基礎データ
全国図鑑 | No.0472 |
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シンオウ図鑑 | No.154 |
イッシュ図鑑 | No.222 |
マウンテンカロス図鑑 | No.116 |
ヒスイ図鑑 | No.186 |
キタカミ図鑑 | No.122 |
ローマ字表記 | Glion |
ぶんるい | キバさそりポケモン |
タイプ | じめん / ひこう |
たかさ | 2.0m |
おもさ | 42.5kg |
せいべつ | 50%♂・50%♀ |
特性 | かいりきバサミ/すながくれ/ポイズンヒール(隠れ特性) |
タマゴグループ | むし |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
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日本語 | グライオン | グライガー+scorpion(サソリ) |
英語・スペイン語・イタリア語 | Gliscor | Gligar(グライガー)+scorpion(サソリ) |
ドイツ語 | Skorgro | Skorpion(サソリ)+groß(大きい) |
フランス語 | Scorvol | scorpion(サソリ)+vol(飛行) |
韓国語 | 글라이온 | 日本語名の音写 |
中国語(簡体字) | 天蝎王 | 天蝎(グライガー)+王 |
中国語(繁体字) | 天蠍王 | 天蠍(グライガー)+王 |
進化
グライガー → グライオン(するどいキバを持たせて夜・深夜にレベルアップ(LEGENDSアルセウスでは夜に使用))
概要
コウモリとサソリを足したようなグライガーが、第4世代より進化した姿。
全身が柔らかそうなピンク色から、硬そうな紫色の外骨格に包まれたものへと変化し、「キバさそりポケモン」という分類どおり牙も大きくなった。また、白目と黒目が共に黄色へと変わっている。
体躯や翼も倍近くに成長しているが、何故か重さは進化前より20kg以上も軽量化しており、より滑空能力を上げるべく軽い材質や構造に変化した模様。
事実その飛行能力はグライガーより格段に向上しており、僅かな風の流れに乗るだけで、1度も羽ばたかずに地球を1周することも可能。
ただし、滑空という性質上、風の流れに逆らって移動することは出来ず、地表での行動は苦手。
毒針機能を残した長い尻尾も発達しており、普段は尻尾を使って木の枝や岩場にぶら下がり周囲を覗う。
そして見付けた獲物の隙を突いて、上空から音1つ立てずに飛び掛かり、尻尾で獲物を捉え、大きく鋭い牙で急所を一突きし止めを刺す。そのまま血液を吸い尽くし満足の様子。
このように暗殺者タイプ生態であるが、バトルでは大きな尻尾を振るったり、頑丈なハサミを拳のように使ったり、滑空による空中殺法を仕掛けるなど、幅広い戦い方が可能な器用な奴。
第9世代では「スケイルショット」も覚える辺り、脱皮もするのであろうか?
名前の由来は「グライガー」+「スコーピオン(英語: scorpion/サソリ)」。
するどいキバを持たせて進化するということもあり、その姿はさながら、ドラキュラ伯爵などといった吸血鬼を思わせるが、ロシア方面では翼にカニのような爪を持ったウプイリという吸血鬼がいるためにこれも元ネタと思われる(グライオンはキバ"さそり"であるが)。
ちなみに現実の自然界に空を飛ぶサソリは存在しないが、サソリに似た尾を持つヤマトシリアゲという飛翔昆虫がある。
「LEGENDSアルセウス」のポケモン図鑑には「牙を使って血液を吸い尽くし満足する」との記述もあり、吸血鬼要素が加えられているのは間違いない模様。
「Skorgro」(独)、「Gliscor」(英)、「Scorvol」(仏)と様々な表記が存在するポケモンであるが、中国語版は「天蝎王」とシンプルにカッコいいネーミングとなっている。
天蠍(中国語で「グライガー」)が進化した姿であることを端的に示したネーミングであるが、天蠍とは「天蠍宮」即ちさそり座を意味する言葉である(余談でるが、劇場版『七夜の願い星 ジラーチ』ではグライガーが蠍座に充てがわれていた)。
単純に「飛蠍」としなかった命名者のセンスが覗える。
色違いは鮮やかな水色となる。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計値 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
グライオン | 75 | 95 | 125 | 45 | 75 | 95 | 510 |
グライガー | 65 | 75 | 105 | 35 | 65 | 85 | 430 |
進化前比較 | +10 | +20 | +20 | +10 | +10 | +10 | +80 |
