概要
ポケットモンスターシリーズに登場する道具の一つで、ゲーム中に登場する生物「ポケモン」の情報を記録するための端末。英語では「Pokédex(ポケデックス)」という。
ゲームの冒頭でポケモンを研究している博士やその関係者から託される。様々なポケモンと出会い、図鑑に記録し完成させることが主人公が冒険に出る目的の1つとなる。
なお、ミュウを始めとした幻のポケモンの登録は図鑑完成には不必要とされる。シリーズによってはそれ以外のポケモンも対象外となっている。
いわゆる生物図鑑や電子辞書に相当するが、元ネタは児童書定番ジャンルである怪獣図鑑ではないかと思われる(比較解説は後述)。
機能
下記が基本的な機能である(一部のタイトルを除く)。
- みつけた(種類の)数とつかまえた(種類の)数が表示される。
- 初めて出会ったポケモンのページが自動的に作成され、姿と名前、鳴き声、生息地が記録される。
- 各種モンスターボールで野生ポケモンを捕獲すると、上記内容に加えてそのポケモンの高さと重さ、説明文が追加される。進化や他人との交換、NPCより譲られるなどして手に入れたポケモンも同様に扱われる。
シリーズが進むに伴い、検索機能や姿違い(♂と♀、フォルムチェンジ、色違い、メガシンカなど)、大きさの比較等々様々な新機能が加えられている。
デザイン
大まかな共通点として電子手帳や携帯ゲーム機のような形状で、カバーを展開することで画面やキーが露出しアクティブになるという特徴がある。第7世代では図鑑自体がタッチ操作式ディスプレイ1枚となった。第8世代以降はスマホロトムにインストールされているため専用デバイスとしてのポケモン図鑑は消滅した。
ポケモンカードゲームでは一部モデルには型番が併記されている。
初代(赤・緑)
HANDY505モデルは赤い電子手帳型。操作は主に画面側にある十字ボタンや各種ボタンで行う他、カバー側にテンキーがある。
アニメ版では読上げ時に青いランプが発光する仕様となっている。
リメイク版『FRLG』に登場するHANDY909モデルでは大まかな形状はそのままに横倒しとなりテンキーの類が削除、十字キーのみ右下より飛び出た形状となっている。
こちらでは従来のような番号順でポケモンデータを閲覧する「ポケモン一覧」(カントー図鑑と全国図鑑へ切替可能)と生息環境からデータを閲覧する「色んな場所にいるポケモン」(全国図鑑にも対応)の2種類の閲覧方法がある。
後者の区分は「そうげんのポケモン」、「もりのポケモン」、「うみのポケモン」、「みずべのポケモン」、「どうくつのポケモン」、「やまのポケモン」、「あれちのポケモン」、「まちのポケモン」、「めずらしいのポケモン」の9種があるが、必ずしも実際の生息地に合致している訳ではない。
「めずらしいのポケモン」は全て伝説・幻のポケモン(+アンノーン)でカテゴライズされているが、内訳は結構ややこしい。
「そうげんのポケモン」には三犬、「もりのポケモン」にはセレビィ、「みずべのポケモン」にはラティ兄妹、「うみのポケモン」にはカイオーガ、「どうくつのポケモン」にはレジ系、「やまのポケモン」にはジラーチ、「あれちのポケモン」にはグラードンが区分されており、「めずらしいポケモン」はそれ以外という扱いである。
つまり、ルギアは「うみのポケモン」、三鳥は「やまのポケモン」、ミュウツーは「どうくつのポケモン」にカテゴライズされていないので検索する際には注意。
これらの区分は『ポケモン川柳全百科』(小学館)や「オールカラー版 ポケモン全キャラ大事典」(小学館)など第3世代当時に刊行された書籍でも用いられた。
第2世代(金・銀)
HANDY808モデルは画面側とボタン側のカバーが独立しており上の画面側のカバーは上に、下のボタン側のカバーは右に開き、カバーを畳むとモンスターボールのマークを形成する。
青ランプはカバーよりさらに下部の右端にある。
リメイク版の『HGSS』にではカバーの数は1つになり、第4世代に展開されたこともあって、タッチパネルとカバー側にある本ディスプレイの2画面形式に変更され、十字ボタンは健在であったが、4つあったボタンはと2つに省略された。また下部のランプはオミットされた。
