「いっぱい 知ってもらえると 思うんですよ ……かわいいが 最強ってこと!」
概要
ブルーベリー学園に通う生徒で、ライモンシティ出身。学年は主人公より一つ上の2年生。父親はイッシュ地方のジムリーダーの一人。(詳細は後述)
名前はサトイモの一種である「タロイモ」に由来するものと思われる。
「タロ」という言葉自体が、ポリネシア語で「芋」という意味になる。
しっかり者で通っているらしく、留学してきた主人公にテラリウムドームなどの施設を案内してくれる。シアノ校長がいい加減な性格をしているということもあり、彼女から得られる情報の方が多いほど。シアノとクラベル校長の関係まで把握している。
他方で「そういうのよくないと思います!」の台詞と共に両手で「×」印を作って相手を窘めるなど、単なる真面目キャラに留まらない一面もある。
バトル中、こちらの技が急所に当たると「変なとこ当たっちゃった!」というコメントが付け加わるなど、表情・仕草共にとてもバリエーション豊か。
ポケモンを愛でている最中に自身のかわいさを指摘されると、それが主人公であっても真顔で×印を作りながら窘めてくる。
バトルの腕も相当のもので、学園内に設けられた「ブルベリーグ四天王の一人でもある。ランクはカキツバタに次ぐ3位。
「かわいいが最強」が信条で、自分がかわいいと思うポケモンばかりを手持ちに据え、愛情を注いだ結果四天王まで登り詰めてしまった天性の努力家でもある。
ちなみに手持ちはラブラブボール…ではなくネストボールに納めている。
ネストボールはレベルの低いポケモンを捕まえやすくする効果のあるボールであり、手持ちのポケモンを低レベルの段階から愛情を注いで育て続けたということなのだろう。
第3世代には「開くと同時に赤く小さいハートが散りばめられる」という現在とは大きく異なるファンシーなエフェクトでもあったが、相当古い設定なので流石にそこまでは意識していないだろう。
容姿
髪型は毛先を切りそろえた菖蒲色(落ち着いた紫)に薄ピンクのハイライトが混じったミディアムヘアーだが、眉毛・睫毛・瞳は茶系であり、頭髪は染色している可能性がある。
大小一つずつの菱形(エメラルド)をあしらったヘアピンを、頭の両側に着けて耳を出している。このヘアピンはバトル開始時にも大きくアップされるから印象に残るだろう(後に『タロのヘアクリップ』という名称で商品化された。)。
(※髪の装飾を全て外した場合の想像図)
服装は学園標準の秋服を基本に、上からニット生地らしき藤色の長いカーディガンをゆったりと羽織るというスタイル。靴は標準のものではなく、細かい模様が施されたソールが特徴的な白のスニーカーを履いている。
カーディガンには「チャンピオンロード」のリップのような蝶の羽らしき形の装飾が付いているが、こちらは自動で動く様子は無い(動くあちらがおかしいのだが)。
スマホロトムのカバーは、デリバードポーチで購入可能な物と同じフェアリータイプスキンを使用している。
意外にも背は高めであり、肩のあたりに主人公のおでこが来る。一方で、体型自体はかなり華奢。
四天王チャレンジ
彼女の出すお題はポケモンに関する5問連続のクイズで、半分以上正解ならクリアとなる。
内容は以下の通り。答えはここには記載しないので考えてみよう。
- ピカチュウが電気を溜めてるのは体のどの部分?
- コンパンがレーダーとして使っているのは体のどの部分?
- 3匹のヤバチャのなかで「しんさくフォルム」はどれ?
- ピンク色(あかいろのコア)のメテノはどれ?(外殻を纏い位置をシャッフルする)
- 私はお昼寝するときにグランブルのどこを枕にしている?
