基礎データ
全国図鑑 | No.0091 |
---|---|
ローマ字表記 | Parshen |
分類 | 2まいがいポケモン |
タイプ | みず / こおり |
高さ | 1.5m |
重さ | 132.5kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
特性 | シェルアーマー/スキルリンク(第4世代から) |
隠れ特性 | ぼうじん |
タマゴグループ | すいちゅう3 |
おとしもの | シェルダーのしんじゅ |
地方図鑑
カントー図鑑 | No.091 |
---|---|
ジョウト図鑑(GSC / HGSS) | No.170/No.172 |
コーストカロス図鑑 | No.037 |
アローラ図鑑(SM / USUM)
| No.116/No.139
|
ガラル図鑑
| No.151
|
パルデア図鑑 | No.330 |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | パルシェン | pearl(英語で真珠)+shell(英語で殻) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Cloyster | clam(二枚貝)+oyster(牡蠣) |
ドイツ語 | Austos | Auster(牡蠣) |
フランス語 | Crustabri | crustacé(甲殻類)+abri(シェルター、避難所) |
韓国語 | 파르셀 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 刺甲贝 | 刺(cì、刺す)+盔甲(kuījiǎ、鎧)+贝(bèi、貝) |
中国語(繁体字) | 鐵甲貝 | 刺(cì、刺す)+盔甲(kuījiǎ、鎧)+貝(bèi、貝) |
中国語(大陸) | 铁甲貝 | 铁甲(tiějiǎ、装甲)+贝(bèi、貝) |
中国語(香港・台湾) | 鐵甲貝 | 鐵甲(tiějiǎ、装甲)+貝(bèi、貝) |
ヒンズー語 | शेलोपर्ल | shell(英語で貝)+pearl(英語で真珠) |
ロシア語 | Клойстер | 英語名の音写 |
タイ語 | พาร์เชน | 日本語名の音写 |
進化
概要
ポケットモンスター 第1世代『赤・緑』から登場する、シェルダーにみずのいしを使う事で進化するポケモン。ホタテ貝からカキ(牡蠣)のような見た目になった。
殻はダイヤモンドよりも硬く、ナパーム弾でもびくともしないとされる……ナパーム弾は簡単に言うと「火のついた燃料を巻き散らす」兵器であり硬さの検証に使うモンではない気がするがどうなっているのだろうか?
尤も、「ナパーム弾で傷つかない」という趣旨の記述は昭和の怪獣図鑑に見られた表現であったり、怪獣の得意技に「〇〇ナパーム」という技があったりするなどフィクションでは馴染み深い(?)兵器であったので図鑑説明に採用されたといったところであろうか(参考)。
普段は殻を閉じており、どんな怪力の持ち主でもこじ開ける事は出来ないが、攻撃をするときだけは内側から開く。その中身はゴースのような顔のついた球体だが、正体は未だに分かっていないらしい。しかし後述の英語名と、持ち物に「しんじゅ」や「おおきなしんじゅ」を持っていることが多いことから、パルシェンの黒い球体は真珠でできているかと思われる。
殻についているトゲは防御に使うだけでなく、発射する事で攻撃にも使用できる。
飲み込んだ海水を勢いよく後ろへ噴射する事で海中等でも機動力を発揮し、泳ぐときはホタテガイのように後ろ向きに泳ぐ。トゲを撃ち出す仕組みも同じものらしい。
殻についたキズは次第に盛り上がり、大きく鋭いトゲへと育っていくようで、潮の流れが激しい海に生息している個体のトゲは特に鋭い。抜け落ちたトゲで作った槍が狩猟民族の古墳からたくさん出土しているのだとか。
進化前同様ヤドンのシッポが大好物であり、それを求めてしばしば陸に上がることも判明している(しかし、シェルダーと異なりヤドンは進化しない)。