UIも大幅変更され、各ページアイコンは各ポケモンボックス用ドットが用いられている。
玩具版ではタッチペンが付いている。
索引は第4世代のものに準じており、「ちいき」・「かたち」・「タイプ」・「頭文字」といった条件でもポケモンを検索可能。
第3世代(ルビー・サファイア)
初代同様右へ開くタイプのカバー折畳み式であるが横長となった。左端にあるモンスターボール型マークはこれまでのシリーズにおける十字ボタンの役割を果たすスクロールキーであり、決定などは白い2つのボタンで行う模様。ランプは緑色に変更されスクロールキー中心に配された。
リメイク版『ORAS』ではデザインを一新し、初代ゲームボーイアドバンスを模したフォルムとなった。カバーを上下に引っ張る形で展開すると画面右側に緑色のボタンが2つ現れる。モンスターボール型スクロールキーは健在であり、スタートボタンとセレクトボタンに当たる部分は何のためのボタンかは不明。
第4世代(ダイヤモンド・パール)
HANDY910isモデルはニンテンドーDSで発売されたことに倣い、DSのような2画面形式となった。折畳み型もDSと同じ。
基本的にスクロールは十字ボタンで行うが、下画面で様々な操作が出来るように。左側のボタンではポケモンの検索や図鑑の切り替え、上下ボタンでは図鑑の最初のページあるいは最後のページに移動する事が可能。第3世代にあったモンスターボール型のスクロールキーは下画面のタッチ操作式UIとなり、ゲーム中でも十字ボタンよりも手早くスクロールが可能。また鳴き声や分布機能の使用に際して下画面も切り替わる。下画面側の枠の右側からせり出てくる緑色のボタンで決定、下画面のすぐ右側にある小さなボタンでそれ以外の操作を行う模様。
便利機能が爆増したため当時の低年齢層からの評価は高かった。身長や体重・番号順に索引を並べ替えたり、鳴き声のスロー再生や波長の確認、姿違いの確認(ヒカリ/コウキの父親によるアップグレード)などの機能がある。
本世代から海外版図鑑情報も記録出来るようになっており、226番水道にいるマイスターへ頼めばアップグレードしてくれる。
リメイク版『BDSP』でもデザインに変更は加えられず続投となったが、重さを計測する機能では新たにアニメーションが追加された。重いポケモンが天秤へ乗るとその衝撃で主人公が空高く吹っ飛ばされ、ポケモンが重ければ重い程天空→月面→宇宙の彼方と飛ばされる場所がインフレして行く。
なお、アニメ版でヒカリがピンク色図鑑を使用していたのが好評を博したためか、以降発売された『HGSS』と『BW』では男女で図鑑のカラーリングが異なっていた。余談であるが、シンジの図鑑は黒。
第5世代(ブラック・ホワイト)
ウォークマン型。下画面やボタンは常に露出した状態で、使用時は上画面がスライドして展開する。これまでの赤の割合が多かった図鑑では珍しく、グレーの割合が多い珍しいカラーリングが特徴。モンスターボールマーク部分は男の子用は赤く、女の子用はピンクとなっている。HANDY910isモデルからさらにタッチ操作化が進み決定操作のみボールマーク中心の白いボタンで行う模様。
本世代から図鑑画面で色違いポケモンのグラフィックを鑑賞できるように。
なお、「おおきさくらべ」は廃止された。
第6世代(X・Y)
タブレット端末型。通常時は正方形でサイズも大きめという歴代ポケモン図鑑でも異色なタイプ。
モンスターボールの開閉を意識したデザインで、上下に引っ張り展開する事で起動する。画面は向こう側が透けて見える未来的な薄型で、ボタンの類は確認できず完全にタッチパネル操作へ移行した模様。
『XY』で捕まえたポケモンには3色マーク(カロスマーク)、過去作から送られたポケモンはモンスターボールマークが付く。
第7世代(サン・ムーン)
タブレット端末型で、タウンマップなどこれまでの携帯端末に搭載されていた機能が追加され、デザインも前作よりも現実のタブレット端末に近づいた。最大の特徴はロトムが入り込んで自我を持っている事にある。
詳しくはロトム図鑑を参照。
ピカブイ
『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ“完全版"公式ガイドブック』へ掲載された設定資料集によると、電子辞書と3DSを足して2で割ったような見た目をしている。
