演:福澤重文
概要
温厚な性格の「智」を司るラクレスの左腕。反逆者のギラに対しても丁寧な口調で接する。
外見上は猫耳風に両サイドが立てられた独特な髪型(東映公式ページ曰く「センターパート」)が特徴。
第5話の過去の回想によると先代の王であるコーサス・ハスティーが健在だったラクレスの少年時代から国に仕えており、かなりの古株だと思われる。
なお分かりにくいが、時折小指を立てる癖がある。
不可解な点
その第5話の回想では、ラクレスと少年時代のギラの仲の良い様子を見て微笑んでおり、明らかに家臣としてギラとは面識があったはずである。
その後、何らかの理由でギラは記憶を失って孤児院で育てられる。
そして、第1話でギラが玉座の間に現れた際「何者だ!」と声を荒らげたドゥーガに対し、ボシマールは落ち着き払ったまま。その賊が「俺の名はギラ」と名乗っても、それ以降何の反応も示していない。それどころかリタによって「ギラがラクレスの弟である」という真実が暴露された時は「そんな馬鹿な」とでも言いたげな表情でドゥーガと顔を見合わせていた。
過去の回想に登場していない点からして、恐らくドゥーガはギラが王宮を去った後から仕え始め、彼の存在すら知らなかったと思われるが、幼少時からギラを見知っていたはずのボシマールまでもが、全くギラを覚えていないのは何故なのか。
また「名前の由来」としての最有力候補とされている「キボシマルウンカ」のウンカはカメムシ目の昆虫で、テントウムシ(特にトホシテントウ)に似ており、擬態しているとされる。
しかし「他のシュゴッダム国民が皆“甲虫を名前の由来”としている」事実を踏まえると、彼のネーミングは法則性から外れて浮いている。
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以下、ネタバレ注意
ラクレスとギラとの決闘裁判の最中、馳せ参じたボシマールはラクレスに加勢し、オージャクラウンランスでギラを葬るべく突撃してきたが、何故かランスは根本から折れてしまった。
更にランスの穂先からクラッカーの如く紙吹雪が噴射され、ボシマールは腰を抜かして倒れてしまう。
実はカグラギとジェラミーによる計略。わざと偽物のランスをボシマールに奪わせ、種明かしをしてラクレスをコケにした上でギラに本物を渡す算段だった。
ところが……。
驚いてひっくり返り、手足をバタつかせるボシマールの姿はなんとカメジムに変わった。今まで登場していたボシマールは、カメジムが化けた偽物だったのである。
更に「本当のボシマールは……殺したのか?」と今まで見せた事の無い怒りの形相で問い詰めるラクレスに、「とっくに骨になっている頃でしょうかねえ」と嘯くカメジム。
この発言から察するに、本編開始前には既に殺害されていたようである。
ボシマールの死を知ったラクレスは、この時ばかりは傲岸不遜な振る舞いを潜め、純粋に家臣の死に静かな怒りを露にする姿を視聴者に見せる結果に繋がった。
それ故、前述のように彼の名前の由来は、蝿はカメムシに寄生する寄生虫である点がカメムシ(カメジム)に寄生する(成り代わる)仮説が的を射ていたわけである。
正体関連の余談
実はストーリー最序盤からかなり視聴者たちから怪しまれていた。
- 名前の由来候補とされているキボシマルウンカはカメムシ目。
- 第5話で、シュゴッダムが解き明かした三大守護神の居場所をバグナラクが嗅ぎ付けるのがあまりに早過ぎる。これをラクレスが話した時にその場にいたのはドゥーガとボシマールの2人とカグラギのみ。
- 顎を手の甲で撫でる仕草・指を立てる癖が似ている。
- 第19話でのバグナラクのシュゴッダム征服。コーカサスカブト城内の人間を集められた際、ストーリーでは触れられてないがボシマールがいない。
と、怪しい伏線が多数存在した。
さらにメタ的な視点で見れば、今作のスーパー戦隊はメンバー全員は王様で各国に側近の部下がいるのだが、何故かシュゴッダムにのみ2人おり、どちらかが離別・敵対してもストーリーが進むようにキャスティングされていたと見ることができる。
