概要
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の追加DLC『ゼロの秘宝』後編、『藍の円盤』の舞台となる私立学園。
805年の歴史を持つパルデア地方のオレンジ/グレープアカデミーとは違い、近年新設された新進気鋭の学術機関で、前編にあたる『碧の仮面』でも名前と所属人物のみ登場する。
イッシュ地方の近海に位置しているが、当然ながら『BW』『BW2』の時点ではこの学校に関する言及はない。近年新設されたという設定から、当時はまだ出来ていなかったと考えるのが自然か。
ただし、在校生の1人であるカキツバタには「3回留年している」という噂があり、その噂が真実、または真実でなくとも3浪の噂が学園の創設時期との矛盾によって否定されていない以上、創立から4年以上は経過しているものと思われる。
学園としての特徴
校風として特にポケモンバトルの教育に力を入れている様で、「ブルベリーグ」と呼ばれる学内ランク制度も存在する。前編でもスグリからは「主人公の実力ならうちの学園に来ても一番になれるかも」と評されていた。
部活も盛んで、野球部や美術部、写真部、科学部など一般的な学校にもよく見られる部活が存在している他、上記のブルベリーグで上位に進むために切磋琢磨する「リーグ部」というこの学校ならではの部活も存在する。
特に科学部は、ポケモンのおとしものから様々な道具を作り出せる画期的な発明品を作り出すなど、最早部活動に留めておくのが勿体ない位の成果を上げていたりする。
ゼイユによると「ブルベリの学生はほとんどが寮生活」との発言から、パルデアのアカデミーと同じく基本的には全寮制だが自宅通学も可能である模様。相互連絡用にスマホロトムも容認されている。
学園内専用通貨として「BP(ブルーベリーポイント)」が存在。
ランダムで出される課題をテラリウムドーム内でこなし、達成すると貰えるポイントで、貯めることで様々な用途に利用できる。
しかし本校の購買部や学生食堂はBP専用となっていたり、現金やLPとの相互換金は不可能であったりするため、絶妙な使いづらさも伴うのが難点。
実はブルーベリー学園は、パルデア地方が誇るオレンジ/グレープアカデミーの姉妹提携を結んでいる(こちらはブルーベリー学園でありブルーベリーアカデミーでは無いが、「学園」を英訳すると「アカデミー」になるので意味は同じ)。
そのため、両校は林間学校や交換留学も行っている他、ペパーによると「ブルーベリー学園で授業を受けるとアカデミーよりも多く単位が貰える」という制度もある模様。いずれにしても、活発な交流が行われているようである。
学内に存在する各施設
校舎は最先端の近未来的な作りになっている上、海底で運営している資源プラントに併設しているという都合で大部分が海中に沈んでいるという人工島である。
上記の校風から、施設的には最新鋭だがどこか偏りがあるように見えるものが多い。
といっても仮にも学園、あるべき施設はほぼ揃えられている。
建物の上の階層から、
- エントランスロビー
- 各教室、食堂
- テラリウムドーム
の順に分けられており、特に教室部分は5つの球状構造体に3階層分ずつ分けられてている。
こちらでもアカデミー同様、各地の出入り口や改札型ゲートから行き先を選択して移動する。
- エントランスロビー
唯一海上に顔を出している、ブルーベリー学園の玄関口。
校門を入ってすぐのところにリーグバトル用のバトルコートが設置されているが、何も無いときは潮風の心地よい憩いの場として使用されている。
コート横には受付も設置されている。
この学校が世界に誇るという超巨大な人工海中庭園であり、かつては研究施設だったブルーベリー学園の最大の特徴でもある。シアノが監修・設計したとされる。
荒野・南国・岩山・氷河の4エリアが設けられており、中にはイッシュ地方では生息が確認されていなかったポケモンや、本来別地方の環境下にしかいないリージョンフォームのポケモンまでもが生息している。