名前の由来は「pearl shell」(真珠貝)からか。貝殻に包まれた球体を表したネーミングだろう。一方で英語名が「Cloyster」になっており、こちらは牡蠣(Oyster)に由来していると思われる。ドイツ語名の「Austos」も、英語名と同様に牡蠣を意味する単語「Auster」が入っている。
各国のネーミングの中でフランス語名の「Crustabri」がかなり秀逸なネーミングとなっており、英語で甲殻を意味する「Crust」、フランス語でシェルターを意味する「abri」に由来する(進化前のシェルダーの由来としてシェルターが挙げられる)。
色違い
色違いは貝殻が青くなる。
ゲーム内での特徴
- ストーリーにおいて、初代では、四天王カンナの手持ちで登場。ピカチュウバージョンでは、ライバル(グリーン)にオーキドけんきゅうじょで勝利し、22ばんどうろで勝利していない場合のみ手持ちにシェルダーが加わり、シルフカンパニー戦で進化している。
- また、ポケモンSVのレジェンドルートにて、岩壁のヌシ戦でペパーが出していたシェルダーが、ルート最後でのペパーとのバトルでパルシェンとして登場する。
性能
種族値
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1世代 | 50 | 95 | 180 | 85 | ※ | 70 | 480 |
第2世代から | 50 | 95 | 180 | 85 | 45 | 70 | 525 |
初代同複合タイプ比較
まず防御が非常に高く、低いHPを加味してもツボツボすら上回る物理耐久を誇る。こおりタイプである故に弱点が多く、Zワザも怖いが、不一致のばかぢからくらいの火力なら耐久に振らなくても耐えられるほどの堅牢さを誇る。
一方特防は壊滅的で、特殊耐久がフーディンの物理耐久と同等という酷いことになっている。
攻撃・特攻はそこそこといったところ。素早さはやや低いが後述の「からをやぶる」使いの中では(ドーブルとコアメテノを除くと)3番目に速く、それを考慮するといい塩梅といえる。
後述するが、初代から登場したポケモンの中でもパルシェンは強弱の変動が非常に激しい。
初代~第8世代
- 初代
初代においては最高の防御種族値を持つポケモン。
ただし、HPが低すぎるため総合物理耐久はサイドンの方が上。
当時は「ふぶき」の凶悪性やこおりタイプの優位性が非常に高く、パルシェンもその恩恵を大いに受けていた。
また、こおりタイプで唯一「だいばくはつ」を覚える事も特徴的。
しかしこの時代は、同じこおりタイプ持ちでは圧倒的な特殊(125)の持ち主であるフリーザー、こおりタイプの他に当時は最強タイプと言われるエスパーも併せ持ち、かつ命中率の高い催眠技の「あくまのキッス」を習得するルージュラ、「10まんボルト」も使えるラプラス等に押され、使用率はそれ程振るわなかった。
特に同複合タイプのラプラスの方がステータスのバランスが良い上に技も豊富であり、当時の低年齢層に受ける分かりやすい強さを持っていたことは如何ともし難かった。
加えて当時の対戦ツールが「ポケモンスタジアム」等に移行した事による「ふぶき」の修正、それによるこおりタイプの優位性が薄れたこと、更に公式ルールの変更等で覚える技や能力等の見直しにより最終的に「並のポケモンよりちょっと強い」程度に留まる事に。99カップ予選ではそこそこ使われていたという話もある。
「からではさむ」が系統専用技として登場してもいたが、第3世代以降パールルなども覚えられるようになった。
VC版環境では、第2世代ほどではないが第2世代での強みが概ね当てはまるため需要を得ている。
- 第2世代
特殊が特攻・特防に分化され、なんと実質特防-40と言う恐ろしい弱体化。
更に「ふぶき」の命中率悪化やはがねタイプの代頭によるかくとうタイプの地位の向上、拘束わざである「からではさむ」の仕様変更等によって弱体化、この世代に猛威を振るったガラガラを相手取るにはメガニウム等と比較し安定性に欠ける点が手痛かった。
加えて明確な不利対面のサンダースが当時まだそれなりに環境で使われていたため、どうにも活躍し難いと言わざるを得なかった。