またアプリ「東映特撮ファンクラブ」にて配信されている「側近戦隊ソッキンジャー」でも語られたが、福澤氏は衣装合わせ当時から真相を知らされており、共通する仕草や手癖についても色々と提案していたものの、他キャストには秘密のまま撮影が進められていた。
そのため、カメラが回っていないときでも周囲に対して演技を意識する必要があったと語っており、伏線となる一瞬の演技をモルフォーニャ役の長谷川かすみ氏に見抜かれた際はうまく誤魔化したものの、内心は「やべえ見られた」と焦っていたらしい。
またカメジムのスーツアクターを担当する蔦宗正人氏とはクランクイン当日にわけのわからないまま物影に連れ込まれ、挨拶を交わしたというエピソードもある。
第43話
回想にて、カメジムに殺される直前のボシマールが登場している。
彼が殺されカメジムにその姿を奪われたのはギラとラクレスが子供の頃で彼らの父が健在だった頃である(第43話回想)。
当時国王だったコーサス・ハスティーの思惑でギラにレインボージュルリラを食させていた際、彼が倒れ気を失ってしまい、ボシマールとたまたま付近にいた衛兵の1人が駆けつける。
しかし、その衛兵は本来の持ち場ではない場所にいたのだ。それを不審に思い、とっさに突き飛ばしつつ素性を問いただす。衛兵の正体はなんとカメジムの変装した姿であった。
「王の双剣」の片割れとしての異名を持つ配下として勇猛果敢に挑むも、健闘むなしく落命し姿と地位を奪われたあげく、尊厳を踏みにじられることとなってしまった。
正体に気付いていたコーサスもあえなくダグデドとの戦いで討ち死にし、誰にも真実(正体)を伝えられないまま結果的に15年間もラクレス達を欺いていた事になる(15年間、姿が変わらないのは不自然であるが)。
ドゥーガに至っては15年間、ハスティー家に仕えたとなれば少なくとも本物のボシマールとは一度も会うことがなかったと思われる。
この僅かな回想の戦いから本物のボシマールは高い洞察力と主君の脅威には勇敢に立ち向かう忠誠心を持った人物だったと描写されている。
「王の双剣」の片割れ、奇跡の帰還(第49話)
デボニカに導かれる形で、命を落とした王達の縁者たちと共にハーカバーカより帰還。
ダグデドにより復活したミノンガンの攻撃からラクレスを庇い、戦場の民達へ指示を飛ばしなつつ、ラクレスに苦労をかけた事を謝罪。
この再登場によりドゥーガは変則的だがようやく本物の彼との共闘が実現、今度こそ2人揃った王の双剣はラクレスと共に最終決戦に臨む。
ボシマール「右腕に剣を!左腕には大剣を!」
ドゥーガ「我らは道具!王の殺意の具現なり!」
ラクレス「戦士達に、シュゴッドの加護があらん事をォ!!」
再登場についての余談
第49話にて、最後に消滅してハーカバーカに還る時、ドゥーガに向かって何かを呟いている。福澤氏曰く、ドゥーガにしか聞こえないように言ったアドリブとのこと。
関連動画
福澤氏が話し相手をしている『水野美紀の映画生活』にてボシマールついて語った動画
余談
演じる福澤氏はかつて『仮面ライダーOOO』にて腹時門太(ネコヤミーに憑依された人物)、『仮面ライダーゼロワン』にて古澤社長(モデル型ヒューマギア・デルモの雇い主)を演じた他、『スーパーフーロータイム』のCMで父親役を演じており、ニチアサ視聴者にはお馴染みの人物である(尚、キングオージャー放送期間中は出演を休止し、次回作のブンブンジャーから出演を再開した)。
名前の由来はキボシマルウンカ以外にも「キボシマルトビムシ」「マルボシヒラタハナバエ」も挙げられており、前者のトビムシは野菜の葉を食べる害虫、後者の蝿はカメムシに寄生する寄生虫であるが、前述の経緯から「キボシマルウンカの方が最もモチーフとして有力視出来る」とされ、候補から外されている。
下着には似顔絵風のワッペンが縫い付けられていて東映のホームページではその下着をボシマールブリーフと記載されているがどう見てもトランクスである。
キングオージャーの世界ではトランクスの事をブリーフと言うのかもしれない。