基礎データ
全国図鑑 | No.1009 |
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ブルーベリー図鑑 | No.241 |
ローマ字表記 | Uneruminamo |
ぶんるい | パラドックスポケモン |
タイプ | みず/ドラゴン |
たかさ | 3.5m |
おもさ | 280.0kg |
せいべつ | 不明 |
とくせい | こだいかっせい |
タマゴグループ | タマゴみはっけん |
各言語版での名称と由来
言語 | 名称 | 由来 |
---|---|---|
日本語 | ウネルミナモ | うねる水面 |
英語 | Walking Wake | walk(歩く)+wake(航跡、引き波) |
ドイツ語 | Windewoge | winden(蛇行する)+Woge(波) |
スペイン語 | Ondulagua | ondular(波打つ、うねる)+agua(水) |
フランス語 | Serpente-Eau | serpenter(蛇行する)+eau(水) |
イタリア語 | Acquecrespe | acqua(水)+crespare(縮らす、しわを寄せる) |
韓国語 | 굽이치는물결 | 굽이치다(曲がりくねる、うねる)+물결(波) |
中国語(簡体字) | 波荡水 | 波荡(揺れ動く、波打つ)+水 |
中国語(繁体字) | 波盪水 | 波盪(揺れ動く、波打つ)+水 |
概要
初登場は『ポケットモンスター スカーレット』(第9世代)で、スイクンのこだいのすがたと思われるパラドックスポケモン。
名前の由来はまんま「畝る水面」から。古い探検記に記された水の怪物を元に名付けられたコードネームのようなネーミングで、どの言語もほぼ同じ意味である。
外見は一言で表せば恐竜になったスイクンといったところ。メタ的には豹がモチーフであるという大型のネコ科体型から一変して、前脚は小さく後脚は大きく発達した獣脚類然とした体型をしている。
特徴的な紫の鬣は一層ボリュームが増し、ライオンのように首の周りを覆う形になっている。
帯のような白く細長い2本の尾は、棘のようなヒレが並んだ太く荒々しい形となり、名を表すが如く波の様にうねる。
クリスタル型の角も、形状は大きく変わらないものの粗削りな感じで、生物が持つ角という質感がより強い。基部は横に大きく広がって己の大きさを誇示するディスプレイのようでもある。
総じてスイクンが持っていた優雅さや神秘性が薄れ、代わって野生味を前面に押し出していると言える。
以上の特徴は、とあるオカルト雑誌に記載されていた「超古代のスイクン」の姿を描いたイラストと酷似しているという。
一方で、水上を立って移動できるという能力はスイクンと共通しており、ゲーム中ではつれあるきやシンクロマシンの使用で確認することができる。
ジョウト地方においては、スイクンとは焼死したポケモンがホウオウの力を得て蘇った存在であるとされており、それより前の時代には存在していること自体があり得ない。
その伝承と明確に矛盾するウネルミナモは、まさに「パラドックス」の分類名に相応しい存在と言える。
ゲーム上の特徴
第9世代では『スカーレット』限定かつ絶対に色違いが出ない仕様になっていた。
『バイオレット』限定のテツノイサハと共に、当初は最低限の図鑑説明も作られておらず、ポケモンホームでも「生態"調査中"です」と表記されていた。
図鑑に関してはDLC「ゼロの秘宝・藍の円盤」配信時の更新で整備されている。
両者は後述する期間限定のテラレイドバトルでのみ登場し、期間外は対応ソフトであっても遭遇することさえできなかった。これを踏まえてか、ブルーベリー図鑑では「藍の円盤」の最終目標であったテラパゴスよりも登録順が後になり、両者が抜けていても完成扱いになるという、従来の幻のポケモンに近い措置が取られていた。
対戦での評価
HP | こうげき | ぼうぎょ | とくこう | とくぼう | すばやさ | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ウネルミナモ | 99 | 83 | 91 | 125 | 83 | 109 | 590 |
