概要
「チェイスH.Q.」は1988年にタイトーが販売した業務用レーシングゲーム。「H.Q.」は「Head Quarters(本署)」の略である。
翌1989年には続編にあたる「S.C.I.」、1993年に1人称視点の「スーパーチェイス クリミナルターミネーション」、2007年に3DCGとなった「チェイスH.Q.2」が販売されている。
またスピンオフ作品として、横スクロールアクションゲームの「クライムシティ」、クイズゲームの「クイズH.Q.」が存在する。
チェイスH.Q.(初代)
1988年販売のシリーズ第一弾。プランナーは「サイドバイサイド」、「バトルギア」などタイトーのレーシングゲームの殆どを手掛けた酒匂弘幸氏。
大型筐体専用で、操作系はハンドルとブレーキペダル、アクセルペダル、シフトレバー(LOWとHIGHのみ)と、シフトレバーに付属しているニトロスイッチ。
視点は3人称で、「Chase Special Investigation Department」に所属するトニー・ギブソンとなり、相棒のレイモンド・ブロディを乗せたポルシェ928(黒色)に似た覆面パトカーを操作する。ニトロスイッチを押すと一定時間スピードが上がるが使用できるのは1ラウンド中3回のみ(ディップスイッチにより5回にも設定可能)。
従来のレーシングゲームのように敵車との順位を競うのではなく、犯人の乗った逃走車に追い付き、自らの運転する車を激突させてダメージを与え、制限時間内に走行不能にするというもの。
また、主人公やナビゲーターであるナンシーらが音声を発するが、当時ここまで明瞭に聞こえ、尚かつ音声データ量の多いゲームは存在しなかった。ナンシーからの緊急連絡に「まかせてちょーだい!」と答える主人公の声を聞いてテンションが上がったプレイヤーも多かったことだろう。声優は非公開だが、主人公の声は独特の口調や声質から村山明では無いか?と推測されている。
国内外でヒット作となり、日本では1989年にファミリーコンピュータに移植されたのを皮切りに、PCエンジン、ゲームボーイ、ゲームギア、FM-TOWNS、X68000など様々な機種に移植され、海外でもセガ・マスターシステム、Amiga、Atari ST、アムストラッドCPC、コモドール64、ZXスペクトラムに移植されている。
各機種比較動画
S.C.I.
1989年販売のシリーズ第二弾。S.C.I.とは「Special Criminal Investigation(特別犯罪捜査官)」の略。プランナーは前作同様、酒匂弘幸氏。
詳細はS.C.I.を参照。
スーパーチェイス クリミナルターミネーション
1993年販売のシリーズ第三弾。英語表記は「Super Chase Criminal Termination」。
ゲームルールはこれまで同様だが、1人称視点(ドライバー視点)となった。前作「S.C.I.」にあった銃撃の仕様は無くなっている。自車はポルシェ928似に戻った(ただし赤色)。
移植作は無いが、同年スーパーファミコンでリリースされた「スーパーH.Q. クリミナルチェイサー」(自車にもダメージメーターあり)は初代よりもこちらに近しい。
プレイ動画
チェイスH.Q.2
2007年販売のシリーズ第四弾。大型筐体とアップライト筐体がある。
ゲームルールはこれまで同様だが、3DCGで製作されており、視点はボタンで1人称か3人称かを選べる。更に自車はアメリカンな普通のパトカー、アメリカンなマッスルカー、スポーツカーの3種類から選択可能。ニトロスイッチの回数は走行中にアイテムを拾うことで補充可能。
また、今作は対戦モードが設けられており、他のプレイヤーとどちらが先に逃走車を破壊できるかを競い合える(要筐体2台)。ちなみに、今作のナンシーは実写映像である。