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英雄コナン

えいゆうこなん

作家・ロバート・E・ハワードによって書かれたファンタジー小説『英雄コナン』シリーズのことである。
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アメリカ人小説家ロバート・E・ハワードによって書かれた小説『英雄コナン』シリーズ、および同作品の主人公コナンのこと。


通常、海外の愛好家は単に「コナン」と称するが、日本で一般に「コナン」と言った場合、青山剛昌のコミック作品である『名探偵コナン』やアニメ作品の『未来少年コナン』が挙がるため、『英雄コナン』あるいは蛮人コナンと呼ばれる。

作品の概要

ハワードは何篇かのコナンシリーズを書いているが、今日の連載小説のように一貫したストーリーではなく、1話完結の独立した読み切り形式のスタイルで書かれており、それぞれの話の時系列や登場人物の設定などにもかなり矛盾が多く、世界観だけが共通しているだけで少しずつ違っている。


主人公コナンが己の剣と胆力のみで数々の苦難を乗り越え、様々な異形のモンスターをなぎ倒し、やがては偉大な王となっていく立身出世の一大英雄譚は多くの読者の心を掴んだ。

発表から70年以上経つ今でも尚、世界屈指のヒロイックファンタジーの傑作と言える。

またシャーロック・ホームズのように原作者ハワード以外の作家がコナンを主人公にした作品を書いている。


人物像

コナンの人種は、キンメリア人と呼ばれる蛮族である。

これは、史実のウクライナ周辺で活動していた民族とは関係ない。

作中のキンメリア人は、元々は海底に沈んだ高度な文明アトランティスの末裔だが、沈没するアトランティスから脱出した後、猿同様の文明レベルに荒廃してしまった。

また物語の舞台ハイボリア時代は、地中海などが陸地になっている古代の欧州でキンメリアは、現在の大ブリテン島とスカンジナビア半島の間にある北海に当たる地域にある。このため、キンメリア人は、北方の蛮族と呼ばれることが多いが、さらに北方にあるアスガルズ、ヴァナヘイムの人々からは南国の異民族として扱われる。(短編『氷神の娘』など)


信仰している神は、クロムと呼ばれ、高い山の上にあり、軟弱な人間を苦しめることを好み、祈りを捧げる者を好まない。逆に人を打ち倒す時に勇気を与えるとされている厳格な神である。


容姿については、黒くねじれた長い髪(黄色となっていることもある)、日焼けした肌、くすぶった暗い青い目が特徴として書かれている。また挿絵・映画版共に胸毛はないが作中ではフサフサとのこと。

あと、言うまでもないがムキムキである。


性格は、無口で不愛想。時折、大声で笑う。

酒場で言いがかりをつけて来た相手を斬り殺すなど基本的にはカウボーイものの主人公に準拠している。

またハイボリア時代のあらゆる言語に精通している。


よく用いる武器は剣。大ぶりなロングソードを用いる事が多い。剣以外には、短剣や斧をよく用いる。防具はほとんど用いず、毛皮をまとう事はあるが、鎧の類はほとんど着ない。楯も使わない。


魔法の類は、得体のしれないものとして信用していない。そのため、魔法使いや魔術に接する人間もあまり快く思っていない。しかし、自分に対して有益と判断したらそれを利用する事も多い。


蛮人故に脳筋というイメージがあるが、決してそんな事は無く、むしろ知恵や機転を利かせて行動する事の方が多い。確かに学者のような知識はないが、知恵は回り、頭脳を働かせて謎を自力で解いたり、事態を解決した事もかなりある。また、勘も鋭く、その時々の状況への判断力と、対応力も優れている。それらの前に助かった事も多い。いわゆる「サバイバー」としての能力が優れていると言える。