1番目と2番目は図鑑説明がヒント。
3番目は「しんさくフォルム」が何かを知らなくても、ヤバチャたちの動きをよく観察すれば1匹だけ違う部分があることがわかる。
5番目については、エリア内にいるリーグ部員との戦いに勝つと教えてもらえる。ただし、強めのトレーナー(黒吹き出し)なので注意。
出題中にのみ取る謎のポーズがあり、じわじわくると一部で評判になっている。
1回間違えるとヒントをくれる。間違えたときのポケモンのリアクションもまた面白いので、わざと間違えるのも一興。
2回間違えるとトレーナーとの勝負になり、勝てばその問いはクリア扱いになる。
手持ちポケモン
専門タイプはフェアリーであり、フェアリータイプの四天王はシリーズ初。
ただし、最初からフェアリーにこだわりがあると言うよりかわいいポケモンを育てていたら結果的にフェアリーが多くなったという形らしい。
ブルベリーグ自体、いわゆる「統一パ」へのこだわりが薄い環境であるが、彼女は特に専門外のタイプを多く育成している様子が作中の描写からも窺える。
初戦
ブルーベリー学園到着直後にエキシビションマッチ的に対戦。「藍の円盤」全体でも初となるトレーナー戦だが、いきなりの高レベルかつダブルバトルでブルーベリー学園がどのような環境かを思い知らせてくる。最低でもレベル60台後半は欲しいところ。
また、プラスルとマイナンはどちらも隠れ特性であり、互いに「ほうでん」で特性を発動させ合うというギミック型の構築になっている。さらに、プラスルとマイナン自体は彼女のエキスパートであるフェアリーではないものの「藍の円盤」で追加された新技「みわくのボイス」というかたちで使ってくる。
ちなみに、この戦闘中にテラスタルを使用すると一部の台詞が変化する。
四天王戦
「テラスタルハートに 注目! もーっと かわいく なーれー!」
本戦ではフェアリー中心のフルパーティとなり、レベルも更に上がる。
- 先発から「いたずらごころ」と「きあいのタスキ」の合わせ技で行動2回を確保し、「おいかぜ」「ひかりのかべ」などで場作りを行うエルフーン
- 「いかく」によるデバフと「ほのおのパンチ」や「じだんだ」によるはがね対策を兼ねるグランブル
- 「のどスプレー」「うるおいボイス」「ハイパーボイス」で複合するみずタイプによる高火力範囲攻撃を行うアシレーヌ
- 「クイックドロウ」で不安定ながら「おいかぜ」に頼らず先制を図り、タイプ一致の「シェルアームズ」や「サイコキネシス」、これまたはがね対策の「かえんほうしゃ」を撃ち分けるガラルヤドラン
- 「デコレーション」で味方にバフを撒きつつ「みわくのボイス」で相手のバフは妨害し、「たべのこし」「じこさいせい」「ギガドレイン」で耐久要員も兼ねるマホイップ
- フェアリーテラスタルで耐性を反転させ、はがねやどくも高いスピードとパワーから繰り出す自慢のじめん技で返り討ちにする、切り札のドリュウズ
と、初戦とはうって変わったバランス型の構築である。
対処法としては、エルフーンに合わせてこちらも初手から場作りを行い、極力場の条件を互角にしておくことを心掛けると良い。また、「まけんき」や「かちき」持ちを先発にしておくと、グランブルの「いかく」を逆利用して無償でパワーアップできるので、そのまま押し切りやすくなる。
なお、ブルベリーグ四天王のランクはタイプ相性に反比例しており、タロもドラゴンタイプを専門とするカキツバタに勝ったことがないらしい。
もっとも、カキツバタも「アイアンヘッド」持ちのオノノクスがいるなど当然フェアリー対策は取っており、等倍に抑えられるアシレーヌにもジュカインが刺さるため、このパーティに勝利するのもそうおかしな話とは言えない。
因みにブルベリーグ四天王で唯一切り札ポケモンが専門外のタイプである。
「藍の円盤」クリア後
「テラスタルハートを どーん! かわいいの おすそわけです!」
- エルフーン♀Lv.83
- グランブル♀Lv.83
- アシレーヌ♀Lv.84
- ガラルヤドラン♀Lv.84
- マホイップ♀Lv.84
- ドリュウズ♂Lv.85(テラスタル:フェアリー)
クリア後は、リーグ部で何回か会話を交わすと再戦できる。パーティ構成は変わっていないが、レベルは若干上がっている。
勝利するとスマホロトム用の「ブルーベリーカバー(ホワイト)」がもらえる。
対人関係
優しげではあるが、決して無償の愛を提供するタイプではなく、場合によっては相手に対して厳しい態度を見せることも。
