どうぐプリンター
どうぐぷりんたー
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のDLC『ゼロの秘宝』の後編『藍の円盤』で登場した装置。
ブルーベリー学園の科学部のシナベに200BPを支援するとリーグ部の部屋に設置してくれる。
見た目は雪だるまの様に二段重なったモンスターボールで、上側は本物のボールと同じく中央から上に開く。下側は開かないが、中央に手動回転させるレバーハンドルがある。
この見た目から察せる通り、つまりはガチャであり前作におけるウッウロボの立ち位置に相当する。
BPとポケモンのおとしものを消費する代わりに最大10個の何かしらの道具を生成してくれる(3Dプリンターに近い)。また、おとしものにはそれぞれに%が設定されており、100%で1回分となる。
十分な試行回数を重ねると、BPを支払うことでシナベに改良を依頼できる。改良を重ねるとBPの消費量が減り、おとしものの%の割合が増える。さらに……(後述)
改良する度に上側のモンスターボールの見た目が変わり、1回改良するとスーパーボール、2回改良するとハイパーボール、最大まで改良するとマスターボールのような見た目になる。最大改良には合計で175回の試行と、試行時と改良時にかかる全BPである2325BP(と、各種おとしもの)が必要。また、3回目の改良をするためにはDLCのストーリーを前後編共にクリアする必要がある。
あくまで同じ形の模型を作るだけの現実の3Dプリンターとは違い、出来上がった道具(どうぐ)は贋作ではなく真作つまり正真正銘の本物(実際に使用、売却可能)である。この為むしろ「どうぐメーカー」(アイテムメーカー)と呼ぶのが正しいのかもしれない。
画期的どころか、一歩使い方を誤れば世界の法則を色々と捻じ曲げかねないとんでもない発明品であるが、「仕組みは内緒」(企業秘密)とのこと。さらに、シナベ曰く現時点では「特許やらいろいろ申請中」らしい。
その作られる道具のうまさや作成時の演出も相まって、道具生成にどっぷりハマってしまうトレーナーが続出している。
ちなみにウッウロボと同様に、使う前に(結果反映後の)レポートが書かないと使わせてくれない。いわゆる「リセマラ」は出来ない仕様となっている。従来抽選システムのIDくじを行う際にレポートを書くことと同じ。
テラピースやけいけんアメをはじめ、キズぐすりなどの回復アイテムやきんのたまなどの換金アイテム、マグマブースターといった進化関係のアイテムからおんみつマントのようなバトル用アイテム、さらにタウリンやポイントアップといったドーピングアイテム、果てはこれまで入手手段が限られていたとくせいパッチやきんのおうかんといったものまで出てくる。
なおサンドウィッチ用の食材系アイテムに関しては(素材が「ポケモンのおとしもの」の為か)出てこない。
(その割に食物系の飴やタケノコは出るのだが…)
特に秘伝スパイスが出ないのが非常に惜しまれるが、出てきたらテラレイドバトルや鬼退治フェスの存在意義が無くなってしまうからだろう(というより、秘伝スパイスは売れない・捨てられない、おまけに譲れないので、多数入手できてもサンドウィッチで消費する以外に使い道がない)。
モンスターボール系統のアイテムも基本的には出ない。しかし……?(後述)
また、道具にはレアリティが設定されており、排出時の輝きによって「白枠(通常枠)」「銅枠」「銀枠」「金枠」「虹枠」という具合に判別が出来る(虹枠は後述のチャンスの時にのみ排出)。もちろん金枠や虹枠の道具は希少性が高いが、白枠や銅枠からも有用な道具は出てくる(例えば進化の石は白枠から、ドーピングアイテムやきれいなウロコ等の一部進化アイテムは銅枠からしか排出されない)。しかも、枠の呼称に関しては、他言語でも英単語などもそれぽい名称になっている。
さらにレアな道具がでる際にはプリンターがソシャゲのガチャの如く金色や虹色に光り輝く(ちなみに、前作のウッウロボでもレアボールを排出した際にボールが派手に光り輝く演出があったため、その発展版と言える)。これは所謂確定演出であり、例えば金色に輝けばきんのおうかんやとくせいパッチなどの金枠アイテムが確定で出るが、金色に光らなくても出る事がある。
また、10連時には最低保証として銅以上のレア度のアイテムが1つは出るため、単発よりも10連まとめて回した方がよい。