戦う際も、闇雲に突撃し力任せに戦う事は無く、注意深く戦況を見極めたうえで行動する。

そして、敵対したり挑戦してくる相手に対しても、所かまわず戦うわけではなく、状況によっては敵であっても手を組んだり、協力を申し出たりもする


例として、兵士の一隊に追われ、謎の亡霊が出る死の都に逃げ込んだ際。

罠を仕掛けて追手に備え、亡霊と相対。その亡霊の正体が15mほどの巨大ナメクジだと見極めた後、警戒して距離を取り、そいつが酸を吐く事を知る。そして、廃墟の瓦礫の上に逃れ、追ってくる巨大ナメクジに大きな岩石塊をいくつも落として、致命傷を負わせる。

ナメクジに止めを差した直後、罠で兵士たちを失い、唯一生き残った隊長に追いつかれる。しかし、彼に休戦を申し出て、協力して宝を見つけ山分けしようと提案した。


クトゥルフ神話

原作者のハワードは、ラヴクラフトと友人であり、コナンも元々は彼との交流の中で作られたキャラクターだった。


コナンの初出は、ハワードの短編『闇の種族(The Shadow of the Beast)』である。

ここでは主人公が前世を垣間見、略奪者コナンが異形の者どもを剣で蹴散らす姿を目撃する。

そのため広義において『英雄コナン』シリーズも「クトゥルフ神話作品」であると言う事ができる。


クトゥルフ神話と言えば、小説『インスマスを覆う影』のような20世紀初頭のアメリカ東海岸、ニューイングランドを舞台とした作品が有名だが、アトランティスやレムリアを舞台に邪神たちが登場する神話時代の作品もあり、コナンの活躍したハイボリア時代は、アトランティス沈没から有史までの間の物語である。

このため、宇宙から飛来した種族、クトゥルフ神話にも登場する邪神が登場し、逆にコナンが登場する他のクトゥルフ神話作品もある。


また剣と魔法ファンタジーのサブジャンルとして指輪物語のようなエルフやドワーフが出てくる作品とは違う古代ギリシアの英雄譚のような作風からヒロイックファンタジーと呼ばれ、このジャンルの先駆け的作品とされる。


小説

アメリカのパルプ雑誌『ウィアード・テールズ(Weird Tales)』誌の1932年12月号に『不死鳥の剣(The Phoenix on the Sword)』というタイトルで初掲載。その後、1932年~1936年のわずか数年間に次々と17編の短編が発表されるが1936年に作者のハワードが自殺した事により、シリーズは未完となった。

ハワードの死後、遺稿や書きかけのメモなどから追加で8編が発表されたが、それらにはディ=キャンプとビョルン・ニューベリイら別作家の加筆修正が加えられている。


英語表記では“Conan the Barbarian”若しくは“Conan the Cimmerian”と表記される事が多い。日本語表記では前述の「英雄コナン」の他に、「蛮族王コナン」や「キンメリアのコナン」と呼ぶ事もある。

日本語翻訳版には、早川書房版、東京創元社版(旧版)、東京創元社版(新訂版コナン全集)の3つがあり、2006年作者百歳記念の年に東京創元社から創元推理文庫とし、ハワード以外が描いた作品を排して草稿も入れた『新訂版コナン全集』が刊行された。


早川版、旧東京創元社版からコナンの話はディ=キャンプやリン・カーターが書いた物も合わせて、「多分17歳くらいと思われる」頃の話から、アキロニアを切り取って、王として君臨するおっさんの頃を経て、という順で並べられるが、初回(正確には『闇の種族』を経て明確にコナン主人公として描かれた最初の作品)ではアキロニア王となったコナンが、前王の取り巻きと、その他が放つ陰謀や怪物を倒す話である。

(だから映画版で最後ああいうのが出るのね)


1970年代になって同作品のペーパーバック版の表紙イラストをフランク・フラゼッタが描いた事から爆発的な人気となった。


小説版あらすじ

北方の蛮地キンメリア出身の若者であるコナンは、その向こう見ずな勇敢さと好奇心から世界に飛び出した。

コナンはときに盗賊、ときに冒険者、ときに傭兵、ときに将軍としてハイボリア世界を旅し、戦い、女を抱き、敵を殺し、出会いと別れを繰り返す。

邪悪な魔術師を滅ぼし、恐るべき怪物と死闘を繰り広げ、愛した女を失い、哀れな姫君を救い、死の瀬戸際に追い込まれ、友に救われ、数多の屍を踏み越え、人間的に成長していくコナン。

