解説
本作の敵組織・異次元侵略集団ジャマールの首領。
配下達からは神、もしくは教祖の如く畏敬と崇拝の対象とされており、有能な人材を見抜き登用するだけの審美眼と度量の広さを備えている。
しかしその一方で、配下の失敗に対しては容赦ない制裁を加える事もあり、また自らの目的の為ならば長年仕えた部下の命すら平気で捨て駒として扱う等、その性格は冷酷非情そのものである。
手からは電撃を放つ他、場所を問わず巨大な手を出現させる事もでき、つかんだ相手を異空間・ガオームゾーンへと送り込んだり、幹部達を要塞へ戻す際に活用される。
初期の時点ではジャマール要塞に閉じこもってるだけだったにも拘らず、第2話ではその存在がアースアカデミアに3幹部共々把握されている。
作中での動向
登場当初は、ローブを纏った怪人物としての姿で配下達の前に姿を現しており、要塞の外へ姿を現す事もなかったが、三幹部やジャマール怪人達の度重なる敗北・失態の数々に業を煮やしてか、第18話にてついに自らビーファイター達の前に姿を現し、強大な力でこれを圧倒する。しかし老師グルの助けを借り、決死の覚悟で挑んだビーファイターの攻撃の前に爆散、敢えない最期を遂げた。
・・・かに思われたがそれも束の間の事。天変地異を伴ってビーファイターと三幹部の前に現れたのは、上半身のみの異形かつ巨大な姿(メイン画像参照)となったガオームであった。前述のビーファイターの決死の攻撃に、ちっぽけな存在と見下していた「人間と昆虫の力」の価値を見出したガオームは、敢えて倒される事でその力の秘密を手に入れんと画策していたのであった。
そしてその目論見通り、「人間と昆虫の力」の秘密を手中に収めたガオームにより、ビーファイターにとって最強最悪の敵・ブラックビートが生み出される事となるのである。
復活後のガオームは、それまでとは異なり前線にも度々姿を現し、目から放つ光線で直接攻撃を加える事もある一方、それまで頻繁に用いていたガオームゾーンはほとんど用いられなくなった。
※以下ネタバレ注意
物語終盤、永遠の命を与えるという異次元生命体・セントパピリアの存在が明らかになると、ガオームはそれまでの地球侵略作戦から、セントパピリアの捕獲へと方針を転換。手段を選ばず部下の犠牲すらも厭わぬその姿勢は、ジャマール内部に深刻な動揺をもたらし、やがては組織自体の崩壊を招く事となった。
そして最終決戦の直前、ジェラの反逆をきっかけとしてジャマール要塞への突入に成功したビーファイターは、待ち受けていたガオームの姿が虚像に過ぎない事、そして要塞内部に隠されていた真の姿を知る事となる。
培養液に満たされた水槽の中にあったそれは、人間の胎児のような姿をした小型の生命体であった。
元は宇宙の次元の歪みから誕生した、ガン細胞のような生命体であったガオームは、宇宙空間の環境に適応する事ができない脆弱な存在でもあり、それ故に仮初の姿を取る中で自らの存在が世界そのものから疎まれ拒まれたという歪んだ憎悪と、自らの生命を永遠のものとし世界そのものを支配下に置くという、邪悪な復讐心を抱くに至ったのである。組織崩壊の引き金ともなったセントパピリアへの執着もまた、自らの寿命が近づいている事を悟り永遠の命を手に入れようとしたが故の事であった。
脆弱な存在とはいえ、ビーファイターとの直接対決ではインセクトアーマーを腐食させ絶体絶命の窮地に追い込む等、本体自体も凶悪なまでの戦闘能力を見せつけたが、奮起したビーファイターの波状攻撃の前に圧倒され、スーパーブルービートのスーパーファイナルブローによって止めを刺され、ジャマール要塞諸共滅び去った。
・・・しかし、ガオームの自身を拒絶した世界に対する憎悪は、最期の時を迎えてなお消え去る事はなく、自らの死と引き換えに全てを道連れとすべく、ジャマールホールという最悪の置き土産を残していったのであった。
関連タグ
ジニス、ヨドン皇帝:首領ガオームと同じく正体が弱小生命体であった特撮のラスボスであるが、どちらも首領となる過程でギガロ(ガオームの部下の1人)のように肉体改造で強い力を手に入れていた。