プリンターをスーパーボールの見た目まで改良すると追加される要素。
何回かガチャをひくと和太鼓のような音の後に金色に輝き、次の10回に限り文字通り出てくる道具が2倍になる。
後述のレアボールチャンスが注目されているため影が薄くなりがちだが、出てくる道具には前述の通り換金アイテムやポケモンを育て上げる上で必要な道具一式が出てくるのでこれでも十二分に壊れている。「運が良ければでかいきんのたまが1ダース単位で出ることがある」「各種おうかんやとくせいパッチが複数個出ることがある」と考えれば、その壊れぶりは十分理解出来るだろう。
しかもレアボールチャンスもどうぐ2倍チャンスも発生するまでムラがあるので、無心で稼働させて気がついたら60~100万分の換金アイテムや1パーティー分のテラスタイプ変更用のテラピースから育成用アイテムまでもが軽く貯まっていたというのもざら。
DLC後編配信後は従来の金策方法から別の手段を講じる必要が出てきたが、それでも事故率が高く以前ほど安定した周回が行えないことから、このどうぐ2倍チャンスが事実上の金策の代替になっていると言えなくもない。実際、ガチャ用BP集めやおとしもの集めの時間を除けば、従来の金策方法と同じくらいの時間で100万(と副産物)を稼ぐことも可能。
プリンターをハイパーボールの見た目まで改良すると追加される要素。
何回かガチャを回すと和太鼓のような音の後に虹色に輝き、次の10回に限りモンスターボール系統の道具が作られ、さらに文字通りレアボールが手に入る可能性が出てくる。
なんとあのウッウロボですら錬成が難しかったガンテツボールをはじめ、『スカーレット・バイオレット』初期にはなかったサファリボールとコンペボール、更に貴重品の象徴であるあのマスターボールすら作成してしまうやりたい放題っぷり。
…この事を遠方地方のシルフカンパニーが知ったらどう思うのだろうか。
ただしこれはあくまで「チャンス」でしかないので、運が悪いとレアボールチャンスで1個もレアボールが出ないこともある(レアボールは虹枠であり、金枠以下のボールはゴージャスボールなどの店売りボール)。
見方によっては従来のあの抽選制アイテム排出システムだった「IDくじ」を彷彿させるが、おそらくコレがIDくじの代替システムと思われる。そのため、トレーナーIDはこのためのものではなくなったのは残念だが、アイテム抽選は従来とはのくじの仕組みとは違い、必要な落とし物さえあれば1日中引ける。
上記イラストはレアボールチャンスのハズレパターンの1つだが、実はこれでもゴージャスボール(金枠)が複数出ているだけまだマシな方で、ゴージャスボールすら全く出ない大ハズレパターンも確認されている。
だが逆を言えば運が良い時は複数個同時にレアボールを入手できるため、今日もレアボールを求めておとしものとBPを集めて回し続ける廃人たちが後を絶たない。
更新データのバージョン3.0.0では、フューチャーのリーグ部の部室でどうぐプリンターを設置後、壁に面した場所に立った状態で居た場合、ハマりに陥り、どうぐプリンターと壁の間から壁抜けバグの状態になり抜け出せなくなることがある不具合が確認され、2024年2月の10時頃の配信にて自動的に設置位置から離れた位置に移動する形で修正された。万が一、更新前にレポートを書いてしまいハマっていた場合、シナべに話しかけて「プリントする!」を選択することで、自動的にプリンター手前の位置へ移動して抜け出すことができる。
なお、修正前でもポケモンを出し入れすれば出れるという報告があった他、プリンターを直接調べずにシナベに話しかけるだけで回避可能という予防策があるため、詰むことはない(そもそもプリンターを調べた際の動きから、プリンターの側にいるシナベに話しかけるのが本来の使い方ということはわかるはずである)。
2024年4月にはどうぐプリンターの状況再現が発見された。
その仕組みは割と単純で、Nintendo Switch本体の時刻を調整し、手動でどうぐプリンターを目押しすること。かつて『ポケットモンスター エメラルド』で「エメループ」と呼ばれる、乱数列がある特定の時間に依存して再現する事象があったが、これと同じような理屈である。
