概要
『Pokémon LEGENDS アルセウス』から登場する、ヒスイ地方の環境に適応して「リージョンフォーム」となったポケモンの姿を指す言葉。
リージョンフォームが見つかっていたアローラ地方、ガラル地方は完全に新しい地方だったが、ヒスイ地方は大昔のシンオウ地方。これまでは新しい地方にしか見られないと思われていたリージョンフォームが過去作の地方にも存在する、という新しい可能性を示した。
今までのリージョンフォーム以上に、特異な容姿をしているポケモンが多い。厳寒の大地という厳しい環境ゆえか、野性味あふれる荒々しい姿の物が多く、体色も白・黒・茶色といった派手さの無い地味な色が多用され、全体的に未開の大地に跋扈するアウトローやダークヒーローといった雰囲気を漂わせるデザインになっている。表情も暗めでジト目や目付きが鋭い種が多めである。
基本的には今までの例に漏れず、原種がヒスイ地方の環境によって変質したものと図鑑説明で語られており、この時代から既に他の地方では従来の姿で生息していた模様。
該当するポケモンも、ウォーグルなど現代では別地方にしかいない種もいれば、ニューラなど異なる姿で現代のシンオウ地方に生息している種もおり、出現しなくなった理由については諸説ある。
特殊な条件下でのみ出るガーディや、他地方から来たバクフーン等、生息か否か曖昧な種もいるが、それらもヒスイのすがたとして現代のシンオウに現れたり生まれてくる事はない。
現実に置き換えて考察するならば、環境の激変や、人間の入植や外来種の侵入により住処を追われ個体数が減った(若しくは進化できなくなった)、所謂『天然記念物』やレッドデータ(絶滅種)と言ったところか。
ポケモン一覧
No | ポケモン(原種) | リージョンフォーム |
---|---|---|
058 | ガーディ | ヒスイガーディ |
059 | ウインディ | ヒスイウインディ |
100 | ビリリダマ | ヒスイビリリダマ |
101 | マルマイン | ヒスイマルマイン |
157 | バクフーン | ヒスイバクフーン |
211 | ハリーセン | ヒスイハリーセン |
215 | ニューラ | ヒスイニューラ |
503 | ダイケンキ | ヒスイダイケンキ |
549 | ドレディア | ヒスイドレディア |
550 | バスラオ | しろすじのすがた(ヒスイバスラオ) |
570 | ゾロア | ヒスイゾロア |
571 | ゾロアーク | ヒスイゾロアーク |
628 | ウォーグル | ヒスイウォーグル |
705 | ヌメイル | ヒスイヌメイル |
706 | ヌメルゴン | ヒスイヌメルゴン |
713 | クレベース | ヒスイクレベース |
724 | ジュナイパー | ヒスイジュナイパー |
その他
いずれの進化先ポケモンも以前同様、厳密には「リージョンフォーム」に含まれない。
- ヒスイのすがたから進化するポケモン
「ガラルのすがた」同様原種にはない進化を遂げるポケモンがおり、カモネギ→ネギガナイトのようにヒスイのすがた独自の進化もあれば、ニャイキングのように原種とは異なる進化もある。
形式 | 進化前 | 進化先 | 備考 |
---|---|---|---|
追加 | ヒスイハリーセン | ハリーマン | 原種ハリーセンは進化出来ない |
分岐 | ヒスイニューラ | オオニューラ | マニューラに進化出来ない(逆も同じ) |
追加 | バスラオ(しろすじのすがた) | イダイトウ | あかすじとあおすじのバスラオは進化出来ない |
- ヒスイ地方で独自に進化したポケモン
ヒスイ地方では、今までの作品では見られなかった更なる進化形を持っていた種族が判明した。これらは追加進化とされる。
現代で進化出来なくなった理由は不明だが、少なくともオドシシについては環境や生態系の変化や生存競争の減少によって種全体の進化能力が衰退した事がSVの図鑑で示唆されている。
- バスラオについて
バスラオのしろすじのすがたは、ヒスイ時代の学会見識=ヒスイ図鑑ではリージョンフォームと定義されていた。
しかし元より名義に「ヒスイのすがた」が含まれていなかった他、SV以降ではタマゴの仕様がリージョンフォームのものと明確に異なっており、リージョンフォームには当て嵌まらない(進化後のイダイトウも同様)。