やがて歳を重ねたコナンは苦境に陥っている人々への同情を抱き、アキロニア王国の内乱へと身を投じる。

華々しい勝利を掴み取り、乞われるままに玉座へついたコナンだが、しかし彼の内側には未だ尽きる事なき冒険心が燃え上がっていた。

かくて英雄コナンは次なる冒険へと旅立っていく――――……。


コミック

また、コナンシリーズは『マーベルコミック』からコミカライズもされている。

70年代では、原作の世界観をコミック化。番外的に、並行世界を行き来して、マーベル世界に辿り着き、ウルヴァリンなどとも共演した事があった。

シュワちゃん主演の映画のコミカライズも、二作とも発売された(下記参照)。

後に権利がダークホースコミックに移り、2019年に再びマーベルが権利を再取得。新たなコナンの物語が語られる事に。


新たなタイトルではお馴染みのスーパーヒーローやヴィランが存在するマーベル正史世界(アース616)にやって来た、というよりハイボリア時代はアース616における古代文明の1つと設定された。そのため、異世界ではなく同じ過去からタイムスリップしてくるという形で現在のタイムラインに合流しており、かつて共に戦ったウルヴァリンの他、パニッシャーヴェノムといったヒーローと「サヴェッジ・アベンジャーズ」を結成、唯一の固定メンバーとなっている。

あるシリーズでハイボリア時代にやってきたスカーレット・ウィッチと共闘し、色々あって現代にやって来た。元の時代に戻るどころかガッツリ現代社会に適応しつつあり、メキシコでルチャ・リブレを観戦してたり、銃器を使ったり、宿敵が同じということでシンビオートと共生関係になったり…それでいて「バーバリアン」としての獰猛な行動原理とハイボリア時代の価値観に従って行動しており、登場するたびに周囲を振り回している。何しろ非常識で有名なデッドプールが終始ドン引きしてたぐらいだし。

ちなみに設定は原作から極端には変わっておらず、スーパーパワーやスーパーアイテムなどは特に持っていないはずなのだが、人間として極限まで鍛え上げられた肉体と常に激烈な闘争を追い求める獰猛且つ不屈な精神、剣や斧や棍棒といった原始的な武器や徒手空拳を用いた卓越した戦闘技術に加え、戦いに関する勘とでも呼ぶべきものが突出しており、悪の忍者軍団からミュータント、宇宙人から闇の邪神まで相手取って、全く引けを取らない活躍振りを見せている。


映画

現在までにコナン・ザ・グレート(Conan the Barbarian)』および『キング・オブ・デストロイヤー(Conan the Destroyer)』の2本が映画化された(前者は1982年、後者1984年)。両作品とも内容は原作小説の設定を借りたスピンオフ作品と言って良い。


最初の映画化である『コナン・ザ・グレート(Conan the Barbarian)』はアーノルド・シュワルツェネッガーを主演に抜擢。当時は俳優として無名だったシュワルツェネッガーをアクション俳優として一気にスターダムへ導いたことでも知られ、発表から40年近く経た今でも尚、ファンタジー映画の最高傑作として名高い。

一方、敵役タルサ・ドゥームを演じたのはダース・ベイダーの中の人(※声のみ)で知られるジェームズ・アール・ジョーンズである。


それまでのファンタジー映画は子供向けか、女優のエロティックな肉体美やあられもないシーンを観賞する事が目的のアダルト向けの作品がもっぱらだった。従ってストーリーも勧善懲悪で、最後は囚われの姫を助けてめでたしめでたし~と言う物がほとんどであったが、『コナン・ザ・グレート』ではこう言ったファンタジー映画の伝統を根底から覆した。

