概要
先史時代に貝類を常食できる地に住んだ人々が、貝殻その他のゴミを投棄し続けた場所。塚や山のように巨大なものがあるため「貝塚」と呼ばれるが、中小の遺跡も多い。貝殻の炭酸カルシウムにより人骨や骨角器などが良好な状態で保存される事が多く、先史時代の人間の生活を研究するのに重要である。
日本は貝塚が多く分布する地域(極東)にある。
日本における貝塚の研究は、1877年にモースが発見した大森貝塚の調査を嚆矢とする。
ダイダラボウ
茨城県水戸市にある大串貝塚は巨人・ダイダラボウ(ダイダラボッチ)伝説の一因になった。
奈良時代にはすでに貝塚化していたが、海岸から数km離れていたため当時の人々は不思議がった。そこで、かつて巨人・ダイダラボウが海から貝を獲り食べては大串へ捨てたのだ、と想像したことが風土記に記されている。縄文時代には海が大串貝塚の付近にまで広がっていた、と判明するのははるか後世の話である。