概要
主人公の星桃次郎が愛用する大型トラックのデコトラで、同作におけるもう1台の主人公となる。車輌の架装については第1作~第2作では塚本屋中村商店、第3作~第10作では東映の美術スタッフが担当した。
第1作「御意見無用」に登場した一番星号(初代)は、当初単発作品として制作されたことから、中古の三菱ふそうT951型をベースに製作され、荷台の箱絵(星の部分)にも電飾が施されていた。
第1作の予想を大きく上回るヒットを受けて第2作「爆走一番星」からは、ベース車を当時の現行モデルとなるFU113S型(初度登録から半年弱で状態も良好)に変更。以降作品ごとに塗装や電飾などの架装を変更しながら、第10作「故郷特急便」まで一番星号は同車をベースにリリースされた。
しかし第4作「天下御免」以降は行政からの指導により、撮影時を含めての電飾を装着しての走行に制限が課されたことから、電飾の着脱の容易化や荷台に描かれた絵を覆う幕を掛けられるよう一部の外装部品の改造が施された。
映画終了後は東映から車輌を譲り受けた関東地方のパチンコ店に展示されたが、車輌への悪戯や部品の盗難などの被害を受け、解体業者のヤード(車輌保管所)に解体される一歩手前の状態で置かれていたのを、平成2年に関西地方の個人オーナーが引き取り、1年の歳月をかけてレストアされた。映画出演当時のままのパーツはほんの一部だったため、飾りや箱のペイントを当時風に再現。大阪を拠点に走ってきたが、排気ガス規制などの事情から所有が難しくなり、平成26年に現在のオーナーとなる全国哥麿会の三代目会長・田島順市氏のもとに譲渡され、映画出演当時の仕様をより忠実なカタチでのレストアが施行され、現在もデコトラのイベント会場などで多くのファンを魅了している。
また、第9作「熱風5000キロ」仕様の塗装・電飾の施されたレプリカも、平成18年に関東地方の個人オーナーの手により製作され、此方も映画出演当時の仕様が忠実に再現されている。
余談
昭和54年に放送された特撮ドラマ「バトルフィーバーJ」第25話「撮影所は怪奇魔境」の劇中で、東映東京撮影所の敷地内に駐車している第9作仕様の一番星号の姿が確認できるが、一部の電飾や行灯が取り外されている。
また、シリーズ終了後も昭和55年に放送された特撮ドラマ「電子戦隊デンジマン」や昭和56年に放送されたTVドラマ「警視庁殺人課」の劇中でも、同じく東映東京撮影所の敷地内に駐車している第10作仕様の一番星号の姿が確認できる。