「だいばくはつ」の強化は追い風だが、汎用性は高いとは言い難く活躍はできなくないが他に優先して入れづらいと言う状況に陥っていた。くしくも初代と似た評価である。
しかしクリスタル版で「まきびし」を得た事により風向きが変わり始める。
いわゆる「昆布」の始動要員として高い評価を受け、更に「10まんボルト」を習得したライコウとの相性の良さも相まってその採用率を大きく伸ばす事になる。
同じく「まきびし」を覚えるフォレトスよりもHP・特防以外に優れ、初代で習得できる「リフレクター」を活用した補助役としてはうってつけと言える。
なお、昨今のVC版では「からではさむ」命中後、相手のポケモンが数ターン交代不可能になった事や、「だいばくはつ」が仕様変更されたことで威力が大幅に向上した事から、現在は「マイナー気味ではあるが強引にチャンスを作り出せる」ポケモンとして「まきびし」抜きでも再評価がされている。
ちなみに、この当時までは全ての種族値に努力値が振れたため特防45とは言え特殊耐久はそれなり程度までは伸ばす事ができた。だが……
- 第3世代
特性「シェルアーマー」を獲得。
しかし、努力値の仕様が大きく変更された事によりこれまでは誤魔化せた特殊耐久の低さがいよいよもって誤魔化せなくなってしまう。
耐性が同タイプしかない事もあり、特殊技であっさりと落とされる状況が頻発する事に。
なら強靭な物理耐久は……と、言いたいところだがHPが低すぎて特化しないと厳しい上に、物理受けをするのに「バリアー」が必要と言う防御180とは思えぬ立ち回りを強要される羽目に。
技方面でも「リフレクター」の没収、「ぜったいれいど」無しとかなりの痛手。
その代わりに得た新技「つららばり」は、当時威力たったの10×2~5とまるで使い物にならず、総合的に大幅弱体化。
ライバル達も、新たにみず・こおりタイプで耐久面に優れ有用な技を習得出来るトドゼルガ等新勢力の登場、ダブルバトルで有用な技を習得したジュゴン等同期達の強化もあり大きく地位を落とし、まきびし使いとしても耐性面に優れ物理耐久が高いエアームドが代頭したのが痛い。
第2世代でパルシェンと共にまきびし使いとして有名になったフォレトスもエアームドの台頭やフォレトス自身の弱体化で割を食う羽目になったが、フォレトスはまだ技や耐性の面でパルシェンより恵まれており、パルシェンが手放した「リフレクター」とついでに「ひかりのかべ」まで覚えられるようになったためあちらはまだ十分戦える方であった。
これらの事もありマイナークラス、それも第二世代以上の底辺ランクにまで転落してしまう。
ファイアレッド・リーフグリーンでシェルダーがヒトデマンと出現確率を対にされた事も重なって、「ダメなみずポケモン」の烙印を押され、バトルフロンティア等では高い合計種族値を持つにもかかわらず序盤の周回で登場する等屈辱の扱いを受ける事に。
- 第4世代
新たに「こおりのつぶて」「どくびし」等の非常に有用性の高い技を獲得。
これにより、この世代で猛威を振るったガブリアスをはじめ、マンムー・グライオン・ドダイトス等の新勢力ポケモンの一部に対し圧倒的に優位に戦える点、耐久力の高いポケモンとしてはそこそこ素早い点等が評価され、注目を集める存在になった。
しかし第3世代よりは改善された程度で、まだまだ辛い時期であったのも事実。
新特性として「スキルリンク」が与えられたが、実際にこの特性の恩恵を受けられる技が非常に限られており、且つ有用性の低いものしか無かった(『HGSS』発売までは合計威力の低い「つららばり」とタイプ不一致の「とげキャノン」のみ)ため、「厳選の邪魔」と揶揄される。
また相変わらず苦手な相手の方が得意な相手より非常に多いため、立ち回りを一つ間違えるとあっけなく落とされてしまう点、更に弱点であるかくとうタイプの技に「インファイト」の追加、いわタイプの技に「ストーンエッジ」の追加もあり、火力インフレも少しずつ見られ始め物理技で押される事も増えた事から中々活躍が難しかった。
みずタイプとして期待しようにも物理みず技は無く頼れるのは「なみのり」くらいでどうしようもなかった。
更に『プラチナ』では、教え技で「しんくうは」や「ばかぢから」も登場したためかくとう弱点が痛くなり、耐久面でも不安が残る様に。