スイクン | 100 | 75 | 115 | 90 | 115 | 85 | 580 |
見た目通りの素直なタイプ構成で、単みずタイプであったスイクンが恐竜要素のドラゴンタイプを複合する形となっている。
一方ステータス的には、中速の耐久型から打って変わった高速の特殊アタッカーとなっている。
専用技として「ハイドロスチーム」を持つ。みずタイプの技でありながら、「日差しが 強いとき 技の威力が さがるどころか 1.5倍に なる」(原文ママ)という前代未聞の性能を持ち、「晴れパ」で強くなるみずタイプという稀有な個性になっている。
もちろんステータスと噛み合う特殊技で、とくせいもこだいのすがた恒例で晴れとの相性が良い「こだいかっせい」である。
ドラゴンタイプ側も「りゅうせいぐん」を筆頭に代表的な技は概ね揃えており、「かえんほうしゃ」まで完備する「晴れパ」の申し子のような存在である。
反面、スイクンが得意としていたこおりタイプの技は一切覚えず、他のサブウェポンは晴れで命中が落ちてしまう「ぼうふう」程度しか無いと、応用力には乏しい。
もちろん、「ぼうふう」は雨で強くなる技であり、「ハイドロスチーム」以下みず技も当然に強化されるため、「雨パ」に組み込んでしまっても強いが。その場合はより高威力の「ハイドロポンプ」なども選択肢に上がってくる。
懸念点は、登場した瞬間からトップメタと化したハバタクカミと同時代に生まれてしまったということ。「とくこう」「すばやさ」共に下回っており、「こだいかっせい」で補強しようにも先方も同じとくせいを持っている。
すなわち、まともにやり合っていたら普通に打ち負けて終わるのである。スイクンが使えていた「めいそう」が無いなど、他の補強手段にも乏しい。搦め手を必要とするのに正面突破する能力ばかり揃えてしまっている状態で、悪い意味でも素直すぎる。
上記の技範囲から、ハバタクカミに限らずフェアリータイプ全般に弱い傾向がある。ハバタクカミ以上に足が速く、「フリーズドライ」で4倍弱点を突いてくるテツノツツミあたりも厳しい。
手っ取り早い対策はテラスタルでほのおタイプになり被ダメージだけでも半減に抑えてしまうことだが、それもテツノツツミ相手では複合のみずタイプの方を2倍で通してしまう。そしてみずタイプへの有効打もやはり乏しいので根本的な解決にはならない。同じ理屈でマリルリやアシレーヌなども天敵と言える。
この複合の始祖であり、かつて「雨パ」のエースを担ったキングドラが時代が下るにつれメタに対応しきれなくなり使用率を落としていったにも近い構図と言え、過度の期待は禁物である。
また、仮にほのおタイプとして扱う場合、「だいもんじ」などの高威力技は持たないという点も引っかかってくる。サブウェポンとしては申し分無くとも、メインウェポン、それもテラスタルを切るエースとして見た場合は晴れ補正込みでも物足りなくなってくる。
これはみず技に「ハイドロスチーム」を採用した場合にも同じことが言え、あくまで「『晴れパ』としては」画期的な存在というだけである。純粋な火力指数ではより高いポケモンは既にいくらでもいる。
そうした点からも、エースアタッカーというよりは、どの天候にも一定の強みを持てる補完枠として見た方が良いだろう。
ちなみに「とくこう」と「すばやさ」の数値差の関係で、放っておくとせいかく「おくびょう」(「すばやさ」に上昇補正)であっても「こだいかっせい」で上がるステータスは「とくこう」になってしまう。
そのため「すばやさ」を上げたい場合は基礎ポイントを調整して「とくこう」を意図的に抑える必要があるのだが、上記の火力を更に下げることになってしまうというジレンマでもある。
あるいは、「りゅうのまい」が使えることとスイクンよりは高い「こうげき」を活かして、両刀型での育成を検討するプレイヤーもいる。先制技の「アクアジェット」や相手デバフの「ワイドブレイカー」など、物理技のレパートリー自体は悪くはない。
