「わぁー 夢みたい……!」
「うれしい…… 戦えんの!」
概要
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のダウンロードコンテンツ『ゼロの秘宝』に登場するキャラクター。
彼の姉ゼイユと並ぶDLCにおける主人公のライバル枠であり、シリーズ内でもある意味異色のキャラクター。
『碧の仮面』の舞台であるキタカミの里出身で、『藍の円盤』の舞台であるブルーベリー学園に通う、おっとりとした繊細な性格の男の子。
姉からは『スグ』というあだ名で呼ばれている。
人物像
普段はあまりしゃべることはなくオドオドしており自信もないのですぐにゼイユの後ろに隠れるような性格。
学園生活も、自分のことはねーちゃんが全部何とかしてくれる、と話すほどゼイユに頼り切っている。
しかし、ポケモンを戦わせるときだけは誰よりも楽しんでおり、主人公との初バトルの際も笑顔を見せて負けても主人公は強いとはしゃいでいた。
前述のようによく姉のゼイユの背中に隠れ他人に心を開くことは少ないが、パルデア地方からやってきた主人公が気になる様子。
キタカミの里で鬼と恐れられているオーガポンを勇敢で格好いいと感じているようで、『鬼さま』と呼んで憧れの対象にしている。
その憧れはかなり強く、小さい頃は鬼を探して何度も夜の山に入っていたほどで、よく大人に怒られていたらしい。
一人称は「おれ」。驚いたり興奮したりすると「わや(めちゃくちゃだ)」や「けっぱる(がんばる)」「〜べ(〜でしょ)」といった東北弁らしき方言で喋る癖がある。
このため、キタカミの里のモデルが日本の東北地方であるとする説の根拠のひとつとなっていた。
姉はスマホを持っているが彼は買ってもらってないらしい。
後編からのスグリは見た目も内面も大きく様子が変わる。
口調も以前に比べて訛りが控えめになり、一人称も「おれ」から「俺」になっている。
一人称に漢字が使われる・一人称が「俺」表記はシリーズ初。
前編では引っ込み思案な面が目立つが、後編以降では意外にも頭の回転が早く、分析能力や判断能力に優れていることがわかる。
容姿
赤紫のインナーカラーが入った黒髪で、瞳は金色。首にほくろがある。
真剣になると瞳孔が細くなり、ハイライトが消えまるで蛇のような瞳になる。
姉とおそろいの黄色いヘアバンドとウエストポーチは常に身につけている。
よく見ると唇には姉と同様に色が付けられている。
一見すると主人公と同じ位の身長・体格に見えるが、彼の着られなくなった甚平を主人公が譲り受けるイベントがあることから、実際は主人公よりも長身であることが覘える。
姉の美貌とはタイプが違うが見た目は整っているようで、タロからは「かわいい」との評価を得ている。
ファミ通.comによる体験会リポートでは、彼の首にあるほくろの位置が注目を集めた。
普段は制服姿だが、『碧の仮面』のオモテ祭りでは白色の甚平を着用し、頭にオーガポンのお面をつけた姿に。
ファンからは「後編スグリ」と呼ばれることもある。
襟元だけ開けていたジャージを全開にし、その下は赤いタンクトップ1枚という、前編とはガラリと印象が違うワイルドな出で立ちに変貌。
瞳のハイライトも消えており、目の下にはうっすらクマができている。寝る間を惜しんで特訓したことによるものであろうか。
前髪をヘアバンドで後ろに無理矢理括り纏めたオールバックで、唯一右側に一房前髪が残っている。
一見髪色も染めたように見えるが、元々表が黒でインナーカラーが赤紫という髪色のため、それを裏返した形となっている。
また、前髪を上げたことにより眉間に皺を寄せることが多いことも確認出来る。
実はキタカミの里にいる彼の祖母の髪型によく似ており、髪の膨らみ方、緩んだ毛束の出方、まとめた髪の跳ね方がそっくりである。
なお、スグリのイメチェンの前後は、主人公以外のホームウェイ組や林間学校組には知られていない。
しかし、彼のイメチェンを知る主人公およびリーグ部の面々からは「感じ変わった?」「イキってる」「イメチェンしてから性格変わっちゃいましたけど 見た目はかわいい ですよね?」などと話題にされることが多い。
後編の時のままの格好ではあるが、瞳にハイライトが戻り優しげな表情をすることが多くなった。
番外編から目の下のクマがなくなったと言われることが多いが、厳密にはそれは誤り。
目のクマは、後編のとあるイベントを境に消失している。
活躍
碧の仮面
故郷であるキタカミの里が合同林間学校の開催地となり、姉弟で参加生徒に選ばれる。
来て早々姉のゼイユをバトルで打ち負かした主人公に興味を持ち、「主人公に夢中」とゼイユに揶揄されながらも課題である村の伝承の看板巡りのペアになることに。