『HGSS』が発売されてからは「ロックブラスト」を遺伝技として習得し、スキルリンク型もある程度は使い道を得た
……が、当時は命中率がよろしくなく不安定と言わざるを得ず、強化と言うにはまだいまいち。
さらに同時に「けたぐり」も教え技として登場。意外と重いパルシェンに対しては威力100のかくとう技となり、かなり痛い。
- 第5世代
遂に迎えてしまったかくとう大全盛期。
かくとう技に弱いパルシェンはこのまま消えてしまうのか……と思われていたのだが
パルシェンはとんでもない方向にその才能を開花させる事になる。
強力な積み技「からをやぶる」を習得したのである。
更に「つららばり」の威力が10→25、「ロックブラスト」の命中が80→90に修正された事に加え連続技に「きあいのタスキ」や「がんじょう」の効果を貫通する効果が追加されたことが追い風となっており、かつて邪険に扱われた「スキルリンク」が一気に強特性へと変貌したのである。
また、進化前限定だが待望の高威力「ハイドロポンプ」も習得し、みず技の火力も大幅に更新する事になった。
とは言え、特殊技自体は一致以外恵まれていないため両刀気味にして隠し玉として採用する形になる。
持ち物は「きあいのタスキ」が多く見られるものの、耐久を調整して他のアイテムを持たせる等能力値の調整も重要度を増し始めた。
またみず・こおりの複合としては70とまずまずの素早さを持っているため、火力は「つららばり」で十分間に合っているのもあり、殻を破らずとも素早さを特化し「こだわりスカーフ」を持たせた最速スカーフ型での運用もちらほら見られる。
当時は乱数調整を使えば6Vを簡単に手に入れられたため、やんちゃやむじゃきの6Vでヒードランやドリュウズなどのメインの連続攻撃技に強いはがね枠のために「ハイドロポンプ」を覚えた型も散見された。
こうしてパルシェンはそれまでの耐久型のイメージを大幅に覆し、再び対戦の場に舞い戻って来たのであった。
この第5世代以降では「殻を破って強くなる」ことから、「キャストオフ」という渾名がついたことがある。
なお、図鑑ナンバーにおいてパルシェンの次はゴースである。そのため冗談混じりに「おめでとう! パルシェンは ゴースに しんかした!」とか言われることも。
また、サザナミタウンなどに発生した魚影に釣りを行うと野生個体を入手でき、以降の世代では野生個体を入手可能となった。
ちなみに夢特性は「ぼうじん」だが、需要は完全に「スキルリンク」に喰われていた。
- 第6世代
先制技の蔓延・メガガルーラ対策のかくとう技の需要の増加・素早さの概念を粉砕するファイアロー対策のでんき・いわ技の増加もあり、第5世代で大きく伸びた需要は一気に鎮静し、この世代での活躍は控えめ。
この世代ではなんとかして相手の行動を封じる方向にシフトしており、持ち物は「きあいのタスキ」よりも「おうじゃのしるし」の方が多かった。
しかし、当然特殊攻撃を喰らったら即終了であるため人を選ぶポケモンになってしまったのは否定できない。
なお、影が薄い夢特性「ぼうじん」に粉技を無効化する効果が付随されたので、隠れ特性の需要も少しはできた……かもしれない。
- 第7世代
第6世代では勢いを落としたパルシェンだが、この世代で誕生した非常に強力なポケモンの対抗策として注目されるようになった。
今やおなじみとなったミミッキュである。
「ばけのかわ」が連続攻撃技の初撃しか防げないという仕様上、「スキルリンク」を用いた「つららばり」や「ロックブラスト」を使用することによりミミッキュに一撃与えて4発追撃することが可能。
しかも圧倒的な防御のおかげで「ぽかぼかフレンドタイム」もなんのそのである。
また、先制技を封じスカーフを持って上から殴ってくるカプ・テテフの登場も追い風。
相性補完も良く、パルシェンが苦手とする先制技への対策ができる点は嬉しい。
本人も「こおりのつぶて」が使えなくなる難点こそあるものの、そもそもカプ・テテフが非常に強力なポケモンであるためそちらで押し切れるなら押し切ってしまえばいい話なのもおいしい。
その一方で対戦で躍進している鋼タイプ相手になると、主力技のつららばりやロックブラストが通らないため劣勢を強いられることとなった。
