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概要

火砲を旋回させ、様々な方向への攻撃を可能とさせる装置。

要するに「大砲をなんかの方法でグルグル回せば360度どこでも撃てるんじゃね?」という発想の装置である。

攻撃範囲を飛躍的に広げる事ができるため、軍艦戦車では必須である。

その重厚な外見などからロマンを掻き立てられるアイテムである。

砲塔がいっぱいついてる巨大兵器って、なんか強そうでカッコイイじゃん!

砲塔の採用例

 現代の戦車のほとんどは主砲が砲塔になっており、360度どこでも撃てる。

 帆船時代の軍艦は昔の海賊船にあるように「船体側面に砲を並べている」というものであった。

 帆船の時代なら風任せということで進む方向がそこそこ制限されるのでこんなのでも何とかなっていたが、蒸気機関その他による動力船の時代になるとそうも行かなくなる。

 何しろ風の方向を気にせずどんな方向でも移動できるのだ。

 そうすると当然「横向きにしか撃てない砲」では当たるものも当たらなくなる。

 そういうわけで「じゃあ砲を砲塔式にしてグルグル回して相手の船狙えるようにすればいいんじゃね」となり、砲を砲塔に収めてあらゆる方向を狙えるようにして今に至る。

 砲塔に砲を収めたことにより、全方位を狙えるようになっただけでなく甲板上に砲を配置することで波の高い荒天時でも安定した操作や射撃が可能ともなった。

 基地陣地と言った地上施設の場合でも砲塔を使用する場合がある。

 陣地に戦車の砲塔を取り付けてトーチカにしたり、戦艦の砲塔を流用して基地の砲台として据えたりする。

 対戦車砲と違い装甲化されている為意外と対処がしづらく、パンター戦車の砲塔を流用した「東方の壁」砲塔や旧式化した戦車の砲塔を流用したトーチカなどがある。

 対戦車砲と違い移動させられないが、寒冷地においては暖房がしやすいという長所もある。

 航空機の場合は爆撃機輸送機といった、「大型で鈍重な機体の自衛用」として砲塔を搭載する場合がある。

 尤も戦車や軍艦のような大型砲ではなく、航空機関砲を搭載するため「銃塔」と呼ばれる場合もある。

 ちなみに動力により回転する砲塔を初めて採用した航空機は、ボールトンポールの「オーバーストランド」爆撃機である。一歩間違えれば英国面堕ち寸前の代物であるが(構造が複雑になり、重量も増える)、ミサイルやステルス技術が発達するまでは大型機の自衛用として必須となった装備でもある。

 「自衛用火器」として大型機に搭載される場合がほとんどであるが、中には戦闘機の主武装として採用しちゃった例もある

 まあ航空用であるため比較的軽量になっているとはいえ、それでも決して軽いとはいえない装置のため、こんなものを戦闘機に積んだ日には機動性その他はお察しください…という話であるが。

その砲塔、本当に砲塔?

実は軍艦で使用される砲塔には定義があり、一見砲塔のように見えても厳密には砲塔ではない場合が存在する。

狭義の砲塔とは砲に関する機構全て(砲自身と揚弾機構)が全て旋回するようになっているものを指すため、軍艦の砲塔は外から見える部分より下に長く伸びており、これが船体に空いた穴に差し込むように乗っている。戦艦の主砲の場合、砲塔は艦底部付近まで伸びており、砲塔全体の高さは数十mにも達する。甲板より下で回転しない弾薬庫に繋がっており、ここで弾薬を移して揚弾機により砲塔に送り込む構造になっている。

反対に厳密な砲塔ではない「砲塔式」と言われるものもあり、これは甲板上に旋回できる砲が乗っているものに、同じく旋回できるカバーをかけた形式のものを指し、この形式の場合は砲塔を差すための穴は無く、砲とカバーは連動して一緒に旋回はするものの、構造的には別物となっている。揚弾機が内蔵されていないため、砲システム全体の重量は軽量で済むが、使用する砲弾を外から運び入れる必要があり、この方式は実現できる砲の大きさに制限がある。

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