概要
伝説のポケモンであるフリーザー、サンダー、ファイヤーのガラルのすがた。
『ポケモン剣盾』の追加コンテンツ「冠の雪原」から登場。初の無性別及び伝説のポケモンのリージョンフォームとなる。
元の通称が三鳥な為こう呼ばれているのであって、非公式の名称であることには注意。
何十年かに一度、ガラル地方のカンムリ雪原に姿を現すという3匹の渡り鳥ポケモン。
前述の通り、その容姿からそれぞれフリーザー、サンダー、ファイヤーとされている。
……が、従来のリージョンフォームが「既存の種の各地方独自の姿」であったのに対し、この3匹の場合は「見た目から三鳥だとされてきたが、最近では同種ではない可能性も示唆されている」という設定を持つ。
より黒いカラーリングが目立つ見た目もさることながら、性質も原種とは大きく異なっており、フリーザーは冷徹かつ冷淡、サンダーは気性が荒く好戦的、ファイヤーは傲岸不遜と、何かと性格に負の側面が見受けられるのも特徴。
3匹の仲も割とギスギスしているようで、ストーリー中ではボールレイクの島に有るダイ木に成っている巨大な実を食べるファイヤーをサンダーが襲撃、そこにフリーザーが不意打ちをしかけ、ダイ木の実を賭けて三つ巴の戦いが始まる直前となった。
しかし、近くにいた主人公のスマホロトムが突然鳴り出し、興が削がれた3羽は戦いを止め、方々へ散っていった。
戦闘BGMが汎用のものだった原種三鳥とは異なり、ガラル三鳥は専用の戦闘BGMを持っている。
全体的に騒がしく掴みどころのない、どこか胡散臭さを漂わせる曲調であるが、サビのパートはストレートにカッコよさを感じさせるようにもなっている。
総じて、色々な意味で実にガラル三鳥らしいBGMに仕上がっていると言える。
一覧
ひこうタイプ持ちなのは今までの三鳥と同様だが、他のリージョンフォームと同様、複合しているタイプが変更されている。
だがその結果、なんとこおり、でんき、ほのおが消失し、属性そのものを表していた名前と無関係のタイプに変化している。
元のタイプの攻撃技も何一つ習得せず、氷・雷・炎の要素も、それぞれの能力や体質が「それっぽく見える」紛らわしいもの。
サンダーとフリーザーに至っては名前が意味する元のタイプに弱くなる何とも奇怪な事になり、これらの要因ゆえ、彼らは亜種から別種だと考えが改められたのかもしれない。
また、図鑑説明では「ながいしっぽがたなびいて とんでいくすがたは すばらしい」といった風にひこうタイプであることが強調されがちだった三鳥とは逆に、翼で精神攻撃をする、空中浮遊しているので翼を使用しない、そもそも陸上特化で飛べないと言った感じで(特に後者2匹は)設定面で「飛ばない」ことが強調されている。
但し3匹とも跳ぶ又は浮遊する事は可能なためか、わざマシンでそらをとぶを覚えられる。
なお、色違い個体は原種三鳥とそっくりそのままのカラーリングになる。
この事から最初に確認された個体が全員色違いだった為、より勘違いが深まったのではという説も出されている(天文学的な確率の話になってしまうのだが)。
ゲーム上における特徴
シリーズでは久々となる徘徊型伝説ポケモン。
「ダイ木の丘」でのイベントが発生すると、フリーザーはカンムリ雪原に、サンダーはワイルドエリアに、ファイヤーはヨロイ島にそれぞれ出現し、マップ上を徘徊するようになる。
厳選したい場合には、性格や個体値(V)の並びがフィールド上で最初に遭遇した時(より厳密にはマップが切り替わって鳴き声が聞こえた瞬間)に固定されてしまう事に注意しなければならない。
個体値は事前にセーブしてからピオニーから渡されるマスターボールで捕獲して確認するのがおすすめ。変更したい場合は一度マップを切り替えて遭遇し直そう。
一方、性格に関しては、同作に登場する他の伝説(剣盾姉弟やレジ系など)とは異なり、マップ上でシンボルエンカウントする形式を取っているためなのか、特性「シンクロ」の効果で後から上書きすることが可能。このため、実質的には個体値の配分にさえ気を付けていればよい。
これらを覚えておくと厳選が多少は楽になることだろう。
また、シンボルエンカウントだからなのか稀に証を持っていることもあり、一部の廃人の間では性能そっちのけで証厳選に躍起になっている者もいるらしい…。
色違いはブロックルーチンがかかっているため、通常プレイでは入手不可能であり、「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022」の参加賞としてのみプレゼントされる。なお、貰う条件としては勝敗のつくバトルを3回以上する必要があるので注意。
ポケモンGO
2022年7月26日、新アイテム「おさんぽおこう」が抽選先行実装され、それを使った一部トレーナーの元に3羽とも野生で前触れなく出現。
所謂サイレント実装という形で、原種の様なレイド方式ではなく、おさんぽおこうを使っている間のみ3羽のいずれかに超低確率で遭遇できる。