また、本来であればパルデア地方特有の現象であるはずのテラスタル現象が起きているが、これはテラリウムドームに設置された『テラリウムコア』の働きによるものらしい。
詳しくはリンク先にて。
- 1-4教室
スグリの教室。
ホームルームで使われる。
- 3-2教室
ゼイユの教室。担任はブライア。
このことから、地味にゼイユが3年生だとわかる。
- 購買部
パルデアのものと同様様々なものが取り揃えられている。
さらに一部のわざマシンも購入できるのが特徴。ミカルゲのように回収効率の悪い落し物を使うわざマシンなら、こちらで買う方が楽だろう。
……のだが、BPでしか支払いが効かないため、注意が必要。
- 学生食堂
食堂のおばちゃんの手作り料理が堪能できる食堂で、こちらもBPでしか支払いが効かない。
メニューのラインナップは、とてつもなく分厚いホールピザや最早パフェとも呼べるシェーキなど、いかにもアメリカ食といった大ボリュームかつカロリー満点の代物が揃う。
これらはシアノが独断で入れた好物で、食事から得るパワーは全てのタイプに対応している等ゲーム的な効果はすさまじいが、栄養バランスはイマイチとの事。
そのため、とある大食いサラリーマンには比較的好評であるものの、かの短気なシェフに見せたら激怒すること間違いなしである。
- 主人公の部屋
シアノが用意した主人公の部屋。
アカデミーの自室と同じく、ベッドを調べると回復できる。
- ゼイユの部屋
いつでも行っていいらしく、入ってみると小物がたくさん置かれている。
意外な一面が見えるかも。
- スグリの部屋
番外編をクリアすると入れるようになる。
後編の本人曰く、吐くほどの努力をした一面を部屋から垣間見れることができる。
- リーグ部部室
パソコンから他の部活にBPを支援することで、様々なサポートを受けられる。
どうぐプリンターもここに置かれる。定期的に寄って貯まった分を使っていこう。
制服
全体的に近未来的なボディスーツのようなデザインになっている。アカデミーの制服と同様、四季に対応した幾つかのバリエーションがあり、男女共通である。セーラータイプと詰襟タイプに分けられる他、それと別にジャージによるセットアップ衣装もある。
また、制服の改造を禁止していたアカデミーと比べると、こちらは多少のアレンジや着崩し程度なら許されるようで、作中に登場するメインキャラ(ゼイユ、スグリ、四天王)は皆、元の制服を多少アレンジした格好をしている。
学園が抱える問題点
上記したように教育施設としての歴史が浅いため、一年半前に組織腐敗がリセットされたアカデミーとは逆にこちらはまだ教育機関として若く未熟な所がある。
例として、
- 行きすぎた放任姿勢
トップのシアノとブライアなどの教師陣は教育者らしからぬいい加減さや自覚の足りなさが目立つ。これは裏を返せば「まだまだ未熟な子供が多い生徒達の間違った意見を正す大人が存在しない」という状態でもあり、実際にこの点が『藍の円盤』終盤にとんでもないことを招いてしまうことにも繋がる。これは良く言えば学園内で子供は大人に縛られず自由になれるが、悪く言えば単に大人が無責任なだけである。
- 青春の消失
上記の教師陣の放任主義的な教育方針もあって、生徒達が自主的に委員会や学園の運営に関わろうとしており、生徒達の意見が直接反映されやすくなるという点が存在しつつも同時に生徒達の時間を無意識に拘束しているという問題も存在する。更に厄介な事に生徒はまだ若く人生経験も少ない上に、自らの意思で自主的にやるものだから生徒本人も上記の自分達の貴重な時間が奪われている事に気付けない。
- バトル至上主義