学園の案内にしても、当初は自分の仕事ではないとシアノに返上する意向を示しており、最終的に「噂の 【主人公の名】さんと お近づきに なれるのは アリだなあ」という個人的な理由で引き受けている。
なお、一連のやり取りは全て当人達の目の前で口に出して行っている。
主人公が留学生という立場でブルベリーグに挑戦することに関しては、規則に無いことを理由にネリネと共に反対していたが、これは問題を抱えた今のリーグに主人公を巻き込むべきではないという判断からでもあった。
主人公がブルベリーグに登録した後は、そうした背景を明かしつつ快い対応に切り替えている。
線引きははっきり付けたがるが、同時に彼女なりの一貫性はあると言える。
そのかわいらしさから学園内でアイドル的な扱いを受けているが、無粋な男の子を追い払うために地元では有名な父の名を出すこともあるとも語っており、かなり強かでガードの固い一面もある。
部内でもアカマツはタロを異性として意識している様子が窺える。タロ側も把握しているが、積極的に追い払おうとする様子も無く、普段は話に付き合っている。会話内容からしても、一般的な部活の仲間としての友好は築いていることが窺えるが、ゼイユには「性悪」と形容されている。
ただし、番外編後のスグリとの会話にて、休学で勉強が遅れていた彼が「アカマツに聞いても全然だめだった…あいつもわかんねみたい」と言った際には「あ それも しょうがないね」と答える一幕もあった。
ちなみに、スグリのことは豹変した件を気にかけつつも、元々はかわいいと思っていた模様。アカマツがアレということもあり、自身のノートを貸してもいる。
ネリネからは、タロの考える「かわいい」の範疇が相当に広いことを指摘されている。
グランブルは進化前のブルーに「女性に人気」という設定があるので納得できるとしても、特にそういった話の聞かれないポケモンも相当数混ざっており同様の疑問を抱いたプレイヤーは少なくないだろう。
とは言え、pixivの作品数一つ見てもわかるように、ゴツかったり異形然としたポケモンでも人気を博する例はいくらでもある。ポケモンファンなら、触れ合う内にかわいく見えてくるという気持ちも理解できるのではないだろうか。
基本的に他人に敬称(「さん」「くん」)を付けて呼ぶが、カキツバタだけは呼び捨てにしており扱いも雑になる傾向がある。何か特別な関係であるという説と、単に彼の日頃の行いから敬う必要が無いと判断したという説があるが、真相は不明である。
自由にポケモンと触れ合った末に今の立場を得たタロと、ドラゴン使いの一族に生まれて必然的にエキスパートになったカキツバタでは、根本的に物事の捉え方が異なるという指摘もある。
いいかげんなカキツバタに代わり部の実質的なまとめ役を受け持っている点は確かであり(そのためなのか、ゼイユ・スグリ・アカマツと比べると部室に顔を出している機会が多め)、部室では仕事をサボるカキツバタに小言を言っている様子を拝むことが出来る。
が、カキツバタは聞き入れる様子が無いどころか、口癖すら「オイラはいいと思いまーす!!」と茶化している始末なので、多かれ少なかれ心労を抱えていることは想像に難くない。
余談だが、先述のスグリに貸したノートに関して、カキツバタに貸すとぐしゃぐしゃにされて返ってくるから絶対に貸さないとも語っている。ネリネやゼイユも同様の理由で貸さないようにしており、タロだけが特別厳しい見方をしているわけでもない。
主人公に対しても、リーグ部の方針についての質問に「安全第一」と答えると、ふざけていると受け取られて冷めた態度になるので、単純に不真面目な人間が嫌いとも捉えられる。もっとも上記の件については、他の選択肢と比べて特段ふざけているわけでもない(というか一番生真面目ですらある)上に、医療設備が完備されていない学園の現状を考えると至極まっとうな意見である為、単に彼女の美学に沿わない堅苦しい返答に不貞腐れてしまっただけである可能性も高い。
パルデアチャンピオンのネモとは面識があり、同じバトルを楽しみながら強者になった間柄ということからか気が合う様子である(さらに、会社の重役の令嬢であるという点まで一緒)。
ボタンには、彼女がニンフィアを使っていたことから興奮気味に詰め寄っており、ボタンもいきなり迫られて最初は驚いたものの、自分の手持ちが褒められることに気を良くしている。
ポピーのこともかわいいと気に入り、お菓子で餌付けしようとした。
余談
父親について