特に高い使用率を誇るギルガルドは天敵中の天敵。
また環境の変化に伴いきあいのタスキをミミッキュらに持たせなくてはならない状況になり、持ち物の取り合いが発生するようになってしまったのも痛手。
加えて役割対象であったガブリアスも大凋落してしまい、その役割まで喪失してしまった。
『USUM』では教え技として「アクアブレイク」を獲得。
みず物理技の威力を更新し物理一本でも安定してみず技を使えるようになり、苦手だった鋼タイプのポケモンをZワザで返り討ちにできるようになった。
もちろん受けに出てきた防御の高い鋼ポケモンを意識し「ハイドロポンプ」を持たせてもいい。
Zワザにより命中不安もなくなり、役割破壊をしやすくなった。85ある特攻種族値も決して無駄ではないのだ。
この頃になるとからをやぶった分の耐久低下を「バリアー」で補うと言うトンデモ戦法が誕生し、この世代で強化されたフィラのみ等を活かして場持ちを良くした型が大きく伸びる事になる。
- 第8世代
新技として「ミサイルばり」「ウェザーボール」「マッドショット」を習得。
お膳立てを求められるなど汎用性は高くないものの、それなりに攻撃範囲が広がった。
この世代でようやくまともに特殊型として育てられるようにはなったが、やはりスキルリンクが強いと言う事もあり完全な特殊型にされる事は稀。
一方で環境の方は大幅に変化。
ダイマックスにより耐久を上げられ殻破りつららばりでも倒しきれない事態が生まれる他、自身がダイマックスを行った場合はパルシェンの最大の強みである「きあいのタスキ」や「がんじょう」「ばけのかわ」を無視できるスキルリンクによる連続技がダイマックス中は使えなくなるため思考停止での殻破りでは立ち回りが難しくなってしまった。
また、「ダイロック」が直撃すると「きあいのタスキ」ごと持っていかれる危険性まで生まれた。
総じて(相手か自身かは問わず)ダイマックスとの相性が悪く、第7世代の役割対象は弱体化により数を減らしもう1匹の役割対象も別の水ポケモンに奪われ、更に強力なでんきタイプの躍進と言った感じで大きな逆風となっており、数を減らしている。
これにより状況によっては高い物理耐久を盾にダイマックスする選択肢も考える必要が出てくる様になり、またダイマックスを使う場合以外でも物理耐久を活かした立ち回りや、ラムのみで相手のおにびやあくびを読んだり、他のサポート用のポケモンと組み合わせて積みの起点を上手く作る事がより重要となった。
ちなみに、雨下のハチマキウオノラゴンの頑丈顎先制エラがみは無振りだと半減であるにもかかわらず確1。
……まあ、そこまでお膳立てする必要があるとも言えるのでそこまで気にする必要はないと言えばないのだが。
第9世代
ドリルライナーを新規習得。
今までどうしても厳しかった対はがねもやりやすくなった。
また、今までは貝だからか習得できなかった「たきのぼり」もようやく覚えられるように。
一方で、前世代で手に入ったばかりの「ミサイルばり」は没収。
相性が悪かったダイマックスが廃止されたのは追い風。
しかし、代わりに登場したテラスタルとの相性は少し難しい部分がある。
強力な一致技の威力を伸ばす為にこおりやいわを選びたいところだが、この二つは攻撃面で優秀な一方耐性は酷く、特にはがねテラスが跋扈する環境では「耐えられて返され即死」と言う状況に非常に繋がりやすい。耐性すらこおりしかないこおりテラスだとより顕著。
受けを狙って他のテラスタイプを選ぼうにも、今度はその貧弱極まりない特殊耐久が災いして半減でも落とされる危険性が高く、無駄撃ちに終わってしまう可能性もある。
相手に使われた時にも厳しい面があり、特にこおり4倍勢はこおり半減テラスである事がほとんどであるため、その広い範囲を潰しにかかってこられてしまう事が多い。
そして何より厳しいのは「てんねん」持ちの大幅増加。
相性である程度どうにかなるラウドボーンやドオーはともかく、ヘイラッシャは相手にするのは無理と断言していい。
一応何もないと言うわけではなく、あられがゆきに変更された事でその物理耐久に磨きがかかるようになった。
元々連続技主体でスリップダメージに頼る事もない為、あられ廃止による影響もさほどのものではない。
