テクニカル
てくにかる
- 【technical】1.技巧的。技術的。「―な要因」 2.専門的。学術的。「―な分野」
- 車両型兵器の一つ。本項で解説する
- アーケードゲーム『仮面ライダーバトル ガンバライジング』のタイプ(属性)のひとつ。
ピックアップトラックなどの荷台に銃砲を据え付け、車上戦闘を可能にした戦闘車両である。
内戦状態のソマリアで活動するNGOが用心棒として民兵を雇う際に、「技術支援助成金」から資金を流用したことから転じて、「テクニカル」と呼ばれるようになったと言われている。
基本的に戦時における急造兵器の類であり、ありあわせの車両とありあわせの武器で作られるものがほとんど。
そのため分類上は「戦闘車両」であるが、実態は「自動車と同じように走れる銃座」あるいは「簡易型自走砲」といった程度である。
正規軍がきちんと規格化して作ったものを除けば、車両も搭載武器も見事にバラバラで、明確な形式番号など存在しないことが多い。ノウハウ不足で適当に作った結果、たちの悪い魔改造プラモのようになった車両も少なくない。
しかし高価な戦闘車両を運用できないゲリラや民兵、あるいは貧困国や紛争地域の軍隊にとっては歩兵を遥かに凌駕する火力と機動力を併せ持つ貴重な戦力であり、急造品ゆえの作成の簡便さなども手伝って、現代の紛争地域ではカラシニコフと同じぐらい必ず見かける存在である。
元が民生用自動車の流用なため、装甲は皆無か、あるいは適当な金属板を貼り付けただけのものが多く、敵の銃撃に耐える装甲車としての機能はほとんど無い。
まれに簡易的な装甲車とすべく、鋼板で覆った車両もあるが、性能としては本格的な装甲車には及ばず、小銃弾に耐える程度である。ちなみに外見はゾンビ映画や世紀末もので登場する装甲車両のようである。
火力に関してはピンからキリまで非常に幅が広く、機関銃や迫撃砲を乗せた程度のものから、巨大な対空砲、多連装ロケット弾発射機、大型の無反動砲、更には航空機用のロケット弾ポッドまで様々。砲塔を乗せてしまったものまで存在する始末。
機動性は使用する車種によるが、武装によってはバランスが悪化したり、足回りに過大な負荷がかかったりして走行性能を損ねていることも多い。
また、武装を手作りの銃架に乗せるどころか荷台に積んだ土嚢の上に置いて重しとして土嚢を重ねたただけという代物もあり、無理矢理に搭載した為に発射と同時に火器が吹き飛んだり反動で荷台が壊れることもしょっちゅうである。
しかし元が一般車両であるため基本的に市街地での取り回しは装甲車両に勝り、大型車両が侵入できないような場所では正規軍をてこずらせることもある。
何より「安価な兵器で高価な兵器を損失させる」という点が非対称戦争では非常に重要であり、コスト面で正規軍に多大な出費を強いるテクニカルは正にうってつけの兵器と言える。
使う車両は、多く積めて、そこそこ頑丈で、整備もやりやすい車両が望ましい。
トヨタのハイラックスやランドクルーザーはその点理想形とも言っていい。輸送車両としての優れた積載量と、民間車両ではとびぬけた頑丈さを持ち、世界中で多数が使用されているため整備用の部品も手に入りやすい。
より大型のものを造ろうとしてアメリカ車や小型トラックをベースにして造る者もいる。
チャド内戦はハイラックスをはじめとするトヨタ製トラックのテクニカルが多く使われたため、俗に「トヨタ戦争」などと呼ばれていたりする。
これはアメリカのメディアが命名したものだが、ISILなどもこのような「悪用」をしたためにトヨタが疑われ、アメリカ政府から非難される事態に…
実際には中古車(密輸された盗難車の可能性も高い)だったり、民生用として販売された物を武装勢力が購入や徴発したり、構成員がトラック持って馳せ参じたりと、当然ながらトヨタが管理しきれるものではない。(上記のようにアメ車ベースの物も存在する)
「適当な車両に適当な武装を乗っけたもの」以上の定義が存在しないため、想像力豊かな絵師によって様々なテクニカルが誕生している。