第9世代
2023年7月から始まったレギュレーションDでは、スイクンを始めとする過去の「準伝説」級やヒスイのすがたなどが軒並みランクバトルで解禁される中、ウネルミナモとテツノイサハのみは使用不可とされた。このあたりも幻のポケモンに近かったと言える。
両者の解禁は、タケルライコ・ウガツホムラなどの登場を受けた、翌年1月からのレギュレーションEを待たなければならなかった。
前述の懸念点から、シングルバトルよりも味方からのサポートを入れやすいダブルバトルの方が好まれる傾向があった。
ただ、ダブルバトルにしても、能力は優秀だが足並みを揃えにくいコータスか、足回りは近いが能力に不安のあるキュウコンかの二択になるという「ひでり」持ちのスペックの関係で、運用難度はそこまで低いわけでもなかった。
「こだいかっせい」持ちがこれだけ増えても「晴れパ」一強とはならず、「ブーストエナジー」による自力ブーストをかけるポケモンも後を絶たなかった理由でもある。
レギュレーションGでは、「ひひいろのこどう」持ちのコライドンが解禁され流行した関係で、シングルバトルでも動きやすくなった。
相手が展開する晴れにタダ乗りでき、それで「こだいかっせい」を発動させた上で「こだわりスカーフ」による2重の加速を図れたためである。そうすれば流石に先手を取れ、「りゅうせいぐん」で処理できた。コライドンはほのおテラスタルを切ってくることも多かったが、その場合には「ハイドロスチーム」が刺さった。
無論、コライドンはドラゴンタイプを持っており、相手の技をまともに受ければこちらが消し飛んだ。また、ハバタクカミらも同様の戦法が取れた。弱点技の間を縫うように立ち回らなければならないことには変わりがなかった。
テラレイドバトル
2023年2月28日0時〜3月13日の8時59分までの間、『スカーレット』でのみ☆5のレイドバトルが開催された。『バイオレット』ではポケポータルを経由することで参加できた。
同年5月1日~、12月25日~、翌年4月26日~の日程でも同様に開催された。
編集時点でそれらのみが本種との遭遇機会となっている。
なお、最強のテラレイドバトル同様、1つのデータにつき1体のみ捕獲可能とされていた。
初手から「にほんばれ」を使い、「こだいかっせい」を発動させてきた。
使用技は「ハイドロスチーム」「りゅうのはどう」「おたけび」「かえんほうしゃ」で、「おたけび」でこちらの火力を下げつつ、天候+とくせいにより強化された各種攻撃技で削ってきた。
ただし、☆7の最強シリーズに比べるとレベルが75と低く、特出した力も持たないため、レベル75以上のでんきタイプポケモンを用いれば勝利することは難しくなかった。
特に、一斉にミライドンを持ち出して「イナズマドライブ」を連打すればゴリ押しもできた。
あるいはとくせい「でんきにかえる」のハラバリーで「パラボラチャージ」を連打するといった方法もあった。
攻撃は特殊技一辺倒だったので「ひかりのかべ」を持っておくと万が一の事故も防げた。また「ゆきげしき」を使うと一気に弱体化させられた。
どのボールを使用しても確定で捕獲できる本作のレイドの仕様から、いわゆる「オシャボ」での捕獲を狙うプレイヤーも多かった。視覚的にもタイプ的にも相性の良いダイブボールやルアーボールが特に人気が高かった模様である。
なお、当初はウネルミナモではなくタマゴを入手してしまい、ウネルミナモを捕獲できなくなるバグが発生していたが、2回目の開催までに修正され、以降はタマゴを受け取ってしまったプレイヤーも改めて捕獲できた。
余談
RTA界隈では「ヘビスイクン」や「筋肉スイクン」というネタがあり、「スイクンのような新種」ということで本種の登場に合わせてそれらのネタも再ブレイクしていた(参考1 参考2)。
関連イラスト
関連タグ
ポケットモンスター ポケットモンスター(架空の生物) ポケモンSV
ポケモン ポケモン一覧 みずタイプ ドラゴンタイプ 複合タイプ
図鑑番号順
1008.ミライドン(テツノオロチ)→1009.ウネルミナモ→1010.テツノイサハ
同複合タイプ