概要
ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、シリーズ史上初となる要素としてバージョンごとにまったく異なるポケモン博士が登場する。
パルデア地方のとある伝承とテラスタルの研究をしている。テラスタルの仕組みを解明しテラスタルオーブを開発した人物でもある。家族に一人息子がいる。
物語序盤から登場。主人公がコライドン/ミライドンを連れていることを知り連絡を取ってくる(※1)。その後はレジェンドルートに度々登場し、コライドン/ミライドンが取り戻したライド技の説明をしてくれる。
歴代の博士と異なるのは、御三家や図鑑を主人公に託す役割を与えられていないという点(※2)。御三家はクラベル校長が、図鑑アプリの開発および完成の依頼はジニア先生がそれぞれ役割を担っており、立ち位置は既存のポケモン博士とは大きく異なっている(なお、明確な差異はあれど物語上における役回りや結末はどちらも変わらない)。
エンディング後には、彼らもアカデミーの卒業生であったことが明かされる。クラベル校長によれば、学生として在籍していた頃から既にその頭脳明晰ぶりで周囲から注目されていて、図書館に置かれている殿堂バッジ記録にも博士の名前が記されていたことから、在学中にも何かしらの多大な成果を上げていた模様。アカデミーの校長室も元々は博士の研究施設の1つであったとのことで、置かれている研究機材や書類なども博士が残したものとされている。
※1 この際に「ある事情があって今いる場所から離れられない」と述べている。終盤でその理由が明らかとなり、さらにこの“事情”が物語を締め括る上で大きな意味を持つことになる。
※2 代わりに物語の相棒となるポケモンととある本を託される。
オーリム博士
ポケットモンスタースカーレットに登場する女性のポケモン博士。
パルデア地方のある伝承について研究している。左手を常に白衣のポケットに入れている。
白衣の下の衣装は最低限の布地を纏っただけのワイルドな服装をしている。
研究職に就いているとは思えない程の抜群のスタイルの持ち主。
よく見ると腹筋も割れており、無駄のない引き締まった体格をしている。このことから、かなり行動派な人物であることを窺わせる。
名前の由来はラテン語で“昔”を意味する「Olim」と思われる。
フトゥー博士
ポケットモンスターバイオレットに登場する男性のポケモン博士。
パルデア地方のある伝承について研究している。右手を常に白衣のポケットに入れている。
白衣の下の衣装は近未来的なデザインのボディスーツを着用している。
名前の由来はスペイン語で“未来”を意味する「Futuro」だと思われる。
余談
どちらの博士も開口一番「ハロー」と言うのがお決まりとなっている。
また、特定のイベントでは別れ際に「ボン・ボヤージュ!(良い旅を!)」と発している(この挨拶をするのはDLCも含めて劇中で2度のみだが、どちらも非常に重要なシーンであるためファンにとっても印象深いだろう)。
物語上ではレジェンドルートでしか絡みがないが、終盤のあるシーンでの台詞から主人公がチャンピオンになったことや、スター団と対決したことも知っていた模様。このことから、何らかの方法で密かに様子を窺い続けていたとも考えられるが詳細は不明(初めてモニター越しに主人公と対面した際、「コライドン/ミライドンを持っているだろう」という質問に「いいえ」と答えると、「君がコライドン/ミライドンと一緒にいる様子が監視カメラに映っていた」といった発言をするため、同様の方法を用いていたのかもしれない)。
もう片方のバージョンには姿はおろか名前すら登場しないため、スカーレット版におけるフトゥー、およびバイオレット版におけるオーリムの所在は不明である。
終盤、ある場所で博士の書いた記録を読むことができるのだが、その中では子どもが生まれた後、配偶者が自分の元を去ったとする記述がある。しかし、この人物が同じバージョンに存在するフトゥー/オーリムのことを指しているのかは不明(そもそも存在していないか、存在していたとしてもポケモン研究とは別の職に就いている可能性も考えられる。アカデミーの優秀な生徒を称えた殿堂バッジ記録にも片方の博士の名前しか記載が無いため、もう片方は卒業生ですらない可能性が高い)。
二次創作では二人が夫婦で、二人の間に子供が生まれたという設定のものも見受けられるが、公式で明言されてはいないので、念のために注釈などで断りを入れておくのが望ましいだろう。
テラスタルに関する研究をしていた両博士であるが、パルデアの外にあるキタカミの里でもテラスタル現象が発生していたことや、そこにテラスタルの力を活用して戦うポケモンがいたことを把握していたかは定かではない。少なくともゼロラボにある博士の研究資料の中にはそれらについて窺える資料は一切存在していないため、まったく知らなかったということも考えられる。
とはいえ、博士の最終的な目的はあくまで異なる時間軸から呼び寄せたポケモンと現代のポケモンの共存であり、テラスタルオーブの開発もあくまでその副産物として生み出されたに過ぎなかった。つまり、博士にとってテラスタル現象の研究はあくまで過程に過ぎず、仮にパルデア外におけるテラスタル現象の発生を把握していたとしてもそこまで積極的には調査・研究をしていなかった可能性が高い。
しかし、そんなことを言っていたらDLC後編で…?