更に近年では「生態があまりにも異なるためバスラオと別種ではないか」という説が有力視され始めている模様。
しかしガラル三鳥と同様、現時点では確証がない為か、公式では現在でも一応(暫定的に)リージョンフォームの扱いである様子。
呼称についても基本的に「しろすじのすがた」や「しろすじバスラオ」が一般的だが、ポケカ等一部媒体では「ヒスイバスラオ」表記の場合が有る。
ポケモンGO
発売の2日後にヒスイビリリダマが実装。
また、2022年7月27日から開始のヒスイイベントにて、ヒスイガーディ、ヒスイニューラ、ヒスイハリーセンおよびこれらの進化形が追加実装された。さらに、イベント期間中に行われるイベント「レイドデイ」でヒスイウォーグルとヒスイクレベースが実装された。
他のヒスイのすがたも今後何らかのイベントで順次実装されていくものと思われる(ただし、特殊な出現条件を設定されたゾロアのような例もあるため、すべてのヒスイのすがたがそろい踏みするのはまだまだ先になるものと思われる)。
上記のように現在では生息していないはずのヒスイのすがたがなぜ突然姿を現したり卵から孵るようになったかについてはゲーム中でもはっきりとした理由は語られていない。
一応、ヒスイビリリダマに関しては、「GOロケット団が調査中の謎の遺跡の扉を、膨大な電気エネルギーで無理やり開けてしまった」ことと関係があるのではないかとウィロー博士は推察しており、同時に、あの幻のときわたりポケモンも何かしらの関与をしたのではないかと仄めかしている。しかし、どちらの説も決定的な証拠があるわけではなく、推測の域を出ていないのが現状である。
また、2022年11月のコミュニティ・デイではヒメグマが対象に選ばれ、ガチグマへの進化も同時に解禁された。メインシリーズでは、現在の時間軸においてリングマからガチグマへの進化の発生は確認されていないが、もしかすると『ポケモンGO』の世界では、メインシリーズではヒスイ地方独自の進化形とされていた種が、現在でも条件さえ満たされれば普通に進化可能で出現することがあるということになっているのかもしれない(実際、ウィロー博士は主人公が進化させたガチグマを目にした際、「この辺りでは見かけない」と発言しているが、裏を返せば現在もどこかでガチグマが生き残っているとも言える)。
現在では、ヒスイニューラがGOロケット団に捕らえられてシャドウポケモンにされるという事案まで発生している。訳も分からないままに別の時代に飛ばされた挙句、悪人に捕まえられて悪事に加担させられるとは何とも気の毒な話である。
他シリーズとの連動について
ポケモン剣盾/ポケモンBDSP
ヒスイのすがたを持つポケモンの原種はニューラを除いて当作には連れていけない(この他にリージョンフォームと原種が両立できるのはロコンとキュウコンのみ)。
これは本作の同期である『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』も同様である(あちらはそもそもリージョンフォームのポケモンが連れて行けない)。
ポケモンSV
Pokémon HOME経由で、時空を超えて転送可能と公式サイトで明言されており、実際にヒスイゾロアークやバサギリを連れている様子も掲載された。
その後ヒスイゾロアークが、DLC『ゼロの秘宝』の早期DL特典として一足早く解禁。
そして2023年5月30日~31日に行われたアップデートにより、『スカーレット・バイオレット』と連動できるようになったことで(ヒスイのすがたを持つポケモンの原種はHOME解禁前の時点で(ほぼ)全てパルデアにいた事もあり)ヒスイのすがた全種がパルデアに入国できるようになった。
ヒスイのすがたやヒスイ地方独自の進化形は、現時点では進化条件を満たすことが出来れば『スカーレット・バイオレット』内でも進化可能な種もいれば、ヒスイ地方(『Pokémon LEGENDS アルセウス』内)に連れて行かないと進化ができない種もいる。
『Pokémon LEGENDS アルセウス』ではゲームシステム上特性は存在しない為、ヒスイのすがたを始めとした同作初出のポケモン及び形態も、本編作品に登場できた場合の特性は当初不明となっていた。