一言で言うと、『体は戦士、頭脳は盗賊、その名は、野蛮人コナン!!』


主人公コナンは善良な人々から金品を強奪し、時には女子供でさえも殺してしまう。しかし自分が愛した女のためには、圧倒的に不利な戦いに1人でも立ち向かう。作品の中でコナンの下した決断が必ずしも彼自身を幸せに報いたとは思えない描写が多々あり。自分の欲望に忠実で、時には人生の意味を悩む、非常にリアリティ溢れる人間性を描き出している。これは脚本担当の1人に、アカデミー賞の常連監督で知られる若き日のオリバー・ストーンが名を連ねている事も影響していると思われる。


また従来のファンタジー映画と一線を画した部分に殺陣のリアルさが上げられる。それまでのファンタジー映画は前述の様にソフトポルノ的な意味合いが有ると共に、特撮による異形のモンスターを楽しむという物でもあった。レイ・ハリーハウゼン作品に代表される様な「ストップモーション・アニメーション」でモンスターを動かし、映画のクライマックスでは必ずやドラゴンや骸骨戦士(スケルトン)といった特撮シーンがふんだんに盛り込まれるのが常だった。


しかし『コナン・ザ・グレート』では逆に、ほぼ全編が“人間対人間”のシーンで占められている。コナンはあたかも黒沢映画に登場する侍の様に剣を構える(ちなみに殺陣師は日本人で、劇中コナンへ剣劇の指導をするため出演)。いたずらに剣を振り回す“チャンバラ”ではなく、相手の隙を突いて一太刀を加えようと言う“居合い”の構えで敵と対峙する。そして切られた相手は悶絶しながら血飛沫を上げてコナンの前に崩れ落ちるのだ。この異様なまでの緊迫感溢れる戦闘シーンは、以後のファンタジー作品にも大きな影響を与えた。


一方、続編の『キング・オブ・デストロイヤー(Conan the Destroyer)』ではこう言った殺伐とした描写かなり抑えられている。ストーリ自体も前作と違い、お姫様を守ってお城まで連れて行くといった。かなり従来型のファンタジー作品に近い内容となっている。コナンも基本的には善人であり、特に“女を殺さない”という点が前作と大きく異なる。また要所要所にコミカルな描写が入れられ、かなり家族向けを意識した内容となっている。


さらに公開前の撮影終了段階ではシュワルツェネッガー扮するコナンが女魔術師タラミス(サラ・ダグラス)との濃厚なセックスシーンを演じる場面があるのだが、公開版では完全にその部分がカットされている。

これは配給元やプロデューサが作品のレーティングが上がって、家族連れなどの未成年の観客が減る事を嫌ったためである。因みに前作の『コナン・ザ・グレート』では劇中の3カ所にセックスシーンがある。


結果、続編の『キング・オブ・デストロイヤー』は誰でも視聴しやすい作品になったが前作にあった独特の雰囲気が全く無くなってしまったため、コナン愛好家からは元より一般の映画ファンの間からでもほとんど評価されていない。

事実、ヒロイン役のジェナ姫を務めたオリヴィア・ダボは、1984年度のゴールデンラズベリー賞・最低新人賞を受賞した。


ただし『キング・オブ・デストロイヤー』自体が駄作かというとそういうわけでもなく、アクションシーンなどは相変わらずシュワルツェネッガーの筋肉から繰り出される壮絶な殺陣が見れるため、興味のある人は一度見てみる事をおすすめする。


なお、『コナン・ザ・グレート』『キング・オブ・デストロイヤー』は、 マーベルコミックからコミカライズが出ている。日本でも邦訳が出ていた(現在は絶版)。


映画版『コナン・ザ・グレート』のあらすじ

コナンは、キンメリア人の部族の長の息子として生まれた。

しかしある時、部族は謎の軍団の襲撃を受け両親や村人は惨殺、コナン自身も囚われ奴隷となってしまう。

やがて月日は流れ、かつての幼かったコナンは見違えるような屈強な肉体を持つ若者へと成長していた。


抜群の身体能力を誇るコナンは奴隷商人の目に止まる。コナンは奴隷商人によって買われ、東の都へと連れられる。コナンはそこで死ぬまで闘う“剣闘士”となる。闘いの中で生き抜く術と知恵を身に着けたコナンは、奴隷商人の元から脱走し、自分の両親の仇を探す旅に出る。