スグリは主人公に一枚目、二枚目の看板だけでなく大好きな鬼が住むと言われる洞穴も案内し、オモテ祭りでは屋台でりんご飴を奢ってあげるなどすっかり打ち解ける。
その後、主人公とゼイユの鬼退治フェスの点比べになり、スグリも無理やり参加させられる。
散々な結果で二人の元に戻ったところ、なぜか二人の態度がよそよそしい。
次の日の朝、家の前で出会った主人公と課題の続きをしようとするとゼイユに強引に追い払われる。
その場は去るも家の門の影から主人公、ゼイユ、そして祖父の様子をこっそり覘う事に。
そこで、昨晩主人公とゼイユは伝承の鬼オーガポンに遭遇し「みどりのめん」を拾っており、それを自分に秘密にしていたと判明する。
さらに、
- 村の伝承の真実はまったく真逆であること
- オーガポンのお面を作った先祖は村人に真実を伝えたが信じてもらえず迫害されたこと
- そのせいで真実は一族の秘密にしていかなければならないこと
- 今の自分にはこの話をまだ教えられないこと
- そして自分には秘密のままみどりのめんをオーガポンに返そうとしていること
を知る。
その後、再会した主人公に何を話していたか聞いてみるもはぐらかされ(そもそもユキノシタから誰にも言わないように頼まれているので当然である)、主人公まで自分をのけ者にする事にショックを受ける。
三枚目の看板の前では「ひとりだけのけ者にされた鬼が可哀そう」とかまをかけるもまたも曖昧な返答をされ、主人公は自分に本当の事を語る気はないと悟ったスグリは心を閉ざす。
そして思いつめたスグリは次の日、主人公とゼイユがおめんの材料を取りに行ってる間にみどりのめんを持ち去ることにする。
事態に気づき追いついた主人公とゼイユに対し、スグリは昨日の朝の話を聞いていた事を明かし、「おれをのけ者にして内緒で鬼さまと会ってた」「昔の村の人々がオーガポンをのけ者にしたように自分をのけ者にした」と強く訴えて「裏で自分のことを笑っていた」と考えてしまうほどショックを受けている。
その後お面を賭けて主人公とバトルをするが負けてしまい、苛立ちから近くのともっこの像の柱を殴り、お面を返し、走り去る。
少し経ち、しょぼくれていたところをゼイユに見つかるが、ともっこたちが復活しオーガポンに危機が迫っている事を知り、主人公に合流してオーガポンを救い出す。
その後、お面の件を「カッとなってしまい本当にバカなことをした」と謝罪。
三人は聞き込みでともっこの居場所を突き止め、残りの3つのお面も取り戻すことにする。
だが、スグリは村人に怯え村の中に入れないオーガポンを可哀想に思い、二人とは別行動し村中を駆け回り伝承の真実を伝え解くことにする。
彼の決意は功を奏し、主人公とゼイユがともっこから3つのお面を取り戻すころには伝承の真実が広まり、村人たちはオーガポンを暖かく迎え入れた。
住民たちと和解した後、三人がオーガポンを住処の洞窟まで見送るとオーガポンは名残惜しげな素振りを見せ、ゼイユは主人公がオーガポンをゲットする事を提案する。
それを聞いたスグリは待ったをかけ「自分だってオーガポンと一緒がいい」と相棒になる権利を賭けて主人公に勝負を挑む。
しかし、結果は敗北。スグリは崩れ落ちるように地面に伏せ、勝てないとわかっていても諦めきれなかったと吐露する。
そして主人公がオーガポンを捕まえると声を震わせながら「主人公みたいになりたかった」と伝え、走り去った。
それ以降、スグリは部屋にこもり続けるようになり、引率のブライアの都合のためすぐ学園に戻る事になった。
結局、林間学校の最後まで主人公と顔を合わせる事は無かった。
そしてブルーベリー学園の自室では…
「もっと 強く…ならないと」
「強く 強く! 強く!! 強く!!!!」
「待っててな…(主人公)」
そう言って髪を結び上げた。
藍の円盤
スグリは林間学校での出来事からそれまでの弱かった自分を徹底的に否定し強くなる決意をする。
そして自分で「吐くほど」と形容する程の血の滲む努力の末、ブルベリーグチャンピオンの座に立つ実力を得た。
しかしその反動か、他者にも自分と同じ強さと厳しさを要求し、かつての自分を思わせる弱いものは切り捨てるようになってしまう。
チャンピオン兼リーグ部部長である自分の方針についていけない部員に対して、「出来ないなら一生弱いままでいたら?」「代わりに退部届書いてやるよ」と言い放つなど、以前の彼からはとても考えられないような横暴な態度を取るようになっていた。
スグリのこの態度のため、リーグ部の雰囲気はとても悪くなってしまっていた。