タマゴグループはむしであるが、むしタイプは持っていない。じめん/ひこうという個性的なタイプを持ち、それなりに素早く、でんき・じめん無効、いわでも弱点を突かれないという嬉しい耐性。
物理耐久が高く、タイプ組合わせからかくとうタイプにはかなり強いが、特殊耐久に関しては並程度であることと、こおり4倍なのには注意が必要。物理型でも持たれているとあっさり突破されてしまう。
物理受けとして優秀な防御力を持ちながら攻撃力もそれなりに高く、「じしん」や「ストーンエッジ」など強力な技を覚えられるほか、「つるぎのまい」で火力を高める事も可能。しかも一撃必殺技「ハサミギロチン」もあるため受ける相手にかなりのプレッシャーをかけられる。
「すなじごく」を使った削りもポイズンヒールや「どくどく」と併用可能。
当初はひこうタイプ攻撃技が「つばめがえし」しかなかったが、第5世代で入手した「アクロバット」のおかげでアタッカーとしても強くなった。
また、隠れ特性「ポイズンヒール」(毒状態時にダメージを受けず逆に毎ターンHPを1/8回復可能)による非常に強力な無限戦術が出来るようになった。
実装当時の第4世代ROMがなければ物理受けに必須であった「はねやすめ」が使えない)現在はBW2で可能)という状況であったが、正直なくても回る程であった。
輝石しぜんかいふくラッキーと組合わせた「ラキグライ」はどくどくで機能停止しない強固な耐久型の組み合わせとして強力。
交代戦で相手を消耗させる戦い方であり、特殊はラッキーが受け、その弱点の格闘はグライオンが補うという形の関係上、2体ではなく1体のポケモンで突破出来なければ対策になれない。
高火力物理ドラゴンタイプで突破しようにも、その後ろにはエアームドが控えていたりするので突破はかなり困難な戦法である。
現在はラッキーとエアームドの両者が弱体化と環境の向かい風で数を減らし、単体で採用されることが多くなっているが、それでも十分強いということを示している。
USUM期はサイクル戦全盛環境となり、「ほえる」「ふきとばし」といった無限ハメ回避手段も多く、メガボーマンダ対策ともなる「れいとうビーム」を「こだわりスカーフ」型に上から放り込まれる恐れもあったため無限ハメは簡単には決まらず、無限ハメ戦術に頼り切った型よりも「はねやすめ」を軸としたサイクル型が主流であった。特殊型が増えた影響で、HDしんちょう型がメインであった。サイクル戦全盛環境を味方に付け、USUM期には度々使用率ベスト30に輝いた。
第9世代では「碧の仮面」で復帰。
4倍弱点をテラスタルで消せるようになり、不意の「つららばり」で沈まなくなったため、鬼に金棒である。
一方「すりぬけ」を有する超速アタッカードラパルト・やはり俊足のテツノツツミ・ハバタクカミ・パオジアンなど、上から無限ハメすることが勝ち筋となるグライオンにとっては厄介な対面が増えているのも事実である。アカツキガチグマのような新顔の高火力一致「ハイパーボイス」アタッカーにも手を焼きそうだ。
タイプの都合上ある程度牽制はしやすいがマタドガスも注意。「かがくへんかガス」に引っ掛かってターンを終わらせると経過次第で突然HPが消し飛ぶ。
さらにいえば、強行突破用「ハサミギロチン」を没収されてしまったのがあまりにも痛すぎる(ちなみに、代わりに入ったのはまさかのクラブハンマー。サソリはカニではないと思うが……)。
しかしその代わりなのか「どくどく」を再習得したため、ポイズンヒールと合わせた無限戦術は使えないことはない。ただ、「はねやすめ」も同時没収な点は注意。
余談だが、威力は低いが嫌がらせに使える「マッドショット」や「むしのていこう」、「ダストシュート」や「10まんばりき」、「ダブルウイング」といった優秀なサブウェポンを習得している。
素早いイメージにぴったりな「アクロバット」も習得するが、どくどくだまの所持を気にするならば「ダブルウイング」でも良いだろう。またポイズンヒールと相性の良い「からげんき」も習得可能。
そのこともあってか、この世代では「どくどく」「まもる」「みがわり」「じしん」型でほぼ確定であり、性格は高速系への対処を諦めたわんぱく、最速を意識したようきがメイン。
詰ませ性能自体は健在であるが「ハサミギロチン」消失により苦手な相手には本当に何も出来なくなってしまっており、ふうせん持ちサーフゴー、アーマーガアやエアームド、ミミズズどくやはがねテラスのふゆう持ちに来られるまたはひこうタイプorひこうテラスに「みがわり」を張られた場合はコマンド入力が1番下へ行くのも覚悟しないといけなくなる。
テラスタイプは弱点を補完可能みず、こおり4倍弱点を消せる中では耐性が純粋に良いはがね、ドラゴンウエポンでのゴリ押しや「スケイルショット」での「みがわり」突破への対策となるフェアリーが主流。
シーズン11では使用率19位と活躍したが、シーズン12では解禁ブーストが切れたため使用率41位と早くも低迷。