そして射手にして盗賊のサボタイ、女戦士ヴァレリア、魔術師アキロといった仲間たちと出会ったコナンは、ある神殿に忍び込んだ際、かつて仇が持っていたものと同じ双頭の蛇の紋章に気がつく。それこそは世界を支配せんと目論む邪教の長、タルサ・ドゥームの旗印であった。


タルサ・ドゥームを殺すべく過酷な冒険へと挑戦していくコナン。果たして次に彼の前に立ちはだかる物は一体…!?


『キング・オブ・デストロイヤー』あらすじ

コナンはヴァレリアを失った後も、冒険者として生きていた。泥棒のマラクを仲間にしていたコナンだが、謎の兵士たちの襲撃を受ける。

それを退けたコナンとマラクの前に現れたのが、女王タラミス。コナンの腕前を認めたタラミスは、ジェナ姫の護衛を依頼する。「眠れる神」ことダゴスの復活のため、その角を持ち帰る必要があったのだ。そして、角に触れられるのはジェナ姫のみだった。

ダゴス復活の折には、その力で死したヴァレリアを蘇らせる事を約束するタラミス。

コナンはそれを引き受け、マラク、ジェナ姫、そして姫の護衛として戦士ボンバータが同行し、出発する。


途中、コナンは旧知の魔法使いアキロ、そして囚われていた女戦士ズーラを仲間に加え、魔法使いトアスモンの城へ向かう。角を手に入れる鍵となる宝石「悪魔の心臓」がそこにあるのだ。

そして、ボンバータはタラミスから密命を受けていた。ジェナ姫が角を手にしたら、コナンをそのまま亡き者にせよと。

湖の上に立つトアスモンの城。しかしジェナ姫が来ることに感づいていたトアスモンは、幻の怪物に変身し、夜の間に攫ってしまう。

自力でコナンたちは、城に向かい、トアスモンと対決。怪物に変化したトアスモンを打ち倒し、「悪魔の心臓」を手に入れる。


だが、角がある「砂漠の神殿」に向かう途中で、コナンたちは謎の騎馬兵団に襲われる。これはタラミスの手の者だったが、コナンたちは返り討ちにした。

彼らは裏切り者だとボンバータは言うが、コナンはそれに不信感を抱く。そしてジェナ姫は、次第にコナンに惹かれていった。


神殿に到着し、「悪魔の心臓」を用いてダゴス神の角を手に入れるジェナ姫。だが、アキロはジェナ姫がダゴス神の生贄にされる事を神殿の文字から察していた。

神殿の守護者たちにダゴスの角を奪われそうになり、コナンたちは交戦。ボンバータはその隙に、ジェナ姫のみを先に逃がし、洞窟を崩してコナンたちを生き埋めにする。

ヴァレリアの復活は嘘だと気づいたコナンは、なんとか脱出し城へと向かう。

その頃、城ではダゴス神復活の儀式が行われていた……。


原作者「ロバート・E・ハワード」について

綴りは“Robert Ervin Howard(ロバート・アービン・ハワード)”

アメリカ人(アイルランド系スコットランド移民の末裔)の小説家。

代表作は『英雄コナン』シリーズなどカウボーイ物など様々なジャンルを書いている。

  • 1906年1月22日生 ~ 1936年6月11日没 享年30歳。

趣味は、読書、旅行、歴史。

史実を舞台にした歴史冒険小説と怪奇小説を好み、日本で知られた作家としては、アーサー・コナン・ドイルハワード・フィリップ・ラヴクラフトを挙げていた。

(ドイル自身、シャーロックホームズよりも歴史小説や歴史研究家として評価されたいと願っていた。)