教育内容が「ポケモンバトル学」に力を注ぎ過ぎるあまり他の分野のカリキュラムが疎か(タイムやハッサク曰く「学校にしては教育内容が偏り過ぎている」)になっており、実際にアカデミーの教師陣が特別講師として出張してきてもポケモンバトル学以外の授業に興味を示さない生徒が多い模様。それ故にどちらかといえば、最初からバトルだけを教えるための言わば強豪トレーナー養成施設として設立したのではないかという見方もできる。
ただし、実際にゲームをプレイしている人ならよく分かるだろうがポケモン世界においても、バトルというのはあくまで一つの手段であって目的ではない(戦闘狂と称されるほどバトル好きな彼女でさえバトル以外の事にも積極的に興味を示している)ため、それだけにしか興味を示さないというのはかなり深刻であり、将来的にはポケモンを道具扱いして虐待するような悪人にもなりかねない恐れもある。
- 不十分な設備
ミモザによると学校なのに医務室はあっても保健室が無い。
…など、要所要所で前身となった「研究施設としての意識・体制」が抜けきれていない節が散見される。幸いにも学園内において今のところはとある一件以外で生徒間での大きなトラブルは起きていない。しかし学園側がこの教育方針を貫くのであれば、良くも悪くも今後どうなっていくかは生徒達次第という状況になっている。
一見、自由に見えて実は縛られているというこの有り様は、よくある何も知らない子供が無自覚のまま悪い大人に振り回されているという構図そのままであるため、当然一部のプレイヤーからの反応もあまり良いものではない。
所属者
教員
生徒
リーグ部
科学部
余談
前編の内容に桃太郎を思わせる要素があった事と、海中施設という特徴から、モデルは浦島太郎の竜宮城と見られる。
上記の通り、本土は影も形も見えないとはいえイッシュ地方が舞台であり、本編で過去作の地方に再来できるのは『金銀』以来。
特にポケモンやトレーナーとの戦闘BGMは、ポケモンBWのアレンジBGMを使用しており、懐かしの気分に浸ったファンも多数。
野良テラスタルの場合はロック調の揺れる草むら版に変化したり、各エリアのBGMも所々にイッシュの道路や街のアレンジが入っている(タロが担当するコーストエリアだとホドモエシティ、カキツバタが担当するポーラエリアはソウリュウシティのフレーズが入る等)。
配信前はどことなくエーテルパラダイスを思わせる佇まいや「ポケモンバトルを真剣に極める」というのがプレイヤー間においてやや堅苦しいイメージを持たれがちな事もあり(実際その後とある在学生の発言が物議を醸す事になる)、
「勝つ事ばかりに執着してポケモンへの愛情を疎かにしがちな教育が施されているのではないか?」
「在学生の大半がエリート思考で嫌味な奴等(某国民的天才幼児が通う塾のような?)ばかりではないか?」
という考察が出回り、これまで程良い感じで描写されていたポケモン廃人の悪い側の一面が遂にゲーム本編で見られる!というよからぬ期待をしていたプレイヤーも存在した。
また、今作におけるこれまでの明確な「悪役」がAIやポケモン達だった事、及び藍の円盤のモチーフとされる浦島太郎のシナリオから、
「スター大作戦でアカデミーを去ったいじめっ子達がこちらに紛れ込んでいるのではないか?」
「そいつらが今作における悪の組織枠となるのではないか?」
等という考察も見られた。
(詳しくはこの項目を参照。)
いざ配信されれば(多少問題のある人物こそいたものの)明確な「悪人」は見受けられず、生徒達が皆ポケモンと共に切磋琢磨している様子や特別講師を呼べたり希少アイテムやレアボールの量産機等の(ありとあらゆる方面における)廃人大歓喜の非常にあったか〜い雰囲気となっており、第一印象とのギャップが話題となった。
(とはいえ特別講師として呼んだ際のネモやタイムの台詞等、多少は考えさせられる描写もある。)
名前の由来であるブルーベリーの花言葉は『実りある人生』である。
関連イラスト
関連タグ
オーレ地方 ダブルバトルが主流の繋がり。
エーテルパラダイス:所有は財団法人のエーテル財団。人工島繋がり。
もしかして→ブルーベリー農園