霊鳥の方はフェニックスへ。
概要
不死鳥であるフェニックスも後のヨーロッパでは、ソロモン王が召喚した悪魔の一体とされ、グリモワールにも記載された。
『ゴエティア』では「フェイニクス(Pheynix)」ともいう。『ゴエティア』刊本の一つでアレイスター・クロウリーとマクレガー・メイザースが編纂した『ソロモンの小さな鍵』ではフェネクス(Phenex)と表記される。
上記のフェネクス呼びや、『ゴエティア』『悪魔の偽王国』で「鳥のフェニックスのように現れる」と書かれていることからフェニックスと区別されることもある。
しかしながら、『ゴエティア』の他の版・写本や、その他の悪魔学関連文献ではほぼフェニックス呼びで通っている。姿に関しては「鳥のフェニックスのように現れる」とあるがフェニックスは悪魔なので姿形を変えられることと、別物に化けたフェニックスが人前に現れ、そのありさまがフェニックスに酷似してたからとも解釈できる。
ソロモン72柱を参照しつつ「フェニックス」のほうをキャラ名に採用する『メギド72』のようなフィクション作品もある。
『ゴエティア』では37番目、『悪魔の偽王国』では68番目に記載される。『ゴエティア』によると、地獄の20の悪霊を率いる大いなる侯爵とされる。
『悪魔の偽王国』では現在率いている軍団数は記されず、後述の座天使への復位後に20の軍団を率いたいと望んでいる、とされている。
唯一神教であるヘブライ文化における異教の神を悪魔として扱う流れの影響で、西方キリスト教世界においてフェニックスを悪魔化したものと言われている。その一方でキリスト教徒はこの鳥を再生のシンボルともみなし、教会などの装飾に用いたりもしている。
フェネクスは子供のような声で話すという。詩作に優れており、話す言葉も自然に詩になるが、召喚者側は彼自身はそのメロディに注意を払っていない事を踏まえておく必要があるという。
人間の姿になった時、彼は全ての驚嘆すべき科学についての質問に見事に答えてみせるという。
『ゴエティア』によると、彼はソロモン王に1200年後に第七座天使の座に戻る事を望んでいると伝えたという。『悪魔の偽王国』ではソロモン王にそれを言ったとは書かれておらず(執筆当時の)現時点での望み、ともとれる文章である。
『地獄の辞典』ではこの「第七座天使」のことは「座天使の第七の団(septième ordre des Trônes)」と解釈されている。
創作でのフェネクス
『アルカナハート』のフェネクス
犬若あかねの契約アルカナ。姿は伝承通り巨大な鳥。
音を司るアルカナで、彼女の歌声に惚れ込み力を貸している。
『機動戦士ガンダムUC』のユニコーンガンダム3号機フェネクス
『機動戦士ガンダムUC』の主な舞台となる宇宙世紀0096年以前の、宇宙世紀0095年12月3日。「袖付き」の新型ニュータイプ専用機「リバウ」との交戦にて本機が運用された際の物語を描く、「ガンダムフロント東京」内の「DOME-G」にて2013年8月3日より公開された映像作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』に登場。詳細はこちらへ。
『機動戦士ガンダムNT』のフェネクス
小説およびUC-MSVにしか登場していなかったユニコーンガンダム3号機が、劇場公開アニメ化にあたって、宇宙世紀の“正史(アニメ展開)”に対して辻褄が合うよう、設定の改変を受けたバージョン。
詳細はこちらへ。