概要
1999年にプレイステーション用ソフトとして発売されたレースゲーム。
…なのだが、走るのはタイトル通り人間であり、ジャンルも『人間レースゲーム』となっている。
ゲームミュージックをメインに担当する作曲家竹ノ内裕治の原案により誕生した。
時期的にはプレイステーション後期にあたり、内容自体は良作でありながら知る人ぞ知るマイナーゲームだったが、本作を当時気に入っていた著名人にL'Arc~en~Cielのhydeがおり、翌年にラルクとの公式コラボレーションして発売されたのが激突トマラルクである。
ゲームシステム
ホテルや下町などを舞台に、1対1でどちらが先にゴールするか競走するというシンプルなものだが、その実態はアイテムを使って相手を妨害する、コース上に設置してあるマットやポールや跳び箱を上手く使い如何に速く走りそして一位になれるかを競うという簡単そうで極めようと思うと奥が深いゲーム内容となっている。
また、この手のレースゲームでよくあるキャラクター毎の能力値にも差があり、そこを見極め使いこなすのも肝と言える。
主なゲームモード
- トマラン大会
本作のメインモードで、「ストーリーモード」にあたる。
- 大人のトマラン大会
ゲームを一定以上進めると解禁される。
トマラン大会より難易度が上がっている。
- たいせん
CPUや友達と対戦出来るモード。
トマラン大会で解放した隠しキャラもここで使用出来る。
- タイムアタック
名前の通り。ここで最速タイムを目指し腕を磨く事も出来る。
- コンボアタック
こちらはマットやポールなどを止まる事なくどこまで使用し走り続けれるかを競うモード。
本作を象徴するやり込み要素の一つ。
登場キャラクター
初期メンバー
JAM夫
一応本作の主人公とされている少年で行方不明の父親を探している。
バスケットボールのユニフォームに勾玉の様な髪型が特徴。
初期レベルでは全体的に能力値が低いが成長するにつれて改善されていく。
だが、脚の遅さは最後まで大きく改善されないので減速しない走り方が要求される。
ナカジマ
初期メンバーでの紅一点の女子高生。
設定では強化グローブを装着しているが、初期レベルではポールでの加速が壊滅的に遅い。
強化グローブ自体は作中では反則らしいが、他の参加者が人外だったりロボットだったり何でもありなので気にされて無い。
名前の由来は後述のイソノとの関係から恐らく彼。
カッパ
その名の通りのカッパ。
トマラン大会には彼の故郷『カッパの里』を人間から守る為に参加している。
初期メンバーの中では加速に強いがバテやすい。
スライディングは仰向けで行う。
故郷にしてホームコースであるカッパの里には彼と同種の仲間が沢山いる。
ギン
謎の博士が開発したロボット。
後述のロボット「ブラック」とは兄弟関係にあり彼が兄にあたる。
重量があるのか全キャラで唯一登り用マットを使用出来ず、初期レベルでは壁をよじ登るしか対処法が無いが、成長すると上に飛行可能なスキル『ジェットジャンプ』が使用可能になり登り用マットが必要な箇所でかなり相手に差をつける事が出来るようになる。
「トマラン大会」クリア後に解放されるキャラ
エースさん
JAM夫でトマラン大会をクリアすると解禁される。
覆面レスラーの様な容姿の謎の人物で、JAM夫の父親ではないか?と噂されているらしい。
カッパ以上に加速に秀でているが、ダウン時の復帰が遅く壁をよじ登る能力は一番低い。
パッケージでは文字通り彼が本作の『顔』として描かれ、次作のトマラン大会では事実上のラスボスを担当する。
てんし
ナカジマでトマラン大会をクリアすると解禁される。
思春期の少女の善の心から生まれるという、本作の癒し枠。
能力値は攻撃力が無い以外はバランスが良く、高所から落ちてもノーダメージで止まる事が無いので初心者にも扱いやすい。
だが、アイテムが貧弱なのが欠点といえる。
その見た目から本作の登場キャラの中では人気がある。
源さん
カッパでトマラン大会をクリアすると解禁される。
獅子舞の格好をしている江戸っ子。
ジャンプ力が無く通常走りもそんなに速くないがダッシュだけは飛び抜けて速い。
ゲーム中では基本的に獅子舞の格好のままでいるが、エンディングで素顔の口元だけは確認出来る。
モーターマン
ギンでトマラン大会をクリアすると解禁される。
サイボーグの女性で、胴体がバイクのエンジンの様になっている。
レース中はエンジン音しか出さず、彼女自身の台詞は勝敗時にしか発しない。
ダッシュが最初からカンストしているが持続力が低く、スキル『ロケットダッシュ』との併用が望ましい。
エンディングで変身解除し長髪姿を披露する。
