦手らしく、撮影の際には「マヨネーズの容器にカスタードを入れてもらって食べていた」という噂があるが実はそんなことはなく、更にはTwitterにて演者本人が否定している。容器の中身もちゃんとマヨネーズだったとのこと。
…とは言っても中身がマヨネーズだろうがカスタードだろうが、なんにでもかけて食べるのは傍から見ればヤバくないかとは思うが……
ちなみにマヨネーズは摂り過ぎると糖類の過剰摂取となり肥満のほかコレステロール胆石、動脈硬化などを引き起こす可能性があるのでこちらも良い子の皆は真似しないように。
ガバガバ掛けまくって食べながらもそういった描写がない仁藤だがこれがギャグ補正によるものなのか、特異体質のたぐいかは不明(マヨラーはキマイラと出会う前からのハズなので、ビーストになったこととは関係ない)。
本編外での活躍(ネタバレ有)
『劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land』
「魔法使いの国」では、古代魔法学の研究者として登場。
「魔力流通システム」に頼らず自給自足の生活をしている。
本編同様ビーストに変身するが、この世界ではビーストドライバーは自作のものであり、ファントムの魔力をキマイラに喰らわせる必要もない。
マヨネーズ好きは相変わらずで、魔法使いの国では魚のように泳いでいるマヨネーズの容器を釣ったりしている。
研究者らしく魔法の装置などにも詳しく、戦闘だけでなく解説役としても活躍していた。
『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』
ウィザード本編の後、ビーストキマイラを再びビーストドライバーの中に封じ込めることに成功したようである。
『仮面ライダーウィザード 約束の場所』では、仲間達の危機に決意を固め、また命の危険を背負うことになるのを知りつつもビーストドライバーを装着し、キマイラと再契約。ビーストに変身してオーガと戦った。
事件解決後はウツボカズラ怪人に吸収されて戦極時代へ。
ウツボカズラ怪人の中から救出された後はバロン、龍玄、斬月のアーマードライダー達と共にウツボカズラ怪人や武神鎧武が召喚した怪人軍団と戦った。
なお、キマイラはヘルヘイムの森の果実が好物になったらしく、果実を大量に収穫していた。当分命の心配は無さそうである(ただ、彼やキマイラがインベス化しなければいいが……)。
『仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z』
登場早々、「チョコバーの包み紙みたいな奴が来るぞ?」と発言し観客の笑いを誘う。
十文字撃(宇宙刑事ギャバンtypeG)、宇佐見ヨーコ(イエローバスター)と共に幻夢城に戦いに向かい、二人を先に行かせるためにスペース蜘蛛男等と戦った。
最終決戦では金色繋がりなのか、キョウリュウゴールドと共闘している。
『仮面ライダージオウ』
本編EP07・EP08のウィザード編にて登場。ウィザード本編の時とは違い、帽子を被っている。
ジオウでの活躍
- EP07『マジック・ショータイム2018』
終盤、アナザーウィザードと戦おうとしていた明光院ゲイツを背後から隠れて監視していたが、ゲイツに気付かれすぐに姿を消す。
背負っているバッグには、ウィザードとビーストの物と思われる2つのライドウォッチが吊り下げられていた。
- EP08『ビューティ&ビースト2012』
初めてゲイツの前に素顔を見せる。何故自分がライドウォッチを持っているのかを覚えておらず、それを思い出すまでライドウォッチは渡さないと告げる。
その後、ジオウが現代でアナザーウィザードを倒した事で一時的に記憶と変身能力を取り戻し、ゲイツを試す為にビーストに変身して対決。少しだけ彼と手合わせした後、ゲイツを認めて彼にウィザードライドウォッチを託した。
ただしビーストライドウォッチは渡しておらず、その後も仁藤が所持したまま立ち去っている。ゲイツも納得はしていないが、当面必要なウィザードライドウォッチは入手出来たので、仁藤を追ってビーストライドウォッチも入手しようとはしなかった。
(当人の性格から、何らかの目ぼしさを持つビーストライドウォッチを安易には手放さなかったという見方もある。)
ジオウにおける余談
- 劇中ではゲイツの事を「ツンツン」と呼んでいた。
- マヨラーぶりは相変わらず、口癖の「みなまで言うな」も健在であった。
- 歴史改変により普通の青年となった晴人との関係性は不明だが、ウィザードのライドウォッチを持っていた事から、改変後も何らかの形で彼と親交があると思われる。
- ジオウ劇中で存在が描かれているものの、ソウゴにもゲイツにも託されなかったライドウォッチはビーストライドウォッチだけである(ただし仮面ライダーオーマジオウにはウォッチのひとつとして吸収されている)。
関連タグ
2号ライダー変身者