姉のゼイユは以前は彼に横柄な態度を取っていたが、彼が力を得たことで関係が逆転。
彼の行いを注意する事もできず逆に避けるようになり、姉弟の間には溝ができてしまっていた。
そんな中、主人公がゼイユの推薦でブルーベリー学園に留学にやって来る。
スグリは待ち望んだ再戦の機会が巡ってきたとし、本来は例外である留学生のブルベリーグ参加を促し学園に許可を出させる。
そして主人公は四天王を勝ち抜き、ついにスグリはチャンピオンとして対峙することになる。
「過去の俺はいらない!だから変わった……変わるんだ!」
主人公に勝つためにあらゆるものを捨ててきたスグリであったが、結果は主人公の勝利であった。
スグリはありったけ全部をぶつけても勝てなかった事を受け止めきれず放心。
「負けない…今度こそ俺が…勝って…」そう呟きながらうなだれる。
スグリが落ち着き次第、今後のリーグ部について四天王も交えてゆっくりと話し合う流れであったが直後に放送でブライアから呼び出しがかかり中断となる。
ブライアの話はエリアゼロの最深部に眠る伝説のポケモン「テラパゴス」の調査への同行のお願いであった。
スグリは伝説のポケモンと聞きエリアゼロへの同行を決意。ブライアの引率で主人公、ゼイユと共に向かうことになる。
スグリ、ゼイユ、主人公が揃って時を過ごすのは林間学校以来であった。
スグリはエリアゼロの壮大な光景に「わやじゃ」と今まで控えていた方言で驚いたり、ゼロラボ入口のパネル操作に「スパイみたいでかっこいい」と言うなど、心を許し始める。
ゼイユは久しぶりに話した弟はしっかりと自分の意見を持ち、(ラボの物色をするブライアに難色を示すなど)倫理的な判断もできるようになっていることに気づき感心する。
しかし探索中の主人公に呼びかけが必要になった際に「俺が言ったってうれしくないでしょ」と言うなど、スグリと主人公の二人の間にはまだギクシャクした空気が続いていた。
そして最深部にてテラパゴスと思わしき小さな結晶を見つけると、目の色を変えてスグリとブライアは駆け寄る。
スグリは「手に入れられれば、今度こそ主人公に勝てる」と溜め込んでいた感情を爆発させ結晶に掴みかかる。
そんな彼のただならぬ様子すら気にせずブライアはテラパゴスだけを見て興奮し彼に結晶を引き剥がすよう促す。
そして引き剥がされた結晶からテラパゴスが目覚める。
しかし、たまたま最初に目に入った主人公に向かおうとしたため、スグリはすぐさまマスターボールで捕獲した。
ブライアはスグリの準備の良さを褒め、テラパゴスの能力を試すバトルを提案する。
だがテラパゴスは主人公にあっさりと負けてしまい、おかしく思ったブライアはテラパゴスをテラスタルさせるよう促し、スグリはそれに応じる。
するとテラパゴスは「ステラフォルム」に姿を変え、ブライアは悲願であった先祖の正しさを証明できた事に歓喜する。
しかし、テラパゴスはエネルギーを制御できずそのまま暴走、その場の全員が危機に陥ってしまう。
スグリはマスターボールにテラパゴスを戻そうと試みるも破壊されてしまい、自分がこの事態を引き起こしたことを自覚し立ち尽くす。
主人公とゼイユが応戦するも暴走したテラパゴスの力は強大で、ゼイユのヤバソチャが倒され残るは主人公一人になってしまう。
スグリは自責の念と無力さにふさぎ込みうなだれていたが、主人公が猛攻に耐えながら自分を呼ぶ声を聞き、ついに一念発起。
瞳に輝きが戻り、カミツオロチを繰り出し、主人公と共にテラパゴスに立ち向かう。
最後は主人公がテラパゴスを捕まえ、事態はなんとか収束。ブライアはみんなを危険な目に合わせた事を謝罪し、ゼイユが「それは本当にそう!!」とツッコんだ。
スグリも同じく起こしてしまった事態の重大さを省み謝罪する。原因は主人公に憧れて焦って自分には無理なことに挑もうとしたせいだとし、自分を否定し全てをあきらめようとした。
しかし主人公は彼に「そんなことない」「かっこよかった」と言葉をかける。
それはテラパゴスを止める事を助けてくれたからだけではない、今のスグリを肯定する言葉だった。
憧れていた言葉を主人公からかけられ、自分を肯定されたスグリは戸惑い、感情があふれ出し、声をあげて大泣きした。
それを見たゼイユはやっと素直になれた弟に呆れながらもつられて大泣きした。
スグリは諦めないことに決めた。起こしてしまった事にきちんと向かい合い、やり直す事ことに決めた。
リーグ部を始めとした自分がこれまで迷惑をかけた相手へのおわびも、そして主人公との関係も。
朝日の中、彼は主人公に申し出る。
「ゼロから また…… 友達に なってくれる?」