ただ、はっきり言ってこの世代では活躍できているとは言い難いのが現状。
「つららばり」抜きエースとしては「りゅうのまい」+「いかさまダイス」で同じようなことができる新規のセグレイブに総合力で劣っており、先述の通りはがねテラスタルが跋扈しているせいで、主力の「つららばり」「ロックブラスト」が封殺されやすい。
上記の通り対抗手段は得たものの、元々主力技が固まりやすく技の取捨選択の厳しいポケモンなのでトレーナーは大いに悩まされる羽目になってしまう。
シリーズ3になると「からをやぶる」不採用型がその物理耐久のおかげでパオジアンの攻撃を耐えることができ、「ロックブラスト」でワンパンできるとして評価が上がった
……のだが、そもそもそのパオジアンとこおり物理アタッカーの枠を喰い合うと言う問題点から総合的には微上方程度の採用率で終わってしまっている。
加えて「碧の仮面」ではよりにもよって「しんくうは」がバラ撒かれる羽目に。
パオジアン対策のこの技なのだが、かくとう弱点超紙特殊耐久のパルシェンには嫌になるくらいぶっ刺さっており、「からをやぶったところで次のターンで即死」と言う状況に更に陥りやすくなってしまった。
総じて環境的に厳しい面が多すぎるため、この世代での採用率は目も当てられない状態になってしまった。
カイリューが環境首位を独走してしまっているのは、コイツが環境に合ってなさすぎると言う事もあるのだろう……。
使用トレーナー
ゲーム版
- カンナ:四天王(カントー)
- グリーン:初代ライバル
- ヤナギ:ジムリーダー(ジョウト)
- バク:ポケモントレーナー
- シズイ:ジムリーダー(イッシュ)
- N:ポケモントレーナー
- スイレン:キャプテン(アローラ)
- ミレイ:パルシェンマスター
- スズナ:ジムリーダー(シンオウ)
- ペパー:ポケモントレーナー
アニメ版
漫画版
- サカキ(ポケスペ)
- カンナ(ポケスペ)
番外作品
ポケモン不思議のダンジョン
『探検隊』シリーズ
このシリーズにおいて、恐るべき強さを誇ったことがある。こいつは連続技「とげキャノン」を持ち、この技は何と直線10マスまで届く。そして当時は第4世代準拠なので当然特性「スキルリンク」が実装されている。よってこの技が直線10マスまで届く、長射程の確定5発攻撃と言うとんでもない性能の技になっているのだ。
当時本編ではまるで空気と言われた「スキルリンク」が、あろうことか本編に先んじて強特性と化してしまったのだ。とは言え、上級ダンジョンではかしこさグループの兼ね合いから「みがまえる」の影響で攻撃力が下がっている、「スキがない」で連続技を外した際に連続技を中断する事があるためこちらがしっかり鍛えたポケモンで挑むなら敵としての「とげキャノン」の脅威はそれ程でも無い。
…が、接近戦を挑んだ時の「まもる」+かしこさ「いあつかん」+「ちょうおんぱ」でこちらの動きを悉く封じてくる鬼畜コンボ、「オーロラビーム」での遠距離射撃ついでにこちらの攻撃力の低下(本家とは異なり攻撃力の実数値を半減させる効果であり、つるぎのまいなどでは元に戻せない)、「どくびし」や「まきびし」での余計な罠の追加等、スキルリンクとげキャノンを除いてもやってくる事が悉くエグいため某気球や某スカンク等と同等の難敵として恐れられる。
超不思議のダンジョン
レベルリセットダンジョン「ニャンダフルな人生」「アッカの岩場」「聖なる跡地」に登場。ORASの技テーブルの関係で防御特防は下がるものの攻撃特攻を2段階強化して3倍速に加速する「からをやぶる」と超火力かつ10マス貫通の「ハイドロポンプ」を習得しており探検隊以上に危険なポケモンとなっており、後ろ2つのダンジョンに至っては1Fから出現する。幸いにもレベル自体は原作にて石進化というのもあってあまり高くはないため能力自体はでたらめに高くはなく、スキルリンクに対応する技は持っていない。コイツよりイカれたポケモンが後に控えており、この強さであっても前座といったところなのである…
