違法改造とは、規定されたルールに反する形で機材や車両などに改造を加える行為である。
現実の場合
ほとんどの場合は車両に対する改造であり、該当するルールは道路運送車両法等の交通法規である。一般的に「違法改造」と言った場合は殆どの場合こちらを指す。
また、アマチュア無線において無線機の出力を上げるなどの無線機材への改造も、大抵の場合は違法改造とされる。
あまり知られていない部分では、携帯電話の物理的改造は違法改造になることがある(アマチュア無線と同じく電波法違反。携帯電話は法的な扱いは無線局になるため)。
自動車
自動車(バイク含む)においては道路運送車両法などにより寸法や色、形状などにおいて公道走行が認められる状態が事細かに定められている。
これらに違反すると、違法改造となる。
よくあるケース
- フロントガラス・フロントドアガラスに有色フィルムやステッカーが貼られている。
- 最低地上高が9cm(車種によって差異あり)以上確保されていない。
- ヘッドランプの色が青すぎる、あるいは2006年以降の車種で黄色を使用。(認められるのは白、淡黄、2005年以前に限り黄色も)
- ウィンカーがオレンジ、テール/ストップランプ/リフレクターが赤以外の色に光っている。またはその他の灯火類(サイドマーカー除く)にこれらの色を使用している。
- 車幅灯に暗い電球や青色、点滅球など不適切な電球を使用。(認められるのは夜間に300m先から視認出来る明るさで色は白のみ(方向指示灯と併用時のみ橙)、2005年式以前に限り併用しない場合でも橙色や淡黄色が使用可能)
- 外装部品(エアロパーツなど)が鋭利すぎる。
- 排ガス浄化装置(触媒コンバーターなど)が除去されている。(触媒ストレート、エアポンプレス等)
- マフラーの交換・劣化等により音量が規制値を超えている。
- マフラーの交換による基準値を超えたはみ出し、突起物となっている。
- 届け出(改造公認)が必要な改造(AT→MT化、エンジン形式の変更・・・etc)において届け出がなされていない。
- 後部座席に搭乗可能な車両でフルバケットシートにバックプロテクターがなくシェルがむき出しになっている。
- ボンネット上にボンピンなどの突起物がある。
- 所謂ツライチ化したがアライアメントの狂い等によりはみ出しタイヤになっている。
- 自動車検査業務等実施要領の改正により旧基準では問題なかった部分が違法となった。
- 適さない色や位置となる反射ステッカーを貼ってしまった。
・・・などなど。
これらに違反したことが発覚すると、違法改造車であることを示すステッカーを貼られてしまう。上記絵の右上にあるのが、そのパロディである。
もちろん道路交通法、道路運送車両法等の範囲内なら改造しても合法であるわけで、どうせ作るならストリートを堂々と走れる合法カスタムをしたいモノである。
カスタムカーの車検対応に強いショップもいるし、陸運支局に相談するのも「アリ」である。
世の中には『ウルトラセブン』に登場するポインターのベース車両を購入し、実物同様に改造した上、ちゃんと公道を走れるようにした人もいらっしゃるのだ。(参考外部リンク)
公道上でまともな使い方をする限り改造の必要は一切無いと言う人もいるが、所詮市販車は量産工業製品であり個人の実情に合わせた設定となっているわけではない。やはり個人の使用目的や体格、好みなどに合わせて改造が必要なケースは少なからずあり、その極端なケースとしては各種身体障害者に向けインターフェースを改造した車両が挙げられる。またメーカーの想定した顧客層や要望と実際のニーズとにズレがあるなど、メーカーの落ち度と言うべき状況も間々ある。
マンガ作品「DAT13」ではこの点を「量産品をユーザーに合わせる行為」と言う意味で「ズボンの裾詰め」と表現した。
なお、「法規自体が複雑怪奇な上にともすれば曖昧なルールすらある」「取り締まる側の不勉強、誤解、思いこみ、見解のズレ、事なかれ主義」なども手伝って検査場や検査員によっては厳しく判断する場合もあり、年式によっては問題がない黄色球の使用した車両、マフラー等に保安基準適合品を装着した車両であっても違法となる事もある。