その問いかけに主人公は頷き、2人はブルーベリー学園へと駆け出した。
その後、スグリはブルベリーグのランキング自体から降りたこと、及び休学したことが明かされる。
タロやネリネ、カキツバタもスグリの休学に気落ちしたが、彼の復帰を心待ちにしており、センタースクエアにもスグリの復学を望む学生が1人いる。
番外編
番外編にて、前述の休学に伴いゼイユと共にキタカミの里に帰省していたことが判明。
主人公の元に手紙を送り、友達と共にキタカミの里に遊びに来るよう誘ってくる。
(ただし番外編を開始するまでは彼の家を訪問しても、ゼイユ共々どこにもいない)
後編の時のままの姿ではあるが、この頃には最初に出会った時のような元の優しい性格に戻っている。
表情も全体的に柔らかくなったこともあり、かなり健康的な印象を受ける。
この事もあり、会って早々にペパーやボタンとすぐに仲良くなった。(最初はスグリに嫉妬していたペパーに自分が主人公の一番の親友だとマウントをとられていたが)
なお、案の定ネモに絡まれてゼイユ共々少し苦手意識を抱いてしまっている。(下記の事件後に、主人公たちが帰宅する日まで10回以上もバトルに付き合わされたことが判明した)
ちなみに初戦の結果はスグリのボロ負けであり「ネモさんって何者?」と思うほどだったが、パルデアのチャンピオン/主人公のライバルだと知って納得していた。
- 「ボロ負け」という結果を意外に思うプレイヤーもいたようだが、「求め続けていたライバルができて正に水を得た魚状態のネモ」と「バトルに関して大きな後悔を抱え、休学中かつ退学も検討していたスグリ」とではバトルへの意欲に大きな差があり、実力的に開きが無くとも圧倒されても無理はない。
- ネモにバトルに誘われた際も気まずそうに応対しており、再開時のスグリは精神的には落ち着いたものの本調子と言える状態ではなかったことが覘える。
バトル後にネモと話す時には、褒めてくれるネモに「負けたから」と謙遜するが、ネモの「負けても楽しい」という発言に共感できるようになっている。
ボロ負けしてしまったのに笑顔を見せていることから、ポケモンバトルを楽しんでいたスグリが戻ってきたのがわかる。
しかし、主人公に手紙を送ったころからゼイユの様子がおかしくなり、主人公たちが来てからはスイリョクタウンの住民たちや祖父母、更にネモ、ぺパー、ボタンまでもが同様の状態になる事件が発生。
姉や祖父母と身内が立て続けにおかしくなってしまった為、次は自分もこうなってしまうのではないかと一度パニックになるが、主人公に励まされて冷静さを取り戻す。
キタカミの里に現れたモモワロウが起こしたこの事件を巡って主人公と共闘し、主人公を励ますなどパートナーらしくなっている。
また、ネモおよびモモワロウとのバトルの最中、スグリは背後に迫ってきたスイリョクタウンの村人ほぼ全員とペパーとボタンをたった1人で抑え込んでいる。
多少正気の頃より弱体化しているであろうがあの数を相手にしている時点で、元とはいえブルベリーグチャンピオンの腕の高さが示される。
大勢の相手に対し、たったひとりで立ち向かうその姿は奇しくも、かつて憧れた「鬼さま」を体現することとなった。
それだけでなく、モモワロウとの戦いでは時折こちらを振り返って激励してくれる。
事件解決後は主人公に励まされる形でブルーベリー学園に復学することを決意し、ゼイユと共にリーグ部に顔を出すようになる。
チャンピオン時の行動についてきちんとみんなに謝罪したようで、学園のみんなに受け入れられたことも語っている。
描写こそないが、恐らく藍の円盤の序盤で辛く当たった生徒にも謝罪したであろう。
アカマツによるとまだスグリを怖がっている生徒もいるが、それでも後編の頃と比べれば徐々に良くなっていると語っている。
四天王組など本来のスグリを知ってる者たちは豹変後の彼を心配する声が多かったため、和解が早かったと思われる。
逆に、普段から彼をよく知らなかった生徒たちからは、まだ距離を置かれている状態なのだろうとも考えられる。
リーグ部の特殊会話からも豹変前の普段通りに仲睦まじい様子を見ることができる。
(約1名ほど仲睦まじいとは言いにくい会話があるが、それでも後編での描写に比べるとかなり良好である)
また、特別講師として招かれたホームウェイ組との特別会話でも、引き続き良き関係を築けている。
姉のゼイユに対しても、冷静にツッコんだり気迫に負けずに言い返したりと、良い意味で強かに成長している。
また、復学と同時に自らブルベリーグから除名したことを明かしている。
