概要
1999年にセガがアーケード用に販売したドライブシミュレーションゲーム(レースするモードもあるのでレースゲームにもカテゴライズされる)。2001年にはバージョンアップ版の『~2』が販売されている。
移植は2000年にドリームキャストに、2002年にPS2にされている。
フェラーリ公認のワンメイクレース『F355チャレンジ・レース』を題材とした、プロデューサーである鈴木裕の当時の愛車「フェラーリF355」の操作性をシミュレートした作品であり、その完成度の高さにフェラーリ社も賛辞を示し、データ供与ならびに共同による商品テストを行ったという。
モードは走行ガイド付きの「トレーニング」、時間いっぱい1台で走行する「フリー走行」、8台のF355による「レース」の3つ。アシスト機能も付いており、プレイ中にON/OFFが可能。
筐体はハンドル、アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダル、更にパドルシフトと6速Hパターンシフトレバーの両方が付いた3画面モニターの本格的なものと、クラッチペダルと6速Hパターンシフトレバーを廃して1画面モニターにし、横並び2人用にしたものとがある。
セガのしくじり先生たる所以の一端
ちなみに、一部のプレイヤーの心を鷲掴みにした反面、ヒットはしていない。
というより、出てくる車がF355だけ、遊びを廃した一般人置き去りのシミュレーター、ゲームセンターの土地占有率を奪う3画面モニターによる高額な大型筐体・・・普通に考えても明らかに収益率の良い製品とは思われない。当の鈴木裕もヒットする心算で作ってはいないだろう。実際、販売当時に「ただの公私混同」という声も囁かれていたものであるが、セガも開発中の頃はまだ羽振りが良かったのであろう。
・・・が、当製品が日の目を見る頃になると、セガはドリームキャストの売り上げ不振により多額の赤字を計上することになり、3年連続して赤字を計上した挙句の2003年にサミーと経営統合している。
その統合の前年、当商品が2002年にPS2に移植されている現状が何を物語っているか・・・おそらくはドリームキャストが成功していたならば不問にされたであろう当製品開発に於いて発生した予算、その回収を上層部から迫られたのではないかと推察される(無論、ただのバージョンアップ版である『~2』の販売もその故であろうと)。
そもそも、このような多額の予算を必要とする反面で収益の見込めない製品開発にGOサインを出してしまう企業体質も問題なのだが、まぁそんなところもしくじり先生たるセガらしいところだとも言えようか。