曖昧さ回避
ヤナギとは
ヤナギ科ヤナギ属の樹木の総称。日本ではシダレヤナギを指す場合が多い。枝が垂れ下がる種類を「柳」、枝が立ち上がる種類を「楊」と表記する。
水辺を好む種が多いが、山地に生育するものも少なくない。
樹皮は解熱鎮痛薬として古くから用いられ、薬効成分のサリチル酸の抽出、さらに副作用の少ないアセチルサリチル酸(アスピリン)の合成につながった。
主なヤナギ属の種
シダレヤナギ
ヤナギ科の落葉高木。「糸柳」とも。先端の枝が垂れ下がるためこの名がある。雌雄異株。
中国原産で奈良時代に日本に渡来した。
街路樹としてよく用いられる。
湿潤を好み、強靭且つ良く張った根を持ち、また倒れて埋没しても再び発芽してくる逞しい生命力に注目した植栽木として、川や池の周りに堤防の補強がてら植えられた。
霊の宿る木と考えられ、江戸時代の奇談集「絵本百物語」に「柳女」が取り上げられている。
ネコヤナギ
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ウンリュウヤナギ
ヤナギ科の落葉高木。「雲竜柳」。枝が曲がりくねって垂れ下がる。
中国原産。雌雄異株だが、日本に生えているのは殆どが雄株。
生け花によく用いられる。
マルバヤナギ
ヤナギ科の落葉高木。ヤナギの仲間は葉が細長い種類が多いが、普通の長さの葉のため相対的に「丸葉柳」と呼ばれる。新芽が赤いため「赤芽柳」とも。
中国南部原産で、日本に生えている柳の中では開花時期がもっとも遅い。雌雄異株。
枝は垂れ下がらず、樹冠は平たい円形。