「大人のトマラン大会」クリア後に解放されるキャラ
S-JAM夫
JAM夫で大人のトマラン大会をクリアすると解禁される。
見た目はJAM夫をギャル男にしたような感じだが、初期の能力値は物凄く低くバテやすく、名前の頭文字「S」が「ショボい」の意味と揶揄される程だが、成長させるとそれが嘘のように改善される。
次作の説明書によると「S」は「スペース」の意味らしい。
イソノ
ナカジマで大人のトマラン大会をクリアすると解禁される。
瓶底メガネが特徴的な、ナカジマの悪友。
ステータスはてんしや後述のあくまちゃんの上位互換といえるが、本作きってのチートキャラ。
初期からほぼ能力値が完成されているほか、本作に於ける最強アイテム「サンダー」をデフォルトで持っている上に体力消費も少ないのでトマラン大会などのCPU戦は有利になるが、このキャラで友達と対人戦をする場合サンダーは出来るだけ使わない方が良い。リアルファイトになりかねない。
なお、水着に着替えた際に彼女の素顔を拝む事が出来るがこの手のキャラによくある「眼鏡を外すと美少女」である。
名前の由来は超有名アニメの主人公一家からだと思われる(ナカジマとの関係などから長男の方をイメージしている可能性がある)。
「トマラン大会」以外で使用可能な隠しキャラ
あくまちゃん
てんしでトマラン大会をクリアすると解禁される。
トマラン四天王の一人。設定的にてんしと対になるキャラで、ステータスもほぼてんしの上位互換。
彼女の登場する「ホテル2」との相性が良く、ジャマー遺跡のような高所から転落する箇所があるコースでも鉄棒による着地に失敗してもダメージを食らわないので有利になる。
だが、てんし同様に装備出来るアイテムが貧弱なのが数少ない欠点か。
ブラック
モーターマンでトマラン大会をクリアすると解禁される。
トマラン四天王の一人。ギンとは兄弟のような関係にあり、能力的にもギンの上位互換ともいえるが、そちらと違い登り用のダンナーマットは使用可能でありその上でジェットジャンプも使用可能である。
また、高所からの着地時にタイミングよく両手を出すとノーダメージで着地成功する事がある。
以上の点から、彼の登場する「ジャマー遺跡」との相性は抜群でトマラン大会ではクリアへの大きな障害として立ち塞がり、キャラクターによっては苦戦を強いられる事も。
次作でもステージによってはラスボスであったりする。
凶犬ガルル
源さんでトマラン大会をクリアすると解禁される。
トマラン四天王の一人(一匹)。ラスボスの飼い犬。
ステータスはほぼ源さんの上位互換で、設定的に関係ない筈だがポールやマットの使い方が同じだったり解禁条件も含めて源さんと謎に繋がりがある。
トマラン大会では「くねくね小路1」に登場する。
その見た目に反して対戦では初心者にも扱いやすい。
ジャマーキング
トマラン大会で特殊アイテム『ジャマコン』を使用せずにジャマーキングを倒すと解禁される。
トマラン四天王の一人。本作の障害物「ジャマー」の集合体のような見た目をしている。
名前の通りジャマー達の王様で、本作ではブラックに次いでクリアへの壁になるキャラ。
コース上のジャマーが襲ってこないという特殊能力に加え、アイテム「サンダー」を持ち合わせているのでトマラン大会ではかなり苦戦する事になる。
救済措置として、彼の登場コース「ジャマー砦」の序盤の区間にて秘密の部屋に通じる裏道があり、そこに幽閉されている姫を探し当てることで砦内のジャマーに襲われなくなるアイテム『ジャマコン』を貰え、更に「サンダー」を装備していない状態で再スタートになる。
サンダーを使える以外はそこまで特段凄いキャラでも無く、そのサンダーもイソノより体力消費が激しいので対人戦でもイソノ程悪目立ちはしないがサンダーの使用は初心者がハンデとして使用する程度にするのが良い。
ピヨタンク
トマラン大会でノーコンティニュー時に出現する「トマラン神社」で二回戦共にピヨタンクに勝利する事で解禁される。
自称四天王候補の一人(一羽)。その名の通りメカに乗ったヒヨコ。
ステータスは本作のキャラの中でもワーストに入る分類だが、彼の真髄はスライディング時の特殊コマンドにある。
このキャラ、スライディング時にダッシュをすると最高速を保ったままスライディング状態で走り続ける事が出来るというチートに近い走法があり、彼のホームコース「トマランサーキット」などでは無類の速さを誇る。
しかも、この走法はバグなどではなく仕様であり次作でも削除されていない。
当然だが、サンダー同様にこれも対人戦での使用は止めるべきである。
CPU専用キャラ
女帝トマランヌ
本作のラスボス。
