概要
1977年にこれまでTDKの音楽用カセットテープの標準グレードであったSDの後継として登場。ADとは「Acoustic Dynamic」を意味する。
ポジションはノーマル(Type-I)。磁性体はリニアフェリックと呼ばれる酸化鉄系が最後まで使われた。
多くのカセットデッキに於いてリファレンステープとして採用された実績もあり、TDK特有の高域重視なところはあるが癖が無く素直な音質が特徴。
派生モデル
OD
オプティマフェリック磁性体を採用した上位グレード。1979年登場。ADの特性をほぼそのままに高出力高感度化されている。1984年に後継のARが登場するまで販売された。
AD-X
ODに続く上位グレードとして1982年登場。磁性体が大きく変更され、ハイポジション(Type-II)のSAで使用されていたコバルト被着酸化鉄系のアビリン磁性体を採用。主に高域の周波数特性が向上しており、ODよりも音の解像度が高まっている。
AR及びその上位モデルAR-Xが登場するとODと共に一度カタログ落ちしたが、1989年に復活。その際「ADより上位ではあるがAR系よりは下」とはなっていたものの、カタログスペック的にはAR-Xと被ってくるなど微妙な立ち位置となる。
AD-S
1985年登場。カセットハーフがスケルトンになっている以外はほとんど同時期のADと変わらない。Sは「Splendor(華麗)」を意味する。
AD1/AD2
1995年登場。このモデルよりノーマルポジションのAD1とハイポジションのAD2の二本立てで発売されることとなる。磁性体についてはパッケージ等でも言及されてはいないため、リニアフェリックやアビリンが使用されているかは不明。