もっともこの状況再現が見つかる前に、それなりにやり込んでいるプレイヤーの場合は非売アイテムやゲーム内の金は腐るほど手に入れている場合が殆どだが…。
なお、現時点ではこの状況再現に関する仕様は修正されていない。
確かにレアアイテムの希少価値が暴落する事態にはなっているものの、裏を返せばそれ以外にゲーム上不都合な点はなく、さすがにゲームに致命的なダメージを与えるほどのものとは見做されていないためだと考えられる。
気軽にポケモンからわざマシン用のおとしものを取れるレッツゴーが登場(テラリウムドーム内でなら、放置稼ぎできない代わりに接触事故が無くなって狩りやすくなったシンクロマシンが登場)し、大量発生やサンドウィッチによる証・色違いのすがた厳選がしやすい(写真部に支援すればロックオンで証持ちか確認出来るようになる)が、この道具プリンターの登場で「ガチャを回すためのポケモンの乱獲」も起きるようになった。主にガチャに必要な素材の量が少なく乱獲しやすいポケモンが狙われやすい。特に狙われているのは以下のポケモンたち(カッコ内の%は最大改良時の落とし物の効率)。
- 出現場所が細い通路のため手軽にレッツゴーがしやすいパルデア地方・東3番エリアの洞窟のヤミラミ(45%)
- 出現場所が広いものの、素材量が最も少なく済むポケモンの1匹であり湧きやすいパルデア地方・北3番エリアのラッキー・ハピナス(68%)
- 上2つに比べ効率は落ち、ポケモンのレベルも高いがブルーベリー学園内のため移動の手間が省けるコーストエリア・ともしびの迷路のブビィ・ブーバーや、ポーラエリアのジュラルドン(54%)
また2023年12月22日〜25日までクリスマス記念としてガチャ用素材に優れたおとしものを落とすデリバード(54%)が大量発生し(この時は色違いも格段に出やすくなっており、そうぐうパワーだけでも複数色違いがゲット出来た)、その直後には2024年の辰年を祝してジュラルドンをはじめとした素材効率の良いドラゴンポケモンが翌1月4日まで大量発生するという告知がされた。もしかしたらこれらイベントはプリンター利用者達への配慮なのかもしれない。
イベントの大量発生を狙わずともマップ上にいる大量発生の場所へ飛んでいき(『ゼロの秘宝』クリア後であればライドアクション:ひこうが追加され、移動がかなり楽になる)、レッツゴーで狩ることでもおとしものは大量に入手しやすい。
ただしポケモンのおとしものの効率にはかなりの差があり、未進化ポケモンほど倒した時に落とすおとしものの数が少なくなる(進化しないポケモンなど一部例外あり)ことは頭に入れておこう。
ちなみに一番非効率的なおとしものはコレクレーのコイン。他のおとしものでも14%や9%だが、このおとしものだけ5%と露骨に低い。おそらく進化手段に関わるので、間違って使うことを防ぐためと思われる。おまかせ選択でもこの%の低さ故か優先度がかなり落とされるおとしものとなっている。
一方でガチャ用BPに関しては最終改良の時点で10回で30BPと非常に安く済むため、ネットの募集などでユニオンサークルに入ってミッションをそれなりにこなしていれば(少なくともガチャだけにBPを使うのであれば)基本的に困ることはないだろう。
1回目の改良でどうぐ2倍チャンス、2回目でレアボールチャンスが追加されるため、「最終改良しなくていいのでは?」と思われてしまうが、3回目の改良ではテラピースステラが追加され、ガチャ1回分の道具の取得量が1個から複数へと増加するため、最終改良のうまみは十分にある(レアボールは例外的に1回で必ず1個)。この増加にどうぐ2倍チャンスが加わるとより多くのどうぐが入手出来るので、本格的に回す前には必ず最大まで強化しておこう。
マスターボールを自力で複数個集められるようになったため、本作のラスボスの手持ちをボールごと交換なしで再現できるようになったことも一部で話題となった。
余ったBPの使用先の一つでもあるが、レアボール目当てでないにしても他の使用先に比べ最大強化後の見返りが大きく、「何が出るのかはランダム」な点を除けば幅広いニーズに応えてくれるので、延々と素材を集めては本プリンターで道具をプリントするプレイヤーが絶えない。中にはこれこそが『ゼロの秘宝』の真の秘宝ではないのかという考えも。
…パルデア地方をはじめキタカミの里周辺やテラリウムドーム内のポケモンの生態系が悲報にならないか懸念される意見もある。