これは、主人公のせいでも嫌になったわけでもなく、チャンピオン時代での誤った手段で強くなろうとしたことを反省し、自分を見つめ直して仲間のポケモンたちと向き合いたいという前向きな理由である。
ついでに、アカマツの都落ちについて気にしていたことも告白している。
その後、いつかは挑戦者としてブルベリーグチャンピオンの主人公に挑むと、藍の円盤の頃に比べたらポジティブな気持ちで宣言している。
現在の、バトルの楽しさを思い出したスグリであれば、もし主人公に勝って再びチャンピオンになっても、以前と異なりリーグ部のみんなと上手くやっていけるであろう。
手持ちポケモン
1戦目
2戦目
3戦目
4戦目
前編最終戦
- ダーテングLv.71(クリア前はLv.33) ♂(きあいのタスキ所持)
- メガヤンマLv.72(クリア前はLv.37) ♂(アッキのみ所持)
- カミッチュLv.72(クリア前はLv.36) ♂(たべのこし所持)
- ダイノーズLv.71(クリア前はLv.33) ♂(ヤタピのみ所持)
- ニョロボンLv.72(クリア前はLv.38) ♂(オボンのみ所持)
- グライオンLv.76(クリア前はLv.37) ♂(ヤチェのみ所持)
後編チャンピオン戦
- カイリュー:Lv.80(たつじんのおび)
- ニョロトノ:Lv.80(ソクノのみ)
- オーロンゲ:Lv.81(きあいのタスキ)
- ガオガエン:Lv.81(オボンのみ)
- ポリゴンZ:Lv.82(いのちのたま)
- カミツオロチ:Lv.82(とつげきチョッキ、テラスタル:かくとう)
開幕ニョロトノが特性のあめふらしを発動させた後、カイリューがあめ状態だと必ず当たるぼうふうとかみなりを撃ってくる。
その上、カイリューの特性はマルチスケイルなため一撃で仕留めるのは難しく、ニョロトノはてだすけも使ってくるので更に火力が上がる。
ガオガエンは隠れ特性のいかく。その上、ねこだましでの怯みやかわらわりによる壁破壊も行ってくる。
ポリゴンZはてきおうりょくといのちのたまで高火力のはかいこうせんを放ってくる。サブウェポンも豊富なため受けるのが難しい。
オーロンゲはいたずらごころでリフレクターやひかりのかべを貼ってくる。
「ちょうはつ」を使ってもタイミングが遅れ、きあいのタスキを持っているのでバレットパンチなどで上から一撃は困難。
切り札でもあるカミツオロチはかくとうタイプにテラスタルさせ、テラバーストで相性不利な氷や鋼に弱点をついてくる。
通常は勝利後に戦闘BGMが止まり勝利のBGMに変わるが、このときは切り替わらない。スグリが負けを認めていない演出と思われる。
番外編クリア後・リーグ部
- カイリュー:Lv.85(たつじんのおび)
- ニョロトノ:Lv.85(ソクノのみ)
- オーロンゲ:Lv.86(きあいのタスキ)
- ガオガエン:Lv.86(オボンのみ)
- ポリゴンZ:Lv.86(いのちのたま)
- カミツオロチ:Lv.87(とつげきチョッキ、テラスタル:かくとう)
手持ちと持ち物、先発の組み合わせは変わっていないが手持ちのレベルが4~5上昇している。
作中では3番目の最高平均レベル(1番は裏番長、2番はネモ)な上に個体値が全員6V且つ努力値を振っているため裏番長以上に強敵。
戦闘BGMは前編の最終戦の方に変わっている。ただし、テラスタル時の無表情&微動だにしないモーションはそのまま。
主人公が勝つと「勝負さ できて うれしかった!」と笑顔を見せてくれる。
アニポケ
アニポケ第8シリーズの第4章『レックウザライジング』で姉のゼイユの登場は確定したが本編では登場するかどうかは不明。
戦闘BGM
作曲者:足立美奈子 下記2曲も足立氏が編曲
「碧の仮面」の他の楽曲同様、どことなく和風なイントロから始まる。
バイオリンで主旋律が奏でられ、裏で鳴っている木琴の音が特徴的だが、シリアスな主旋律や裏のベースから不安定な印象を与える。
通常版の曲をエレキギターでアレンジしたもの。対旋律としてピアノが追加された他、ループ直前にはノイズが入っているため非常に不穏。
「碧の仮面」の戦闘BGMのアレンジなのだが、不協和音のイントロから始まり、激しいエレキギターとバイオリンの音色、不穏なノイズや重苦しいピアノの和音といったように変貌を遂げた。
アレンジとはいえど1ループ中前半は全く別物。後半から漸く仮面の時に聴き慣れたフレーズが聞こえてくる。
上述の通り、戦闘後も勝利時の曲ではなくこの曲が流れ続ける演出がある。
編曲者:一之瀬剛
テラパゴス戦のアレンジだが、スグリが繰り出してくるためかイントロとベースに彼のテーマが使われている。
余談
◼️名前の由来
果実は酸味が強くケーキやジャムに利用される。
