概要
その国家の政府が組織した軍隊「国軍」とは異なり、一般市民である民間人が戦闘員としての訓練と実戦可能な装備による武装組織。
彼らは普段の平時は他の職業に就いているが、有事が起きた時は召集されてその地域の防衛に当たる。その定義や形態、装備は多種多様で、国際条約では一定の条件を満たせば、戦争における交戦は認められる。
一般的な「民兵」や「市民軍」と呼ばれる場合はその地域の行政機関や自治体が組織したもので、正規軍の補助として政府公認の非正規軍武装組織となる。
「私兵」や「軍閥」といった場合は、地域有力者や政党、企業などが組織したもので、政府から独立状態の武装組織となる。「義勇兵」と呼ばれる類は政府軍に代わって侵略軍に抵抗するために緊急で市民が自発的に組織した武装組織となる。
しかし、必ずしも政府の統制を受けないで行動する事も多く、正規軍と異なって軍規が徹底されず、必要最低限以下の教育・訓練で動員される事から、民兵の勢力の中には無抵抗の敵への一方的な殺人といった残虐行為や略奪・抵抗力を失った敵や民間人の女性への強姦・武器や麻薬の密売等といった倫理観の欠如した戦争犯罪に関わる事がしばしばである。
また、基本的には自分達に都合の良い規則にしか従わない為、民兵同士で武力抗争を起こしたり、政府軍と内戦に陥る等、軍隊どころかテロリストに近い暴走を起こす例も非常に多く、これらによって正規軍から鎮圧対象となってしまう事もある。
日本では馴染み無いものと思われるが、三島由紀夫は「楯の会」を組織しており、幕末には高杉晋作が庶民による近代的な戦闘部隊「奇兵隊」を組織している。
国によっては予備役(日本は予備自衛官)も、正規軍ではなく民兵に分類されることもある。