第8世代(ソード・シールド)
スマホにインストールされた機能の1つという形となった。第7世代同様にロトムが入り込んでいる。
詳しくはスマホロトムを参照。
互換切りの影響で『剣盾』に実装されたポケモン全てが図鑑に登録される訳ではわけではない。
例えば、ダイマックスアドベンチャーではほとんどの禁止級や準伝説が入手できるが、登録されるのは図鑑にデータがある種のみ。
この仕様は第9世代でも引継がれた。
LEGENDSアルセウス
シンオウ地方の過去を描いた作品であるため、歴代初の紙媒体となっている。アニメでのオーキド博士やポケモンウォッチャー・ケンジのスケッチブックがこれに近い存在と思われる。
これまでの図鑑とは異なり、特定ミッションをこなすことで上がって行く研究レベルシステムが搭載され、ストーリーを進める鍵となっている。
ちなみに余談であるが初代の少し前までは紙媒体図鑑であったらしい。
文体は他メディアとは異なり、古めかしいものとなっている。
こちらではゲームシステムの違いから、好物(ただし、当作で手に入るアイテムのみ)も記載されている。
第9世代(スカーレット・バイオレット)
剣盾のスマホロトムとさほど変わらないが高所から落下した際に掴むことである程度落下の衝撃を和らげる機能が追加されている。
新しくポケモンが登録された際に「本」のように収納される演出があり、ポケモンの詳細を開くとそのポケモンの一面を映した表紙となる写真が表示される(ポケモンHOMEでも確認可能)。
一方で、何故か検索・ページのジャンプ・終了時のカーソル位置記憶といった便利機能がオミットされており、分布の地図が拡大できない&自分の現在地が表示されないことも相まって「デザインは良いのに使いづらい」といった声が相次いでいる。
作中では担任・ジニア先生がこの図鑑アプリを作ったということとなっているため、先生に図鑑作り直しを要望する生徒が多発することに…。
本編では「パルデア図鑑」を埋めて行くこととなるが、キタカミの里へ対応した「キタカミ図鑑」やブルーベリー学園へ対応した「ブルーベリー図鑑」へ切替も可能。
また、リージョンフォームは図鑑データがあるもののみ登録される。
例えば「ブルーベリー図鑑」では通常種のイシツブテ族は登録されず、現地で入手できるアローラのすがたが登録される。
ポケモンピンボール
ゲットモードで入手したポケモンが登録される機能。
登録可能ポケモンは全部で150匹(実は隠しキャラでミュウが手に入るので正確には151)。
ポケモンピンボールルビー&サファイア
基本的な仕様は前作と同じ。
登録ポケモンはデオキシスを除いたホウエン図鑑ポケモン達で合計201匹。
特別出演GETカードを使えばジョウト御三家(ただし、無進化)とプテラが手に入る。
ポケモンコロシアム
銀色の携帯端末「P⭐︎DA」がこれに当たる。
歴代携帯端末とポケモン図鑑、そしてトレーナーカードの機能を合わせたような道具であり、一言で表すならばポケモン版PET。
メール機能、ダークポケモン情報を確認出来るスナッチリスト、3Dモデル干渉や入手したポケモンの情報を確認出来る攻略メモを搭載。
スナッチリスト仕様はポケモン図鑑と似通っているが、こちらはバトルで確認した順から登録、データロム解析内容確認でバトルしたことのがいダークポケモンの名称が登録される。
逆をいえば、データロム解析メールを見なければ出会っていないポケモン登録は回避できるというわけだ。
単にネタバレ回避のための仕様という訳ではなく、リストへ登録されると性別・性格・ステータスが固定される他、スナッチした場所によって出会った場所の記録も変わるので厳選をやる上で知っておかなければならない仕様となっている。
また、攻略メモはフェナスシティのトレーナーズトレーニングセンターの先生へ話し掛けると追加して貰える機能であり、新たにポケモンに出会った状態で話しかけると内容を更新してくれる。
なお、色違いポケモンが登録出来るが、通常色を登録してしまうと登録出来なくなるので注意。
ポケモンXD
「P☆DA」(ポケモンデジタルアシスタント)が続投。