しかし仮にも伝説ゆえ、捕獲率はレイドより低い…どころか捕獲に失敗すると超高確率で逃げられる為、一度や二度のチャンスで捕まえるのは至難の業。
一応、おさんぽおこうは毎日一回ずつ使える仕様にはなっており、日常的に使っていればその分捕獲・入手できる可能性も高まるだろう…と思うだろうが、そう甘くはない。
上記のようにそもそも出現率自体が極めて低く、1週間に一度どころか運が悪ければ1ヶ月に一度も会えないなんてこともザラ。1匹ですらこの有様なのに「他の2匹は最低でも一度は見たが、1匹だけは未だに見た事すら無い」プレイヤーも結構いたりする(例えば「サンダーは比較的多く、次点はフリーザー。ファイヤーは一度も見た事が無い」など)。
しかも、せっかく出会えても相当運がよくなければ捕まえられないというオマケつきである。きんのズリのみを食わせてハイパーボールを投げた場合ですら、比較的困難とされる「逃げ足の早いケーシィを一発でゲットする」方が楽にすら思えるほどの理不尽さである。
運良く捕獲に成功したとしても、3匹とも覚える技はどれも微妙なものばかりな上、野生個体としての扱いになるため、個体値もピンキリ。とてもではないが、実戦向けの個体など入手できる状況ではない。上記の入手難易度を鑑みての措置とも考えられるが、割に合わないのは違いない。
総じて出合いにくい・捕まえにくい・戦力として使えないの三重苦に見舞われており、サイレント実装によるサプライズという面以外では好評とは呼べない状況にある。
原作ではフィールドを徘徊するというやや面倒な仕様こそあったもののそこまで理不尽な入手難易度に設定されていたわけではなかったこと、これまで伝説のポケモンは必ずレイドボスとして登場しており、それなりに手間暇をかければ誰でも平等に入手ができていたのに、何故かガラル三鳥ではそれができないことも反発が強まった原因となったのだろう(とはいえ、安易にレイドボスとして実装してしまうと、おさんぽおこうの存在意義がなくなってしまうため、そう簡単にボスとして登場させるわけにもいかないのだろうが…)。
なお、運良く捕獲(ないし交換)できたとしてそれを相棒にしているとゾロアがその姿で出現してしまい、おさんぽおこうで出た場合は判別がつきづらいので注意。
2024年10月4日からは色違いも実装されている。ただでさえ出現率が低すぎるというのに、色違いを見つけるのは至難の業である。幸い、色違い個体は捕獲率は据え置きなものの、基本逃げ出したりはしないので、捕獲難易度は通常と比べると格段に下がっている。図鑑埋めだけをしたい人はこちらの色違いを狙うといいだろう。しかし上述の通りガラル三鳥の色違い個体は通常より低く、下手すれば半年どころか、1年以上も見つからない可能性もある。そのため、完全に捕まえやすくなったとは言い難い。とはいえ、図鑑埋めのために(ボール及びきのみ不足にならない限りは)マスターボールを使う必要が多少無くなったとも言えるだろう。
余談
全体的にダークなイメージとなった点には、ガラルの一部ポケモンのモチーフではないかとたびたび話題に上がるケルト神話を参考にアレンジをしたのではないかという説が上がっている。
ケルト神話には死と戦いの女神三姉妹「モリグナ」が登場するが、彼女らはカラス、すなわち黒い鳥の姿で戦場へ出現して闘争を煽るとされている。
先述の別種疑惑については、現実世界に目を向けても『地域による個体差だろう』と思われていた生物を遺伝子から調べたら実は別種だったと判明するのはよくあること。
そのため、世界観としては所持者どころか野生の個体との邂逅すら極めて難しい彼らを、リージョンフォームであると仮定してしまっても仕方がないとする意見も多い。
実際、後のウミディグダ、ノノクラゲ、チャデス等は、然程珍しくなく研究が進んだ結果別種と断定されたが、絶滅危惧種である白筋のバスラオは同様に別種疑惑が上がるのみとなっている。
発表当初は、ガラル三鳥の全員が強力なミミッキュとタイプ相性の悪い事が心配されていたが、いざ蓋を開けてみるとガラルファイヤー、ガラルサンダーは独自の強みを見出され、しっかり実績を残した。
というかガラルサンダーに関しては、ミミッキュよりも原種サンダーの活躍に存在を食われてしまった感があり、思わぬ伏兵に足をすくわれることになった。
また図鑑分類が3匹とも「く」で終わるという共通点がある。「れいこく」(ガラルフリーザー)、「けんきゃく」(ガラルサンダー)、「じゃあく」(ガラルファイヤー)。
関連タグ
古代三聖獣、未来三剣士:続例となる「既存伝説のそっくりさん達」で、こちらは別ポケモン扱い。
ポケモンXD:終盤でダークポケモンとなったサンダー、ファイヤー、フリーザーとの戦闘がある。
イャンガルルガ:モンスターハンターに登場するモンスター。見た目等からイャンクックの亜種だと思われていたが別種の生物であると判断されたという特徴、オリジナルと比べて攻撃的な性格がガラル三鳥と似ている。