モータースポーツ用語としてのポールポジション
レース開始前の予選でラップタイムが最速だったレーサーが、決勝に於けるスタート位置で一番先頭に配置されること。
その語源は、競馬に於いて遠い観客席からでもゼッケン一番の馬の位置がわかるようポールを立てていた習慣からだとされる。
一番先頭でのスタートであるから当然レースでは圧倒的に有利であり、そのまま1位になることを「ポール・トゥ・ウィン」と言う。
ナムコのゲームとしてのポールポジション
1982年にナムコが販売した大型筐体ビデオレースゲーム。名前の由来は上記のポールポジションから。
ビデオゲームでは初のラスタースクロールを用いたリアビューのレースゲームであり(それまではタイトーのスピードレースなどのようにトップビューが基本。また敵車や背景のないゲームとしてならば3D視点は1975年にドイツで販売された『ニュルブルクリンク1』が初)、この疑似3D表現が上手くいかずに制作に2年を要したという。
ゲームはまず予選レースで一周走り、無事に予選通過すると本選(基本は4周だが設定で変更可能)に出られる。コースは富士スピードウェイのみ。
翌1983年に「ポールポジションⅡ」が発売される。
コースは前作の富士スピードウェイに「オーバルコース」「シーサイドコース」「鈴鹿サーキット」が追加され、4つのコースを選択可能になった。
一部の筐体は後にサンダーセプターや、コナミのレースゲームである「RF2」(※)に改造されている。
(※)当初より「ポールポジション」の筐体を流用するためのコンバージョンキットとしてリリースされたため、このゲーム専用の筐体は元から存在しない。
移植
「Ⅰ」が1983年にAtari2600、Atari5200、Atari8bitファミリー、Vectrex、vic-20へ、1984年にコモドール64、ZXスペクトラム、BBCマイクロ、TI-99/4Aへ、1988年にインテレビジョンへ移植されている。
「Ⅱ」は、1984年にAtari7800と、1987年にスーパーカセットビジョンへ、1988年にコモドール64へ移植されている。
また、「Ⅰ」「Ⅱ」ともに「ナムコミュージアム」に収録され、更に2023年7月に「Ⅰ」が、同年12月に「Ⅱ」がアーケードアーカイブスとして配信されている。
ナムコミュージアム版はコースの権利が取れなかった関係で、富士スピードウェイと鈴鹿サーキットがそれぞれ『NAMCO』・『WONDER』というオリジナルコースに変更されている。
テレビアニメ化
アメリカ・フランス・日本の共同制作により、Atari2600版の販促の一環でテレビアニメ化された(内容はほぼゲームと無関係)。
アメリカ(CBS)では1984年に、フランス(TF1)では1985年、日本(NHK BS2)では1989年に放送。
遊戯王OCGのポールポジション
永続罠
フィールド上に表側表示で存在する、
攻撃力が一番高いモンスターは魔法の効果を受けない。
「ポールポジション」がフィールド上に存在しなくなった時、
フィールド上に表側表示で存在する攻撃力が一番高いモンスターを破壊する。
(なお、最高値かつ同攻撃力のモンスターが場に複数存在する場合はその全員が対象となる)
一見元ネタのポールポジションをカードゲームに落とし込んだ効果なのだが、実は効果内容に致命的な欠陥を抱えている
例えば
攻撃力1000のAというモンスターと攻撃力1500のBというモンスターがいる、この場合ポールポジションの対象になるのはBである。
しかし装備魔法カード「デーモンの斧」をAに装備させ攻撃力を1000上げると、攻撃力が2000になり、Aがポールポジションの対象となる。
その瞬間Aは装備しているデーモンの斧の効果を受けられなくなり、攻撃力が1000に戻る
ポールポジションの対象がBに戻り、Aはデーモンの斧の効果を受け攻撃力が2000になる
以下ループである。
そう、このカードたった一枚の装備カードで挙動がバグってしまうのである。
一応公式の裁定としては「ポールポジション影響下においてこの手の止められない無限ループが発生する行動は行ってはならない、また強制効果であったとしても発動しない」という特殊裁定が出ており、上記の状況の場合「Aにデーモンの斧を装備させることができない」事になる。
コレで解決…と思いきや、この特殊裁定を利用した凶悪なロックコンボが存在する。
使用するのは速攻魔法「スケープゴート」と装備魔法「団結の力(厳密にはなんでもいいのだが、一番最高上昇値が高いのがコレであるため)」そして三邪神の一体イレイザーである
必要な効果だけ説明すると
スケープゴート「自分の場に四体、攻守0の壁用雑魚を呼び出す」
団結の力「自分の場のモンスターの数×1000装備モンスターの攻撃力を上がる(装備モンスターはカウント対象外)」
邪神イレイザー「相手の場のカードの数×1000攻守上昇」
さて、この場にはガラ空きの相手とイレイザーしかいない自分の場がある
スケープゴートを発動し、呼び出された雑魚に団結の力を装備する。
この場合、攻撃力4000の雑魚が対象となり攻撃力が0になるが、場に居る他の全員も攻撃力は0のため全員が対象となりポールポジションの効果は終了する(この様にループにはならないので団結の力が使える)
問題は相手のターンである。
モンスター、魔法、罠そのどれを発動したり、セットしたり、召喚しようとしたりしても、イレイザーの攻撃力が1000になってしまうのである。
そうなるとイレイザー単体が対象となり団結の力を装備した雑魚の攻撃力が4000になり…とループが発生してしまう
そして上述通りこう言ったループが起きる行為は行えないので
相手プレイヤーは攻撃力4000未満のモンスターの召喚、魔法罠の発動、その両方のセットが不可能になり、墓地効果の発動、手札誘発効果の発動以外のあらゆる行動が行えなくなってしまうのである。
手札誘発や墓地効果も召喚やセットを介する効果があるなら使用不可であるため大半が機能不全を起こす。
なお、エフェクト・ヴェーラーの手札交換やブレイクスルー・スキルの墓地効果などでイレイザーの効果を無効にすれば攻撃力0のモンスターの召喚及び魔法、罠の発動自体は可能になるが、打開前に止められてしまったり、打開できていない状態で自身の場にカードが残ったが最後、無限ループが発生してしまう。
また、逆に言えば「ループが発生しないのなら行える」のでモンスターを裏守備でセットすることは可能
そのため「場にポールポジションの対象の攻撃力1000、デーモンの斧装備のモンスターA」がいる時に「攻撃力1500のモンスターBをセットする」ことは可能になるが、モンスターBのプレイヤーはループが発生してしまうこのモンスターを反転召喚させることはできない。
が、仮にAが裏側表示のBを攻撃した場合、表側表示になってしまいループが始まる
そうなったら?調整中です
一応後者の例の場合「その攻撃したらループが起きるのでやめてください」と要請でき、またその要請が通る事もあるが、その攻撃や、その後の追撃のための準備をメインフェイズでやっているはずのため、それで却下されるのは理不尽ではないかという反論もある。
効果によっては発動しようとした魔法罠の情報だけを相手に見られたうえ、「ループが起きるから」と却下されてしまうなどその後の進行に大きく影響を及ぼす可能性もあり、非常に判定が難しくなっている。
余談
プロ野球ファミリースタジアム(ファミスタ)に登場するチーム・ナムコスターズに『ぴぴ』という名前の選手が登場するが、これは『ポールポジション』のアルファベットでの略称であるPPから取っている。
関連タグ
ファイナルラップ:同じくモータースポーツ用語及びポールポジションの系譜を継ぐレースゲーム