メール機能や攻略メモ(デフォルトで内蔵)は勿論、スナッチリストと役割が似通ったダークポケモンモニターや野生のポケモンを誘き寄せるポケスポット(※)状況を確認出来る「スポットモニター」という新機能を搭載。
なお、本作のダークポケモントレーナーは6つ子戦闘員、ミラーボ、シャドー総帥以外とは再戦出来ない。よって取り逃がしたダークポケモンはミラーボから回収することとなる。つまり、ダークポケモンモニターの基本的な登録条件は前作とほぼ同じ。
なお、前作のデータロム解析メールに当たるのはシャドー秘密工場にあるゴリガン製造リストであるので順当に攻略するならば触れないのが吉。
(※)ポケスポットはポケまんまを置き、全てを食べられる前にポケスポットを訪れるとポケモンとバトル出来るシステム。
要は第3世代のサファリゾーンや第4世代のあまいかおりのするきのようなものである。
ポケモンレンジャー
キャプチャ・スタイラーにブラウザ機能があり、事実上のポケモン図鑑となっている。
これまでの地方図鑑同様番号割振りも独自のものでありDLCポケモンにも対応しているが、地方・全国図鑑と決定的に違うところが3つある。
- 一部の例外を除き、解説文は攻撃方法やゲームでの役割が記述されている。
- タイプではなく、「グループ」が記述されている(ここら辺は別記事で)。
- 実装ポケモンの関係上、進化系が全て登録される訳ではない。
なお、『光の軌跡』版では登録されるのは現代編ポケモンのみであり、過去編に当たる通信協力ミッションでキャプチャしたポケモンは登録されない。
ポケモン立体図鑑BW
2011年6月に配信されたニンテンドー3DS対応ソフト。
第5世代ポケモン(ケルディオ - ゲノセクト除く)の3Dモデルが鑑賞可能かつそれ以前の世代のポケモンが有する技データも記載されている。
ただし、ソフト起動時点で全データが解放されている訳ではなく、いつの間に通信(伝説ポケモンの場合は後述のARマーカー)を用いる必要がある。
また、ARマーカーを用いればいつの間に通信で該当ポケモンデータを登録しやすくする他、3Dモデルを現実世界へ投影して写真撮影も可能。
ポケモン全国図鑑Pro
2012年7月14日配信。
立体図鑑BWアップグレード版でフシギダネ - ゲノセクトまでのデータに対応。
ただし、メロエッタとゲノセクト解放にはキーワードを入力してクイズモード「ポケモンチャレンジ」をクリアする必要がある。
本作のみポケモン名読上げがある。
ポケモンバンク
XY - USUMの図鑑説明に対応。
トリミアンなどは第7世代でフォルムチェンジした状態のものを預ければその姿が登録される。
ただし、ポケモンHOMEへ引継ぎする際には姿が戻ってしまうので注意。
加えて、HOMEへその情報を登録するためにはまず、ポケモンバンク図鑑へ登録していることが前提となる。
ポケモンHOME
LPLE、剣盾、BDSP、LEGENDSアルセウス、SVに対応。将来的には第10世代以降にも対応すると思われる。
ポケモンバンクから一部データを同期することが可能なのは先述した通りであり、メガシンカやキョダイマックス、サトシゲッコウガ、色違いなど各種フォルムチェンジにも対応(ただし、大人の事情でパッチールの図鑑用グラフィックは公式絵準拠な他、AZのフラエッテやギザみみピチュー、おきがえピカチュウ、テラスタルオーガポン(テラパゴスは全形態登録される)、スターモービルといった一部特殊なポケモンには非対応)。
なお、第8・9世代で廃止されてしまった技データも確認可能(ソフトによって該当技が復帰している作品があるための措置)。
加えて各世代のモデルやポケモン図鑑の扉絵を確認出来る「ソフト図鑑」という機能もある(ポケモンGOやLPLE以降のシリーズと連動した機能)。
ただし、同種ポケモンを捕獲すれば登録されるシステムではなく、特定世代で捕まえたポケモンでないと登録されないので注意(無論、ボックスへ預けるまでの工程が必須)。
特定のバージョン限定ポケモンを登録したい場合、旧世代から該当ポケモンを連れてきて別個体を孵化させるという手順を取れば登録したと見なされる。
NEWポケモンスナップ
フォトアルバムなので、電子機器ではなく紙媒体。