なお下記の救助隊DXでの強さが有名なためあまり知られていないが、ラピス「ねらいめ」によってPP管理には注意が必要であるものの場所を問わず必中かつ確定急所の5回攻撃を可能にした他(しかも部屋内でも有効なため全体技のなみのりやふぶきも勿論必中化させることが可能)、ラピス「タイプごりおし」によってゴーストタイプをもとげキャノンで貫いたりと装備が整えば救助隊DX以上にイカれた性能を発揮することも可能である。その強さはしっかりと準備を整えればレベルリセットダンジョンの「ニャンダフルな人生」においてカクレオンを1ターンキルすることすら可能にしてしまうほど。
救助隊DX
すごわざ「れんぞくひっちゅう」の実装により必中5回攻撃という酷い攻撃性能を誇る。つららばりはシェルダーのみ習得で正面角抜け、とげキャノンは直線4マスだが部屋攻撃のふぶきも習得できるため攻撃性能は文句なしの最強クラスである。敵としてのパルシェンはとげキャノンはもちろんハイドロポンプも注意。
ポケモンGO
こおりタイプのポケモンの1匹として、ドラゴンタイプ等を始めこおりわざの通りが良いポケモンに対しての討伐要員の一角に数えられる。
特にゲージ技「ゆきなだれ」が非常に優秀で、2ゲージ技ながら威力90と使い勝手がよく、発生も早い。ただし能力は本編同様偏りが激しく、ぼうぎょが非常に高いがHPが低く耐久は心許ない。弱点を突かれる可能性のある相手に対しては無理をさせない様にしたい。
レイドボス
2017年11月5日からはレイドボスに抜擢された。ランクは★★と一見すると簡単そうに見えるが……巷では「★★史上最高難易度」「★★★より倒しにくい」と専らの噂になっている。
理由は単純。レイドボスはHPが元の種族値に関係なく底上げされるため、パルシェンの弱点であったHPが克服されたことでハピナスもビックリの超絶耐久ポケモンが完成してしまったのだ。
しかも弱点を突こうにも耐久が心許ないか逆に弱点を突かれかねないかのどちらかという……相当な準備をしても単騎クリアは困難を極める。
しかも、それだけ苦労しても★★なので報酬はかなりしょぼい。散々苦労してクリアしても貝なのに何の旨味もないに等しいため、★★レイドでの人気は残念ながらぶっちぎりで低い。せめてもう少しクリアしやすいよう調整されるか、★★★のボスとして登場していれば、出現率の低いシェルダーを手軽に入手できる救済策として重宝されたかもしれないだけに、何とも勿体ない話である。
そんなことがあってか、現在ボスとして選ばれなくなった代わりにシェルダーが2kmタマゴから孵るようになっている。だが、開催イベントによっては復活することもある(実際2019年8月頃にイベントで復活した)。ポケモンもどんどん実装されて対策ポケモンも増えているので、腕試しついでにソロ討伐をしてみるのもいいかもしれない。
シャドウ
パルシェンがGOロケット団の首領であるサカキとの対戦が解禁された後、パーティの変更の際にサカキが2番手として使用してくる事があったが、プレイヤーがシャドウパルシェンを使用出来る様になったのは2020年10月12日から開催されたイベントでの正式実装後の事である。
進化前のシェルダーと共にGOロケット団のしたっぱが扱うポケモンとしても抜擢された…が、何とコイツもしたっぱの手持ちの先鋒として登場した時期があった。進化後且つシャドウポケモンのためCPもあり、ゲージ技には出が速くこうげきを下げてくる「こごえるかぜ」を持っている場合もあるため、しっかり鍛え上げ弱点を突けるポケモンでの対抗が必要であった。
現在(2021年3月時点)では流石にこおりタイプ使いのしたっぱは2番手以降に繰り出す様になったが、ゲットチャンスで選ばれる候補となっているので稀に入手出来る事も。強い個体を引ければそのままシャドウポケモンとしても、リトレーンして育てても活躍が見込めるため狙ってみるのも手。
余談ではあるが、2021年1月12日から開催されていたシンオウコレクションチャレンジ当時ではしたっぱ戦の先鋒として登場していたために、コレクションチャレンジの対象のシャドウポケモンを狙ってGOロケット団のしたっぱと戦ったら…とコレクションチャレンジの完遂を目指すトレーナー達をやきもきさせる事に。
ポケモンマスターズ
カンナ&パルシェン