兵器
その兵器の保有国が参加している条約等に違反した内容の改造が該当。
銃弾の先端に現場で切れ目を入れてダムダム弾同様の効果を狙う、改造や改修で軍縮条約による排水量制限を超過したにもかかわらず制限内として押し切った艦艇など。
テクニカルは改造車両なので違法改造となる場合がある。
創作作品の場合
パーツを購入して組み合わせ、対戦を行うタイプ…所謂ホビーバトル系の創作作品において、しばしば「レギュレーション上許可されないパーツ」や「倫理上問題のある改造行為」によって規格外の性能を得ているものというものが登場する。
また、ビデオゲームの場合は不法コピーしたソフトウェアを動作させるために本体に改造を加えることがあり、これも広義での違法改造である(正確には改造自体は違法ではないが、プロテクトを破るための機材の譲渡は有償無償を問わず不正競争防止法違反となる)。これについてはマジコンの項も参照されたし。
基本的にこうした改造は「ノーリスク」で使用できる訳でなく、使用した事によるペナルティ等は違法改造を行ったプレイヤー自身に跳ね返ってくるのは言うまでもない。
仮にノーリスクハイリターンがあるとすれば、こちらの部類に該当する設定になるだろう。
『カスタムロボ』シリーズ
『カスタムロボ』では違法パーツと言われる闇パーツが用いられ、様々な危険性のため使用は禁止されている。
既製品のパーツをベースに威力・攻撃範囲・追尾性能など諸々の性能が強化されており、非常に高い性能を持つ代わりに、ダイブするコマンダーに多大な精神的・肉体的負担を強いることになり、相手に大怪我や異常な疲弊を齎し、使用者本人ですら戦いの衝撃で気絶することもある。
ゴライアス・ドレッドといった闇組織が開発・運用を行っており、配下のコマンダーもある程度違法パーツを使う。幹部ともなれば訓練や服薬で精神力を強化し、5部分全ての部位に違法パーツを装着することもある。
名前は概ね「○○ガン」「○○レッグ」(○○の部分に使用者の名前が入る)という名前になっている。
ちなみにポリス隊が使う特別仕様のパーツや軍事用に開発されたパーツ等の競技用でないものや、他にも試作型でまだ認可が下りてないパーツも公式試合で使うと違法パーツ扱いとなる。
『武装神姫バトルマスターズ』
初出時は自らの神姫にあるプログラムを読ませることで、自由奔放な神姫、マオチャオをまるでお嬢様のような性格にしたり、マスターをなじりまくる神姫を素直にすることができるという噂などから始まる。
その時点では「そんなパッチもあるのか」程度の話で終わるのだが、ストーリーをある程度進めるとそのプログラムをインストールされたマオチャオ型と戦うことになる。
が、実際に戦闘になる事はなく、イベントが挿入され開幕早々バグったかの様にその場で走り出したり止まったりした挙句自爆、大破し再起不能になるという悲惨な末路を辿る。
彼女たちは機械とはいえ人格プログラムが存在しており、人間と同じく喜怒哀楽の情を示し、マスターに恋することさえある。
その性格を簡単に変えられるという時点で怪しいはずなのだが、各々の理由(友達に無理やり・遊び半分・犯罪目的(後述))でインストールしてしまい、インストールされた神姫はそれぞれ人格異常をきたすことになる。
ストーリー後半、とある場所に出てくる改造末期の神姫は同じ単語を何度も復唱しながら舌っ足らずで妙に上ずった話し方をし、常にハイテンションで負けると暴れだすというもはや人格破綻などという生易しいものではない、痛々しく手のつけられない状態にまで陥っている。(再戦以降は主人公を気に入ったのか暴れない様に自制しようとする一面も見られる)