従来通り、ポケモン生態を解説しているが、本家との最大の違いは写真撮影ゲームであるため、プレイヤーが撮影した写真を掲載して行くという方式で1ページにつき、4枚まで掲載可能。また、撮影対象行動によって星1 - 4までの評価に分類される。
地方図鑑と全国図鑑
ポケモン図鑑には、そのシリーズ舞台となる地方を対象とした地方図鑑と、それまでの全シリーズに登場した全ポケモンを網羅するための全国図鑑が存在する。
第3~6世代においては、ストーリー後半や1度EDを迎えた後で地方図鑑から全国図鑑へのアップデートが行われており、第4世代からは全国図鑑のンプリートが「地方図鑑を埋め終わった者への新たな目標」という位置付けとなっていた。
第7世代からは全国図鑑がポケモンバンク、ポケモンホームといった玄人向けコンテンツ限定機能となり、ゲーム本編内ではその存在が語られなくなった。これらの全国図鑑は各コンテンツと紐づいているので、そのコンテンツ内へ持ち込めない特殊個体情報は登録されない(例えばHOME図鑑へはおきがえピカチュウが登録出来ない)。
BDSPなど一部リメイク作品では全国図鑑が存在するが、収録ポケモンはリメイク元へ準じている(そもそもBDSPにはニンフィアなどの後発進化系が実装されていない)。
地方図鑑の中でさらに細かく分類されるケースもあり、XYの舞台となるカロス地方では図鑑がセントラルカロス、コーストカロス、マウンテンカロスの3つに分かれており、サン・ムーンの舞台となるアローラ地方ではそれぞれの島に対応した図鑑が存在する。
ポケモンに振られている番号は地方図鑑ごとに異なっており、例えばカントー図鑑No.001はフシギダネであるが、アローラ図鑑のNo.001はモクローである。
一方、全国図鑑では赤・緑(001 - 151)→金・銀(152 - 251)→ルビー・サファイア(252 - 386)→ダイヤモンド・パール(387 - 493)→BW(494 - 649)→XY(650 - 721)→サン・ムーン(722 - 807)で追加された順に番号が振られている。
ポケモンGOでも似たような扱いであるが、「第7世代へ到達しても全国図鑑がデフォルト機能として存続する」「地方図鑑内の分類がない」などの細かな違いがある。
全国図鑑割振りについて
全国図鑑登録順は基本的に御三家が最初に来て伝説のポケモンが終盤、幻のポケモンが最終盤に配置という路線が定番であった。
初代・第2世代では準伝と禁伝の間に600族が挟まったり、第5世代では幻ポケモンであるビクティニが最初に来るという例外はあれど、第6世代までは概ねこの路線を貫いていた。
第7世代でも同様となるかに思われたが、『USUM』で新規禁止級が4体も幻ポケモンの間に挟まった上に続く第8世代ではDLC商法を導入したことで完全にこの路線は終わりを告げる。
第9世代に至ってはかなり変則的であり、570族のパラドックスポケモン→600族→コレクレー族→準伝→590族のパラドックスポケモン→禁止伝説→レイド限定種→DLC追加一般ポケモン→DLC追加準伝&禁伝→DLC追加一般ポケモン→DLC追加パラドックスポケモン→DLC追加禁伝となっている。
とはいえ、ヒスイ地方除いて御三家が最序盤へ来るという法則は現在に至るまで続いている。
完成特典
シリーズによって異なるが、地方図鑑を完成、あるいはその地方に生息する全ポケモンを発見するとまるいおまもりが、全国図鑑を完成させるとひかりおまもりがご褒美としてもらえる。
まるいおまもりは育て屋でポケモンのタマゴが見付かりやすくなり、ひかりおまもりは色違いポケモンに出会いやすくなる。
また、ゲーム中のどこかにいるゲーフリスタッフへ完成した図鑑を見せると、そのスタッフが主人公を表彰してくれる。
なお、SMとソード・シールドには全国図鑑が存在しないため、おまもり入手方法も異なっている。
SVでも完成特典が存在するが、そこへ至るまでに規定数のポケモンを登録するとボールや進化用アイテムなどが貰えるシステムが存在する。
アニメでのポケモン図鑑
CV:三木眞一郎(無印・AGバトルフロンティア編・DP(コトネ・カズナリ用))/林原めぐみ(AG)/川上とも子(DP前期)/雪野五月(DP後期)/石塚運昇(BW・XY)/浪川大輔(サン&ムーン・新無印(コハル版))/マリナ・アイコルツ(新無印(ゴウ版))/堀内賢雄(新無印(サトシ版))/大谷育江(新無印(ロケット団版))/山下大輝(リコロイ編・所有者に関わらず一律である)