学園の所在地がイッシュ地方の近海であること、濃い目の顔立ちやヘアピンのデザイン、芋の品種を名前の由来とすること、ストーリー序盤のシアノの発言、切り札がドリュウズであること等から、初報時より「ヤーコンの娘では?」という噂がプレイヤーの間で持ち上がっていた。
当初はタロが担当するコーストエリアのBGMの中に彼が勤務するホドモエシティのフレーズが使用されていたり、「パパは見た目がすっごく怖い」と話す程度の匂わせに留まっていたが、「番外編」の配信後リーグ部特別講師枠に追加されたネモとの特殊会話で、この件がハッキリ明言され確定となった。
これによってキクイの遠い子孫である可能性も出てきている。
ポケモンで親子関係が示されることは珍しくないが、切り札が同種で揃うのは史上初である。
出身地はホドモエシティではなくライモンシティとなっているが、子持ちでありながら家族が住んでいる場所と別の場所で働くジムリーダーにはホウエン地方のセンリという前例がある。
ホドモエは長らく鉱山・港・倉庫からなる労働者の街であり、住み易い隣街であるライモンに家族を住まわせているとしてもあまり不思議は無い。一方で『BW2』では他ならぬヤーコンの手でバトル施設である「PWT」が誘致されており、タロがブルベリーグ四天王にまで上り詰めた背景としても想像が働く。
またヤーコンは鉱山会社の社長でもあるため、タロは社長令嬢ということになる。
実際、ネモともそれ関係のパーティで出会っている。
年頃の娘でありながら、台詞を見るに父親との仲は良好であることが覗える。カキツバタに辛く当たるのは、尊敬する父親とは真逆な性格であることが理由とも考えられる。
それを抜きにしても、ヤーコンは良くも悪くも本音を隠さない質である。ともすれば腹黒や毒舌と取れるタロの態度も、この流れを汲んだもので、嫌なものを嫌と言っているだけのある種の誠実さの表れである可能性も十分あり得る。
父の教え「いつだって 自分と ポケモンには 正直に生きていたいよな」
……しかし皮肉な事に、今作には自分の趣味に正直に生きた結果理不尽な被害に遭ったとある人物が登場している。
奇しくも彼の専門タイプは地面に弱く、フェアリーに強いどくタイプである。
使用ポケモンについて
フェアリータイプ自体がヤーコンが活躍していた第5世代にはまだ存在していなかったということもあり、ドリュウズ以外のポケモンにはあまりイッシュ地方らしさは無い。
四天王チャレンジで登場した分を含めても、ピカチュウ・コンパン・エルフーンが該当するのみで、このうちイッシュ原産と言えるのはエルフーンただ一種である。マホイップなどはそもそもずっと後年の登場である。
イッシュ地方は『BW』と『BW2』でも出現ポケモンが大幅に変化していたので、第9世代までの間に出現するようになったとも考えられるが、テラリウムドーム内には全て出現しているので、ブルーベリー学園に入学してからドーム内で捕まえたと考える方が自然だろう。
そうなると、育成の速さもネモ並ということになり、作中の世界観では驚異的なスピードになってくる。彼女もまた、「好きこそ物の上手なれ」を体現したトレーナーなのかもしれない。
なお、「フェアリータイプ使い」「メインカラーがピンク」「クイズを出題する」ことからかのフェアリー使いのジムリーダーを思い浮かべたという意見もある。
発売前の予想
『SV』は外見・内面共に癖のあるキャラ付けが多く、クラベル校長の場合と似た流れでタロにも何か裏があるのではないかなどと警戒する向きがあり、登場前には黒幕説などが多く作られていた。(詳細はエアプタロを参照。)
また、他のメンバーと共に浮上していた「ブルベリーグ四天王=アカデミーを去ったいじめの加害者達」説では性格の正反対な美少女という点からメロコとの確執が疑われていた。
現在では全て否定されており、概ね作中描写通りの可愛くて善良なキャラと評価されている。
関連イラスト
関連タグ
アカマツ(トレーナー) ネリネ(トレーナー) カキツバタ(トレーナー)
他のフェアリータイプ使い
その他
- ヤーコン:父親であり、同じくドリュウズをエースに起用。
- キクイ:ヤーコン、タロの先祖と思われる人物。
- そういうのよくないと思います!:タロの代名詞として独立記事が作られている。
- カキタロ: カキツバタ(トレーナー)とのカップリング。
- ははあ……なるほど:メイの語録であるが、この時に取ったポーズと似た仕草をすることがあるため、タロのイラストにもこのタグが付いているものがある。