そして藍の円盤ではグライオン対策として用意されたであろうサイコノイズが登場。これによりテラスタルも悪一択へ絞られてしまいさらに動き辛くなってしまった…と思われたが、そもそも「サイコノイズ」持ちへは出さないのであくテラスタルが流行することはなかった。
それでもシーズン15には相方にママンボウやオーロンゲを採用して前者で「こごえるかぜ」&「クイックターン」、後者で「ねこだまし」&「すてゼリフ」で起点を作って無限ハメ体勢を整える型が発掘され、使用率も29位まで挽回。
テラスタルはこおりやイーユイのほのお打点対策となるみず、雑に耐性を上げられるはがねがメイン。暫くすると、あくテラスタルイーユイ対策となるフェアリー、弱点を補完しつつ大雑把に耐性を高められるドラゴンも選ばれるように。前述の「からげんき」火力アップのためにノーマルテラスタルも少数だが選ばれている。
受けループ界隈ではハピナスを特殊受けに、ヘイラッシャを物理受けに、グライオンを無限ハメ枠に据えた、所謂「ハピグライラッシャ」トリオがグライオンの解禁以降主流となっている。
シーズン17最終1位構築に王道の「どくどくだま」「ポイズンヒール」耐久型がエントリーされるなど、この世代でも決して弱いポケモンではない。
シリーズ7では、素早さ超インフレ禁止級伝説に慄いて上から動くことを諦めて素早さを調整を甘えたポケモンに対して隙あらば無限ハメを狙う枠として生き残っている。
そんな中、シーズン18最終17位構築には「じならし」「どくどく」「どくびし」「ちょうはつ」という技構成で「こだわりスカーフ」などを持ったスピード型禁止級伝説による詰み回避を図る「きあいのタスキ」型がエントリーされていた。
シーズン19辺りからどくタイプやはがねタイプに無力になりづらい「はたきおとす」型が徐々に開拓され、シーズン20辺りからこくばじょうバドレックスに強いあくテラスタル型が増加。
このレギュレーションではムゲンダイナと組んで互いの苦手ポケモン補完を行う耐久コンビがグライオン入り構築の主流の1つ。
伝説のポケモン、幻のポケモン、パラドックスポケモンが使用不能となったシリーズ8では「トリプルアクセル」を習得したマスカーニャが環境入りしたこともあり、採用率はやや伸び悩んでいるものの、相変わらず現役である。
シーズン22最終2位構築にはアシレーヌの「サイコノイズ」やアカツキガチグマの「ハイパーボイス」といった音技への対策となる「じごくづき」を搭載した型がエントリーされていた。
この世代においても攻撃の種族値は終わっている水準ではないため、いじっぱり「つるぎのまい」崩し型がこのレギュレーションで偶に見られる。アタッカーにするならほぼ確定で持たされる「どくどくだま」と相性の良い「からげんき」や、単純に「みがわり」対策になる一致打点として優秀な「ダブルウィング」もある。
使用トレーナー
ゲーム版
アニメ版
漫画版
番外作品
『ポケモンレンジャーバトナージ』
ミスターミラカドがモバリモで操るポケモンで彼の乗り物としても用いられる(専用カットインあり)。
かいていゆでんアジトでのボスを務め、たつまきを発射する攻撃や、暫く残り続ける泥を吐き出した後に暴れ回る攻撃が得意。
気持ちゲージが高ぶるとパワーアップする上、タイプ相性上はジュカインのポケアシストが有効…ということになっているが、浮遊しているのでくさタイプのポケアシストは全く通用しない。
なのでサブクエストで仲間に出来るポッチャマやユキカブリをパートナーに連れて行くと安定する他、ヘルガーのポケアシストで泥を消し去ると多少は有利になる。
『Newポケモンスナップ』
アップデートで追加された荒野エリアに登場するが、夜にしか出現しない。
どくタイプ達と同じように毒沼付近に生息しており、岩に尻尾を突き刺して宙吊りになって眠る。
縄張り意識が高いのか、ペンドラーと戦闘することも…
アニメ版
『アニポケ・サトシの旅シリーズ』
〈レギュラーの手持ち〉
〈ライバルやゲストなど〉
- シンジのグライオン
- DP124話
- ポケモンピンポン大会に出場した強豪トレーナー・タクゾウのパートナーで登場。Bブロックを制し決勝でオウと対戦するがストレートで敗れ優勝を逃した。
漫画版
『ポケットモンスターSPECIAL』
- ラクツのライオマル
- 7章:ミオシティを出航したシンオウ丸に上空から襲来して来た野生ポケモンで登場。3色キバを持つ強敵で、海上の船という逃げ場がない状況でダイヤモンドが退治に出る。べー(ゴンベ)がきのみを投げて時間稼ぎし、ぷー(トリデプス)でキバ攻撃から防御し、るー(ドダイトス)の「はっぱカッター」で野生のグライオンはノックダウンした。
関連イラスト
関連タグ
0471.グレイシア→0472.グライオン→0473.マンムー
同複合タイプ
サソリ仲間
夜進化仲間
マホミル/マホイップ(まっちゃ・レモン・ソルト・ミント・トリプル9