概要
コンピューターゲームにおいて、(大)ヒット作品と類似する内容を取り入れた後発の(フォロワー)作品のこと。
特定の作品から影響を受け、オマージュやパロディとして意図的に似せた、あるいは影響を明言していなくてもプレイヤーからはそれが察せられるような作品のこと。
なお、たとえ後発でも発売(公開)したのが数日〜数週間程度の差であれば、開発に大きな影響を及ぼすとは考えにくいことから、基本的には元の作品から数ヶ月〜数年経ってから発売された作品を指す。
日本では、1978年のスペースインベーダーに始まり、1985年のスーパーマリオブラザーズ、1991年のストリートファイター2、1996年のポケットモンスター、2004年のモンスターハンター、2011年のダークソウル、近年では2023年の8番出口などが多くのフォロワーゲームを生み出した作品として挙げられる。
フォロワーゲームが複数登場することで、単一のゲームシリーズではなく「同様のゲーム性を持った作品群」が一つのジャンルとして確立するという側面も大きい。
例えばダンジョン探索型RPG『ローグ』のシステムを踏襲した作品は「ローグライクゲーム」と定義され、本家ローグが単発の作品であるのに対し、ローグライクは一つのジャンルとして多数のゲームメーカーから様々な作品が発表され続けている。また、メトロイドと悪魔城ドラキュラはそれぞれ別のメーカーによる無関係のシリーズだが、両者に共通する「探索型の横スクロールアクション」という特徴を持ったゲームジャンルの総称として「メトロイドヴァニア」が使われている。
フォロワーゲームの宿命として、フォロー元のタイトルやフォロワーゲーム同士の比較は免れず、作品そのものの出来によっては安直なパクリ、劣化版として適切な評価もされない作品が少なくない。
一方、全くの別物として独自の地位を築く作品、中には新たなフォロワーゲームを生むような作品もある。
「似せた」という範疇を超えて、ダンジョンマップや各種パラメータ、キャラクターデザインやセリフなどをそのままコピーしたような、半ば海賊版となっているゲームも存在する。これらはクローンゲームなどと称される。
法的には元となる作品の権利者が対応する問題であるが、プレイヤー側も注意すべきといえ、特に大手でないゲーム・アプリストアでダウンロードしたり特定のサイトにアクセスしたりして遊ぶゲームは、コンピューターウイルスのような悪意あるデータをプレイヤーの端末に送る目的で配信されるケースもある。
例
ナムコ発売のシューティングゲームで、スペースインベーダーのフォロワーゲーム。
1991年発売のセガ発売の横スクロールアクションゲームで、スーパーマリオブラザーズを超えるべく開発された経緯がある。海外ではマリオを超える人気を誇っている。
1993年にセガから登場した格闘ゲーム。1991年のスト2発売以降格闘ゲームがブームとなっている中で、当時最新技術であった3DCGを採用し、映像の斬新さで挑んだ。
1995年にナムコから登場した格闘ゲーム。こちらは上記のバーチャファイターのヒットを受けて開発された経緯がある。
1997年発売のロボット収集ゲームで、ポケットモンスターのフォロワーゲーム。
モンスター育成ゲームで、ポケモンおよびたまごっちのフォロワーゲーム。余談だが、こち亀にて「たまごっちとポケモンの要素を混ぜたゲーム」を両津が開発する回が存在する。
電車だいすきプラレールがいっぱい/発車オーライ!ガタンゴトン
どちらもトミーによる電車運転ゲームで、電車でGO!のフォロワーゲームである。しかし完成度はお世辞にも高いとは言えず、電車運転ゲームのジャンルは電GO一強となった。
スクウェア・エニックスによる3Dアクションゲームで、開発時にスーパーマリオ64の影響を受け、それに対抗できるほどの作品を作りたいと開発者の野村哲也が述べている。2021年には大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALにてソラ(キングダムハーツ)が参戦し、ついにマリオと肩を並べた。
2014年に発売されたキャラ収集型RPG。ポケモンの発売から15年以上経過した時期に登場したにもかかわらず、2016年頃までは「ポスト・ポケモン」と言わんばかりの大ヒットを叩き出し、社会現象となった。しかし2016年のポケモンGOリリース以降はフォロー元の人気が盛り返し、その割を一番食ったのが妖怪ウォッチであった。
なおテレビアニメ版は2022年現在、仲良く金曜ゴールデンタイムに放送されている。
2017年配信開始の音楽ソーシャルゲーム。2013年配信のスクフェスのフォロワーゲームの一つとされるが、両作とも開発はブシロードが行っていることから実質的な姉妹作といえる。
そもそもバンドリ!自体がスクフェスのヒットを受けてスタートしたプロジェクトであり、また、バンドリの流れを汲むD4DJのゲームD4DJ Groovy Mixではラブライブ!関連の楽曲が収録されているなど、(直接的な関係こそ薄いが)プロジェクト全体がラブライブ!フォロワーといえる。