花言葉は諸説あるが「私はあなたを喜ばせる」「あなたの不機嫌が私を苦しめる」「あなたに嫌われたらわたしは死にます」とちょっと重い。
また、
- 後編の舞台名の由来である「ブルーベリー」の和名は「ヌマスグリ」
- 姉のゼイユの名前の由来と思われるのはスグリ科の落葉低木「フサスグリ」の別名「グロゼイユ」
- 祖父のユキノシタはそのまま「ユキノシタ」で「スグリ」と同じユキノシタ目
と、関連項目の由来と植物的な繋がりが見受けられる。(ただし、ブルーベリーは植物の正確な分類では別の種類である)
英語版での名前はKieranで、姉からはKikiと呼ばれている。
◼️年齢について
日本語版では、スグリについて“お子ちゃま”と書かれており、具体的な年齢については触れられていない。
だが、フランス語版テキストでは該当の部分で14歳と表記されている。
しかし、フランス語版の翻訳は他の箇所でも日本語版とは違ったニュアンスで訳されていることもあり(例えばフランス語版のシュウメイはことあるごとに俳句を読む熱狂的俳人キャラにされている)、日本語版も含めた他の言語圏のバージョンでも14歳の設定が適用されているかどうかは不明。
■スグリの暴走の原因
彼の持つ問題が悪化していったのは、様々なボタンの掛け違いやタイミングの悪さが原因と言える。
ゼイユも認めているが、主人公とゼイユが祭りの夜にオーガポンと会ったことを黙っていたのが、スグリが暴走を始めたきっかけである。
話さなかった理由は「ひどく落ち込むかもしれない」「夜の山に入ったら危ない」というゼイユなりの気遣いだった。
実際、ゼイユが危惧していたように自分たちだけ鬼さまに会っていた事を知り、彼が悲しみ暴走する結果になった。
スグリよりも先にオーガポンに出会ってしまった時点で、ゼイユと主人公が彼を少なからず傷つけてしまうのは避けられなかったのだろう。
ゼイユが謝罪の言葉を口にした時にはスグリは聞く耳を持たず、主人公とバトルをした後にその場から去ってしまった。
たとえ気遣いであれど隠し事がバレた際、平時であれば時間をかけて相手と向き合うべきだっただろう。
しかし、ともっこ復活でそれどころではなくなり、事件解決後にはブルーベリー学園組が早々に離脱した事でその機会は失われてしまった。
SV本編では生徒の目線に立ってトラブル解決に取り組む教員をはじめ生徒をフォローしてくれる大人たちがおりパルデア組の冒険を影から支えていた。
だが、キタカミの里の大人やブルーベリー学園の教員は、スグリと主人公の因縁を巡るストーリーにはほとんど関わって来ない。
また、ゼイユとスグリの親は不在である。過干渉気味とはいえ同じく成長途中の子供であるゼイユが保護者を務めざるを得えなかったのも、拗れた原因かもしれない。
通常、物語において主人公は周囲に良い影響を与えることがお約束でありセオリーとなっている。
しかし、彼の場合、主人公との出会いがきっかけで悪い方向に運命が転じていく異色の立ち位置となっている。
それ故に、ユーザーへのインパクトも大きかったのだろうと推測できる。
■入れ替えられたポケモン
スグリは、初戦ではすべての手持ちポケモンに対して専用セリフが用意されている。
これはこの時点の彼が本気でポケモンバトルを楽しんでいることを表しているのかもしれない。
しかし、途中から(四戦目は空きがあるにもかかわらず)複数のポケモンが手持ちから外れている。
そのため、スグリがポケモンを外した/入れ替えた理由について様々な考察がなされ、一部のユーザーからは「戦力外として捨てたのではないか?」と邪推もされていた。
しかしその後、番外編でのペパーとの会話でカミツオロチが昔からの相棒であると明かしている。
また、リーグ部でのペパーとの会話では、かつて起用していたメガヤンマ、オオタチなどについても「みんな大切で一番を決められない」とちゃんと愛情を持っている事が明かされた。(ペパーも「一番がいっぱいいてもいい」と肯定的に答えている)
プレイヤーが当たり前のようにやる手持ちの入れ替えをNPCがやると批判されるのもおかしな話ではあるが、捨てたのではないかと悪い想像を働かせてしまうほどスグリは強さに拘っていたともとれる。
また、ブルーベリー学園は基本的にダブルバトルが主流であり、シングル戦とは勝手がかなり違うため、ルールに応じて最適なチームを編成することは何らおかしいことではない。
事実、預けられた2匹の内、
と、どちらもシングル戦が得意なポケモンである。
なお、ここから『碧の仮面ではわざわざシングル戦用にチームを育てていたのではないか?』と考察される事もある。
■欲望を増幅されている?