「ロケットダッシュ」「ジェットエンジン」を使用し、スピードも上がっていくなどホームコース「トマラン宮殿」の構造上彼女が有利になるようなステータスになっている。
だが、滅茶苦茶速いという訳でもなくスピードアップも三回攻撃すれば消えるのでJAM夫等のような脚の遅いキャラでも隙をつけば追い越せるようになっているので、先のブラック戦やジャマーキング戦を乗り越えれたならば攻略法さえ見出だせば勝てる筈である。
トマランダー先生
チュートリアル専用キャラ。
見た目はJAM夫に仮面を被せたようなコンパチキャラで、プレイヤーに本作での走り方や基本操作を教えてくれる。
次作では条件を満たせば一度だけ使用可能になる。
登場コース
殆どのモードで登場するコース
しらかべ城1
トマラン大会では最初に走るコースであり、本作の基本コースその1。
日本の城がモチーフでコース上にはレースクイーンや殿様がギャラリーとして登場している。
距離も短く、初心者はここで本作の基本を学ぶことになる。
しらかべ城2
しらかべ城1を少し長くしたコースで、序盤と終盤以外のセクションは一部共用している。
こちらは跳び箱が設置され、少し難易度が上がっている。
しらかべ城1と違い、夜のお祭りがモチーフになり終盤セクションには山車が障害物として設置されている。
しらかべ城3
本作屈指のロングコースで、上述二つとはスタート地点のストレート以外殆ど共用セクションは無く、かなりトリッキーでそれなりの実力を要するコース。
コース距離から、どのキャラでもバテやすい傾向にある。
ホテル1
基本コースその2。
登り用のダンナーマットや一定距離を飛行出来るマットを上手く使って攻略するコース。
終盤セクションのショートカット出来る部屋に入ると…
ホテル2
ホテル1を広くし難易度を上げたコース。
公式から落下するセクションが増え、着地失敗した際のリスクが増加している。
あくまちゃんなど、高所からの落下に強いキャラに適している。
かけこみ寺1
基本コースその3。
ダンナーマットや鉄棒を使い、上手く駆け上がれるかがコツ。
寺に入ってすぐに住職と遭遇する部屋があり、壁に当たると「うるさいわ!」と怒鳴られてしまう上にタイムロスになるので注意して走ろう。
かけこみ寺2
かけこみ寺1の難易度を上げたコースで、こちらはクリスマス時期が舞台になる。
住職がお経を詠んでいる部屋は健在だが、こちらではぶつかるとタライが降ってくるようになったので更にタイムロスの要因になってしまうので注意しよう。
セクション終盤にあった池は凍っており、スライディング必須になっている。
くねくね小路1
下町が舞台のコース。
序盤にショートカット出来る部屋があり、中盤の銭湯では男湯と女湯でルートが微妙に異なる。
障害物に学生やおばさんが居るが、相手が吹っ飛ぶだけでこちらには特にダメージは無い。
くねくね小路2
くねくね小路1を長くし、コーナーも増えた上級者向けのコース。
こちらには銭湯のセクションは無いが、中盤で民家に入るショートカットセクションあり。
吹っ飛ばせるギャラリーは番長と子分になっている。
カッパの里
カッパのホームコース。
変則的なコーナーや分岐が多く、ある程度レイアウトを覚えていないとタイムロスに繋がる中級者向けコース。
コースの至るところにカッパがギャラリーとして点在している。
トマランビーチ
その名の通り海岸が舞台のコースで、泳ぐセクションが多い。
途中で海中の洞窟へ進めるセクションあり。
コース全長はやや長く、バテやすいキャラの場合注意が必要。
トマラン大会では水着に着替えていることがある。
トマランサーキット
ピヨタンクのホームコース。
大きな障害物は少なく、レイアウトさえ覚えてしまえばそれ程難しいコースではない。
が、ピヨタンクの裏技はこのコースに適しているといえ、無敵の速さになる。
コース上にはピヨタンクの仲間が大量にいる。
ジャマー遺跡
本作屈指のトリッキーなコースで、大半がダンナーマットのセクションで構成されている。
ダンナーマットが使用出来ないギンの場合、ゲージが溜まっていないとジェットエンジンやダッシュが使えないのでかなり苦戦する。
中盤の落下セクション途中でショートカット出来る場所があるが、床が崩れ落ちる箇所があるので注意。
ブラックとの相性が良いコースで、トマラン大会では大きな壁として立ち塞がる。
ジャマー砦
ジャマーキングのホームコース。
コースのあちこちにジャマーがおり非常に厄介で、赤ジャマーの対処が面倒。
しかし、ジャマーキングは特殊能力によりジャマーの妨害を受けない上に中盤セクションではジャマーを橋に出来たりするのでトマラン大会では大きな障害になる。