アニポケにおけるポケモン図鑑は、主人公が空白を埋めて行くゲーム版とは異なり、サトシ達が手にした時点で研究者達が集めた大半のポケモンデータが入力されており、図鑑を起動させると音声でそのポケモンの解説をしてくれるなど、文字通りの“ポケモン図鑑”としてトレーナーをサポートするためのアイテムとなっている。ゲーム版と同じく自分で操作して検索することも出来るが、ポケモンへ向けると自動検索してくれ、ロケット団のニャースが違うポケモンへ変装していても、瞬時に見分けることが出来る程の機能性を有している。解説は原作ゲームと全く同じとは限らず、アニポケ図鑑が初出設定も多い。
他にも手持ちポケモンステータスや覚えている技、アイテムの情報、トレーナーの心得なども収録されている。
一方で伝説のポケモンや幻のポケモンについてはデータが入力されていないか、ごく僅かなデータしか入っていないことが多い。この他、他地方ポケモンデータへ至ってはそもそも内蔵されていないことすらある。
メタ的にはゲームへ実装されているポケモンデータのみ掲載されているので、サトシはシリーズが更新されるごとにポケモン図鑑を機種変している(無印1話でホウオウ、AG最終回でエレキブルへ図鑑を向けても反応がなかったのはそのためである)。
現実世界と同じように端末には更新プログラムが内蔵されており、新種ポケモンが発見された際は、公衆型テレビ電話などで情報をアップデートすることが可能。
またこの図鑑は身分証明書も兼ねており、ポケモンセンターなどの公共施設利用や、ポケモンリーグ参加登録の際に役立つ。再発行は不可である。
所有者によってボディ色が異なる場合がある。
ちなみにポケモンからの干渉を受けて電源が切れることもあるらしく、ヒトモシが自分達の目的を悟られないために電源を切るという芸当を披露した。
ロケット団は該当する機器を持っていないため、コジロウが持っているポケモンカードで情報を探るというシーンがDP編で見られた。新無印編では新たにスマホロトムを得たため、ポケモン情報に不自由することはなくなった。
なお、劇場版でポケモン図鑑が使用される機会は殆どない。
初代で図鑑音声を担当した縁からか、ポケモンKidsTV「お休みポケモン図鑑」では三木眞一郎氏が読み聞かせを担当している。
アニポケのなりきり系玩具商品として初代の頃にメディアファクトリー、金銀編で株ポケへ移行してからはトミー(現・タカラトミー)よりリリースされシリーズ化している。
所謂電子玩具であり本家同様のポケモン図鑑機能の他にポケモンゲットや冒険モードなどゲームやアニメを再現した遊び、クイズや通信対戦、ミニゲームなどを内蔵している。
第7世代でロトム図鑑系にモデルチェンジしてからは液晶トイに変化し、第8世以降のスマホロトムからは電子端末系玩具の要素も強くなりサトシやリコロイなどアニメキャラとの交流などアニメシリーズのなりきり玩具としての側面も強化された。
また収録ポケモンに関しても剣盾以降は本編では実装されていないポケモンや形態も収録されるなど、玩具という形で本編未登場ポケモン関連を補完紹介する役割も担っている。
ポケスペでのポケモン図鑑
機能は概ね他のメディアと同じであるが、オリジナル設定として指紋認証機能、波動を放ち進化をキャンセルさせる機能、ポケモン達の感情の機微を見る機能が付いている。
また、現地図鑑から全国図鑑にアップデートするという流れも原作と同じである。
ただし、アニポケのように多数のトレーナーが持っているものというわけではなく、博士に認められた子供達が所有する一点物という扱いで、所有者を総称して「図鑑所有者」と呼ぶ。
この点でいえば、デジモンにおけるデジヴァイスに近い役割であるといえる。
因みに、表示された画面はゲームのものが使われている。
余談
図鑑の説明文に書かれている内容はビルでもぶっ壊すだのタンカーでも沈没させるだの近代兵器の攻撃でも平気だのとんでもない内容であることが多い。本当だったらクサイハナは出した瞬間敵も味方も失神し、カイリキーに殴られればジムの壁にめり込み、バンギラスが暴れた後には町がなくなっている。ポケモンの企画がウルトラセブンのカプセル怪獣のオマージュということもあって、怪獣染みた解説になるのは当然の成り行き…なのであろうか?中には伝承や噂の類を紹介しているものもあるため、信憑性が疑わしい時があるのはご愛嬌。
