ToHeartシリーズのメイドロボ
Leaf(アクアプラス)のゲームソフト、「ToHeart」シリーズに登場するお手伝いアンドロイド。
pixivでは、主に「ToHeart2」のHMX-17シリーズに、このタグが付けられていることが多い。
何れも来栖川エレクトロニクス製。開発主任は長瀬源五郎。
形式番号の”HM”は”HomeMaid(ホームメイド)”の頭文字から取っている。
(作品によっては、”HumanMaiden(ヒューマンメイデン)”か”HelperMeiden(ヘルパーメイデン)”の略称も)
HMXの"X"は試作機を意味するので量産型には付かない。尤も作中に登場するのは基本的に試作機ばかりだが。
彼女たちメイドロボの登場で、後年の「ToHeart」タイプのギャルゲーや漫画作品に多大な影響を与えている。
メイドロボシリーズ一覧
※事典内リンクが付いているキャラは、それぞれの項目を参照。
- HMX-11 フィール
アニメ「To Heart 〜Remember my Memories〜」に登場。感情を持たせるための試験機として作られるが、ソフトウェアが重すぎて起動せず。研究者の一人がフィール用の感情プログラムを作っていたが、事故死により、計画は中断された。容姿は「雫」の登場人物の一人に酷似。
- HMX-12 マルチ
実験的に感情回路を搭載したメイドロボ。
「ToHeart」に登場したものはHMX-12A、「おでかけマルチ」に登場したものは同型機の妹HMX-12Bである。HMX-12Bの方が若干性格が活発になっている。
前述のようにHMX-11 フィールは結局ロールアウトできなかったため、稼働までこぎつけたのはHMX-12 マルチが第一号である。
課題点もあったとはいえおおむね良好な稼働を見せたためか、量産タイプや後発機はHMX-12シリーズを元に設計図をいろいろ描き替えて開発されたことがうかがえる。
- HM-12 量産型マルチ
「初音のないしょ!」 のコンテンツ「リーフファイト97」に登場。
感情回路を搭載していない。量産型セリオのスペックダウン型エントリーモデル。
- HMX-13 セリオ
感情回路はないが、衛星受信機能を搭載したメイドロボ。
HM-13 量産型セリオも存在する。
- HMX-14 ピース
携帯端末「P/ECE」のミニゲーム「おでかけマルチ」に登場。来栖川エレクトロニクス次世代メイドロボの試作機。【12型(マルチ)よりも女の子らしく、13型(セリオ)よりも高性能に】をコンセプトに開発された。メイドロボチャレンジ決勝戦でマルチB型と対決する。
- HMX-16 リオン
「ToHeart2」でイルファと会話中の話題に登場。
来栖川の次期主力機種として量産型のHM-16が発売予定。
これまで用途やグレードによって別々だったボディを全て共通化。大幅なコスト圧縮による低価格化を目的とした機種とされている。
- HMX-17a イルファ
人を愛する心を備わった”ダイナミック・インテリジェンス・アーキテクチャー”という回路を搭載したメイドロボ。このシリーズからAIの精度が上がったのか感情面でも人間に近くなり外見もより有機的で肌や人毛に至るまで人間と変わらなくなった。
「ToHeart2」本編では、スペアボディのクマ吉(熊のぬいぐるみ)の姿で登場。
「AnotherDays」ではメインヒロインのひとりに昇格し、「河野はるみ」を名乗って最初から高い好感度で主人公に接するなど、その「人を愛する心」というものがかなり高い完成度であることがうかがえる。
- HMX-17c シルファ
搭載されているAIが高度なためメイドロボでありながら、何故か対人恐怖症。ろれつが回らない言葉使いも特徴的。
※XMX-17型3機は身長、ウェスト、ヒップのサイズが全く同一だが胸の大きさだけが微妙に違う。また三姉妹の中で一番胸が大きいのはミルファ
- メイド型電力駆動マルチサプライヤーIST-001号機 イスト
要素を継ぎつつも世界観を新たにした「ダンジョントラベラーズ2」のメイドロボ。所謂マルチやセリオの異世界における遠い子孫ともいうべき機体。
真面目かつ有能である一方、表情もそれなりに豊か。
王女に側仕えしている故に一般常識に疎いところもある。
メイドロボ一般論
まず、「メイド業務に従事するためのアンドロイド(正確にはガイノイド)」は「ToHeart」以前(それこそ漫画創生期)から無数に登場しており、1978年に連載を開始したCOBRAのヒロインアーマロイド・レディは当初ロボットのメイドに偽装していた。
また椎名高志の「(有) 椎名百貨店」に収録された「電化製品に乾杯!」に登場する女性型メイドロボミソッカス90Fは耳のアンテナ、ドジっ娘などという点がマルチと酷似しており、後に椎名高志自身によってもネタにされている。
単に言葉としてなら、妖怪やUMAの名前と同じくらいマルチな名称、それがメイドロボと言える。
さて、そもそも「ロボット」という言葉が初めて出てきた作品「R.U.R.」(カレル・チャペックという人が書いた戯曲である)ではロボットは人間の代わりに色々な作業をやってくれる存在だった。言うなればお手伝いさんである(どっちかと言うと体のいい奴隷として描かれているが)。
そしてメイドも(創作物では忘れられることも多いが)家事手伝い・・・雇い主に代わって様々な日曜作業を行うのを主な業務とする職業である。
ならば、この二つに多少なりとも共通性を見いだせないだろうか?
人間を手助けしてくれる存在としてのロボットに家事一般をプログラミングし、美少女型の外装とメイド服を装備させれば、それは立派なメイドと言えないだろうか?
それに「YES」と答えたのが椎名先生たち幾多のクリエイターであり、Leaf(アクアプラス)であろう。事実マルチ達は(人間に近づけすぎて欠点も生まれているが)ちゃんとメイドさんしているではないか。
ある意味生まれるべくして生まれるべきジャンルだったのかもしれない。
関連動画
【アニメから抜け出してきたような美少女型ロボットが給仕してくれるメイドロボカフェのプロトタイプ】
※メイドロボットの開発資金支援寄付金に関しては『Do you want to bring up maid robot with us? The MaSiRo project is looking for development funding support for the growth (development) of robots』(外部リンク)参照の事(日本人は寄付金に関して『渋ちん』なので海外の人向け英語版公式ページ転載)。
関連タグ
ロボコン…こちらは単なるお手伝いロボになるが、おおむねやってることは同じであろう。さりげなく「ドジ」というメイドロボで良く使われるネタを踏襲している。