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概要編集

簡単に言うと乗用車のようなボンネット形状を持ったトラックのこと。

ほとんどがトラックと同じ頑丈なラダーフレーム構造を持つ。


その起源は1910年代のアメリカフォード・モデルTを改造したものが始まりとされる。

商用車としてアメリカの農場や現場作業業者に長く重宝されるが、50年代以降はファッション性やアウトドアレジャーでの利便性が注目されるようになり、業務でなく私用目的の購入へシフトしていった。

そうした潮流に合わせて乗員人数や快適性などが改善されるようになり、国土全体的に路面が十分整備されていないアメリカの道路事情もあり、より良い長距離や悪路での走破性、車体の耐久度なども引き続き求められた。

また北米の自動車メーカー側としても、利鞘の大きいピックアップトラックは旨味が大きいため、政府に対するロビー活動により税制上大きな優遇措置を得て、販売台数を大幅に伸ばした。


なお1950~60年代頃に軍事用のクロスカントリー車の走行技術が合流し、ピックアップトラックの荷台に"シェル"と呼ばれる屋根付き空間を設け、ワゴンスタイルのボディにして完全な乗用車となったのがSUVの源流であるとされている。


現在のアメリカでもアメ車のシンボルにふさわしく一般的なタイプであり続けている。

他の地域でもオーストラリア中南米アジア南部、アフリカなど、雨の少ない乾燥気候や乾季が長く雪が少ない熱帯気候の地域では自家用車や商用車、作業用車として普及している。

なお乗用車の世界車名別販売台数1位はトヨタカローラであるが、トラックまで含めるとフォードのピックアップトラックであるFシリーズが1位であることからも、その需要の高さはおわかりだろう。


そうした人気の高さから意外とモータースポーツでもオフロード・サーキット問わずベース車両として採用されることが多い。


日本においては、かつてそれぞれの国内メーカーがピックアップトラックを手がけていたが、国土全体で山がち・雨と雪が多い・路面が整備されている、という風土に加え、機動性と経済性が優れる軽トラックや軽ワゴンが発達し、私用でもステーションワゴンミニバン、SUVなどの方が好まれるようになっていった。それゆえ一時期国内新車市場からピックアップトラックは完全に消滅していた。その一方で狩猟従事者やレジャー好き、アメリカ車好きなどの愛好者は多く、現在も中古や輸入車がしばし購入されている。なお、2024年6月時点で国内新車市場に投入されているトヨタハイラックス三菱トライトンは、いずれも輸入車だったりする。

また日本メーカーは現在でも海外ではトヨタ、ホンダ、日産、三菱、マツダ、いすゞなど多数のメーカーが積極的にピックアップトラックを製造しているが、日本で普通に過ごしていると馴染みは全く無いだろう。


なお日本での運転免許基準としては大型自動車中型自動車ではなく、普通自動車規格の車種が該当する。軽自動車規格である軽トラックとは慣習的にはっきりと区別されている。


関連項目編集

自動車 トラック アメ車 工業


テクニカル:紛争地帯や発展途上国等において、荷台に銃架や砲台等を取り付ける事で戦闘車両化が行われている。

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