図鑑解説にやたら馴れ馴れしかったり、曖昧な表現が使われていたり、内輪ネタ臭い文があるのも、昔の怪獣図鑑では良くあること。古の特撮ファン御用達の勁文社の図鑑の例を挙げてみよう。モスゴジラの頂では「すみれの予言通りに現れた巨大蚊害獣。こんなのに血を吸われたら1回で干乾びるぞ!」という文が出て来たり、サビムシラーの頂では「人間の体内で成長する、迷惑な奴。糸縛りとサビ菌を使って攻撃を仕掛けて来る怪物28号。」という解説が出て来たりするので如何にポケモンがそういった文化の影響を受けているかが分かる(出典:英知出版刊「全怪獣怪人大事典上・中巻」(2003)より。原文ママ)。
ポケモンに必ず設定されている分類や足型も同様に特撮にルーツがあると考えられる。
というのも怪獣図鑑に記載されている各怪獣に個体名とは別に別名(種別)というものが設定されているからである(一部を除く)。
例えば、バルタン星人には「宇宙忍者」、ゴモラには「古代怪獣」などそれぞれの特徴や出自を表すものが付けられていると説明すればお分かりいただけることであろう。
初代の図鑑テキスト記入を担当したのはポケモンの生みの親である田尻智氏であり、曰く、実際にショッカー怪人やウルトラ怪獣を参考としたという。鳴き声なども参考とすべく、古本屋で関連書籍やソノシートを探し回ったとのこと。やはり、特撮ものに大きな影響を受けたのは間違いない様子。
参考までにテキストの元ネタと思われるものをいくつかピックアップして解説する。
- 「みみが よくて 1キロ はなれた ところで おとした はりのおとを みごとに ききわけられる。」
- 赤緑のピクシーの解説。「100m先に落ちた針の音をも聴き取る男!」(東映版スパイダーマンより)など「遠くで針が落ちた音を聞き取る」という設定は怪獣やヒーローの聴覚スペックを解説する際の表現として定番である。
- 「カラが ひじょうに かたく ナパームだんでも こわせない。こうげきするときだけ ひらく。」
- 「うすい ガスじょうの せいめいたい。ガスに つつまれると インドぞうも 2びょうで たおれる。」
- 「あたまは わるいが ちからが つよく こうそうビルも たいあたりで コナゴナに ふんさいする。」
- 「スーパーコンピュータより すばやく けいさんする ずのうを もつ。ちのうしすうは だいたい5000。」
近年の作品にはより現実の生物染みた解説というかブラック過ぎる解説が成されるもあり、賛否両論の的になることがある。ポケモン図鑑はあくまでポケモンの一側面を切り取った物である以上、解説がそのポケモンの全てという訳ではないという事には留意したい(図鑑では凶暴なポケモンとされるポケモンでさえ、トレーナーの指示をきちんと聞く)。
一部ではそうした図鑑説明は概ねその地方の文化やシリーズのテーマに合った内容になるがゆえではないか?という考察がある(例えば、第7世代であれば「生態系」に重きを置く、第5世代であれば「人とそのポケモンの関係」へ重きを置くなど。それでもやりすぎ感が否めない解説があるのも事実だが…)。
小学館コロタン文庫などより発売されている書籍版のポケモン図鑑ではゲーム内では明かされなかった設定を公開することもしばしば。
ポケモンSVでは1000の大台を突破したことで記念動画が公開された。
DLC『ゼロの秘宝』までで1025種類のポケモンが発見されている。
RTA種目にはポケモン図鑑完成というものもあるが、後発の作品では地方図鑑完成だけでも世界記録を狙うなら丸1日近く掛けることを覚悟しなければならない大仕事となる。
Pixixにおいて
単純にポケモン図鑑を描いたイラストや、ポケモン図鑑をパロディしたイラスト、ポケモンを一体一体、あるいは数匹描いていく企画に付けられる事が多い。
ゲームではシリーズが進むに連れてポケモン数が900種類以上も増えているため全種類集めるのは一苦労なのだが、pixivには全種描いてやろうじゃないかという猛者がいるので、そちらも併せて見て頂きたい。