2023年4月20日にトレーナーズファイルの第1回「カントー四天王 前編」と共に実装。無凸時点でT技での全体こらえる状態付与、「命中時HP回復2」、「命中時技ゲージ増加4」など驚異的なサポート、ゲージ管理の性能が確認できる。
つららばりが「連続技回数最大化スキルリンク」で確実に5回発動するので、持久力に関しては一級品。
技
つららばり | 2~5回のあいだ相手に連続で攻撃する |
---|---|
プラスパワーG | 味方全員の攻撃を2段階あげる |
まもる | 自分を次回ダメージ防御状態にする |
いい返事! | 味方全員の防御を4段階+急所率を2段階あげる+こらえる状態にする |
バディーズ技
覚悟は硬く壊せないアイスインパクト |
---|
★6EXアップ後、初めてバディーズわざをつかったときだけボルテージが2段階あがる |
パッシブスキル
連続技回数最大化 | 効果タグに連続を持つ自分の技が成功したときにその技の攻撃回数が最大になる |
---|---|
命中時技ゲージ増加4 | 技での攻撃が命中したときに50%の確率で自分のわざゲージを1増やす。効果タグに連続を持つ技のときは攻撃が命中するたびに50%の確率で自分のわざゲージを1増やす |
命中時HP回復2 | 技での攻撃が命中したときに30%の確率で自分のHPを回復する。効果タグに連続を持つ技のときは攻撃が命中するたびに30%の確率で自分のHPを回復する |
主人公&パルシェン
報酬で貰えるタマゴからシェルダーが孵化する事があり、主人公のバディにできる。更にパルシェンへと進化可能。
アニメ版
アニポケ・サトシの旅シリーズ
〈レギュラーの手持ち〉
〈ゲストなど〉
- ミサのパルシェン
- 無印36話で「チャリンコ暴走族」の女ヘッド・ミサのポケモンで初登場。カスミのコダックのしっぽを「からではさむ」ではさんだ。
- 無印63話
- トキワジム内の水槽にサカキの手持ちであろうパルシェンがいる。
- セイジのパルシェン
- 無印76話でサトシのセキエイリーグ3回戦の対戦相手であるセイジの手持ちで登場し、サトシのキングラーとバトルするが、キングラーに殴られ過ぎて殻がひび割れ戦闘不能に。
- イサオのパルシェン
- 無印87話でポンカン島のガラス細工職人イサオの手持ちで登場。クリスタルのイワークと戦うが、通常とタイプが異なるためか効果はいまひとつであり、返り討ちにされた。
- カンナのパルシェン
- *無印99話で登場し、サトシとのバトルで使用。サトシのピカチュウを「いかり」からの「オーロラビーム」「とっしん」で倒す。
- カイトのポケモン
- DP77話にてポケモンコンテスト・ミクリカップに出場したコーディネーター・カイトのポケモンで登場。1次審査でとげキャノンを用いた。
- コサn…コサブロウのパルシェン
その他
無印 | 40話・83話・168話 |
---|---|
SM | 12話・120話・126話 |
新無印 | 2話・20話(映像)・88話 |
劇場版 | 蒼海の王子 |
漫画版
地面タイプが専門のサカキが専門外の手持ちの一匹にしており、ブーバー2匹、またレッドのニョロを一瞬で凍らせるなど、実力は相当のもの。ブーバーに関しては殺害している。
後にカンナの持ちポケとしても登場。こちらのパルシェンも中々の実力の持ち主で、ジュゴンとの見事な連携力を発揮し、強烈な氷柱射出攻撃を披露した。だが、この頃からとくぼうの低さが仄めかされていたのか、ピカチュウの電撃やモルフォンのくさタイプ攻撃を受け、動きが鈍る描写なども描かれていた。
ポケモンローカルActs
兵庫県淡路市にトリトドン(にしのうみ)と共にデザインされたポケモンマンホールが設置された(参照)。
恐らく「パルシェ香りの館」に引っ掛けたシャレ。
関連イラスト
関連タグ
Ver | 第1世代 赤・青・緑・ピカチュウ ファイアレッド・リーフグリーン Let's Go!ピカチュウ・Let's Go!イーブイ |
---|---|
タイプ | みずタイプ こおりタイプ 複合タイプ |
進化 | 1進化ポケモン どうぐ進化(みずのいし) シェルダー |
図鑑番号順
0090.シェルダー→0091.パルシェン→0092.ゴース
同複合タイプ
関連ポケモン等・グループタグ