一応、HOME内では裏データとして用意されていたらしいが、正式に預けられる様になったアップデート後には非表示に修正され、『スカーレット・バイオレット』発売にあたって変更が成された。御三家の特性を見るにHOMEに対応させる為の仮付けということだったのだろうと推測される。
また、このように初出の作品には特性やタマゴ(=孵化厳選)の概念が存在しなかったが、『スカーレット・バイオレット』に転送してからヒスイのすがたの♂と隠れ特性の原種の♀の組み合わせ(例としてヒスイガーディ♂と隠れ特性の原種ガーディ♀)で孵化させれば隠れ特性は入手できる。その場合、ヒスイのすがたにかわらずのいしを持たせるのを忘れずに。同種だった場合はついでにボールも遺伝できることもある。
ただし、ヒスイビリリダマ等一部の種の隠れ特性はとくせいパッチを使わないと手に入らないので注意。
そして、DLC「ゼロの秘宝」ではキタカミの里にしろすじのバスラオやイダイトウ、ガチグマの生き残りの生息が確認でき、サザレの相棒としてヒスイガーディも登場した(サザレの台詞でヒスイウインディについても言及している事から、ヒスイウインディも確認できないだけで生き残りが居る可能性は高い)。
続くブルーベリー学園のテラリウムドームでも、バサギリやヒスイハリーセンが放し飼いされている。
また、テラスタルの結晶による効果か、或いは生き残りが居たのかは不明だが、パルデアやキタカミの里にヒスイビリリダマやヒスイヌメイルの出現も確認されている。
この為、かつてヒスイに生息していたポケモン達が完全に滅びた訳ではなく、「最盛期と比べて大きく数を減らしたものの、絶滅せずに今も生き延びている」という現状が、物証のある事実として判明している
ただし詳細な現状が公式で明言されている訳では無いため、特に二次創作などではその描き方にも作者によって個人差が出ることが多い。
過去作のリージョンフォームを次世代にも連れていけるというのは『ソード・シールド』にも見られたことなので、それ自体は問題ないのだが、ヒスイのすがたは上記の通り現代では絶滅危惧種であり、そんな希少な生物を平然とバトルに繰り出したり連れ歩いたりしているのに誰もツッコまないのは不自然ではないかという指摘の声もある。
現実世界で例えるなら、一般人がドードー(ポケモンではない)やニホンオオカミ、オオツノジカ等の絶滅動物を散歩に連れ出したり自宅で飼育したり、果ては繁殖させたり逃がしているようなものである。発覚したら大騒ぎになることは想像に難くないだろう。
尤も、シリーズでは同じく絶滅種とされる化石ポケモン(こちらは近年では理由は不明だが野生化した個体が出現している)はもちろん、伝説のポケモンや幻のポケモンを連れていてもNPCはこれといった反応を示さないことが多いので、ゲームの仕様上仕方ないと言ってしまえばそれまでなのだが…。
余談
当初から『過去の時代であるヒスイの姿が原種で、環境が変わった、人との距離が近くなったなど、なんらかの理由で今のポケモンに姿を変えていったのではないか』とする考察が多く見られている。
殆どは発売後の情報によりNOと断定されたが、ビリリダマの様に明言されていない者もいる。
たしかにガラルジグザグマのようにリージョンの方を原種とする例は既に存在し、実際の植物の原種がまるで違う姿という例も非常に多く、あり得ない話ではない。
しかしあくまでファンによる推測・考察の域を出ておらず、これが正しい!とまだ声高に話せない話題である。
その手の異解釈を嫌い、敏感となるファンも普段以上に見受けられるため、話をする際は要注意。
現在では殆ど見られない絶滅危惧種という設定のためか、メディア作品にはほぼ出られていない(サザレのヒスイガーディや六英雄のバサギリなどの一部を除けば、専用企画の『雪ほどきし二藍』『神とよばれしアルセウス』の二作のみ)。
それと比例する形で、モンコレやポケモンキッズといったグッズ展開も遅延気味というやや不遇な立ち位置でもある。
全系統がそれぞれの専用技(もしくは他に1系統しか覚えない準専用技)を持っていたのが特徴。
このうち、ぶちかまし・だいふんげき・ウェーブタックルはシンオウ御三家も習得する。
また、いくつかのわざは『スカーレット・バイオレット』で原種をはじめとする他のポケモンも覚えることができるようになった。