概要
古代ローマにおいて剣闘士競技や野獣狩りといった催事が行われた公共施設であった。
ラテン語ではアンフィテアトルムと呼ばれ、これを日本語に直訳した円形劇場(「アンフィ」=円形、「テアトルム」=劇場)と表記されることもある。
闘技場や円形闘技場はそこで行われた催事からの一種の意訳ともいえる。
なお円形とは言うが実際には楕円形である。
似たような単語に競技場(スタディウム、スタジアム)、劇場(テアトル、シアター)、競馬場(キルクス、ヒッポロドーム)がある。競技場がスポーツの試合を、劇場が演劇の上演を、競馬場が戦車競走や競馬を行う場であるのに対し、闘技場は人間同士、または人と猛獣などが闘う場である。とはいえ、古代において剣闘士競技は競技場や劇場、競馬場でも行われていた。また現代において、それぞれに由来する名称を持つどの施設でも音楽イベントなどは共通して開催されており、用途の面のみからこれらを分けるのは適切ではないかもしれない。
ところで「アリーナ」の名称も闘技場に由来する。元となった語「アレナ」はラテン語で「砂」を意味し、血を吸わせると同時に競技者を引き立たせる目的で舞台に白い砂が撒かれていたことから現代の意味へと転じている。
闘技場の中でもローマのコロッセウム(コロッセオ)が最も著名であり、「コロシアム」の語もこの固有名詞に由来する。コロッセウム自体は、近くに皇帝ネロの建造した巨像(コロッスス)が存在したことにちなんでそう呼ばれるようになったという。
かつて闘技場では、剣闘士(グラディエーター)と呼ばれる者たちが命を懸けて互いに闘い、観客がそれを見るという剣闘士競技が行われていた。この他、放たれた野獣と剣闘士が闘う「野獣狩り」や水を張り船を浮かべ戦われた「模擬海戦」、罪人の公開処刑などが闘技場では開催されていた。
アニメやゲームなどでは、人同士、または人と猛獣、あるいは猛獣同士の闘いを観客が見たり、勝利者予想の賭けが行われていたりという形でしばしば登場する。
RPGなどでは強敵と戦える腕試しの場として用意されている場合もある。
ファイアーエムブレム
そんな中、『ファイアーエムブレム』は良くも悪くも多くのプレイヤーが闘技場の登場するゲームとして思い浮かべるのではないかと思う。
『聖魔の光石』を除くと一度クリアしたマップに戻ることは出来ない『ファイアーエムブレム』シリーズにおいて、気の済むまでレベルを上げられる施設が闘技場であり『外伝』『蒼炎の軌跡』『暁の女神』を除くほぼ全ての作品に登場している。ただし、『覚醒』では闘技場システムは存在せず、ストーリー本編の舞台として登場する。
また、『覚醒』以降の作品はフリーマップが用意されているため、高難易度や一部のルートを除けばストーリー外での育成が可能。
お金を一定額賭けて勝負することになり、勝利すると賭けた金額の倍額が戻ってくる上、経験値を得られるが、負けたり降参したりすると金額は没収され、経験値も入らない。
闘技場を上手く利用して経験値を稼ぐと、序盤のマップで既にレベルが最大のキャラクターを作れたりお金も大量に溜めることが出来たりと、初心者救済用システムの一つではあるのだが、利用すると大体クリア後の戦績でターン評価が最低になってしまう。
また、最大の特徴は闘技場で負けてしまう(HPが0になる)と普通の戦闘で敗北した時と同様にユニットは死亡してしまい戻ってこなくなる点である。
何時間も闘技場で粘った結果、欲を出してユニットが死亡、という経験をした人は決して少なくないのではないだろうか。
この時の闘技場のオヤジのセリフに殺意が湧いた人も少なくないだろう。
ある意味このオヤジが世界で最も強い、という可能性もあるが。
ちなみに、WiiUやNintendoSwitchで過去のソフトをプレイする場合、『途中セーブ機能』や『巻き戻し機能』でやり直しが効くため、確実にレベリングすることが可能。
星のカービィ
『夢の泉の物語』、及びそのリメイク作品『夢の泉デラックス』に登場。レベル2~6にひとつずつあり、各レベルのステージを攻略していくと解放される(ステージ中の隠しスイッチを押す必要がある場合も多い)。
闘技場内では特定の中ボス(通常ステージより強い強化版)と戦うことになり、倒せばコピー能力とマキシムトマト(体力全回復)が貰えるが、途中退場はできない上に自分が倒されれば残り人数も減り何も貰えないまま退場させられることになる。
ステージ中の隠し要素にたどり着くために必要な能力や自分にとって使いやすい能力を得るために、博物館と並んで、或いはそれ以上に重宝される施設ではないだろうか。
因みに、あくまでもシステムではなく背景としてではあるが『スーパーデラックス』等にも登場している。
関連タグ
コロシアム、コロッセウム、コロッセオ、剣闘士、グラディエーター、決闘