概要
「性犯罪=下ネタ」の一種」としがちなネット上の会話においては、しばしば「おまわりさんこっちです」と同様の意味合いで、自ら変態行為を犯しながら「事案発生!」と触れて回るといった「事案」が起きていた。
しかし、それらの大半はあくまで「実行したら犯罪」とを踏まえつつ妄想を語っていたのであり、不謹慎ではあれども事件性はさほどなかった。
ところが、性犯罪自体は減っているにもかかわらず、マスコミによる過剰報道によって、性暴力に対する感覚が過敏になり、次第に「変人には違いないが、犯罪までは犯していない」といった例や、「中年男性がただ通過しただけ」、「下校中の道草(踏切付近で遊ぶ)を注意しただけ」としか読み取れない例などが通報され捜査の対象となってくると、一部のネットユーザー達の反感を招き、理不尽なことで通報される成人男性たちの現状を嘆いたネットスラングとして定着した。
何故そうした事案が起こるのか?
よく「日本は性犯罪に甘い」「性犯罪の被害者は泣き寝入りさせられやすい」ということを言われるが、これは「近親者」あるいは「友人や恋人」などの顔見知りからの性暴力に限定され、特に「近親者」による性暴力の不起訴率は、諸外国と同程度に高い。
対して「知らない人」からの性暴力は、発生件数自体が少ない上に、検挙率・起訴率ともに世界でもトップレベルである。
このため、訴えても無駄なことが多い「近親者」からの性暴力は泣き寝入りさせられやすく、つまり暗数が多いと考えられるが、逆に、訴えると簡単に警察が動く「知らない人」からの性暴力は気軽に訴えられる傾向が強い。
こうした背景が、このような事案の発生する原因となっていると考えられる。
特にこうした事案を訴える女性の多くは、「近親者」などからの性被害を受けながら、黙らされていることに対し、警察が動きやすい「知らない人」を代わりに通報する、SOSサインを送っている可能性がある。
また「顔見知り」からの性暴力が圧倒的に多数を占めるにもかかわらず、多くの人が「知らない人」からの性暴力が蔓延していると感じ、警戒している事からも分かるように、「知らない人」からの性暴力ばかりを盛んに報道するマスコミによって引き起こされた、いわゆる「モラル・パニック」も、この原因になっていると考えられる。