- 前編でともっこ像を殴ったときに発生した紫色のモヤがモモワロウに洗脳された人々のエフェクトと同じであること
- スグリの言動に異変が生じ始めたのが桃沢商店の前の会話であり、そのシーンでは余白がある不自然なアングルで背景にモモワロウの置物が何度も映りこんでいること
- 前編序盤と後半で性格がかなり変わってしまっているように見えること
などから、モモワロウやともっこたちとの関わりを予想した声もあったが、結局番外編でも彼らとの関係は明言されなかった。
ただ、もし仮にモモワロウらが関与していたとしても、操られていたというよりは欲望を増幅させられていたと捉えるべきだろう。
スグリが自分の意思で迷惑をかけてしまったと自覚しているからこそ重く受け止めて反省し、最終的な成長に繋がっているといえよう。
■リーグ部部長としてのスグリ
前述通りスグリが部長になってからは方針が変わり、雰囲気が非常に悪くなっている。
カキツバタが「部活のあとにアカマツの料理を摘まむのが好きだった」と過去形で話しているので、今はそういうことはしていないのだろう。
スグリのリーグ部での横暴は他の部員たちから反発されてもおかしくはないものだが、バトル学に特化した学園の無敗のチャンピオンであるゆえか異を唱えられる者はいなかったようである。
これについては、学園側ですら黙認している有様であった。
彼の変わり様には姉のゼイユをはじめ、四天王のネリネや周囲の人々も心配していた。
特に元チャンピオンであり現四天王のカキツバタは、「誰よりも楽しくバトルしていた以前の気持ちを失っている」「勝ちにこだわって自分の首をしめるのは見てるこっちが苦しい」と苦言を呈していた。
後編クリア後はリーグは半休止となり、四天王アカマツの都落ちも保留、スグリが厳格化したリーグ部の規則も四天王タロたちの確認の上で戻された模様。
主人公が名目上の部長になったことを除けばリーグ部もおよそ元通りになった。
とはいえ主人公は留学生であるため、実質的な部長はカキツバタになっている。
■オーガポンへの反応
彼とのバトルでオーガポンを出すと、「よくも……今!ここで!!鬼さまさ!!出せたよな!?」と、激怒する。
ちなみに、当のオーガポンに対しては、バトル面で割と強く出られるようになっている。
カイリューでいしずえのめん以外の弱点を突け、いしずえのめんはかくとうテラスタルのカミツオロチで弱点を突ける他、ガオガエンがオーガポンに比較的相性が良い。
■テラスタル時
テラスタル時のモーションは無表情のまま一切動じずにエネルギーを集結させるというものとなっている。
テラスタル時に反動を一切感じさせないのは作中においては彼と主人公のみである。
(ほぼ動いていないオモダカでも僅かに頭部が動いている)
表情が元に戻った番外編クリア後のリーグ部でのバトルでも同様となっている。
ただしブライアに促されテラパゴスをテラスタルした際はテラスタルエネルギーに怯んでいた。
■スグリの寮室
番外編クリアと同時に彼の寮室に入れるようになり、チャンピオン時代の血が滲む努力の形跡が見られる。
壁にはカキツバタの手持ちであるブリジュラスやフライゴンについての研究の痕跡があり、強くなるにあたって彼の実力を意識していたようである。(他にもサワムラーとカラマネロの研究の形跡があるが、誰の手持ちかは不明)
ゼイユと共に観葉植物を育てていたようだが、ゼイユの植物はピンピンしているのに対し、スグリの植物は枯れてしまっている。
また、チョコ菓子好きも姉弟共通のようだが、寝食を削った結果食事のほとんどをそれで済ませてしまっていた様子。
(ゴミも山積したままとなっているが、散乱させることは無くある程度一カ所に纏められている辺りに根っこの真面目さが出ている)
エリアゼロから戻ったのちすぐに休学した為片付けられていないようで、本人曰く「今見ると恥ずかしい」とのこと。
■カジッチュの逸話
リーグ部で交流を重ねれば他の部員同様ポケモン交換が可能。スグリからはカジッチュを貰える。
リンゴが名産であるキタカミの子らしい選出なのだが、ガラル地方には告白の時にカジッチュを贈ると結ばれるという逸話がある。