トマラン大会時のみ、序盤セクションで秘密の部屋に通じる道へ行く事が出来る。
トマラン宮殿
女帝トマランヌのホームコースで、トマラン大会のラストを飾るコース。
構造はホテル1に少し似ており障害物も少ないが、レース中に使用するアイテムの類が一切落ちていないのでパワーの回復などが出来ない。
「トマラン大会」では2周目、「大人のトマラン大会」では3周目にのみ開くショートカットセクションあり。
BGMがトマラン大会と通常対戦時で異なっている。
コンボアタック専用コース
城めぐりコンボ
城の外をひたすら走るコースで、マットやポール以外に跳び箱が設置されている。
これらを途切れずどこまでコンボ出来るかが肝。
コース上の暖簾はコンボ回数に応じて変化する。
迷い寺コンボ
寺の中を走り続けるコース。
このコースはレイアウトがランダムで、途中の分岐セクションも長さが違ったりしている。
一定数コンボが続くと跳び箱も出現するようになるので注意。
空中コンボ
マットや鉄棒を使い、地面に着地しない様に空中でひたすらコンボを繋げるコース。
コース内にゴール用の着地スポットあり。
ダンナー200、ダンナー500
ダンナーマットで頂上まで辿り着けばクリア。
名前の後ろの数字はダンナーマットの数を意味する。
ゴールとなる頂点にはてんしが沢山いる。
トマラン大会専用コース
トマラン神社
ピヨタンク乱入時に彼とバトルするコース。
片方が爆弾を背負った状態でスタートし、接触すると爆弾が移り制限時間までに爆弾が無い状態でコースを走り続けないと負けになる。
スキル
キャラクター毎に使える特別な技。
三種類あり、複数持っているキャラもいれば特殊アイテムを装備しないと使えないキャラもいる。
- ロケットダッシュ
マットターン後に使用するとフル加速のダッシュ状態で走る事が出来る。
- タツマキエンジン
使用すると回転しながら少し飛ぶ事が出来る。
- ジェットジャンプ
ダンナーマットを使用せずに飛行可能になる。
ギン、ブラック、ピヨタンクのみが使用出来るスキル。
アイテム
装備出来る武器
- とまらん玉
多くのキャラが装備出来る玉。
低コストで連射可能だがロックオン出来ずこちらに跳ね返ってくる事があるので注意。
- ナゾのガス
後方に放ち、相手に直撃すると動きを制限する事が出来る。
使用法が少し下品。
- ミサイル
本作でメインとなる武器。
追跡能力があり、ミサイルを撃った際のランナーのスピードによりミサイルの速さも異なる。
撃った後にミサイルの前を走っていると自分に当たる可能性もあるので注意。
「ジャマー遺跡」ではミサイルが通過すると爆発する箇所があるので巻き込まれないように考えて撃とう。
- バクダン
設置型武器
コースに大量に設置する事が出来るが、こちらも自分もダメージを受けるので自爆には注意しよう。
- サンダー
本作最凶武器。
使用した直後に相手に雷を落としダウンさせる。
CPU戦では大いに役立つが、対人戦では初心者へのハンデや双方使用禁止などのローカルルールを設け使用は良く考えた方が良い。
繰り返し書くが使用法を誤ればリアルファイトになりかねないので要注意。
装備出来る強化アイテム
- トマランシューズ
ダッシュ力がアップする。
- トマラングローブ
ポールやマットを使用した際のダッシュ力がアップする。
- ベアクロー
壁を登る速度がアップする。
- てんしのリング
高所から落ちてもノーダメージになる。
- ロケットスターター
スタート時にロケットダッシュをする。
- ウケミンC
ダウンから回復する速度がアップする。
- みずぎ
水泳スピードがアップする。
- スーパースキル
レベルに関係なくスキルを装備出来る。一部キャラはこれが無いとスキルを使用出来ない。
ラッキーアイテム
『?』ボックスに入っており中身はランダム。
- ヒヨコ
装備中に「バクダン」「ミサイル」「サンダー」の攻撃を受けた場合、相手にそれを返してくれる。
相手もヒヨコを装備していると自分に返ってきてしまう。
- バクダン
自分が爆発する。
- サンダー
相手に雷を落とす。
- フルパワー
パワーゲージを満タンに出来る。
- ダッシュ
使用直後のみパワーを消費せずにダッシュ状態になる。
- ハイハイ
相手を一定時間四つん這い走行にする。
- チューチュー
相手のパワーゲージを自分に加算する。
- シャッフル
コース上のラッキーアイテムの中身を変更する。
- スカ
ハズレ。何も起こらない。
その他コース上にあるアイテム
- パワー
取るとパワーゲージが少し溜まる。
- トマラナイト
トマラン大会で必須になる宝石。
緑が1個分、赤が2個分、青が10個分とランクアップしている。