また、そこにたむろするマスター達は、違法賭博や違法改造何でもありというアンダーグラウンド的な実態を知らずに単に「強い奴が集まる」と聞いて来た者を除いて皆唾棄に値するクズ揃いであり、神姫への日常的な虐待を加えたり、神姫を金儲けの為の消耗品と見なし、自身の気まぐれで神姫の首を捻じ切って殺したり(作中では13機目(名前もそのまま13号、愛着もクソもない名前である)が破壊される、おそらく残りの12機も・・・)、駆動限界を無理やり引き上げ、神姫が戦うことを苦痛だと思うレベルの改造を施す者、挙句の果てには、神姫を凶器にしようとする者さえ存在する。
例えば銃器の出力を異常なまでに高めれば神姫仕様の武器の弾丸で殺人すら可能に出来るし、極論神姫の中に爆薬を詰めて胸や顔、頭に接触させて爆破すれば充分致命傷を与えることができる。
そしてそれを神姫というフィギュアサイズの殺人人形が行える様になれば、前述の人格改竄プログラムと併せて命令すれば誰でもノーリスクで他者を害せるようになるだろう、そうなった場合世に存在する神姫がどういう扱いを受けるようになるかは想像に難くない。
神姫を愛するマスターにとっては怒りを禁じえない相手だが、全員きっちりお縄について法の裁きを受けるので、その怒りは神姫とイチャついて爆散しよう。
なお、中盤辺りに黒魔術を使い神姫を強化(?)しているマスターとフリーバトルで戦えるが、
彼女は神姫に違法パーツを組み込んでいるわけでも、違法プログラムを入れている訳でもなく、蜂蜜やその他諸々を混ぜた相当胡散臭いモノを妙な呪文と共にぶっかけているだけ、
しかし、その後「なんか入ってきてる」と言ったあと神姫の様子が変わり、目からハイライトが消える事から驚くべき事に黒魔術は成功しているようだ。%%えぇ・・・%%
ちなみにそれをされている神姫のはというと結構本気で嫌がってはいるが、抵抗虚しく毎回ぶっかけられている。
・・・つまり戦闘が終われば元通り、なんだろうか。違法改造とは一体なんだったのかと言いたくなるマスターも一人や二人ではないだろう。
『ロボクラッシュ』シリーズ
本シリーズでは「禁止武器」と呼ばれる。
グレネード等の遠距離用武器が多いが近距離用の流血エルボー等も。
禁止武器は軽くて高威力とコスパは高いのだが、試合前の検査で見つかると没収される為途端に苦しくなる諸刃の剣である(失格にはならない)。
また、購入した時点でスポンサーが怒って降りたり、ロボクラッシュ2では禁止武器の購入の有無でエンディングが分岐する。
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』シリーズ
初期段階ではいわゆるタミヤルールを想定した真っ当なレースの中で噛ませ犬的に「ノコギリローラー」を装着したキャラクターが登場する程度だったが、ルール無用の破壊マシン開発の第一人者「大神博士」が登場して以降の話では大神系のマシンが通り魔的に草レースを荒らしまくるケースが多発。
ついにレース前の車検が撤廃されてしまうと、まさに水を得た魚と言わんばかりに大神マシンは大暴れ。しかもそのバイオレンスさがカッコイイと取られてしまい、バトルレースが大流行する始末。以後のレースは、(バトルレースに反対する主人公勢以外)レースと言うよりデモリッションダービーかと言わんばかりのバイオレンスな展開になってしまった。
『ガンダムビルドダイバーズ』
ガンプラ自体、どの辺りが違法改造なのか……と言うシリーズもあった中、今作ではGBNで使用されている違法パーツとして『ブレイクデカール』と呼ばれる物が登場する。
これを使用するダイバーは『マスダイバー』と呼ばれ、区別化されるのだが……デカールを使用していない場合は普通のダイバーと変わりがない為、摘発が後手に回っている様子。
しかも、ブレイクデカールは使用後にも証拠が残らないように証拠隠滅機能があるらしい。運営側が「証拠がない」と言う理由で後手に回るのも、この仕様がある為のようだ。
関連タグ
魔改造:元々はこれに近い意味合いの言葉。
改造手術:本人の同意を得ていない場合は違法である。
違法建築:建築の場合。
暴走族:少なくともフィクションでは、違法改造車を使用するケースも多い。