このことから、これを盾に彼に迫ろうとする二次創作ネタがある。
なお、逸話に則るのであれば「告白の時」に贈ってないのでギリセーフ。
■前後編での変化
公開時は様々な意見があったインナーカラーが目立つ髪型。しかし、本人的には気合いを入れるために形から入ったものである模様。
だが、ゼイユからは「イキってて似合ってない」と容赦なく評価されていた。
それを聞いたスグリはイキってることは否定しても、似合ってないことは否定しなかった。
とはいえ、前編での髪型が好みのユーザーから、「クリア後に髪型を戻せたら」という声もある。
瞳のハイライトの有無については、番外編の描写から、洗脳されていたのではなく、ゼイユと同様に元から感情が高ぶったり乱れたりするとハイライトが消える体質だと思われる。
それを踏まえると、後編でハイライトの無い状態が多かったのは、それほどあの時のスグリの心に余裕がなかったと言うことになる。
また、ブルーベリー学園を舞台にした後編では訛りも控えめになっていたが、番外編にて単に恥ずかしかったから抑えていたと明かしている。
前編では地元かつ学園の生徒が自身と姉しかいなかったために訛りを表に出していただけで、以前から学園では抑えていたのかもしれない。
復学して以降のスグリは様々な経験を乗り越えたことで成長し、訛りについても「気にならなくなった」と笑い飛ばして解禁している。
前後編通じて悩み続けた彼だったが、それを糧にして成長できたことを実感させるエピソードである。
■特別なポケモンに対する意識の変化
バトルのあり方と強さの根底を再認識したことで、特別なポケモンに対する執着はなくなったよう。
番外編で主人公がモモワロウを捕獲した後、ペパーが「結局は主人公がゲットしちまうんだよな」というセリフに、笑顔で「んだな」と肯定している。
(あといくら特別なポケモンといっても、毒餅で人々を狂わせてしまうようなやつを欲しいかと言われると首を捻りたくはなるが)
また、番外編後のリーグ部のスグリとのバトルでこちらがオーガポンやテラパゴスを出しても何も反応しない。
しかし、子供の頃から憧れていたオーガポンに対しては、執着は捨てたが親しく思う気持ちは変わらないらしい。
リーグ部の会話では彼女が元気にしているか気に掛けるセリフがある。
オーガポンは特別なポケモンであるため、リーグ部のポケモン交換で彼に渡すことはできないが、今の彼であれば別の機会に相棒になれる可能性もゼロではないだろう。
オーガポンのデザインを担当したありがひとし氏もスグリとオーガポンが楽しげに笑い合う節分のイラストをxに投稿している。
■ユーザーの反応
そのキャラクター性から賛否両論を巻き起こしたスグリ。
しかし、番外編では憑き物が落ちたように元の性格に戻り、パルデア組とも仲良くなり、チャンピオン時代の自分の行動を反省してさらに成長した言動から、一変して好意的な声や、元のスグリに戻ってくれて安堵する声が多い。
特にネモ・モモワロウの連戦においては、「スグリがいなければ(背後から迫る村人たちによって)詰んでいた」「スグリの背中がとても頼もしく見えた」「憧れていた鬼さまになれた」と評価する声がある。
番外編においても(主人公が喋らない上に雰囲気がギャグ寄りとはいえ)冷静なツッコミと天然なボケの才能を開花させたことも、ユーザーからの好評に繋がっている。
また、ゼロの秘宝攻略本の中の設定資料にて甘いお菓子が大好きで、ボディパックの中にはお菓子がいっぱいあることが判明。
設定資料の可愛らしいイラストも含めて、「あざとさが盛るペコされてる」と悶絶するユーザーが続出したとかしなかったとか。
そんなキャラクター性もあってか「夢女子が選ぶ2023年の100人」にて4位に入るという高い人気を得ている。
そして実質的な公式人気投票であるニンテンドードリーム2024年5月号では、DL専用キャラながらも人気1位を記録。ハガキ投票1位、ウェブ投票1位の完勝であった。
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チャンピオンとして主人公を待ち受けたライバルたち
強さを求めたライバルたち
ある意味表裏一体なライバル