コナンは、架空の古代史を舞台にした怪奇小説であり、ハワードにとって自分が好きなジャンルを確立した作品となった。


他にボディビルボクシング乗馬が趣味でハワード自身がまるでコナンの様にマッチョ体型であった。

ハワードとコナンは共に身長6フィート(186cm)、体重180パウンド(80kg)とされる。

(ただし、コナンが15歳の段階で)


しかしその外見と裏腹に、いわゆるマザコンと思われるほど母親に私生活の大部分を依存していたとされ、母親が癌を患い危篤状態に陥った事を医者から告げられ、そのショックでピストル自殺を図ったと言われる。

だが彼自身も心臓疾患を抱えていた事が明らかになっており、死の数ヶ月前から自殺の準備をしていた節もあるため、母親の危篤は最後の引き金に過ぎなかったと言う説もある。


また以前からハワードは「誰かに狙われている」という強迫観念に取り憑かれており、さらに「10歳の頃から「美しい状態で死にたい」と言っていた」、「知人へ「若いうちに死んだ方がいい」と言っていた」という意見もある。

結局、残された母親も彼が自殺した翌日死去している。


結婚はしていなかった(恋人はいたけどもロバートのママが会わせてくれなかったので)。


クトゥルフ神話』で知られるラヴクラフトとは親友で、彼からは「二丁拳銃のボブ」と呼ばれていた。

小説『壁の中の鼠』を読んだハワードがラヴクラフトに手紙を送ったことが始まりとされる。

この時、作中に出て来た古英語の呪文に関してやりとりし、俗にいうラヴクラフトスクールの一員と見做された。


その縁でハワード自身もクトゥルフ神話の執筆をしている(「黒い碑(The Black Stone)」など)。


ただし、ハワードは旅行が趣味でありながら二人は、生前一度も会ったことがない。

ハワードはマッチョ志向であり、ラヴクラフトスクールの中で実際に会ったのはフェンシングとボクシングのチャンピオンで退役軍人エドガー・ホフマン・プライスだけだった。

また派閥とか作家仲間同士の活動を嫌っていたこともあり、クトゥルフ神話作品を書いているものの、あくまで馴れ合いのようなものは好まなかったらしい。


しかしラヴクラフトもハワードの自殺に大変ショックを受け、後を追うように翌年の1937年3月に病死した(死因は腸癌とも栄養失調とも)。

原作一覧

タイトル執筆順時系列順
不死鳥の剣"The Phoenix on the Sword"1番24番
フロストジャイアントの娘"The Frost Giant's Daughter"2番1番
棺の中の神"The God in the Bowl"3番2番
象の塔"The Tower of the Elephant"4番3番
深紅の城塞"The Scarlet Citadel"5番25番
黒い海岸の女王"Queen of the Black Coast"6番9番
黒い怪獣"Black Colossus"7番8番
月の影"Shadows in the Moonlight"8番7番
忍びよる影"The Slithering Shadow"9番11番
黒魔の泉"The Pool of the Black One"10番18番
館のうちの凶漢たち"Rogues in the House"11番5番
消え失せた女たちの谷"The Vale of Lost Women"12番17番
鋼鉄の悪魔"The Devil in Iron"13番13番
黒い予言者"The People of the Black Circle"14番14番
龍の刻"The Hour of the Dragon"15番26番
魔女誕生"A Witch Shall be Born"16番12番
古代王国の秘宝"Jewels of Gwahlur"17番22番
黒い河を越えて"Beyond the Black River"18番19番
黒い異邦人"The Black Stranger"19番20番
ザムボウラの影"Shadows in Zamboula"20番15番
赤い釘"Red Nails"21番21番
死の広間"The Hall of the Dead"断片4番
ネルガルの手"The Hand of Nergal"断片6番
闇の中の怪"The Snout in the Dark"断片10番
トムバルクの太鼓"Drums of Tombalku"断片16番
辺境の狼たち"Wolves Beyond the Border"断片23番

『フロストジャイアントの娘』の段階でコナンは15歳、『象の塔』で17歳、『龍の刻』で45歳になっている。

時系列順でいうと12番『魔女誕生』の頃に30歳になっているらしい。

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